浄火の焔の存在を知り、機嫌が良くなった私は軽い足取りで地下図書館を出てベルファさんの執務室まで戻ってきて
「ベルファ様、無事 魔王の遺物 “ 魔本 ” の収容が完了しました」
「ご苦労様ですカヅキ」
「ありがとうございます、それと魔王の遺物関連の資料の持ち出しの許可を願います」
「えぇ構いませんよ、貴女の事です 既に
「感謝致します、ベルファ様」
俺が彼のデスク前まで移動を完了すると、地下図書館への入り口となっていた仕掛け棚がひとりでに動き入り口を閉じる、一体どんな仕組みなのか少し興味があるが 今はそんな事をしている場合ではないので好奇心を封じ込めながらベルファさんに報告と感謝を述べる
「ひとまず一段楽と言う訳で、ターニャが首を長くして待っていますから、彼女の元へ行ってあげて下さい」
「かしこまりました」
ベルファさんに言われ 魔王の遺物に気を取られていて忘れていたが、元々テスタロッサへ帰郷してきた理由を思い出し、彼へ頭を下げて領主執務室を退室し、センセイが待っているであろうメイド長 執務室へと早歩きで向かう
途中でプレセアや同僚に遭遇したが、先を急いでいる旨を伝え 泣く泣く軽い挨拶だけをして、兎に角 センセイの元へ急ぐ
「センセイ、遅くなってしまい申し訳ありません」
「無事でしたかカヅキ、貴女が無傷であるならば構いません」
何やら書類仕事をしていた様子のセンセイは、俺が入室すると筆を置いてデスクから立ち上がり、歩み寄ってきて抱きしめてくる
本当に転生してからボディランゲージが増えたなぁ と思いつつ軽く抱きしめ返しておき、センセイが満足するのを待つ
5分程 センセイの母性を堪能しているとセンセイが不意に離れ
「魔王の遺物は回収出来たのですか?」
「はい、無事に」
「そうですか、ならば次は封印か消滅の方法を探さねばなりませんね」
センセイは私の頭・・・狐耳の根元?付近を撫でながら言うので
「完全消滅をする方法は見つけましたので、ご安心を」
「貴女は本当に優秀ですね、流石は自慢の娘です」
「ありがとうございます、センセイ」
俺の言葉を聞きセンセイは微笑みながら更に頭を撫でてくる、褒められるのは悪くないな、うん
「では今から封印術の更新、と言いたい所ですが もう夕食の時間ですから 更新は明朝にしましょう、貴女も2日連続で 魔王の遺物の捜索・収容をして疲れているでしょうから」
「そうですね、確かに少し疲れました」
「では明朝に 再び此方へ来てください、私は まだ仕事が残っていますから 貴女は夕食へ向かうと良いでしょう」
「ありがとうございます では お言葉に甘えさせていただきます、失礼しますセンセイ」
センセイの言葉に従い お礼を言ってから執務室を後にして使用人食堂へ向かい、先程は碌に会話が出来なかったプレセアを始めとした同僚達と遭遇出来たので夕食を食べながら近況報告を交えた雑談をすると、相変わらず妹枠な扱いをされ、尻尾をモフられたりした
彼女達はなかなか遠慮も容赦もない、が まぁこう言うのも悪く無い
それから自室へ戻り、浄火の焔を習得する為に何をするべきか を検索機能を使い調べる
「浄火の焔っと・・・悪きモノを焼き払い浄化し清くする聖なる焔、焼かれるモノが生物の場合 悪き行いの度合いにより感じる痛みが乗算され長い時間焼かれ続け、無辜の民には聖なる癒しを与える、使用者の魔力量により使用可能限界が事なるが、一度 浄火の焔が着火すると 原因を焼き尽くすまで鎮火する事はない・・・えーっと?」
備え付けの椅子に座り、浄火の焔の説明文を読み 正しく理解できる様に何度も読み直す
まず浄火の焔は、聖の属性に分類される魔法であり、悪い事 罪の度合いにより燃焼時間長く、痛みも強くなる
1度 着火されると 対象の罪が完全に燃え尽きるまで鎮火しない、これは恐らく人の場合は反省して改心しないと終わらないって事だろう
そして無辜の民の場合は、傷が完全治癒が完了するまでって意味だろう、多分
「習得方法、習得方法っと・・・えー 聖・光・炎の3種属性に適性が必要で? 3種類を同時に同量出力しないと浄火の焔にならない?」
習得方法の情報を見て、これは 相当ヤベーな と直感で認識する
とりあえず光、光は 適性持ちが少し少な目な事を考慮しても、まぁスルーして良い、炎は火の上位属性だが 鍛錬次第で使える様になるから これも重視しなくていい
問題は聖属性だ、そもそも聖属性は聖職者が日々ヴェスタに祈りを捧げ何年も修行に従事し特殊な試練を遂行する儀式を行って習得出来る? ってレベルの代物だ
極々稀に産まれながらに保有している奴が居るが、ソイツは聖女とか聖人と呼ばれる存在だから、本当に奇跡の様な存在なのだ
いや まぁ・・・全属性を無理なく使える私には、あまり関係ない話ではあるが、今まで浄火の焔を習得して魔王の遺物を焼却処分を出来る者が居ない理由がよくわかった
こりゃ無理だわな、うん