この素晴らしい世界にて特徴を!!!   作:ループものヒロインは唯一無二の特徴だよ

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はちゃめちゃでチグハグなぷろろーぐ!!

「キャラで埋もれたくなーい!!!」

 

 

 

 どうも皆さん転生者のミハルです!

 

 私は今、とっても悩んでいます!

 

 

 

「ちょ……いきなり何言い出すのよミハル」

 

「あぅ……」

 

 

 

 私は『この素晴らしい世界に祝福を!』、通称このすばの世界に転生した転生者と言う奴です。この作品の記憶も当然あります。

 

 第二の生、随分と早くに死んだなーって思ってたら目の前にエリス様がいたんですよ、それはもう驚きましたよね。

 

 

 

「……私、普通じゃないですかぁ」

 

「え? うーん、そう……なのかしら?」

 

「それで読者(だれか)に忘れ去られたくないんですよぉ」

 

「この子、今日は特に酔ってるわね……ダスト、何かした?」

 

「してねぇよ! そいつになんかしたらお前が怒るだろ!」

 

「当然でしょ、アンタみたいなのにミハルが悪影響受けたらどうすんのよ。今でさえアンタに懐いてるってのに。……本当に何もしてないのよね?」

 

「うっせぇ! その理由は俺の方が知りてぇよ!」

 

「うあー……? ダストさんは良い人ですよぉ?」

 

「……」

 

「いやいやいや! 本当に知らねぇんだって! お前らもなんとか言ってくれよ!」

 

 

 

 楽しそうですねぇ男三人衆さんたち。なんでリーンさんは睨みつけてるんでしょうか。

 

 

 

「……とにかく、私は特徴が欲しいんです! 誰にも埋もれない特徴(キャラ)が!」

 

 

 

 このすばの顔である()()は言わずもがな、紅魔族にその他の冒険者に女神や邪神に天使に王族貴族に魔王軍に……と、出てくるキャラも多ければ、その特徴も多種多様。

 

 今はまだ、()()がいないので見る人も当然いない……訳でもない? 前前世では外伝作品には全く触れず、ネットの情報のみ入手していたのですが、やっぱり重要な過去編とかあるんでしょうか、あるんだろうなぁ。

 

 

 

「特徴、ねぇ……」

 

「ダストさん! 何かありますか!」

 

「いや俺に言われても  あ、そうだ……って待て待てリーン、別に変なこと教えようってんじゃねぇから落ち着けって!」

 

「?」

 

「ふぅ……変な特徴なんてなくたって、ミハルはミハル……じゃダメなんだろ?」

 

「はい! それじゃあこの先埋もれます! テイラーさんみたいに!」

 

 

 

 テイラーさんみたいに! 重要なことなので二回言いました!

 

 ちなみにテイラーさんとは、ダストさんのパーティのリーダー的な人で、すごく真面目な人です。以上です。

 

 

 

「!?」

 

「ぶっふ! ……ごほん、話を戻すが、だったら、余裕ってのを待ってみたらどうだ?」

 

「?」

 

「……毎日毎日、あんな必死にされるとこっちも心配になってくんだよ。……ってのはこっちの話で、一旦立ち止まって、周りを見てみろよって話だよ」

 

「お前、酒飲んでる時の方がよっぽど周りと関わりあるぜ?」

 

「余裕……」

 

 

 

 確かに普段はレベル上げの充足感が凄すぎてレベリング……もとい、討伐任務ばかり朝から受けて回ってはいますが、いますけど!

