Coolな芸術を求めて 作:COOL!
「・・・では、委員長より挨拶を」
ここは、アメリカ某所にある施設。
現在ここには、各国諜報機関のトップが集まっている。
「・・・我々は現在、未曾有の危機に直面している。これまでの
各国で相次ぐ、AWCYによるテロ行為。
全世界で発生するそれに対し危機感を抱いたアメリカは、全世界が協力してAWCYに立ち向かうことを提案した。
「我々の為すべきことは2つ!AWCYの殲滅と、AWCYによって生み出された作品全ての破壊。これによって、正常な世界を取り戻すのだ!」
表向きには、AWCYの作品群は政府が保管・管理していることになっている。
しかし、実際は既に半分以上が破壊されていた。
「あの作品群に、人間が使用されていることは知っている。しかし、文明社会や人類存亡の危機を引き起こすこれらは、破壊せざるを得ない」
AWCYの作品には、兵器に転用できるようなものが数多くある。
単体で都市を破壊するようなものから、下手をすれば人類が滅びる可能性のあるものまで。
彼らがやろうとしていることは、材料にされた人々の家族からすれば到底許される行為ではない。
しかしそれをやらねば人が滅ぶかもしれないのだから、やらざるを得ないのである。
「私はここに、世界正常化委員会の設立を宣言する!」
拍手が巻き起こるなか、1人の男が会場を出た。
その男は周囲の様子を気にしながら、どこかに電話をかけ始める。
「もしもし。委員会は無事発足しました──会長」
『そうですか。わたしの作品は?』
電話の相手は、AWCYの会長たるアルティステであった。
この男はAWCYの構成員で、さらに某国秘密警察のトップでもある。
AWCYの構成員は、教師や警察官、プロヒーローの中にも潜んでいるのだ。
「私の職場・・・いえ、元職場の備品として登録してあります。既に
『素晴らしい。それでは、その階にある男子トイレへ行き、奥から3番目の個室に入ってください。わたしが迎えに行きます』
指示された通りの個室に入ると、男はそのまま出てくることはなかった。
一方会場では、各国の諜報機関を一時的に統合し、戦力およびAWCYに関する情報を共有することが確認されていた。
「さて・・・あと30秒ですね」
アルティステは時計を見つめて呟く。
あと少しで
「10、9、8、7・・・」
カウントダウンが始まる。
別に年を越すわけではない。
「3、2、1・・・ドカン」
同時刻、会場にいた世界正常化委員会メンバーの体が自然発火。
一瞬で1000℃近い温度の炎が発生し、会場は瞬く間に火の海と化した。
同様の現象が世界各地で起こり、各国の諜報機関は殆ど壊滅。
日本代表として出席していたヒーロー公安委員会も、会長を含む幹部全員が死亡。
なお当時敵と交戦していたホークスの体は、自然発火することはなかった。
テーブルを囲んで座る、4人の女達。
「・・・さて。わたし達のことをコソコソ嗅ぎ回っていた連中は、あらかた始末できたでしょう」
「うん?あれに使った個性だと、半分しか殺せないんじゃないかい?」
アルティステの言葉に反応したのは、『日本生類開発局』のトップ、平峰並子。
「確かにそうだがよ。いきなり建物内に1000℃近い温度の物が現れたら、火災で死ぬだろ」
「ああ、もったいない。せっかくの食材候補が炭になっちゃいました」
テーブルに足を乗せているのは『如月工房』の主、如月瑞稀で、
残念そうにしているのは『石榴料理同好会』代表、レクター。
『石榴料理同好会』は世界最大規模のカニバリズム団体であり、各国に秘密のレストランを持っている。
『・・・要件はなんでしょうか、会長』
モニターには、数十人の顔が映し出されている。
彼らはAWCYの各国支部代表であり、会長たるアルティステに呼び出されたのだ。
「そろそろ、最高幹部達を解放しに行こうと思いまして。彼らを回収した後、戦闘部隊を設置しようと思うのです。我々の活動を妨害する、ヒーロー共を殲滅するためにね・・・。あ、名前はもう決めてありますよ?」
そう言うとアルティステは、懐から一枚の紙を取り出し、全員に見せた。
「ほほう。なかなかイケてる名前だねぇ」
「う〜ん。あたしは英語が苦手なんだよな」
口々に感想を述べる者達を放置し、アルティステは上機嫌で言った。
「退屈な安寧を破壊し、素晴らしき混沌へ。“cool”を阻む全てへの叛乱を。その名は──」
Chaos Insurgency
GOC的な組織、壊滅(享年30分)
今回の元ネタ・・・SCP2357
1年所有していると、組織の半分が自然発火して死ぬポテト。
危ない。詳しくは本家記事を見よう。
本作では、起動してから1年後、その時点で所有している組織の半分が燃えるフライドポテトのオブジェになっている。
材料になったのは個性『疫病神』『蓄積』の2人。
『疫病神』は、所属する組織に何らかの厄災(備品の紛失〜構成員の自然発火および死亡までの5段階)をもたらすだけ、という最悪の個性。
『蓄積』は、相手に触れている間個性を無力化し、離した時に無力化していた時間に応じて個性の出力を上昇させ、それを暴発させるという個性。
なお、この作品は『疫病神』によって発生した火災で焼失した。