アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

67 / 267
67話 魔本鹵獲

 

 

唐突に褒められて何とも言えない気持ちになってしまったので、さっさと目的を済ませる為に行動をする事に決め

 

 

「ベルファ様、急かす形になってしまいますが、先程の質問に対する お答えを頂戴したく思います」

 

「あぁ、すみませんカヅキ。先程の質問に対する答えはノーです、当家にあるのは過去の遺物の目録と、解析を試みて下手を打った者が残した研究記録です」

 

「研究記録、ですか」

 

 

ベルファさんへ返答を促すと そんな言葉が返ってきたので彼の背後にある本棚へ目をやり

 

 

「その研究記録が保管されているのが、仕掛け棚から入る秘密の部屋ですか?」

 

「ご明察、貴女は素晴らしいですねカヅキ。その通り この本棚の先には地下図書館が存在していて、初代から連綿と続く研究記録や 世に出せない発明品などが死蔵されています」

 

 

俺の指摘に嫌な表情をする事なく ベルファさんは胡散臭い笑みを浮かべて言う、彼としては手放しに褒めている つもりなのだろうけど、なんだか信用しかねる

 

いや、物凄く良い人なんだけどね? ベルファさん

 

 

「ベルファ様、私に資料収集と魔王の遺物の鹵獲(ろかく)をする為に地下図書館への入室を許可願えませんか?」

 

「えぇ もちろん構いませんよカヅキ、前向きに協力する事で当家が王家へ与える発言力は増しますからね、より一層 茶々を入れられづらくなる筈です」

 

「ナズナ殿下が卒業するまでの時間稼ぎにはなりますし、安牌ですね」

 

 

ベルファさんは椅子から立ち上がり背後にある本棚の仕掛けを作動させて地下図書館へ続く入り口を開放し、不敵な笑みを浮かべ打算を口にする

 

その口ぶりからすると、余計な茶々を入れられたストレスがあったのだろう、多分

 

 

「資料や記録は好きに触って大丈夫ですが、発明品は下手に触らない様に気をつけて下さい、安全装置はありますが暴発した場合 貴女でも無傷とはいかないかも知れませんから」

 

「かしこまりました、気をつけます」

 

「では頑張って下さいカヅキ、ターニャは 業務に戻る様に」

 

「・・・承知致しました」

 

 

ベルファさんから少々物騒な事を言われてしまったので、発明品には触らない事を決意していると、彼はセンセイへ指示を出しセンセイは不服そうな表情で返事を返す

 

まぁ正直、リスクを考えると私が単身で捜索するのが1番 安全かつ確実なのでベルファさんには感謝だ

 

そう言う訳で地下図書館へ降る少し薄暗い階段を3階分ぐらい降りて到着するが、かなり広大で薄暗い為 方向感覚が狂うと遭難しそうだ

 

 

「ま、私には関係ないけどな」

 

 

ムラクモを展開して今降りて来た階段横へ突き立ててマーキングする、こうしておけば最低でも帰りには困らない

 

「にしても・・・やっぱ臭うな、不快だ」

 

 

私は漂う魔王の遺物の臭いを頼りに捜索を開始し、昨日と同じ様に光源を頭上へ生成して道と本の群れを照らしながら進む

 

コツコツと床を鳴らす靴の音だけが辺りに響くのを聞きながら進んで行くのだが、分類別に貯蔵されている訳ではないのか 大雑把な区分程度で置かれているのが見て取れる

 

 

「魔王の遺物については臭いを辿れば確保は出来る、可能なら研究記録や資料も入手しておきたいが・・・そう時間をかけてもいられないんだよな」

 

 

研究者と言うのは律儀な人が多い様で、本棚の迷宮に納められている資料と思われる本の背表紙には キチンとタイトルが明記されている

 

 

「魔王の遺物 “ 魔玉 ” 調査報告?」

 

たまたま目に入ったタイトルが目に止まり歩みを止めて報告書を手に取り開く

 

 

「約110年前に魔王討伐に成功した際に収容した 魔玉 の調査した報告書、結果から言うと封印処理中に事故が発生し死傷者多数 魔玉自体も破損し転生機能により行方不明、と」

 

 

一通り目を通してからインベントリへ収納して、あとでナズナにも見せる事にする

 

それから魔王出現に関する記録と関連性を調べた記録、最後に魔王の出現した約70年前までの遺物の目録を入手する事に成功した、今日の俺は中々に働き者じゃないか?

 

 

そして推定最奥に位置する本棚に魔斧と同じぐらい仰々しく仕舞われている謎素材のハードカバーの本を見つける

 

「コイツが魔王の遺物か・・・不思議と魔斧みたいに魅入られないな? まぁ不治の病の方にはビンビンにクルけど」

 

 

もう俺の厨二病にクリティカルヒットする見た目をしている魔王の遺物を見据え呟く

 

これ調伏したら、自由自在に使える様になったりしないかな? 正直に言って欲しい

 

そんな事を考えつつ、アイデースを使い沼へ沈めインベントリへ収容する

 

 

「任務完了っと・・・此処なら邪魔が入らないし魔王の遺物を完全消滅させる方法を調べるか」

 

 

影魔法を使い、座り心地の良い椅子を造り腰掛けて検索機能を使い調べる

 

 

「完全消滅の方法その1、王族の血を引く純潔の乙女を生贄にして儀式を執り行う、はいクソ」

 

 

俺の予想通り、クソみたいな方法が記載されていて少々機嫌が悪くなる、絶対この方法はダメだ

 

 

「方法その2、浄火の焔で清め焼き払う・・・悪く無いじゃん?」

 

 

どうやら方法その2は生贄とか必要ない様なので、先程悪くなった機嫌が少し良くなる

 

この浄火の焔を会得出来れば、万事解決だろうから頑張ろう

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。