アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

84 / 267
84話 れつごー テレジア領

 

 

 

その後も数日粘ってアビトボルに滞在してユーラ王国行きの旅券発行を交渉したが、ユーラ王国側の態度が固く どうしようも無かったので仕方なく、私の作った転移門で王都に帰還し月1の帰宅日になったので1度テスタロッサへ帰還し、封印術とネビリム女医との面談をして常飲薬の補充を完了させる

 

月1とはいえ、少し面倒だが 仕方ないので諦めて大人しく従う他ない、誰が悪い訳でもないし?

 

翌朝 城へ戻ってナズナと合流後に転移門を使い、毎度 魔王の遺物を火刑浄火を施す為に使用している地下?遺跡にやってきて、いつもの様にアイデースで魔王の遺物を保持して浄火の焔で火刑に処して浄化をする

 

それを眺めながらブレンドコーヒーを淹れてナズナに振る舞い、味の採点をして貰ったり、彼には不評だった甘すぎるクッキーを齧りつつ浄火の焔を眺めたりして浄火が完了するのを待ったりして数日過ごして、ユーラ王国にある魔剣に関しては、進展があるまで一旦 放置する事になり 国内の遺物収容にチカラを入れる事に決まり、選抜隊と共に再出発して残りの遺物を収容していく

 

 

「1つを除いて、このテレジアで最後ですね? 殿下」

 

「あぁそうだな? とはいえ、テレジアも癖が強い男だからな、覚悟はしていてくれ」

 

「かしこまりました」

 

 

未だ、良い反応が返って来ないユーラ王国を除くと、今 向かっているテレジア領が最後の1つである訳だが、ナズナの表情が 思ったより良くない事に気付く

 

ナズナの視線上に、センセイから貰った銀時計の止金、具体的に言うと服に固定する為の止金を凝視している様に見える

 

テスタロッサの家紋があしらわれているが、これは私がナズナの専属護衛をしている時からだから、今更 特に珍しくもない 見慣れている筈なので、少し不思議と感じる

 

 

「あのナズナ殿下? そんなに銀時計が気になりますか? もう1年程 毎日 見ている筈なのですが?」

 

「ん? あぁすまない、珍しいから見ていた訳ではなくて、銀時計にあしらわれているテスタロッサの家紋に問題があってな」

 

「テスタロッサの家紋にですか?」

 

 

私は遠慮なくナズナへ質問すると、彼は 本当に申し訳無さそうに謝罪して理由を教えてくれたのだが、その理由が理解出来ない

 

テスタロッサの家紋に問題がある とはなんだろうか?

 

まさかベルファさんが やらかしてテスタロッサ家が お取り潰しになった、なんて事はない筈だ、この前 帰郷したばかりだし お取り潰し されるなら センセイが何か教えてくれる筈だ

 

だから、テスタロッサの家紋に問題が有る理由が皆目検討もつかずに首を傾げざるを得ない

 

 

「お前が分からないのも無理は無いな、テレジアはな代々テスタロッサをライバル? 宿敵として敵視していて、テスタロッサ家の関係者と言うだけで敵対するんだ」

 

「はい? 切磋琢磨する良きライバルとしてではなく、宿敵扱いですか? 同じ国の同じ大貴族として、それはあまりにも・・・」

 

「俺も そう思う、さらに言うとベルファが領主になってから真新しい技術を用いた商品が開発・普及した事で、テレジアは更にテスタロッサを目の敵にしている節があってな? 」

 

 

私の疑問を読み取ったナズナは遠い眼をして窓の外を眺めながら言い、その内容に思わず私はあきれてしまうと、ナズナは更に説明を続け やれやれ と肩をすくめる

 

うん、まぁ ベルファさんの技術力も相当だとは思うが、発案はセンセイが出所だから これはベルファさんの運も相当絡んでいる気もする、私も運が良かったと思うし?

 

まぁそれはそれとして、私がテスタロッサの人間だとテレジアが判断したら少々面倒と言う事は理解したが、はい そうですか と外す事はしたくない

 

 

何故なら、私はテスタロッサ家に恩を与えて貰っているし、テスタロッサ家のメイドで有る事に誇りを持っているからだ

 

ナズナには悪いが、この意地は通させて貰おう

 

まぁ微塵も悪いと思って無いけどな、うん

 

 

「今回は王命だからテレジアがガタガタ文句を並べた所で、邪魔をすれば反逆罪を適応して黙らせる事も可能ではある」

 

「しかし殿下、今の話を聞く限り だいぶ(さえ)るのでは?」

 

「あぁまぁ・・・相当 囀るだろうが、我慢するしかないだろうな? すまないがカヅキ、お前には相当我慢を強いる事になると思う」

 

「・・・分かりました、うっかり しない様に 気を付けます」

 

「あぁ、そうしてくれ。流石に 俺が王太子とはいえ、免罪符を授ける事にも限界があるからな」

 

 

ナズナの言葉に、私が尋ねると彼は私の方を向き 真剣な表情で言ったので暗に何を意味するか理解し、強く頷いて返事を返す

 

そうナズナは、テレジアがベルファさんを愚弄する言葉を吐いたら私がカッとなって うっかり テレジアを殺さない様に、と言っているのである

 

なので、私は 相当我慢して うっかり 手が出ない様にしないといけない訳だ、ナズナは王太子だが 私を庇う事にも限界があるのだから

 

まぁ正面切って殺すのではなく、暗殺して証拠を残さなければナズナにもバレないだろうけどね?

 

とはいえ、私達の目的は魔王の遺物 “ 魔眼 ” だから、テレジアの暗殺は 余程の事じゃない限りは決行しない事にしよう

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。