 

 

 

「別に焦ってませんよぉ……」

 

「焦ってるなんて言ってねぇよ、自覚ありじゃねぇか」

 

「うぅ……」

 

「ま、明日からはゆーっくり生きてみるこったぁ。人生には、討伐以外にもやれることってのは沢山あるからな……って、聞いてるか?」

 

「んん……」

 

 

 

 うぐ、なんだか意識が朦朧と……。

 

 それはそれとして、ゆっくりしすぎてろくでなしなダストさんが言うと、説得力がありますね。

 

 

 

「うっせぇ!」

 

「あれ、声に出ちゃってました……?」

 

「しっかりとな、……たく、もう寝とけ。面倒はリーンが見てくれるからよ」

 

「ちょっと?」

 

「とか言いながら、俺達に任せたら何するかわかったもんじゃねぇって怒んだろ!」

 

「……ふん」

 

「うー……」

 

 

 

 だめですもう意識が持ちません。うぐぐ……ダストさんにまた助けられてしまいました……?

 

 

 

「んん……わ、たし、はぁ……」

 

「……おやすみ、ミハル」

 

 

 

 


 

 

 

 

 ……なーんて、酔った私がやらかしていたのも、もう一年程前になるのかな?

 

 

「ふあぁ……眠たい……」

 

 

 一年も経つと、人は案外変わるもので。私もそれなりにこの街に馴染んだと思われる。

 

 この街に来てからはや二年、一年前にはまだまだ新参者だった私が、今やこの街の有名人だからなぁ。……いい意味で、だからね。勘違いしないで欲しい、()()の様なやらかしはしていないのだ。

 

 

 

「おや、ミハルちゃんかい」

 

「……あ、おはようおじさん。おばさんも」

 

 

 

 お世話になってる宿屋のおじさんとおばさん。……こっちに来たばかりの時からお世話になってるし、二年くらいかな?

 

 

 

「今日も早いわねぇ、一人で早起きして……うちの人にも見習って欲しいわ!」

 

「ははは……」

 

「あはは、そう言ってもらえるなら、早起きしてる甲斐があります」

 

「今日も、一緒にいる子達と行くのかい?」

 

「いえ、今日はダストさん達とは別々。今日は一人です」

 

 

 

 まぁ一緒にいる……ってのは否定しないけども。別にパーティじゃないんだよねぇ。なーんかそういう話題は避けられてるっていうか……気にし過ぎかな?

 

 

 

「一人で大丈夫なの? ……って、また聞いちゃったわ」

 

「いっつも心配してもらって、ありがとうございます。……同じ言葉ですけど、大丈夫です」

 

「こう見えても、私は強いですから」

 

「もう二年になるのねぇ……時が経つのも、子供が育つのも早いわぁ」

 

「ああ、その間にミハルちゃんも有名人になったからね」

 

 

 

 ……まぁ、まだまだ勝てない人はいるわけだし、目標の人も超えられた気はしてないんだけども。

 

 

 

「じゃあ、行ってきます」

 

「ああ、行ってらっしゃい」

 

 

 

 二年前におじさんたちに出会えたのは本当に幸運だったのだと、今になって思わされるね。幸運の女神様には感謝しないと、だ。

 

 ふむ、依頼……受けなくても別にいいんだけどね。報酬が出ないだけで誰にもバレないから。まぁ、受けた方が良さそうだし受けに行こうか。

 

 

 

「こっそり行くと、バレた時に怖いんだよねぇ……リーンさんと受付の人が」

 

 

 

 ルナさんだっけ、なんか独身の人。

 

 あの人の周りで結婚したとかの話題が出た時怖いんだよね、笑ってるし祝福してるのにさ、周りの誰も気付かないけど。

 

 あの人、男の冒険者にやらしい目を向けられるくらい人気なんだからそういう人すぐに見つけられそうなもんなのにね。世の中って不思議だなぁ。

 

 

 

「ふんふふーん……あ」

 

 

 

 懐かしい服装の青年が受付に並んでる。

 

 

 

「今日なんだねぇ……ふふ」

 

 

 

 思わず笑みが溢れてしまう。これからあのはちゃめちゃな日々が始まるんだなぁ、私も埋もれないようにしないと。

 

