転移門を抜けた先は、真っ暗な漆黒の闇に包まれた空間で、僕の考えた最強の転生者(厨ニ病)たる俺の眼をもっても全く何も見えずに舌打ちをしつつ
「なんも見えねーなぁ・・・光よ」
今は機嫌がやや悪くて鬱陶しく感じた隠蔽術を解除して、頭の上に光源を出して辺りが見える様にする
「予想通り遺跡だな、なんかを封印している場所なんだろうけど・・・こう言う場所って何て言うのが正解なんだろうか」
ヴェスタからの祝福で脳味噌が強化されたとはいえ、もともとが賢く無い部類の俺には そう言う知識が無いから何と名称するのが正解か分からない
まぁそれは今の所 重要ではないし、捨て置こうかな、うん
1辺50m程の壁に囲まれた、それなりに広い部屋で東西南北(仮)に通路への入り口が存在していて、俺が転移門を作った場所から後方5mに繰り抜かれた様に水場が存在していて、匂いと位置から推測すると水中から侵入できるタイプの場所に位置する様だ
いや、逆か? 誰にも侵入させない為にか?
「俺が感知出来たなら、封印が脆くなっている可能性もあるし、今の内に無力化する方が安心だろうな」
あまりゴチャゴチャ考えてもやる事は変わらないので、鬱金桜を展開しムラクモを6つ、ハチリョウを2つ 召喚して臨戦体勢で部屋の中央へ歩み、聞き耳を立てて、良く音を聴きながらムラクモ同士を軽くぶつける
「・・・左の方は何か広場の様な場所に通じているな、そこが目的地かな?」
澄んだ金属音の反射を聴きつつ、最近は天気予言にしか使っていなかった検索機能を使い、マッピングでマップを作成して呟く
左通路の先に悪霊的なのが居るっぽいから、ソイツを封印している施設なのかも知れない とか思いつつ左通路へ入り広場へと進行する
5分程1本道をひたすら進み、目的地と思われる広場 改めコロッセオへ足を踏み入れ
「こっちはハズレだったか?」
これは困ったと肩を落としていると、暗くて良く見えていなかったが鉄格子の門があったらしく錆びつき引っかかりながら開いていく音が聞こえたので、俺は光源を頭上から天井まで飛ばし数を増やして視覚的死角を潰す
「はは、異世界の犬は角が生えてるんだな」
漆黒の体毛に紅色の面をし角を有する体高が 私の2倍程ある犬へ見て、これは強そうだな と思い・・・口角が上がってしまうのを自覚する
コイツにならば、手加減をして戦わずに済む
「悪いけどよ、お前を殺すわ」
角黒犬は俺と対峙し自己主張の為か盛大な咆哮を上げる、俺同様に殺る気満々らしい
「とはいえ・・・簡単には死ぬなよ?」
俺は滞空しているムラクモの1つを握り角黒犬へ切先を向けて挑発をすると、気に入ってくれた様で俺に右前足で攻撃を仕掛けて来たのでハチリョウでパリィして懐へ飛び込み、ムラクモで連撃を叩き込んでみるが毛皮が鎧の様に硬く多少毛を切れた程度で大したダメージを与えてられない
「斬撃じゃダメか・・・待てよ? ムラクモは
斬撃でダメならと、刺撃へシフトしムラクモを角黒犬の胴体へ攻撃すると突き刺さり確かなダメージを与える事に成功する
「まさに鎧通しだな」
俺の刺撃に激昂した角黒犬の噛み付きをハチリョウで横から殴る事で逸らし、ガラ空きになった胴体側面へ遠慮なくムラクモで刺撃を放ち、すぐに距離を取る
2撃 入れて理解した、毛皮と言う鎧を突破したとしても厚い筋肉が覆っていて、深く傷を与えていない
ダメージはあるが、まだ軽傷の部類である事を理解し、これまで戦った敵の中で1番だと断言できる
「さて、どうやって追い詰めようか・・・」
テンションが上がりまくり、目の前の角黒犬を殺す算段を立てていると、俺の腹の虫が元気にグーと鳴き始めて、何だか一気に冷めてしまい さっさと終わらせてしまう事に決め
「此処は我が領地、我が領土、我が祖国、故に汝、一切の望みを棄てよ、開け根の国・・・アイデース」
ビクリと角黒犬は俺を警戒し身を震わせ距離を取るが、アイデースの領域がジワジワと広がる沼の様にコロッセオへ広がってゆき、至る所から影の
「角黒犬なら、相当な養分になるだろうなぁ、楽しみだ」
広げたアイデースの領域を狭めて、鉄格子まで歩み寄りアイデースの腕で無理矢理粉砕して残骸も沼へ入れて養分にする、これで多少は空腹が紛れると良いが それは無理な相談なので大人しく インベントリ内にオヤツとして入れていたリンゴを取り出して、齧りながら先へと進む
歩き喰いは行儀が悪いとセンセイに叱られそうだが、この場には居ないし許されるだろう、多分
許されよ 許されよ
「さーてと、さっさと終わらせて昼飯を喰いに帰ろうかね」
芯だけになったリンゴをアイデースへ沈めて有効活用して、奥へと進む
マップの情報が正しければ、さっきの角黒犬を製造する装置があるはずだから、それを先に破壊しよう
それに、良くないモノの正体は角黒犬では無かったからな
さてさて、何が出てくるだろうな?