アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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7話 1日が終わる

 

 

 

なんやかんや考察していると

 

 

「口に合った様で良かったです」

 

 

「センセイ、いくら貴族・・・領主の家とはいえ、香辛料等は希少じゃないんですか?」

 

 

俺を生暖かい眼で見守っていた先生の呟きを聞き質問をすると、彼女は少し驚いた様な素振りを見せて

 

 

「なぜ、そう思ったのです?」

 

「この世界に転生して道すがら見て来た情報から推測するに、文明水準は大体 中世程度と仮定すると、現代日本と比べて圧倒的に物流に難がある筈です、塩はともかく 最悪 香辛料類は栽培出来る環境も限られている筈ですから、自国で賄えない可能性も考慮しました。そして魔法と言う不確定要素は無い物としている前提です」

 

 

「なるほど、良い推測です。確かに魔法の使用を抜きにした場合は、その通りです、しかし転移魔法がありますから現代日本ほど安価では無いにしても、一般市民が手を出せる程度には普及しています」

 

 

「なるほど」

 

 

俺の推測を聞いたセンセイは、そう褒めながら俺の頭を撫でて説明してくれる

 

 

それなら料理が美味しい理由も一応の説明はつく、つくけど・・・何と言うか良い知れぬ違和感?が払拭出来ない

 

なんだろう、このモヤモヤは

 

 

「食べ終わりましたね? 明日の説明をします」

 

 

「はい、センセイ」

 

「翌朝6時に起床、朝食を済ませて貴女へ貸与される使用人服を選定し、少し加工します。その後 使用人の朝礼に参加して貰い、貴女を紹介します、加工が終われば良いですが、まぁそれは明日の針子担当に任せましょう」

 

 

「分かりました、センセイ」

 

 

朝6時起床とは中々に優しい時間設定だと思う、俺の薄い知識だと もっと早くから働いている気がするし?

 

 

あと仕事着を支給してくれるのはありがたい、何せ俺の装備は今来てるセーラー服と寝間着ぐらいだし、仕事着に尻尾穴開けてくれるの助かる

 

1本ならスカートの中に仕舞えるけど、9本となると物理的に場所が無いからな、うん

 

 

「とはいえ、いきなりは仕事が出来ないと思うので、暫くは見習いとして色々な事を学んで貰います、そのつもりで」

 

 

「よろしくお願いします」

 

 

「それと、ある程度は この国と世界の事を学ばなければなりませんね、未来永劫テスタロッサ邸内で生を終えられる訳が無いですから」

 

 

そう言ってセンセイは再び俺の頭を撫でながら言う、センセイの言う事はもっともな事だ

 

 

いずれは領内であれ、領外であれ、仕事で出なければならない事もあるだろうし、許可が降りれば王都観光へ行ってみたいから、その辺りの事は必須事項だろう

 

 

「最低限 通貨の価値とか知っておかないと、カモられたりしますもんね」

 

 

「そうです、この世は暴力で解決する事象だけではありませんし、悪どい人間もいますから」

 

 

「俺みたいな珍しい獣人を言葉巧みに騙して奴隷にしたり、ですか?」

 

 

「テンプレですが、そういう事です」

 

 

俺の頭を優しい手付きで撫でながら答えたセンセイの声は非常に冷たさを感じる、こりゃガチめにクソ貴族が居るみたいだな、気をつけよう

 

 

「明日から朝が早いですから、今日は休んでしまうと様でしょう。湯浴みをするからユニットバスにタオル類やアメニティがありますから、使いなさい? では明朝に」

 

 

「はい、ありがとうございます。センセイ」

 

 

そう言いセンセイは少々名残惜しそうに俺を撫でる手を放して食器類を片してお盆に載せて退室していくのを見送り、今度はキチンと施錠して戸締りがしっかりされているのを確認し

 

 

「そんじゃセンセイの言葉に甘えて身を清めますか」

 

 

ブーツを脱いでから、セーラー服とスカートを脱いでハンガーにかけてシワにならない様にしてから、他全てを脱ぐ訳だが尻尾の都合なのかローライズ系のパンツは少々布面積が少ない気がする

 

 

そんなくだらない事を考えつつユニットバスに入り、なんか時代背景に合わないぐらい近代的なユニットバスに違和感を抱えつつ、シャワーを出してお湯を頭から浴びる

 

 

「・・・疲れたな」

 

 

食事をして腹が膨れたおかげで少し眠気が襲い始めて来ているので、手早く済ませようと思い、シャンプーへ手を伸ばし頭を洗いながら思う

 

 

なぜ当然の様にシャンプーがあるのか?と

 

いや、今更だけどさ? 絶対おかしいじゃん?

 

剣と魔法の世界じゃなかったのか? この世界は?

 

 

「本当、今更・・・手間9倍か?」

 

 

ご丁寧に用意されていた垢すりにボディソープを着けて泡立てて身体を擦りながら考える

 

 

そう、頭を洗う他に9本もある尻尾を洗わないといけないのだ、面倒臭がって異臭を放つ事態は避けたいので、洗うしかない

 

「・・・この場合、シャンプーとボディソープのどちらが正解なんだろう?」

 

 

そんな疑問を抱いたが、面倒臭くなったので両方を混合して頭を洗う要領で洗い、泡を しっかりと洗い流して水をきると尻尾が当社比3分の1ぐらいの太さになってて少し面白い

 

 

「あれ? 待てよ? いや、マジか・・・」

 

 

シャワーを浴び終え用意されていたバスタオルで身体を拭いている時に、髪を乾かす要領で尻尾も乾かさないといけない事に気付き軽く絶望する

 

ただでさえ眠くてダルイのに、面倒臭すぎる

 

とはいえ、乾かさないで生乾きとか絶対に臭くなるので、仕方なく頑張って乾かす事にした

 

 

 

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