アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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57話 なんか懐かれたんだが

 

 

なんか認識にズレを感じながら会話をして、各々 所用を済ませてから馬車へ戻ると、先程まで眠そうだったハルトが元気になって お付きのメイドを連れて駐車場を歩き回っていた

 

「あの様子だと、目が覚めてしまった様ですね」

 

「そうだな、まぁ仕方ないだろう」

 

「そうですね」

 

 

これでも子供の味方をすると決めているので、子供には優しく生暖かい目で見ておく事にしナズナと会話をすると

 

「にいさま〜」

 

「どうした? ハルト」

 

「このひとは〜?」

 

「カヅキの事か?」

 

「うん」

 

少し前と同じ様にトコトコとナズナの元へやってきて彼を見上げてハルトは ふにゃふにゃ した幼児特有の喋り方をして尋ねてくると、ナズナが少し驚いた様子でハルトへ尋ねると、彼は肯定する

 

なんでナズナは驚いているんだ? 分からん

 

 

「彼女は俺の専属護衛のカヅキだ」

 

「ハルト殿下 お初にお目にかかります、ナズナ殿下の専属護衛を務めさせていただいているカヅキと申します、以後お見知りおきを」

 

「かづきちゃん、よろしくね〜」

 

ナズナの紹介に応じて、キチンとハルトへ挨拶をすると 彼は にぱー と笑み言う、やはり子供は笑顔が1番だな、間違いない

 

 

「ハルト、そろそろ出発の時間だから 親父達の馬車へ戻るんだ」

 

「やだー、もっと かづきちゃんと おはなしする!」

 

「ユキヤ、すまないが義母上を呼んできてくれ、多分 俺の言う事は聞かない」

 

「分かりました、少し待っていて下さい。兄さん」

 

 

懐中時計を確認したナズナがハルトへ言うが、流石は2歳児 と言うところでイヤイヤ期真っ只中の様で、ワガママを言う

 

まぁまだ可愛いワガママの方なんだろうけど

 

ナズナは判断が早く、ユキヤにハルトの母親である正妃を呼んでくる事を頼み 苦笑する

 

普段比較的無愛想なナズナだが、歳の離れた弟には優しく出来る様で 新しい発見をした気がする、言ったら怒られそうだから言わないが

 

それから数分足らずでユキヤが戻ってきて

 

「 『ナズナ君の馬車に乗せてあげて? 』 だそうです」

 

「・・・仕方ないか、分かった。アイビー、お前も使用人の馬車に戻って良いぞ」

 

「はい、失礼いたします」

 

「ハルト、俺の馬車に乗れ」

 

「あい!」

 

 

ユキヤの言葉に 一瞬 嫌そうな表情をしたが直ぐに表情を繕ってハルトへ指示を出して馬車に乗せて自分も乗り込む

 

それから私も乗り込み、ユキヤとオリヴィエも乗り込んで再び馬車が発車する

 

 

「ねぇねぇ かづきちゃん、しつもん!」

 

「はい、なんですか? ハルト殿下」

 

 

馬車が発車して数分してハルトがニコニコしてナズナ越しに俺に質問をしてきたので尋ね返すと

 

「どーして おみみ と しっぽ を かくしているの〜? かわいー のに、なんで〜?」

 

「・・・ハルト殿下? 私には 耳は コレしかありませんし、尻尾はありませんよ? 」

 

「えー? 」

 

 

満面の笑みを浮かべたままハルトは、俺が隠蔽術で収納している狐耳と尻尾の存在を看破してきて、悪意0の ナゼナゼ攻撃をしてきて ハルト以外の人間に衝撃が走り、ナズナは やっぱりかー みたいな仕草をしている

 

どういう事なんだ?

 

「はぁ・・・やはりハルトの目は誤魔化せなかったか」

 

「あの、ナズナ殿下?」

 

「カヅキ、ハルトには正体を明かして構わない。隠蔽しても意味がないからな」

 

「は、はぁ・・・」

 

 

ニコニコのハルトとは対照的に、軽く頭の痛そうなナズナの言葉に私は困惑しか出来ない、いやマジで分からないからな?

 

 

「兄さん、言葉が足らな過ぎてカヅキが困っていますよ? キチンと説明してください」

 

「あ、あぁ・・・すまない、ハルトがクウォーターエルフな事は話したな? ハルトはエルフの血の影響なのか 害意や悪意に敏感で隠蔽を直感的に看破出来るんだ」

 

「あ・・・なるほど、ハルト殿下には嘘が通じない訳ですね?」

 

「端的に言えば、そうなる」

 

「なるほど、理解しました」

 

 

ユキヤにたしなめられてナズナは俺に説明をしてくれ、ようやく理解する

 

 

そりゃあんな表情にもなるな、うん

 

そこまで考えて俺が隠蔽をしてる理由を改めて考えたが、別にハルトにバレても問題が無い気がして来た所で

 

 

「ハルト、カヅキが獣人である事は秘密だ、お前もカヅキがイジメられたら可哀想だと思うだろう?」

 

「わかった! かづきちゃん いじめられたら かわいそう、ぼく やくそする!」

 

「そうか、約束してくれるか、ありがとうな ハルト」

 

「うん!」

 

 

なんか口を挟む間も無くナズナとハルトが黙秘の約束を交わしてしまう

 

 

ナズナって俺が思っている以上に幼児の扱いに慣れているのかもしれない

 

 

「カヅキ、すまんが 移動中 ハルトの相手を頼めるか? ほら、お前の尻尾は肌触りが良いからな」

 

「御意、では私と位置を交換しましょう」

 

「そうだな」

 

 

ナズナの提案を了承して、小柄な身体を駆使してナズナと席を交換して俺がハルトの隣に座り相手をする事になる

 

 

子供・・・幼児の相手は苦ではないし、嫌いじゃない それにハルトぐらい素直っぽいと、見ているコチラも癒されるからWin-Winの関係なんじゃないだろうか?

 

とりあえず、あと3時間は停車しない筈だし、良い暇つぶしになりそうだ

 

 

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