 そうだ、彼らに覚えてもらいたいし、登録用のお金でも渡しとこう。原作だと誰か分からん人に借りてたみたいだし、私でもいいよね。

 

 

 

「ね、そこのおにーさん」

 

「はいなんで……しょ、う?」

 

「見た感じ、初心者……というか、冒険者になりに来た人だよね? 登録用にお金がいるんだけど、持ってたりする? そっちのおねーさんも」

 

「そうなの!?」

 

「あらら、持ってないんだ。……じゃあこれあげる」

 

 

 

 やった、計画通りだ。

 

 まぁこんな所で安心してたらモブの仲間入りなんだけどね! ほんと世知辛いよねこの世界。

 

 

 

「本当に!? ありがとうねお嬢さん! いやー流石私ね、出会う人々にも恵まれるなんて! ほらヒキニート、貴方もこの子にお礼と、幸運な私に感謝を  って、どうしたのよ」

 

「お、お前……」

 

「?」

 

 

 

 あれ、なんかいきなりよくわからない反応されてるんだけど私。何かしたっけこの人に。

 

 んー、前世で会ったなら覚えてるだろうしなぁ……多分違うよねこれ。

 

 

 

「えと……私の顔、何か付いてる?」

 

「……っ」

 

「わわっ」

 

 

 

 急に抱き付かないで欲しいなぁ。びっくりするから。

 

 後膝も大丈夫? 崩れ落ちる勢いで床に付いたけど。

 

 酔っ払ったリーンさんに抱き付かれてるからあんまり抵抗はないんだけどさ、こういうの。この人ヒキニートだし色々アレだけど変な匂いとかはしないんだね、嫌悪感があんまり湧いてこない。

 

 

 

「ちょっとこの変態……! って、ほ、本当にどうしたのよアンタ」

 

「う、うぅ……よがっだ……!!」

 

「え、えーと……?」

 

 

 

 え、泣いてるの? 私の視点からじゃ見えないんだけど。

 

 耳をすませば……あ、鼻をすすってる音がする。同時に周りのガヤガヤ音も聞こえて来るけど。

 

 そうだ、絵面だけ見たらすっごい犯罪臭するんだこれ。……彼を犯罪者にしない為にもそろそろ離れてもらわないと  

 

 

 

  

 

「お前が……いぎでて……!!」

 

「何が何だかわからないんだけど……うん」

 

「……私はここにいるよ、だから泣かないで」

 

 

 

 ……まぁ、泣いてるらしいし、ただの犯罪だとは思われないだろう、うん。

 

 こういう時って、泣き止むまで頭を撫でてあげたらいいんだよね。年下の小さい子にやったことあるから知ってる。私は物知りなのだ。

 

 

 

「う、ぅあああ……!」

 

「大丈夫、大丈夫……」

 

 

 

 ……本当に、なんでかなぁ?

 

 

 

 


 

 

 

 

「落ち着いた?」

 

「ほんっっっっとすんませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

 

「わわわ」

 

 

 

 知ってたけど。ああいうことしちゃったこの人って、中々思い切り良くプライド捨てるよね。エロい妄想とか欲望ははみ出すしそこら辺はチキンになって引っ込むのに。

 

 

 

「私は大丈夫なんだけど……そっちはほんとに大丈夫?」

 

「あ、大丈夫っす……ハイ、本当に……」

 

「あはは、そんなに畏まらなくても大丈夫だよ。私は気にしてないからさ」

 

「ありがとうございます女神様ぁ……!」

 

「はぁ!?」

 

 

 

 あ、本物の女神様が反応した。

 

 

 

「本物の女神様はこっちにいるんですけど!?」

 

「うるっせぇ! 能力値以外なんの取り柄もねぇ駄女神よりミハルの方が数千倍女神様だわ!」

 

「ぬぁんですってぇ!?」

 

 

 

 わー、本物の二人だぁ……って、なんの感慨もできない所が最高に二人らしくて、と言うかこのすばの()()らしくて良いよね。

 

