アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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9話 まいねーむいず

 

 

 

頑張ってセンセイへ恩返ししようと決意を固めていると、目的地に辿り着いた様で入室すると執事とメイドが綺麗に整列していた

 

 

ざっと見た感じ老若男女問わず雇用している様で、年齢に幅がある様に見える

 

メイドは少し若い人が多めかな?多分

 

 

「すみません、野暮用で少々遅れてしまいました。朝礼を始めましょう」

 

 

「本日は来客の予定は有りませんので、昨夜の後片付けに人手を裂きましょう、クレスとリットは数名連れて作業を開始して下さい」

 

 

センセイがテスタロッサ家の執事長らしき人へ言うと彼は頷き、朝礼を始めて指示を出す

 

 

おぉ、慣れている様で様になってて少しカッコいい

 

 

出来たら戦う執事になってみたかったけど、無理だから戦うメイドを目指すか? 悪くないな

 

 

「では最後に本日より使用人が増えます、暫くは見習いとして仕事を覚えてもらう予定なので、年長者各位には彼女の教育をお願いするので、そのつもりでいてください、カヅキ」

 

「本日よりお世話になりますカヅキと申します、若輩者故世間知らずの無知者ですが、何卒御鞭撻の事よろしくお願いします」

 

 

センセイに軽く背中を叩かれて促されたので自己紹介し頭を下げると、やはり獣人は珍しいのか、俺の狐耳と尻尾に目線が行ってるのを感じる

 

 

仲良くなってくれたら、尻尾をモフらせてやっても構わないのだぞ? とか誰に言うでもなく心の中で呟く

 

 

「今日の針子担当は衣装室でカヅキの使用人服の改造を、明日から着用させますので、最低1着 可能なら2着今日中に完成させてください。本日休日の者にもカヅキの事を伝えておく様に」

 

 

「それでは各々の仕事に取り掛かって下さい」

 

 

センセイが指示を出し終える執事長がパンパンと手を打ち朝礼の終了を告げると、使用人がキビキビと自分の仕事へ取り掛かる為に部屋から出ていく

 

 

「これで1つ仕事が済みましたね」

 

「そうですね、センセイ」

 

「次に行きましょう、正式な契約はまだですからね」

 

「はい、先生」

 

 

そんな訳で先生の後に着いて再び移動を開始し、昨夜も訪れた領主執務室へと辿り着き、センセイは遠慮なく扉をノックし返事が聞こえて直ぐに入室する

 

 

「旦那様おはようございます、カヅキとの雇用契約の件で参りました」

 

 

「おはようございますターニャ、出来ていますよ」

 

 

「拝見します」

 

 

デスクに座り如何にも出来る男のオーラを漂わせたベルファさんが、先生の用件を聞きファイルを差し出してきて、センセイは受け取り中身を確認し始める

 

 

昨日からチョイチョイ感じるチグハグさは何だろう?

 

 

文明水準のバランスがおかしい、馬に乗り馬車を引いているかと思えば理屈は分からないがユニットバスで尚且つ水洗式トイレだったり、ドライヤーがあったり一部だけ近代化していて、もうバランスが悪い、悪すぎる

 

 

異世界だから、そう言われたらそれまでだが、少しモヤモヤして気持ち悪い

 

 

「本当にカヅキの処遇に関しては私の一存で決定して良いのですね?」

 

 

「はい、普段から使用人関係は貴女とローエンに任せていますからね、餅は餅屋と言う様に変に私が口を出さない方が良いでしょうから」

 

 

「かしこまりました」

 

 

ベルファさん、めっちゃニコニコして言っててセンセイとローエンさんを信用してるんだなぁ と思う

 

 

でも、まぁ・・・こう言う人の方が裏切ったりした時に容赦なく処分してくるタイプだから、怒らせない様にしよう、そうしよう

 

 

「ではカヅキ、契約書です。隅から隅までしっかり読んで納得してからサインを」

 

 

「わかりました」

 

 

そんな訳でセンセイから契約書を渡されて見てみると、都合よく文字が読めたので、言われた通りに契約内容を読む

 

ざっくり内容を纏めると

 

⚪︎週休1日の6日勤務

⚪︎1日8時間勤務

⚪︎基本的には掃除や雑務が仕事

⚪︎場合により残業発生で残業代支給

⚪︎要請が有れば戦闘に参加する(拒否権あり)

⚪︎ターニャメイド長直轄使用人

 

 

と言う具合で高待遇だと思う、多分

 

正直に言うと前世は持病で休みがちな高校生だったので労働なんてした事がないから、本当に高待遇か分からないけど、センセイが見て大丈夫と判断したから多分大丈夫だろう

 

 

と、サインする前にベルファさんには持病の事を伝えなきゃならない

 

 

「ベルファ様、私が契約書にサインする前にお話しておきたい事がございます」

 

「なんでしょう?」

 

「私は過去の事故が原因で精神疾患を患っております、現在も時折発作に見舞われ、何も出来なくなる事があります。薬を服用すれば数分から十数分で動ける様にはなりますが、トータルのパフォーマンスは下がると思われます」

 

「ふふ、貴女は自分に不利になる情報を私に伝えましたね? 気に入りましたよ、貴女の誠実さ。ターニャも承知の上なのでしょう? ならば先程も言った様に全てターニャに一任します」

 

 

「ありがとうございます、ベルファ様」

 

 

彼は俺の告白を聞き、寛容な態度と理解を示し話を聞いても尚、雇用してくれると言ってくれた事に感謝する

 

 

俺のトラウマは俺を逃してくれないけど、センセイとベルファさんには恩返ししたいと思う

 

 

せっかくチートも手に入ったしな、活用して恩返しするぜ

 

 

 

 

 

 

 

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