アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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55話 夏休み

 

 

ナズナに着いて周りマージン領の視察をしながら不正受給の証拠を集めていると、なんか真っ黒黒で逆に清々しいぐらいの結果が得られたが、今 事を起こす事は出来ないので、報告書と証拠物をナズナに提出だけする事に決めた

 

それからヴィオレッタの気色悪い猫撫で声で媚を売り続けるのを我慢したナズナは帰宅した頃には疲弊して、珍しくソファーに横たわり暫く動かなくなってしまったので、疲労回復効果のある薬草茶を入れてローテーブルへ置いて優しく見守る

 

 

「はぁ・・・ヴィオレッタではなく、お前が婚約者だったらならば こんな苦労も無かったのだろうな・・・」

 

「殿下、お疲れ様です。 疲労回復効果の薬草茶を淹れましたので飲んでください」

 

「あぁ、すまない」

 

 

相当疲弊している様で、訳の分からない事を口走るナズナに さっさと薬草茶を飲め(意訳)と言い飲ませる

 

とりあえず世迷言だろうから追求しないでおこう、追求してもお互いの為にならないだろうしな?

 

 

そんなこんなナズナを介抱したり色々として次の日から学生生活に戻りチャールとリリウムと騒がしい日常を過ごして、あっという間に7月の下旬に差し掛かり夏季休暇へ突入して、俺達は約3ヶ月ぶりに王城へ帰還して更に1週間程 の時が経過し

 

 

「明朝、避暑地へ行くからな」

 

「かしこまりました殿下、しかしながら もう少し早く教えて欲しかったです」

 

「すまん、毎年同じスケジュールだったから伝え忘れていた」

 

「次からはお願いしますね?」

 

「あぁ」

 

 

ナズナの執務室で、彼は山積みの仕事を消化しながら私に何気なしに言って来たので快諾しておいて、苦言を呈しておく

 

報連相は大切だからな、うん

 

そんなこんなナズナの側に控えつつ分身を使いナズナの荷造りをする、まぁ言うても そう大変でも無いから分身1体で足りるレベルだから良かった

 

 

俺自身の荷造りは特にする必要も無い、インベントリに突っ込んだままの荷物も結構あるしな?

 

いやはや本当にインベントリは便利だと思う、インベントリ内だと時間経過しないから物が劣化しない

 

だから、熱い物は熱いまま、冷たい物は冷たいまま、腐りやすい物は腐らず新鮮なまま だから凄く便利だ

 

 

それから爆速で仕事を終わらせるナズナを労ったりして過ごし、明朝 俺達は王城の入り口前の広場に立っている

 

「晴れて良かった、雨の中の移動は護衛の親衛隊にはキツイだろうからな」

 

「視界も悪くなりますし、道もぬかるむ場所も有るかもしれませんしね?」

 

「そうだな」

 

 

夏真っ最中とあり、半袖シャツ姿のナズナの言葉に同意しておく、雨の中の移動とか 俺はしたくないしな?

 

夜が明けたばかりというのに忙しなく出発の準備をしている親衛隊の人達や使用人の人達を横目にナズナの側に控えておく、俺の仕事はナズナの護衛だし

 

 

「おはようございます 兄さん、カヅキ」

 

「おはようございます ナズナ殿下、カヅキさん」

 

「あぁおはよう、ユキヤ オリヴィエ」

 

「おはようございます ユキヤ殿下、オリヴィエ副隊長」

 

 

相変わらず仲のいい様子でユキヤとオリヴィエが現れ俺達に挨拶して来たので返すと

 

「今日から別荘まで私とユキヤ様は、貴女方と同乗しますので よろしくお願いしますね?」

 

「分かりました、よろしくお願いします」

 

 

オリヴィエと握手を交わして意思疎通をしておく、もしもの時は 周りの親衛隊隊員に任せよう、俺はナズナの専属護衛だしな

 

まぁ影識神を使った支援ぐらいはするけど

 

 

「おはよう諸君、ご苦労」

 

「出発の準備は整っています、陛下」

 

「分かった、全員乗ったら出発しよう」

 

「御意」

 

 

謁見した時程 煌びやかな装いではないが、しっかりとした高級品を身に纏った国王が現れ、赤紫の髪色をした美女へ話しかけて2〜3言会話をして自身の馬車へ乗り込む

 

 

「彼女が親衛隊の隊長 ニーナ隊長です、カヅキさんは親衛隊に所属していませんし、初対面ですね」

 

「そうですね、基本的にナズナ殿下の側を離れませんからね、私は」

 

 

俺がニーナ隊長を推測っている事に気づいたらしいオリヴィエに説明されたので答え

 

「ナズナ殿下、少し離れます」

 

「あぁニーナに挨拶しに行くんだな? 行ってこい」

 

「はい」

 

 

ナズナに断りを入れてから俺はニーナ隊長へ歩み寄り

 

「お疲れ様です、ニーナ隊長」

 

「ん? あぁお疲れ様・・・誰だ? あ、いや ナズナ殿下の専属護衛の・・・確かカヅミだったかな?」

 

「惜しい、私はカヅキです」

 

「あぁカヅキか、すまない」

 

「いえいえ、お気になさらず」

 

 

ニーナ隊長へ声をかけると、一瞬 誰だ お前 みたいな表情をして、すぐに俺の胸元のラペルピンを見て思案顔をし、絶妙に惜しい名前間違いをしてくれる

 

いや、本当にあと1文字で正解だったからマジで惜しい

 

とはいえ、やはり王太子の専属護衛ともなれば、城勤めの人達には名前が知られている様で、スムーズに話しが出来ているのは助かる

 

まぁこんな親衛隊や近衛隊の隊員で溢れた場所に不審人物が歩き回れる訳もないし、当たり前っちゃ当たり前かもしれないけども

 

それにしても馬の数も馬車の数も多いな、いやマジで

 

 

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