魔斧を焼き祓う事 合計2時間半かけ漸く焼却作業が終了し、名前が聖斧へと変貌していたので恐らく浄火の焔の効果だろう、この辺りは検証と研究が必須だ
焼却実験も成功したし、お世辞にも良い環境とは言えない地下遺跡にナズナを いつまでも留め置く事は出来ないので、一旦 別荘へと戻る事を決め転移門でナズナと共に別荘へと帰還する
「ひとまず焼却実験は成功と言って差し支えないかと」
「あぁ、よくやってくれた カヅキ」
「いえいえ」
ナズナに褒められ気分が良くなり、もっと頑張ろうと意気込み ナズナが部屋にいる間 特に仕事がないので部屋のすみで魔本の調査を始める事にする
なんというか、本を読む時とか調べ物をする時は狭い所にいると落ち着くから、これで良い
魔王、リューネ王家への怨念のみで復活をする超常の存在が顕現する度に残していく特級呪物 魔王の遺物
最大24個 存在するソレは、大部分が未解明の代物だ
何せ魔王は顕現する度に国家存亡の大被害を出し、仮に遺物の研究が進められていても資料が紛失、または焼滅してしまったり 研究をしている暇が無い程に追い詰められていて然りだ
だからこそ、魔本に少しでも情報が記載されている事を期待している
「よし、始めよう」
深呼吸をして念の為にリミッターを2まで解放し魔本の表紙を捲ると、通常の本の様に簡単な目次が数ページ記載されている事が分かる
「思ったより普通だな・・・まぁまだ油断はできないけどな」
せっかく目次があるので、知りたい情報が 存在しているかを探してみると、なんとも都合良く存在し 該当ページを開く
「魔王の遺物 名称一覧・・・現在位置含む? 本当に都合の良い事だな」
全部で24個 存在する魔王の遺物の現在位置が記載されていて、なんとも都合が良すぎる気がして、何か罠があるのでは? と軽く考えさせられる事態だ
とはいえ、魔本を浄火の焔で炙った場合、中身が全て燃えてしまい調査・研究が出来なくなってしまう可能性もあるから、下手に手を出す事も出来ない
ならば、リスク覚悟で読み進めるしかない
「まぁ今は雑念を捨てて、やるしか無い」
魔本から得た情報を紙へ書き写し、眺めて違和感を抱く
「なんで 魔兜・魔鎧が分かれて? いや、恐らくは魔手と魔足を含めてフル装備なのか? あと魔眼、コイツだけ武具装飾品ではなく目玉だ、生体部品だろ? なんだコレは」
魔王の遺物一覧に並ぶ名称を見て 思わずツッコミを入れてしまう
魔王ってのは、何を考えているんだ? 分からん、分からなすぎる
ある程度の情報書き出しを済ませ、再び目次を開いて 魔王に対して情報がないか探してみるが、そんな都合良く書かれている訳がない様で見つからない
仕方ないのでホーム画面を開き検索機能を使い魔王について検索をして情報を探してみる
「初代魔王、リューネ初代国王とは元々は友人であったが、詳細不明の事件が原因で袂を分ち 一種の内戦へと発展し、当時の精鋭と初代国王により討伐された、しかし魔王は自身の敗北を前提と事前に輪廻転生の禁忌儀式により自身の怨念が晴れるまで復活する魔法を行使していた、その為 不定期に魔王が復活し、憑代の痕跡として遺物が遺っている・・・これは、余程の執念だな」
流石の検索機能でも、より詳細な情報が出てこないので、なぜ ここまで強い怨念を抱いて勝てない戦いに身を投じ、無関係の国民を巻き込んで暴れ回るのか、それが分からない
ここまでの執念ならば、復讐とかなのか?
人間とは 人を憎み続ける事は出来ないらしい、人を憎む事は大変体力のいる行為らしく、疲れてしまい いつしか気持ちに蓋をして忘れたフリをするとかしないとか、そんな事を聞いた事がある
魔王自身を人ならざるモノへ変容させてまで欲したモノは、本当に復讐(仮)だったのだろうか? 分からない
分からないが、1つの可能性に気付いてしまう
「魔王自身を捕獲して浄火の焔で焼き祓えば、負の連鎖は断ち切れる?」
そう、私には魔王が どの様な想いと覚悟で人外へ至り、リューネ初代国王と戦争を行ったかは分からない
しかし、次に復活した魔王を捕獲・焼却する事が出来れば、悪しき魔王の魂を浄火の焔で焼き尽くして次移行の復活がキャンセルされ、魔王関係は安寧が訪れる可能性がある
「問題は、そう都合良く魔王が復活して 私達の手で捕獲が可能かどうか、か?」
そう対抗策には見逃せない大穴が存在する
それは、ナズナと私が生きている なおかつ戦闘可能年齢の内に都合よく魔王が復活してくれるかどうか分からない、と言う事だ
まぁより詳しく言えば、ナズナが になるのだろうけど
魔王復活が不定期となっている以上、次は◯年後で復活まで後◯年 みたいな指標も確かな情報も存在しない
それ故に、検証のしようがない、少々残念だ
「さて・・・誰が1番最初に 手を挙げるかな?」
私は所在を書き写した紙を指で突きながら呟く
こういうのは、最初に手を挙げるのは難しい、なにせ下手をすると痛くない腹を探られたり、隠したい秘密を暴かれる可能性があるからだ
しかし、早ければ早い程、王家への忠誠心を認められ かつ心象が良くなる
そういうのを含めて、少し楽しみだ、うん