アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

69 / 267
69話 帰還

 

 

しみじみ浄火の焔がヤバい代物である事を噛み締めつつ、習得する為に集中して試しに出力して見るが、上手くいかなかったので『やっぱ難しいな』と思い、時計を見ると消灯時間目前になっていたので 手早く服を脱ぎ風呂に入って身体を清め 時間をかけて髪と尻尾を乾かして布団に入って眠る

 

健康的に生活しないと、習得出来る物も出来なくなるしな? うん

 

 

翌朝、日課の軽い鍛錬をしてから身支度を整えて朝食を食べてからセンセイの待つ執務室へ出向き、封印術更新をして センセイとネビリム女医に撫でられ彼女達が満足するのを待って、修練場へ行き坐禅を組んで精神統一する

 

「浄火の焔は繊細な魔力操作を必要とする魔法だ、なら精神集中して・・・」

 

 

深呼吸して魔力を体内で巡回させて行き、手に集めて変換を加えて混合し出力するが、ポスンと消える

 

 

「そう簡単にはいかないか」

 

 

それから焦らずに練習をして4時間程が経過した時、虹色に煌めく焔を出力する事に成功する

 

 

「ふぅ、なんとか出来たな。なかなか難儀な魔法だな コレ」

 

ピンポン玉サイズではあるが、成功には違いないので ひとまずは肩の力を抜き成功を喜ぶ

 

あと何回か発動を成功させる事が出来れば、身体で感覚を覚える事が出来る筈なので、反復練習を続けよう

 

それから更に2時間で、発動の感覚を覚える事に成功したが、とある事に気付いてしまう

 

 

「使用用途が限定的過ぎるな、浄火の焔」

 

 

そう使用用途が限定的過ぎるのである

 

罪人や呪物を焼却する魔法である浄火の焔は、当然なら魔物や猛獣には効き目がない

 

それは当然の事で、生命活動をする上で必要な行動を罪に問えないし、ナワバリを荒らされた場合も、防衛行動とみなされ罪に問う事は出来ない、それが故に浄火の焔は癒しを与えはしても、魔物を焼死させる事はない

 

「敵を討ち倒すだけなら、怪我人を癒すだけならば、他の最適な魔法があるしなぁ、うん」

 

この浄火の焔は魔王の遺物等の特級呪物に特化している魔法なのだろう、と結論付けて、昼食を従業員食堂で食べてユージーン料理長や同僚に挨拶をしてからネビリム女医から常飲薬を処方して貰い、王家別荘へと転移門を使い移動をして、ナズナの停泊部屋に出ると、ナズナの姿が見えなかったのでメイド(俺)の記憶を共有し 今日も親父の説得へ向かった事を知る

 

 

「・・・ほんと 使えない親父だな」

 

「その意見には賛同するが、俺の部屋とはいえ 誰に聞かれているか分からんし、出来るだけ言葉にして口にはしないでくれ カヅキ」

 

「失礼しました、ナズナ殿下」

 

「あぁ気をつけてくれ、あと耳と尻尾が出てるぞ」

 

「これは重ね重ね失礼を」

 

 

やれやれ と肩をすくめて呟いていると、ナズナが部屋へ戻ってきてたしなめられたので謝罪すると、指摘され 急いで隠蔽術を使い狐耳と尻尾を隠す、久しぶりの帰郷に気が緩んでいたらしい、戒めなければ

 

 

「帰郷で羽を伸ばせた様で何よりだ」

 

「貴方は 相当に苦戦を余儀なくされている様ですね?」

 

「あぁ先程まではな、約48時間をかけて 先程 首を縦に振らせてきた。国内に関しては、正式な所在地が分かった段階で通達を出して 順番に事に当たる予定になっている」

 

「なるほど、それはお疲れ様でした」

 

「いや、まだスタートラインに立つ準備が出来ただけだ、まだまだやらねばならない事がある」

 

ナズナは疲労した様子でソファに座り天を仰ぐ様な体勢で言う、その様子を見ながら2尾分身を解除して記憶共有をしながら彼を労う

 

共有した記憶を見る限り、相当頑張って説得したのは間違いないし、親父はマジで使えない

 

無能とは言わないが、事なかれ主義が過ぎる

 

そんな訳でナズナに同情の念を禁じ得ないので、彼を喜ばせる情報を伝える事にする

 

 

「ナズナ殿下、実はご報告したい事があります」

 

「なんだ? 産休申請か?」

 

「・・・ふん!!」

 

「あだっっ 何をするカヅキ」

 

 

私が真面目な報告をしようとしているのに、ふざけた笑えない冗談を言ってきたナズナに、物凄く痛い程度に手加減したデコピンを食らわせてやる

 

 

「殿下、私は彼氏もいた事もありませんし処女です。次に ふざけた事を言ったら腹パンして夕食を食べれなくして差し上げます、分かりましたか?」

 

「あ、あぁ・・・すまない」

 

瞳のハイライトを消してナズナの眼を覗き込む様に顔を寄せ忠告をしてやると、彼は身の危険を理解した様子で頷いたので、眼を覗き込むのをやめて

 

「では、ご報告します。テスタロッサ家にて魔王の遺物“ 魔本 ”の収容に成功 ならびに 完全焼却する(すべ)を習得しました」

 

「・・・ちょっと待て、お前は持病の常飲薬を補充する ついで に帰郷して来たんだよな? 何故 魔王の遺物を収容する事になっている?」

 

「たまたま有ったので・・・あ、そうそう テスタロッサ家に保管されていた魔王の遺物に関する資料もありましたので、持って来ています」

 

「あー・・・本当、なんで俺の許嫁がヴィオレッタなのだろうな? お前ならば この国の発展は確約されていただろうに」

 

「・・・心中、お察しいたします」

 

 

報告するとナズナが怪訝な表情をしたので、適当な返事をしてから魔王の遺物関連の資料を入手した事も伝えると、なんというか疲れが溜まっていたのか、天を仰ぎ 愚痴?をこぼした

 

こりゃぁ相当疲れているな、うん

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。