そんなこんなクラスメイト女子に熱烈交流された後、予鈴が鳴り何とか説得して運動着へ換装を完了し、屋外訓練所へやってくる
「いつもながら遅かったな」
「今日も囲まれてしまいました」
「ははは、その様だな?」
「おま・・・リリー? 少しは加減しろよ、俺は文官なんだぞ?」
「あら、それでも カヅキちゃんが到着するまでの肉壁にはなれるでしょう?」
「そうだけど、そうじゃなくてな?」
そこには既に着替え終えているナズナとチャールがいて、私と目の合ったナズナが尋ねてきたので、告げると軽く笑い言う 笑い事ではない
そんな私とナズナを他所にチャールがリリウムに文句を言っているが、当のリリウムは全く反省している様子もなく、容赦の無い事を言いチャールが頭を抱える、これは いつもと逆のパターンだなぁ 面白い
そんなこんなチャールとリリウムの夫婦漫才を観察していると、始業の鐘が鳴り
「実技の授業を始めるので集合!」
「授業が始まるな」
「そうですね」
今日の実技担当教師が数名 現れて主任的な教師が号令を掛ける、その声を聞き 整列する
「そろそろ春休みでなまっていた身体も新年度で温まってきたと思われるので、今日は1対1形式の試合をして貰う。運が良い事にテスタロッサ家で開発された訓練装置が、この野外訓練所へ設置されたので安心して戦ってくれ」
大柄で筋肉ムキムキの教師が本当に嬉しそうに言ってくる、ベルファさん もう売り込んでいたのか、流石だな
それからムキムキ教師がルール説明をしていたが、使用できる武器が増えていて、剣の他にも大剣・槍・魔法杖等など 豊富になっていた これは助かるな
そう言う訳で、初戦の生徒2名以外の生徒は待機席へ移動し、設置されているベンチへ座り試合を観戦する
「ふむ、有望だな」
「アイツ、親父さんが騎士団員なんで 卒業後は騎士団に入団するつもりみたいっすよ」
「そうか、それは楽しみだな」
待機席は防護壁で保護されているので、完全観戦モードで試合を見ているとナズナとチャールの会話が耳に入り、チャールよ お前はテレジアを継がずに情報屋になったら良いんじゃ? と思ってしまう
正直、チャールの情報収集能力は凄いと思う
それから観戦を続けていると
「では・・・リリウム、カヅキ、次は お前達だ」
「ふふ、負けないわよ?」
「えぇ、全力で向かってきて下さい」
ムキムキ教師に名前を呼ばれたので、リリウムと共に得物を手に戦闘区域へと入り彼女と対峙する
「始め!!」
「行くわよ!」
「意気込みは良いですが、判断が遅いです」
「え?!」
開始の合図と共に魔法杖の頭を私へ向けてきたリリウムへ左右へフェイントを入れてから一気に踏み込み
あのまま密着して完封も可能だろうが、友人をジワジワ痛ぶるのも悪いしね?
「え? なに? カヅキちゃん、速くない?」
「それはそうですよ? 私はナズナ殿下の専属護衛ですから」
「くぅ・・・これがギャップ萌え・・・」
「何を言っているのかな?」
痛みに悶えていると思ったリリウムは意外と余裕があるみたいで、そんな事を言ってきて 正直 コイツ大丈夫か? と思う
【warning warning warning warning】
「ナコト? 急にっ うぉ?!」
「きゃっ・・・」
ハルト迷子事件以来 大人しくしていたナコトが勝手に出てきて 危険を知らせきて戸惑っている内に、リリウムの後方30mに何かが墜落?着弾?して土煙と暴風が発生して髪がバサバサと暴れる
なんか物凄い嫌な予感がしたので、リリウムへ駆け寄り彼女と落着物の間に入り庇う様に立つ
「痛たた・・・まだ加減が難しいなぁ」
【warning 魔王因子検知】
「リリウムさん、チャール君と合流しナズナ殿下を お守りしてください」
「カヅキちゃんは?」
「アレを どうにかします、どうせ騎士団なりなんなりが到着するまで囮が必要ですし、早急に行動してくださいね? 全力で戦う為には貴女がいると邪魔なので」
「く・・・分かったわ、死なないでね!」
「えぇ、任せて下さい」
土煙の中、ゆらりと 何気なく立ち上がる人型の影とナコトの警告文に非常事態と決定し、リリウムへナズナの元まで下がる様に指示を出すと不服そうだったが、なんとか行動してくれる 良かった
この訓練装置は内側からの攻撃や衝撃に対する処理特化な為、外側からの衝撃に弱いので侵入者への対策もクソもない訳だ
「あぁ、そこの貴女。
「はぁ?
「質問をしているのは、こちらなのですがね? やれやれ これだから売女は」
どこからか風が吹き 土煙が晴れると、そこには燃えるような紅の髪と漆黒の瞳の男が立っていて、私へ何気なく尋ねてくる
しかし、私は男の顔に見覚えがあり 思わず疑問が口から出てしまい、男は忌々しそうに言葉を吐き捨てる