魔本を開いて捜索をしつつ、こっそり テレジアへ 不定期に尿管結石になる呪いを掛けておく、ナズナへ敬意を持たない奴は信用出来ないからな、うん
「ん? テレジア候、もしかして先程説明があった別邸以外にも、山中に施設が有りますか?」
「無論、その実験に最適な場所でするし、全ての山で同じ素材が採取される訳でもない、特定の山にしかない素材もあるから、それぞれに拠点設営は当たり前だろう?」
「・・・そうですね、それは失礼しました」
「ふん、これだから無知な子供は嫌いなんだ」
確認の為に尋ねたら、嫌味ったらしい返答が返ってきて内心イラっとしたが、仕事中なので我慢しているとテレジアは吐き捨てる様に言うが聞こえなかったフリをしておこう、反応したらテレジアをウッカリ殺してしまうかも知れないし、そろそろ呪いの効果が現れる頃だしな
「ナズナ殿下、反応を検知しました」
「ご苦労 カヅキ・・・ん? レフ、どうした? 顔色 というか 汗が凄いぞ?」
「ナズナ殿下・・・申し訳、ありませんが・・・急に体調が・・・」
「おい、大丈夫か? しかし困ったな、案内や鍵を解錠する者が居ないと困るのだが・・・」
「な、ならば・・・当家 執事長 ジャンを」
「そうか、それは助かる。 誰かレフを室内へ」
漸く捜索魔法に 魔眼 の反応を捉えナズナに報告すると、ナズナは私を労ってくれ、テレジアへ声を掛けるとテレジアは右腰の辺りを押さえて苦悶の表情をしながら脂汗をダラダラかいて、苦しそうにナズナと言葉を交わす
うんうん、上手く呪えた様で良かった
大丈夫だ テレジア、凄く痛いけど死にはしないからさ? まぁその痛みが2〜3時間とか続くけどね?
急病(笑)のテレジアの代わりに、初老1歩手前ぐらいの執事長 ジャンが鍵束を持ちながら現れ
「御前を失礼致しますナズナ殿下、当家当主レフが急病にて座します故、
「あぁ、よろしく頼むジャン。ではカヅキ 頼む」
「はい、マーカーを打ちますね? この付近に反応が有ります」
テレジアとは違い礼儀正しい執事長ジャンに軽く挨拶をして、ナズナの指示を聞き 見やすい様に魔法でマーカーを表示する
「あの付近に何か心当たりはあるか?」
「心当たり、ですか? はて・・・」
「例えば・・・活動拠点の山小屋や採掘用の施設、遺跡の可能性もあるな」
「少々お待ち下さい、えぇ・・・マーカーの付近ですと、ハヤテ様がご療養されていた別宅が ございます」
「・・・そうか、ハヤテ兄上の」
「殿下?」
「あぁ、すまない。時は金なりだ、行こう」
「かしこまりました、御者は 私が致しますのでナズナ殿下方は中へ」
「あぁ」
表示したマーカーを元にナズナがジャンへ尋ねるが、ジャンは質問に対して思案顔になり、どこからかファイルを取り出して 方角と山の位置を確認して調べて、ナズナの問いに答える
その答えを聞いたナズナの表情が曇ったのが見えたので、呼び掛けてみると いつものポーカーフェイスへ戻り 移動を宣言し、ジャンを御者に馬車に乗り込む
ハヤテか、なんかナズナには珍しく仲が良かった王子なのだろうか?
というか、ナズナの反応的に故人っぽいなぁ
「殿下、お辛いならば 私だけで 魔眼 の収容を行いますが?」
「・・・いや、俺も行く。前にも言ったが お前だけにリスクを背負わせる訳には行かないし、今回ばかりは 逃げたくないんだ」
「貴方が そうおっしゃるならば、私からは何も言いませんが・・・」
「それに、仮に お前が単独行動中に 置物になったら、誰が投薬するんだ?」
「・・・殿下、今のは余計です」
馬車に乗り込んでから、物憂そうな表情をしているナズナへ提案すると、私の方を見て笑み言う
うーん、やっぱりイケメンの笑みは凶器だな、慣れている筈の私の鼓動が早くなる
そんなカッコいい事を言った後で、ナズナは肩をすくめて余計な事を言う、恐らくワザとだろうが 本当に余計な一言だと思う
それから小1時間ほど馬車は走り、目的地へと到着する
「此処が・・・」
「はい、カヅキ殿 が示した場所でございます。今 門の鍵を開けますので少々お待ちを」
門の前で馬車を降りて自己主張しているマーカーを見つつ2人の会話を聞く、ひとまずは 私達以外の生命体の反応は無いから危険は無い筈だが、魔王の遺物は何があるか分からないから、警戒は続けておかねばならない
「ナズナ殿下、カヅキ殿、お待たせ致しました」
「ご苦労、ジャン」
門の鍵を開けて、私達を別宅の敷地内へ誘うジャンを労いつつナズナと共に私も敷地内へと侵入する
門に施錠されていたから、今は誰も住んで居ない事は確定だが、その割には荒れて居ないので 無人になってから それ程 時は立っていないのかも知れない
ガバガバな予想だが、3年以内ぐらいだろうか?
または定期的に手入れをしにテレジアの使用人 又は 委託業者が入っているか、そのどちらかだろうか?
私の予想は前者だな、ハヤテって人が療養に使っていたらしいし? 恐らく 此処はハヤテ専用の別邸だったのだろう