 ……見てるだけで笑みが溢れそうになる。

 

 

 

「あはは、とりあえず落ち着いて、二人とも。……また注目の的になりたい?」

 

「ぐぬ……」

 

「うむむむ……!」

 

「……というか、私の名前知ってるんだ?」

 

「あ……」

 

「まぁ深くは聞かないけどさ。……一応、自己紹介しておくね? 私の名前はミハル、職業はパラディン。一応この街のベテラン……ってことになるのかな?」

 

 

 一年前はダストさんに新米扱いされたけど。二年目だし流石に……?

 

 どうだろう。

 

 

 

「へー! ミハルってパラディンなのね! 珍しいじゃない」

 

「あはは、よく言われる」

 

「……パラディンって?」

 

「上級職の一つよ。とは言っても、基本的に皆クルセイダーとかアークウィザードなんかの派手な職業を選ぶから、あんたにはマイナーチェンジ版って言った方がわかりやすいかもしれないわね」

 

「ふーん……何が違うんだ?」

 

「そうねぇ……魔法を使える代わりに弱くなった騎士、ってのが一番近いかもしれないわ。何をするにしても中途半端な職業なのよ、パラディンって」

 

 

 

 うぐ、痛いところを……。

 

 

 

「魔法を使った多彩な攻め方ができるのは確かなんだけど、パラディンが覚えるスキルってどれもこれも玄人向けの扱いが難しいスキルだから誰も扱えないの」

 

「あはは……」

 

「むかーし、一人二人くらいはいたとは思うわ……でも大体の人はスキルに振り回されてそのまま襲われるか、スキルを使わないという選択肢を迫られるのよ」

 

「ええ……」

 

「だからすっごい珍しいのよ。まともに戦えるパラディンってなったら、それこそ国宝級じゃないかしら?」

 

「ありがと。でもそんな凄い訳じゃないよ、新しいスキルはたまに失敗するし」

 

「……で、お二人さんはなんて名前なの?」

 

「ふふん! 聞いて驚きなさい! 私の名はアクア! 崇高なるアクシズ教団の崇める女神様にして、アークプリーストのエリートよ!」

 

「おおー……」

 

「あんまり信じるなよ? こいつバカだからさ」

 

「ちょっと!?」

 

「ふむふむ……で、そっちの号泣したおにーさんは?」

 

「うぐっ!? ……俺の名前は佐藤和真、で職業は冒険者だ」

 

 

 

 ふむふむ、どっちもお変わりないと。良かった、これなら多少は助けになれそうかな?

 

 

 

「アクアさんと……えと、サトウカズマさん?」

 

「カズマでいいよ、こっちの駄女神も呼び捨てで構わん。敬う理由がない」

 

「はぁ!?」

 

「あはは、仲が良いんだね。……と、自己紹介は済んだし……どうする二人とも、初めての依頼でも受けてみる?」

 

「……今なら、一応上級職の冒険者が一人、着いてくるおまけ付きだけど」

 

 

 

 


 

 

 

 

   っし、上手く行った……!」

 

「へー……筋が良いんだね、カズマって」

 

 

 

 なんか、立ち回りが玄人っぽい。ステータスの低さとか、覚えてるスキルがないからアレだけど、そこさえどうにかなれば私より強くなるかも。

 

 ……あれ、なんか強くない?

 

 

 

「へへ、そうか?」

 

「うん、驚いちゃった」

 

「プークスクス! こんなちっちゃな子に負けてるのに嬉しそうにしちゃって!」

 

「あぁん!? お前なんかミハルがいなきゃ今頃カエルの腹の中だろうが胃液の女神様ぁ!?」

 

「はあああ!? だぁれが胃液の女神よ! 私は癒しと水を司る女神アクアなのよ!?」

 

「はいはいそこまでにしてね、土の中のカエルが起きちゃうから」

 

 

 

 ……カズマが一匹倒す間に四匹倒してたのは悪手だったのだろうか。でもそうしないとアクアが食べられちゃうんだよね。

 

 座ってるだけなのにモンスターのヘイト集め過ぎじゃない?

