アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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6話 再確認

 

 

 

領主ベルファさんの執務室を退出して廊下へ出て、アイザックさんと別れセンセイの後について行くと

 

 

「カヅキ、今日はこの部屋が貴女の部屋です。本来は来客の使用人用ですから、清潔に保たれているので安心なさい。それと食事は後で私が持って来てあげます」

 

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

 

「ビジネスホテル程度ですが、まぁ不便はないでしょう」

 

 

「どういう?」

 

 

センセイの言葉にお礼を言い入室し、彼女の呟きに疑問を感じ尋ねるが、彼女は俺の疑問に答える事なく去ってしまった

 

 

まぁメイド長と言っていたし、忙しいんだろう、多分

 

 

「色々有って疲れたな」

 

 

汗を流す前にベッドを触る事に躊躇いを覚えたので、1脚だけある椅子に座り一息つき脱力する

 

 

実感が薄いけど命のやり取りを同じ日に2回もしたのだから、自覚は無かったが疲れていた様で、気を抜いた今 一気に疲れを感じている

 

 

 

「センセイが夕飯持って来てくれるまでに、着替えとかないか今一度調べておくか」

 

 

せっかく腰を落ち着けて調べられる時間が出来たので、ホーム画面を開きインベントリを選択し表示する

 

 

「・・・アイデースで無力化した盗賊の武器とかの所有権が俺になってるのか、なるほど戦利品ってやつか」

 

 

そんな発見をしつつインベントリをしっかり確認すると、なんとも都合が良い事に1週間分の着替え等がある事を確認出来た

 

 

「ひとまずは着替えの心配はないか・・・まぁヴェスタの趣味か、この世界の仕様か分からないけど、下はパンツは有るのに 上はブラじゃなくてサラシなのは何なん? いや、構わないけどな?うん? なんでこんなに受け入れてるんだ? 俺は」

 

 

女に性転換している事を、女になってしまっている事を、混乱せずに受け入れている自分に気付き、困惑する

 

 

確かに俺は自分の事に無頓着な所はあった、でも性別が逆転したら驚いて然りであるにも関わらず、冷静に事実を受け入れている事、その事が不可解だ

 

 

「はは、これも対価って事か? なるほど」

 

 

今起こっている精神の変調の原因を対価と仮定すると、驚く程納得が出来る

 

これは想定していたより高い対価を支払う事になっているのかも知れない

 

 

「まぁ仕方ない、起こってしまった事は無かった事に出来ないしな、念の為にステータスとか、改めてしっかり確認しておこう」

 

 

インベントリを閉じて、ステータスの項目を選択して表示されたのを、しっかりと確認する

 

 

「氏名 要 夏月(かづき) 、性別 ♀、年齢 16・・・この辺りは確認するまでもない、か? 」

 

 

今の俺でも再確認する必要が無いぐらいには分かっている事が書かれていたが、上から順番に確認する方が漏れがないだろうから、読み飛ばさずに目を通しておく

 

 

「レベル 1、種族 9尾の狐の獣人、身長 150㎝+アルファ、物理攻撃力・魔法攻撃力共にS判定、保有魔力量が3桁万か」

 

 

落ち着いて改めて確認すると、とんでもない気がする、比較対象が居ないから断言は出来ないが、多分この世界で俺を倒せる存在は片手で足りる程度だろう

 

まぁそれを目指して要望書を書き込んだから、履行されてないと困る

 

 

にしても、俺の種族が9尾の狐の獣人とかヴェスタの趣味だろうか? まぁ確かに死に辛く強い人間種 又は 準人間種を希望とは書いたけどさ?

 

 

アレか? この世界で獣人は、理不尽なぐらい強い存在だったりするのか?

 

 

まぁ確かに狐は修行をして霊格を上げて、神の御使となり仙狐とか、9尾に至るって言われてるけどさ?

 

 

「・・・御使? ガラじゃないけど、言い得て妙だな」

 

 

ヴェスタと言う神により転生し転性し獣人だが、9尾の狐へ至った俺は、一種の御使と言えなくもない事に気付き、1人で笑う

 

 

そんなこんなステータスを慎重に再確認していると、部屋の扉がノックされ

 

 

「カヅキ、夕食を持って来ました。開けなさい」

 

 

「はい、今開けます」

 

 

扉越しに先生へ返事を返して、扉を開くと金属のお盆に器用に色々な料理を載せたセンセイが立っていて、招き入れると持ち物を一切揺らさずに入手せて、テーブルに料理を並べ

 

 

「カヅキ? 先程 貴女、開錠した音が聞こえませんでしたよ? テスタロッサ家が安全とはいえ不用心です、必ず施錠する癖をつけなさい。不要な殺生を行いたくないなら、特に」

 

 

「あー・・・はい、気をつけます」

 

 

「分かればよろしい、さぁ食べなさい。明日から忙しくなります」

 

 

「いただきます」

 

 

センセイの指摘は正しい事だったので、素直に反省すると食事の許可が出た

 

 

確かに不用心だったな、俺の性別がウンヌンではなく、単純に 此処が現代日本という比較的治安の良い場所ではなく、近代中世に近い異世界で日本に比べたら圧倒的に治安が良くない、そう言う事だ

 

そんな反省をしつつ用意されたナイフやフォーク、スプーンを使い料理を口にする、普通に美味い

 

俺の想定では、味は2の次ぐらいの料理を覚悟していたけど、全くそんなことはなく、現代日本ぐらいに普通に美味しい

 

 

塩は兎も角、香辛料類は結構入手に難がある筈だが、もしかして魔法技術で輸送ルートをカバーしてたり?

 

それは十分に可能性はありそうだな、うん

 

 

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