収集が完了した魔王の遺物7つを浄火の焔により火刑処理をし無害化して更に日が経ち、追加で魔王の遺物 魔のチョーカー ・ 魔のアンクレット ・ 魔の腕輪 の回収・収容が完了した頃には、秋も超え冬が到来し 西暦上では12月になり、年の瀬も間近な今日この頃 ナズナに取っては魔王の遺物 捜索の次に決着をつけるべき事がやってきた
「全く、今は1分1秒の時間が惜しいと言うのに、面倒だ」
「お気持ちは理解出来ますが、
「分かっている、頭ではな? 確かに早く決着をつけるべきなのも理解しているさ、だが ヴィオレッタに時間を使いたくは無いのも本心だ」
「心中お察し致します、殿下」
「はぁ・・・本当、なぜ婚約者がヴィオレッタなんだ」
センセイ配下の草の者 イヌホウズキからの最終報告と致命の一撃用の切り札が手配出来た旨の手紙が届いた為、魔の腕輪を保有していたブリュンヒルデから王都へ帰還する馬車内でボヤくナズナを建前上は窘めつつ慰める為に、今日もモフい私の尻尾を貸し出してSAN値を回復させる
窓の外には普通に親衛隊隊員が警備で馬に跨っているが、馬車の窓に細工をして外から中の様子が分からない様にしてある、いわゆるマジックミラー的なアレだ
そんな訳で急ぐ帰路だったので、裏技である分身を先行させてショートカットする方法を用いて2週間掛かる道のりを3日に短縮して、王都へと帰還を果たし
「心底 面倒だが仕方ない、今から破棄するとはいえ体裁を整える必要があるからな、支度をする お前も身支度をしてくれ、お前は分身出来るしな」
「かしこまりました殿下」
短い会話を交わし隠蔽術を発動後に馬車から降りて、3尾分身メイドを作り出して 転移門を使いテスタロッサの自室に戻って すぐさま隠蔽術を解除して身支度を整える
やはり簡易的な風呂より、しっかりとした風呂の方が綺麗になっている感じがして気分が良いし、何より
自慢ではないが、モフみの塊である尻尾が9つ もあるので手入れを欠かすと毛玉が出来たりしてしまうかも知れないし、抜け毛がとんでもない事になってしまうのだ
そう言う訳で、犬に使う様なコームで念入りに尻尾の手入れをして大量の毛塊を生成した後に、一旦 毛塊をインベントリへ収納してから正装を身に纏い、ラペルピンと銀時計を装着し 隠蔽術を発動させてから城のナズナの私室へと向かう
「流石だな、丁度良いタイミングだ」
「私が 側で貴方の身支度を手伝っているのですから、当たり前でしょう」
「ははは、確かにな」
一旦 解散?する前は不機嫌丸出しだったが、いざ
「では行こうか」
「はい、ナズナ殿下」
正装の赤地の短いマントを左肩でたなびかせて私室を出て、前後を親衛隊に護らせて、ヴィオレッタと その父親 及び ナズナの父親であるライラントが待つ部屋へと向かう
普段なら移動ぐらいなら私だけだが、今日に関しては重要だからだろうか、警備が厳重になり 前に2人 後ろに2人 親衛隊隊員が配置されている
当たり前の事だが、信用出来る人間である選抜班からの選出だから彼女達は信頼出来る
数分で玉座の間に到達し、衛兵へ合図して扉を開けて貰い入室すると、相変わらず無駄にテカテカした装飾過多の汚嬢様と子悪党感を否めない親父、そして何故か困った表情をしているライラントがいた
なんで、あんな困った表情をしているのだろうか?
「親父、先行させて提出した手紙と報告書は読んだな?」
「あぁナズナ、読んだとも だから こうしてノルベルトとヴィオレッタを呼び出したのだからな」
「そうか、たまには働いてくれて嬉しいよ、親父」
両サイドに最低限の臣下を招集している中、ナズナは実の父親に対して暴言紛いの事を言いながら玉座へ歩み寄っていくが、まぁ私も同意しか出来ないし、口を挟める地位でもないので黙っておく、ほら私って平民だし?
「ナズナ様、私は納得出来ません」
「お前が納得するしないではない、これだけ証拠が揃っているからな・・・これで漸く悩みの種が1つ消える」
「こんな出鱈目を信じるのですか? ナズナ様!!」
「出鱈目であるものか、俺が直々に依頼した諜報員だぞ? 信用出来るに決まっているだろう」
「そんな、証拠を捏造までするなんて!!」
「はぁ? 」
「ナズナ殿下、落ち着いて下さい。今 感情的になればコチラに不利になります」
普段ならば公の場で感情を表に出さないのだが、余程鬱憤が溜まっていた様でキレそうになるのを窘めると、何故だか汚嬢様にギッと睨まれる
これはアレか? ナズナをキレさせて、『ナズナ殿下は錯乱されているんです!! 』的な流れにする予定だったとか?
または『専属護衛に拐かされた』とかか? ありえるなぁ マジで
あー この汚嬢様 殺して良いかなぁ?ダメだよなぁ 色々と手順あるからなぁ、うん