アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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85話 れつごー テレジア領 2

 

 

そんな訳でテレジアがヤバい奴だと話をしつつ、新年度まで約2週間程度なので、さっさと魔眼の収容をして新年度に向けて支度をしたい所だなぁとか考えていると、テレジア邸に到着した様で馬車が停車したので 私が先に降りると、あからさまに不機嫌そうな恰幅のいいおじさんが立っていたが、一旦 放置して周りの安全を確認してからナズナに降りてきて貰う

 

 

「久しいなレフ、忙しい所 すまない」

 

「全くですナズナ殿下、我々研究者には1刻1秒が貴重な事、ご理解いただきたい」

 

 

ナズナの社交辞令の謝罪に対して、かなり不遜な態度で返答するテレジアに内心イラっとしたが、今 此処で事を荒立てる必要は無いので我慢する

 

 

「そうだな、それはすまない。しかし 協力して貰わねば、その大切な研究も魔王復活で全て台無しになる可能性もある、協力してくれ」

 

「にわかには信じられませんが、魔王の復活にて研究資料 及び 成果が消失するよりはマシと判断し協力は致します」

 

 

なんだろう、このオッサン いちいち嫌味とか言わないと会話が出来ないのか? いちいち一言多いし 勘に障るんだが?

 

 

「しかし殿下、私は貴方からテスタロッサの者が同行するとは聞いておりませんが?」

 

「何故、お前に 伝える必要がある? カヅキは俺の専属護衛で、お前の指図を受ける謂れはないぞ? それともレフ、お前は王太子である俺より自身の思想を優先しろと言うのか? 大貴族とはいえ、1貴族の当主 程度の貴様が王族の、それも次期国王である俺に? 多少の嫌味は不問にしよう、だが 分を超えれば 幾ら貴様とはいえ・・・あとは言わずともわかるな?」

 

「・・・承知致しました、ナズナ殿下」

 

「分かれば良い」

 

 

ナズナの寛大さに調子に乗りすぎたテレジアは、ナズナの威圧を浴びて立場の差を思い知らされつつも、悔しそうな目をしながら頭を下げる

 

テレジアは確かにリューネの大貴族21家門の1つであり、王家や公爵家に次いでチカラを有する名門ではある

 

しかし、名門貴族とはいえ所詮は貴族、王家との間には圧倒的な壁が存在する、極端な話になるがナズナがテレジア現当主レフにクビを宣告すれば、レフは当主を辞任し隠居なり処刑なりされてしまう、それがリューネの法でありリューネ王国の在り方なのだ

 

とはいえ、あくまで極端な話なのだが、ナズナには それが出来るだけの権力(ちから)がある訳だ

 

 

「ではレフ、今から魔王の遺物 “ 魔眼” の捜索を開始するが、心当たりはあるか? 」

 

「いえ、全く・・・お言葉ですが、私は疑われているのですか?」

 

「いや、毎回 聞いている事だ、気を悪くしたなら謝る、すまない」

 

「そうでしたか、申し訳ありません」

 

 

ナズナの威圧に腑が煮え繰り返っているだろうが、テレジアは貴族の威厳とでもいうのだろうか、大人しくナズナの質問に答え 質問を返してきたが、ナズナの謝罪に素直に応じる

 

あらやだ、ナズナってばカッコいい

 

 

「いつもと同じ手順だな、カヅキ」

 

「承知いたしました」

 

 

ナズナの呼び掛けに、魔本をインベントリから取り出して、魔法を展開し 魔眼 捜索を始める

 

今は全リミッターが正常運転中だから、近寄れば分かるだろうが 全く臭いを嗅ぎ取れないので捜索魔法頼りになってしまう

 

リューネ王族に忠誠を誓うベルナール家 カルデラさん の様に信用・信頼の出来る人物だったなら全リミッター解除して全力捜索して小1時間で見つける自信があるが、このレフ というテレジア当主は全く信用出来ない

 

ナズナへの敬意も感じないし、嫌がらせに尿管結石になる呪いでもかけてやろうかな

 

 

「これまで さまざまな家を巡ってきましたが、テレジア領 領都付近は 山や木々が多いですね? ベルナール家は平坦な土地にありましたが」

 

「我々テレジア家の専門は魔法・魔導の兵器運用 他、軍事転用ですから、周りに被害が出ない様に障害物が多い土地が必要不可欠なのですよ、それに この辺りの山々は様々な資源 主に魔導兵器に使う触媒が採掘出来ますからね」

 

「なるほど、理にかなっている、と」

 

「その通りです」

 

 

可能な限りテレジアの琴線に触れない様に言葉を選びながら尋ねると、テレジアは饒舌に話し始める

 

コイツ、典型的な自己顕示欲の強いタイプだな、的確な相槌を打っているとベラベラ情報を話してくれる奴だな、多分

 

 

「専門が専門の為、私の知る範囲ですが数回 領主 邸宅を引越ししている様で、あの頂上の山肌の見える山が見えますか? あそこが 私の何代か前の領主邸宅があります、詳しくは知りませんが 当時開発中の魔法が暴発して頂上が吹き飛んだとか」

 

「あぁその話は俺も聞いた事がある、当時の使用人や助手も何人か死亡した大事故だったらしい、後に何を思ったか更地になったから と隠居用の別宅を建設した・・・と、聞いている」

 

「新技術には犠牲や危険・リスクは つきもの、我々は覚悟の上ですから、それに あの山は我々テレジア一族には便利なのですよ、少し掘るだけで実験に使う触媒が取れますから」

 

 

嫌味なオッサンかと思ったら、単純に研究大好き変態おじさん なだけだったテレジアに、申し訳ないが軽く引く

 

この人、ブリリアント家に忠誠心のカケラもないし、国を良くしようという考えも微塵もない

 

研究が出来るから、此処にいるタイプだ、マジ ヤベー奴だわ

 

 

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