Coolな芸術を求めて   作:COOL!

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作品No.1018

「・・・ふむ。展示場所はここが良さそうですね」

 

こんにちは。

わたしは今、作品の展示場所を選んでいたところです。

 

先日の国際サミット襲撃は大成功でした。

全世界にAWCYの存在が知れ渡ったことでしょう。

そこで次は、わたし達の作品を市民の皆様に見ていただき、皆様に“cool”を体感してもらおうと考えました。

 

これまで配置してきた作品は、殆ど大衆の目に触れることがありませんでした。

故に新たなる試みとして、わたし達の作品を生活の中に紛れ込ませ、市民の皆様がふとした瞬間に“cool”を感じられるようにしたいと思います。

 

今回公開する作品は、作品No.1018。

8人を素材として作った、わたしの渾身の一作です。

 

「さて・・・日が出ていない内に、運んでしまいましょうか」

 


とある公園に、奇妙な噂があった。

 

曰く、置いてある石像の近くにだけ雨が降る。

曰く、水を求める子どもが現れる。

曰く、その石像は突然現れたものである。

 

実際にそれらの怪現象を目撃した近隣住民からの通報が相次ぎ、個性による事件の可能性があったため、ヒーローが調査に向かった。

 

「・・・ここだな。通報のあった石像があるのは」

 

調査にやって来たのは、公園の近くに事務所を持つとあるヒーロー。

彼の守るこの街は比較的犯罪件数が少なく、ヒーローに出動要請が出ることもほとんどなかったため、彼は暇であった。

 

「ふむ・・・確かに、この石像だけ苔の繁茂がすさまじいな」

 

公園の端に設置された、3つの石像。

1つは苔に覆われているが、他の2つはそうではない。

 

「この石像に、何か仕掛けでもあるのか・・・?」

 

そう思った彼が、苔に覆われた石像に触れたその瞬間。

彼の背後に6つの気配が現れた。

 

驚いた彼が振り返ると、そこにはひどく痩せた子ども達が立っていた。

 

「・・・のど、かわいた」

 

「・・・君達、一体どこから来たんだい?親御さんは?」

 

彼の問い掛けを無視・・・というより、彼を認識していないような様子で子ども達は呟く。

 

「のど、かわいた」

 

「おみず、ちょうだい?」

 

気づけば、苔むした石像のそばにだけ雨が降ってきていた。

 

「飲み物ならここにある。ほら、飲みなさい」

 

たまたま持っていたペットボトルに雨水を溜め、それを差し出すが、まったく反応がない。

 

「おみず、おみず・・・」

 

「ちょっと、大丈夫か君た・・・ち?」

 

脱水症状を起こしているのではないかと考え、彼は子ども達に手を伸ばしたが、その手は子ども達の体を通り抜けた。

 

「実体が、ない!?」

 

「うう・・・おみず、おみず」

 

子ども達は地面に倒れ、喉を押さえている。

 

「くそっ、大丈夫か君達!おい、おい!」

 

彼が必死に呼びかけても、子ども達は反応しない。

しばらくして、子ども達は喉を掻き毟り──消えた。

 

「・・・なんだったんだ今のは」

 

彼が呆然と立ち尽くしていると、石像の1つから声が聞こえた。

 

「Are We Cool Yet?Are We──」

 

そう繰り返す石像を見ると、台座になにやら文字がある。

そこにはこう刻まれていた。

 

作品No.1018 渇き




今回の元ネタ・・・SCP1018
超局所的な雨を降らせたり、水を求める子どもの幽霊が出たりする像。
詳しい内容は本家記事を見よう。

本作では「雨を降らせる」、「幽体離脱」×6、「個性強制発動」の計8人を材料として作られている。
栄養を生成・供給する装置が埋まっているため、材料になった8人は寿命で死ぬまでずっとこのまま。

次回、原作キャラが作品に遭遇します。
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