 

 

 

「まぁ、初めてでそれだけ戦えるんなら、カエル狩りだけなら安定するとは思うよ」

 

「だけ、か」

 

「うん。二人だけ、ってなるとやっぱり攻撃力が足りなくなると思う。アークプリーストのアクアは攻撃力って面だとあんまり頼れないからさ」

 

 

 

 死霊系ならまた別の話になるんだろうけど。アンデットより普通のが多いからね、アークプリーストが火力面で頼りになる場面はあんまりない。

 

 

 

「だから、ギルドに帰ったらパーティメンバーを募集してみるのもいいと思うよ」

 

「ミハル」

 

「?」

 

「……いや、なんでもない。じゃあ、もう少しカエルを狩って   って、アクアはどこ行った?」

 

「え?」

 

 

 

 あれ、確かにいない。

 

 おかしいな、さっきまで後ろにいた筈なんだけど……油断してたかな、いつの間にかいなくなって……って、うん?

 

 

 

「……犯人わかったかも」

 

「奇遇だな、俺もだ」

 

 

 

 なーんか、背後を飛び回るカエルの口から、見覚えのあるローブ? 布が見えてるんだよねー……え、あの一瞬で食べられた?

 

 

 

「助けよっか、カズマ。あのアクアのカエルをお願いしてもいい?」

 

「わかった、ミハルは?」

 

「ん……うん、周りから今出て来たカエル達をなんとかするよ」

 

 

 

 わぁ……アクアって幸運値低かったっけ? 私は低いけど。ここまで都合良くカエルが目覚めるってすごいね。

 

 なんか七体もいるし……ささっと片付けようか。

 

 

 

「ちょっとだけ、本気出しちゃおうかな? ……クロウス」

 

「おわっ」

 

 

 

 あ、ごめんねカズマ。

 

 

 

「大丈夫だよ、触らなきゃほとんど実害ないからさ」

 

「お、おお……そうか、そうだったな……」

 

「……じゃ、行ってくるから、アクアは任せた  よっ!」

 

 

 

 手持ちの槍で、ジャイアントトードの頭から串刺しにする。

 

 カエルに電流が走ると同時に白目を……向いたね。

 

 

 

「まずは一匹」

 

 

 

 カズマは……うん、目当てのカエルに向かってるね。だったら言った通りに露払いをするだけかなぁ。

 

 ……パラディンは、アクアの説明通り魔力を扱える。けど難しい。

 

 

 

「よーい、どんっ!」

 

 

 

 勢いのまま、カエルを切り裂いて行く。

 

 魔力を纏う系のスキルが中心なんだけど、それが見事に扱いにくいんだよね、最初のスキルである纏雷(クロウス)も、加減を間違えたら一瞬でぶつかるし。

 

 

 

「早いのは良いことなんだけど……ねっ! 四匹目!」

 

 

 

 魔法を使いたいならアークウィザードでいいし、手に汗握る剣撃がしたいならクルセイダーでいい。いいとこ取りしようとしたら一番微妙って皮肉だよね。

 

 クロウスも他属性になると悲惨そうだし……炎はまだマシかな? そうでもないかも……?

