アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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63話 遺物 2

 

 

 

再び頭上に光源を作り通路を進むと、角黒犬4匹が製造装置を守る様に此方を威嚇してくる

 

 

「ふぅん、そりゃそうよな」

 

 

俺はアイデースとムラクモを使い、角黒犬を撃破&沼へ引き摺り込み養分へと変える、まぁ完全消化には暫く掛かるけど 抜け出す事は出来ないから気にしなくて良いだろう

 

 

「この装置、センセイに お土産として持って帰ろうかな」

 

 

電源らしきスイッチをオフにしながら、分解・解析をすれば もしかしたら有用な発明が出来るかも知れないと思い、慎重にアイデースに取り込みインベントリで保管する

 

エネルギー源の調査が必要なら、マーキングもあるし いつでも訪れる事が出来るので、可能な限りは遺跡を傷つけない様にしよう

 

 

それから最奥の部屋まで来る事が出来たので、良く見てみるが 目新しい物も見つからないので、下層へ向かう階段を探して降りる

 

 

「うーむ・・・生物反応無し、と」

 

 

ゲームの定番だと、遺跡やダンジョンには非生物系のモンスターがいるものだが、角黒犬を除いてモンスターと遭遇しない

 

これは余程 角黒犬が強いからか、それとも海底 数百mにしか入口がないから侵入されない自信があるのか、或いは その両方だろうか?

 

 

「・・・もしかして、入り方を間違えてる? あーありそう」

 

 

そんな独り言を呟きつつ、嫌な予感がしたのでピンポン玉サイズの火球を作り前に飛ばすと、明らかに不自然な消え方をしたので 水と風属性を混合して酸素供給をしながら進む

 

此処は海底遺跡で二酸化炭素は空気では重いから下に溜まりやすい、故に第2層から酸素濃度が減り 二酸化炭素濃度が上がって火球は消えたのだろう

 

やっぱ野生の勘ってのも侮れないな、うん

 

 

「映画の遺跡探索で、わざわざ松明とか使う理由が分かったわ」

 

 

松明の火が消えたら酸欠の危機って目に見えて分かる訳だしな、そりゃ使うわな、うん

 

そんな事をしみじみ思いつつ進み、更に下へ続く階段を見つけ降りるが相変わらず何の反応も無いまま明らかに、此処に何かありますよ な場所へ辿り着く

 

 

「此処が最奥か・・・その上で 目的地が此処な訳だ」

 

 

何とも遺跡らしい装飾の彫られた石扉をアイデースで粉砕開放して中へ押し入ると、如何にもな棺が並んでいる

 

「もしかして霊廟だったのか? なら私がしている事は墓荒らしな訳か、ふふバチ当たりだな」

 

 

転生して約2年の間に人・魔物問わず散々殺してきたのに、今更 バチ当たりなんて気にするのも笑えてきてしまい、思わずこぼれてしまう

 

そんな自嘲をしながら棺の列の先にある祭壇へ仰々しく安置されている、装飾過多な両手斧の前まで移動すると、なんだか両手斧の中央に嵌まる真紅の宝石から目が離せなくなる

 

 

「・・・こりゃ相当良くないモノだな、まさしく特級呪物だわ」

 

 

宝石へ手を伸ばしそうになるのを我慢し右手で自分のコメカミへ拳を入れて気つけにして精神干渉を無効化する魔法を発動して、溜め息をつく

 

にしても僕の考えた最強の転生者(厨二病)の筈の俺が状態異常になる筈無かったのだけど・・・まさか、リミッターが干渉してる? あり得るな、うん

 

 

「なんか色々の出力が下がってて、それが干渉してるんだろうな 多分」

 

 

ひとまずの原因の予想が出来たので、私は目の前の装飾過多両手斧をアイデースで回収しインベントリに保管し、内容を確認する

 

 

「魔王の遺物“魔斧” 5度目の復活をした魔王が使用した悪意と憎悪を武器の形へした悪しき物、適切な手順で破棄作業をしないと転生する為、封印処理が推奨される・・・は?」

 

 

説明文を読んで素で声が出てしまう、何つー特級呪物だよ 処理も簡単にはいかない的な事を書いてるし

 

大体、魔王いるのかよ、この世界 知らなかったわ

 

「こりぁ〜帰ったらナズナに聞いた方がいいな・・・まぁとりあえずインベントリに入れとけば封印してるもんだし、大丈夫だろ 多分」

 

 

なんか碌に戦っていないが、ドッと疲れた気がしたので隠蔽術を使ってから いつもの様に転移門を作り遺跡から別荘前の砂浜へ帰り 少し溜息をついてから深呼吸する

 

「空気うめー」

 

まだ陽が西に傾き始めたばかりの様で燦々と日光を浴びながら伸びをしてプライベートビーチに感謝する

 

 

「大丈夫か? カヅキ」

 

「大丈夫ですよ? 殿下」

 

「そうか、無事なら良かった。無傷か?」

 

「ご覧の通り無傷です」

 

 

俺が転移門から出てきた所を見たらしいナズナが別荘から砂浜へ降りてきて俺へ話しかけてきたので返事を返してT字のポーズをとり彼の前で ゆっくり1回転して無傷と証明する

 

 

「ナズナ殿下、遺跡にて魔王の遺物を発見し確保しました」

 

「何?! 魔王の遺物だと?!」

 

「殿下、落ち着いてください」

 

「あ、あぁ・・・すまない」

 

 

ナズナへ魔王の遺物を確保した事を告げると、彼には珍しく俺の肩を掴む様に迫ってきて少し驚く

 

大抵な場合 冷静沈着なナズナが取り乱す程の代物と判断するべきなんだろうな魔王の遺物

 

もしかして 全て集めたら魔王が復活して世界は滅亡の危機に陥る的な?

 

ナズナの焦り方を見る限りは、充分に有り得そうな事だな

 

ワンチャン、俺が全て集めたら魔王復活の連鎖止められる感じか? これ

 

 

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