魔王の遺物 “ 魔棍” を収容する方法を腕組みし考えながら火口?から見下ろす
現在位置から魔棍まで約100m、小島の直径は約5〜7m程度 だから飛び降りて着地は着地点が狭すぎて難しいし、溶岩ダイブしたら普通に死ぬだろう
まだ1度も使っていない奥義ナインレイズを使えば溶岩遊泳をしても復活&耐性獲得が可能だろうけど、どう考えてもダサい死に方だし、ダサいのは嫌だからしたくない
「・・・見た目は悪いけど、慣れてる方法で行くかねぇ」
「ん? 何か言ったか? カヅキ」
「いえ、独り言ですから 気にしないで下さい」
「そうか? 分かった」
使用者の私以外には少々SAN値を削りそうな見てくれの魔法行使をしようと思い、独り言を呟くとナズナに聞かれてしまった様で聞き返されたので、素直に答えると彼は頷く
なんというか、信用されている様でよかった
「では魔王の遺物 “ 魔棍” を収容する為に、魔法を展開しますので みなさんは横穴まで後退して下さい、また選抜隊のみなさんはナズナ殿下の護衛をお願いします」
「分かった、皆 カヅキの邪魔になる。下がるぞ」
私の言葉にナズナと選抜隊各員は、即座に行動を開始して指示通りに横穴まで後退し、ナズナの前後を固めて防御の陣を取る
それを確認してから、私は火口の淵ギリギリまで移動して熱風を浴びながら魔棍を見据え
「開け根の国」
アイデースを発動させて
自分で使っておいてアレだが、何というかSAN値を削りそうな見た目をしていると思うし、絶対に
「ま、仕方ないよね〜 私の1番適性が高いのが闇・影系統だもの」
そんな誰に向けた言い訳か分からない独り言を呟きつつヌマを広げ続ける
正直な所、氷系統の大魔法を行使して溶岩湖を冷やし固めても良かったのだが、下手に蓋をする形になって後々で大噴火の要因とかになったら責任を取れないし、少し溶岩を採取して魔力への変換率が どんな物になるか も興味があったから仕方ない、そう仕方ないのである
「そういや、前に散髪してから1年ぐらい ほったらかしだな・・・いい加減散髪するべきか?」
いい加減 長くなった髪が ふと視界に入り 何気なしに呟く、前髪は目に入ったら鬱陶しいので、時々自分で整えているのだが その他の場所は手付かずなので、腰に届きそうなぐらいだ
流石に 面倒くさがらずに そろそろ散髪するべきだろうな と自己解決した頃、漸く溶岩湖の湖面を経て小島までヌマを侵蝕させる事に成功し、
「アイデースは便利だけど、万能では無いな。一定範囲外の侵蝕速度に難を感じる」
領域を広げる事は時間を要するが、解除する時は一瞬である為 指をパチンと鳴らす刹那で収容が完了する
「是非もなし、さて・・・ナズナ殿下、みなさん 魔棍の収容が終了しましたので下山をして 温泉にでも浸かりましょう」
「カヅキ ご苦労、総員 山道側まで移動後に対熱装備から登山装備へ換装しろ」
一仕事終えてナズナと選抜隊各員に報告すると、ナズナが労いの言葉をかけてくれ 選抜隊へ指示を出すと各々が返事をして山道側の出口へ進み始め、充分火口から離れてから登山装備へと換装する
やはり火山とはいえ真冬の登山は危険があるので注意しながら下山してゆき、無事に麓まで降りる事が出来た
「火山だから、冬眠をしない種類の魔獣が出ると思ったが、杞憂だったな」
「どう言う訳か、内と外で気温差が大分ありましたし、不思議な火山です」
「確かに溶岩に地表が加熱されて、もう少し外気温が上がっていても不思議ではなかったな?」
登山装備から通常警備装備へと換装する選抜隊を横目にナズナと会話を交わす、そう想定外に魔獣との接触がなかったので 何か釈然としない
こう言う所は大抵 鉱石や岩石を主食にしているモンスターやゴーレム的なモンスターが出現するのが定番だと思うが、そんな事は無かった
個人的には少し残念な気もするが、何もなかった方がナズナや選抜隊に取って最良の結果だろうから、良しとしよう
「では1度 最寄りの街で1泊して英気を養い、次の魔王の遺物収容へ向かう。 異論のある者はいないな?」
換装を終え、整列した選抜隊を一瞥してナズナが言うと、全員が異論が無いと返事をし ナズナは頷いて自分の馬車へ乗り込む
私もナズナに続いて馬車へ乗ると馬車が進み始める、ひとまず魔棍収容は これで終わりで次の目標はナズナが考えるだろう、多分
これで残り11個、半数を切ったから今年度中には収容が終わると良いな、あまり学業を疎かにしてもダメだし ナイジェル学園長に話を通してあるとはいえ、彼? 彼女? 以外の教師からの印象・心象も悪くなるだろうからね、うん
ナズナは次期国王な訳だし、良い印象を持たれた方が良いに決まっている
その為にも、頑張らねば