 

 ま、そんな微妙なのがパラディンです。私はやりがい感じてるからいいんだけど、普通はおすすめしない、最初は私も大変だったし。

 

 

 

「そんなこんなで……七匹目、終わり。カズマは……うん、大丈夫そう」

 

 

 

 ドロドロのアクアも近くにいるね。消化は始まってないみたい、良かった良かった。

 

 結局ああなっちゃったし、早めにアクセルに戻らなきゃか。カズマのところまで行こう。

 

 

 

「カズマ、お疲れ様」

 

「ん……おう、そっちもすげぇな。流石上級職」

 

「えへへ、ありがと。アクアも大丈夫?」

 

「うぅ……生臭いよう、気持ち悪いよう……カズマのせいで穢されちゃったよう」

 

「人聞きの悪いこと言うなっ!!」

 

「あはは……大丈夫じゃなさそうだね。アクセルに戻ろっか」

 

 

 

 うん、近くで見てみると予想以上に乙女的に大変なことになってるかも。さっさと戻らないと。

 

 

 

 


 

 

 

 

「で、パーティ募集をすることにしたんだ」

 

「ああ、このままじゃ無一文になるーって、アクアがな」

 

「確かに、カエル数匹じゃ割に合わないもんねぇ」

 

 

 

 世知辛いけど、カエルが倒せる程度じゃ食うにも困りかねないのが冒険者だ、その辺は土木系の方が良いかも。

 

 

 

「その募集用紙は?」

 

「え? ああ……そこの掲示板に貼っ付けてるよ」

 

「ふむふむ、ちょっと見てくるね」

 

 

 

 どんな感じかなー……っと、ふむふむ、上級職募集中。現在アークプリーストがいます……ね、うん。上手いこといい部分だけ載せてるんだね。

 

 

 

「ふむ、良さそうかなっと」

 

 

 

 カズマ達のところに戻る。

 

 

 

「こほん……募集を見て来ました」

 

「え……? いやさっきまで話してたよな?」

 

「あははー……私も参加して良いですかー?」

 

「……ええっ!? いや、参加してくれるんなら万々歳なんだけど……いや、でも……」

 

「?」

 

「……やっぱりダメだ。ミハルにはもっと良いところがある。他を当たってくれ」

 

「ええー」

 

 

 

 残念無念、断られちゃった。むー、有用さはちゃんと見せたんだけどなー。……いや、有用だからこそ、チキンなカズマさんは断っちゃうのかも?

 

 

 

「でもカズマのパーティがいいんだけどなー?」

 

「ぐ……それでもダメだ」

 

「どうしても?」

 

「どうしても、だ」

 

「むー」

 

 

 

 どうしよう、予想以上にガードが硬いなこのカズマさん。

 

 さて、どう説得した……お、ちょうど良くアクアが帰って来た……と、後ろにいるとんがり帽子の子は……。

 

 

 

「アクア、お帰り。パーティに……ってわわっ!?」

 

 

 

 あう……とんがり帽子の子に押し倒されちゃった……どうしよう?

 

 ……いや、ほんとにどうしよう?

 

 

 

「え、またこの感じ?」

 

「ミハルさん!」

 

「はいはい、ミハルさんだよ? えーと……有名人のめぐみんさん? だっけ」

 

「! 名前を覚えてるんですかっ!? 良かった! 痛いところはないですか?」

 

「え? いやその……」

 

 

 

 確かに知ってるし名前も覚えてるんだけども、原作的な意味で、とギルドでの悪い意味での有名人って理由なんだけどなー……?

 

 

 

「体調が悪かったり、違和感を覚えたりは……!」

 

「大丈夫だから落ち着いて? ……というか、今の感じだとめぐみんさんの方が心配になるけど」

 

「呼び捨てでいいです」

 

「うん、わかったから一旦ね……」

 

 

 

 すっごく必死なのは伝わるんだけども。一旦私の上から退いてくれると助かるかなー……めぐみんが泣き笑いの表情でしがみ付いてるのも相まってなんだかアレな雰囲気だからさ。

 

 

 

「一旦落ち着け、こら」

 

「あぐっ!?」

 

「ちょ、カズマ首が……」

 

「ふん、こいつは良いんだよこんなんで。……落ち着いたか?」

 

「うぐ……あなた」

 

 

 

 ちょっとカズマ、服の襟を持って持ち上げるのはダメだよ?

