アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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93話 やべ もう逃げられないかも知れねぇ 2

 

 

母子だけで通じ合っていてサッパリ分からず困惑していると

 

 

「ふふ、カヅキちゃんは聡明だけれど、貴族・王族の習性には疎い様ね?」

 

義母(はは)上、カヅキは教養はあっても平民ですよ? バカ達の事なんか知る訳がありません」

 

「それもそうね?」

 

 

ニコニコと笑むベアトリーチェと依然として眉間に皺を寄せているナズナの言葉に何も言えないでいるが、2人は気にしていない様子だ

 

因みにハルトは、先程 たくさん泣いて疲れたのか私の尻尾を枕に昼寝に移行しているから静かである

 

 

「それじゃぁ、カヅキちゃんに理解できる様に説明をするわね?」

 

「はい、よろしく お願いします」

 

 

ベアトリーチェは紅茶を飲み、微笑みながら言ってきたので 軽く頭を下げて聞く体勢を整える

 

 

「まず約半年前にトリスタンの別荘で カヅキちゃんが、偶然 発見・収容した魔王の遺物 “ 魔斧 ” を発端に、ナズナ君が主導で計画した魔王の遺物 収容作戦が開始したわよね? 」

 

「はい、その通りです」

 

「そして貴女はナズナ君の指揮の元、リューネ国内に存在していた魔王の遺物を収容し無力化している、そうね?」

 

「はい、そうです」

 

 

ニコニコとしながらも淡々と事実確認をする様に説明してくるベアトリーチェに、良い知れぬ不安を駆り立てられてしまうが、どうにか押し込め返答する

 

 

「ん〜、ここまで我欲が無いのも逆に心配になるわね? そう思わない? ナズナ君」

 

「それについては、俺もそう思います義母上。カヅキは どうせ『契約だから』とか言いますよ」

 

「あらあら、これは大変ねぇ〜」

 

「あの、すみません。どう言う事でしょう?」

 

 

突然ベアトリーチェが首を傾げ、そんな事を言い出して私は少し困惑してしまう、魔王の遺物収集と私の我欲 の関係性が結びつかないからだ

 

 

「良い? カヅキちゃん、リューネ建国以来 誰も成し得なかった偉業を貴女は成し遂げたのよ?」

 

「え? いえ、そんな大層な事では無いです。ナズナ殿下からの要請もありましたが、危険物を放置する方が寝覚めも悪くなりますし 」

 

「・・・ナズナ君、この娘 凄いわね? 一点の曇りも無く本心から言っているわ」

 

「ですから、前にも言ったでしょう? カヅキは自分が偉業を成し遂げた自覚が無いんですよ、して当たり前 とか 自分が勝手にした そんな認識なんです。 カヅキからしたら、道に落ちていたゴミを拾ってゴミ箱に捨てた ぐらいの認識ですよ」

 

「あれ? なんかディスられてる?」

 

 

先程まで微笑みを浮かべていたベアトリーチェの表情が曇り、割と真剣に心配そうな表情になり、ナズナへ言うと彼は私をディスってくる

 

別に追加契約だったし、存在を知っていて あんな不発核爆弾を放置している方が安心して寝れないから、対応しただけなのに 酷い言われようだ、コレは遺憾の意を表明せざるを得ない

 

 

「カヅキちゃん、良く聞いて頂戴? 貴女自身が どう思っているかは関係ないの、結果的に貴女が偉業を成し遂げた 然も人的被害皆無でね、これはバカ貴族達からしたら面白くない 反面 チャンスになっているのよ」

 

「どう言う事でしょう?」

 

ベアトリーチェは真剣な表情で私を真っ直ぐに見据えて言ってくる、私自身の認識と世間の認識に乖離がある事は理解したが、バカ貴族のチャンスになっている理由が分からないので、聞き返す

 

 

「貴女は平民じゃない? バカ達からすれば口先の甘言で自分の家の養子なりにして甘い汁だけ啜れる存在と思っているのよ」

 

「はぁ、そんな甘言に騙される人間は王太子専属護衛になれる筈ない と、少し考えたら分かると思うのですが・・・」

 

「本当、そうよね? 哀れな程にバカよね」

 

なんか涼しい表情で毒を吐くベアトリーチェを見て、流石は王妃をしているだけあるな と思いつつ 返答する

 

 

「まぁ そう言う訳で、貴女に取り入って甘い汁を啜ろうとするバカが間もなく活動を始めるのよ」

 

「あの、動き出している では無くですか?」

 

「えぇ もうすぐ新学期でしょう? 自分の子供に命令して 貴女へ取り入る算段なのよ、バカ達は」

 

「あぁなるほど」

 

 

ベアトリーチェの言葉の意味を理解出来なかったが、説明を聞いて理解出来た

 

確かに今 現状 活動できない、何故なら私はナズナの専属護衛で 現在位置はトリスタンの別荘だからバカの集まる王城には居ないし 、王都へ戻っても間もなく新学期が始まるから学園に行くから、バカ本人達には遭遇しない

 

それ故に、バカ達は自分の子供に私へ接触・懐柔を命令する訳か、理解理解

 

 

「私としては、お気に入りのカヅキちゃんをバカに取られるのは とっても嫌なの、だから貴女を信用出来る貴族の養子にしたいのよ」

 

「は、はぁ・・・」

 

「カヅキちゃん、貴女は偉業達成の功労者なのだから 最低でも貴族位と領地の下賜が約束されているのよ? でも貴女は そう言うのいらないでしょう? だから貴族の養子にする事を代案にしているの」

 

「は、はぁ・・・」

 

 

なんだか力説?をし始めたベアトリーチェに曖昧な返事を返すと、さらに続けてきて私の脳が処理落ちして、全く内容が入って来ず 曖昧な返事を返すと、ベアトリーチェに 『大丈夫かしら? この子』みたいな目で見られてしまう

 

多分、大丈夫じゃないので、頼んだナズナ と念を送りつつ 私は彼を見るのだった

 

 

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