 

 それはそれとしてめぐみんがキッ、とした表情でカズマを見る。

 

 ……あれ、なんか雰囲気悪くない? 原作って最初こんなに雰囲気悪かったっけ。

 

 

 

「……今はミハルがいるので、この程度で勘弁してあげます」

 

「そりゃこっちのセリフだ爆発娘」

 

「ちょっとー? アクアさんにはもう着いてけないんですけどー?」

 

「同じく……というか、ここに来たってことはめぐみんもパーティ組みに来たんだよね?」

 

「ええ、そのつもりです。良いですよねカズマ?」

 

「ふん、勝手にしろよな……そっちのララティーナ様も見てねぇで来たらどうだ?」

 

「その名で呼ぶなっ!! こほん。しかし……顔を見せる前から罵倒して来るとは……流石だな」

 

「……パーティに入るんだろ?」

 

「うぅんっ! 完璧な無視まで……やはりカズマは……」

 

「??????」

 

 

 

 ええ……ええ? えええ??? どうなってんのほんとに。

 

 

 

「えーと……? 改めて、私も入っていいのかな?」

 

ダメだ(いいです)

 

「ええ……」

 

「む、いいじゃないですか。ミハルが入ったって」

 

「ダメだ、ミハルの実力ならもっといいところがある」

 

「別にいーじゃないの、ミハルがいてくれたら頼もしいし」

 

「あぅん……ふふふ……」

 

「えっと……大丈夫? 特に騎士の人」

 

「はうっ!? ……いや、大丈夫だ。すまないな」

 

 

 

 騎士の人がこの状況で真面目に答えた……!? 自分の世界に入るか悶えながら誤魔化す、みたいなイメージがあったんだけどな。

 

 それに何この状況……え、一応初対面だよね。この人たち。

 

 

 

「はん……ギルドが騒がしいと思いや、やっぱりか」

 

「あ、ダストさん」

 

 

 

 あ、依頼から戻って来たんだ。

 

 

 

「ようミハル……で、こいつを断ってんのはどこのカズマだ? んん?」

 

「ダスト……」

 

「ミハル、ただいま」

 

「むぐっ……お帰りなさい、リーンさん」

 

 

 

 ダストさんがいるってことは、他の皆……あれ?

 

 

 

「キースさんとテイラーさんはどうしたの?」

 

「二人は用事があるからってさ」

 

「へー……って、あの二人放っておいていいの?」

 

「お前が首突っ込むなよ」

 

「はっはっは! 今っ更こっちに来といて言うことがそれかよカズマァ?」

 

 

 

 なんかカズマさんがさっきから原作で見ないレベルで機嫌悪そうなんだけど……え、何があったのこの二人。

 

 

 

「んー……いーのいーの、あの二人なら勝手に仲良くなってるわよ」

 

「ええ……?」

 

「まあ、馬鹿二人は置いといて、あっちで座ってましょ? 長くなりそうだし」

 

「うーん……わかりました……?」

 

 

 

 なんか……うん、流れに身を任せてみよう。そうしよう。

 

 決して理解がめんどくさくなったわけじゃない。

 

 

 


 

 

 

「■■、■……?」

 

「おい、待てよ! なんでお前一人なんだよ!」

 

「待てって! ……クソ! 俺が……!」

 

「俺が、弱いから! あいつがいれば、最後は大丈夫だってどこかで腑抜けた考えをしてたから……!」

 

「……■■■……ごめん、ごめんなぁ……!」




よかったねミハルちゃん、唯一無二の特徴だよ♡






作者の内心ぶちまけるなら、原作のほのぼのコメディみたいな雰囲気大好きだからそんなに重くしたくないって言う自制の心と、どろどろに重くしためぐみんとかリーンちゃんとか(作者の癖だから女の子候補ばっかりでゴメンネ)にオリ主を囲わせたい欲望の心がある。

さて、どうしようか……。
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