Coolな芸術を求めて   作:COOL!

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いよいよ最終決戦が始まります。

ヒーロー達は原作よりだいぶキツイ状況になりますが・・・頑張れ(他人事)


作品No.939と開戦

「助けてぇー・・・グエッ」

 

(ヴィラン)がこっちに・・・ガギャッ」

 

緑谷出久は、助けを求める老婆を殴りつける。

こちらに手を伸ばす幼い子供を、容赦なく蹴り飛ばす。

 

吹き飛ばされたそれは壁に叩きつけられ、姿が変わる。

 

「助けけけけけけ」

 

「痛い痛い痛い痛い」

 

皮を剥がれた獣のような姿となり、めちゃくちゃな言葉を喋りながら飛びかかったそれ。

 

人間を喰らい、その姿を真似て人を誘き寄せる怪物。

“狩人”と呼ばれるそれは、人類に多大な被害をもたらしていた。

 

「ゴゲッ」

 

「ゲヒャッ」

 

迫りくる化物を蹴りつけ、地面に叩きつけると、短いうめき声をあげて動かなくなった。

 

“狩人”の身体能力および耐久力は非常に高く、生半可な攻撃ではダメージが入らない。

その上民間人のふりをして助けを求めるため、ヒーローに甚大な被害が出る。

 

緑谷出久の持つ“危機感知”が、人間を模倣する“狩人”を探知できたのは幸いだった。

 

「う・・・おぇっ・・・」

 

しかしそれは、確実に彼の精神を蝕む。

 

それが化け物であるということはわかっている。

それに治る見込みがないということはわかっている。

 

それでもそれは、守るべき市民の姿をしているのだ。

例え演技でも、助けを求めているのだ。

素材にされたのは、罪なき市民なのだ。

 

そしてその疲労こそが、わたしの狙い。

 


 

パチ、パチ、パチ。

 

「おめでとうございます。作品No.939の全60体、見事コンプリートです」

 

こんにちは。

わたしは今、緑谷出久(OFA)の確保にやって来ています。

 

939は全てやられたようですが、それは日本に解き放った分のみ。

ヨーロッパ各国やアメリカでは、未だ3000体以上が健在です。

 

「アルティステ・・・ッ!」

 

「ふふっ・・・フラフラじゃないですか」

 

弱い。脆い。

そんな状態で、わたしに勝てるとでも?

 

「いくら強靭な肉体でも、精神が弱っていれば──」

 

一瞬で接近し、傘で左腕を貫く。

 

「ぐあっ・・・!」

 

「──こうも脆くなる」

 

反応速度が遅い。

疲労が蓄積している。

こうも狙い通りにいくと、気分がいいですね。

 

「さあ、無駄な抵抗は「榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)!!」おっと」

 

頭上で起こった爆発を、腕から引き抜いた傘を差して受け止めました。

並子さん特製のこれ、かなり丈夫なんですよね。

 

「デクから離れやがれ!」

 

「おっと、危ない」

 

ポンポン起こる爆発を躱し、空中にいる少年に攻撃を仕掛けます。

 

これは・・・雄英の生徒ですか。

緑谷出久以外はどうでもいいらしいので、さっさと死んでもらいましょう。

 

「死になさい」

 

「死ぬのはテメェだぁっ!」

 

その隙に、緑谷出久が回収されてしまいました。

さっさと変形させて持ち帰るべきでしたね。

 

「デクくん!」

 

「緑谷っ!」

 

美しい友情というやつですね・・・それもまた“cool”!

それはそれとして、奪い返しますが。

 

「逃がすとでも?」

 

「よそ見してる場合かぁ!?」

 

しつこいですね、こいつ。

付かず離れずの距離から、爆撃を仕掛けてくる・・・めんどくさいです。

 

「いい加減に・・・堕ちろ」

 

傘を変形させ、囲い込むように攻撃を仕掛けます。

 

「オラァッ!」

 

「そう来ると思いました」

 

変形させた傘で視界を奪い、直ちに接近。

あとは攻撃の後隙を狙い、タッチするだけです。

 

「しまっ・・・」

 

「たーっ「赫灼熱拳 噴流熾炎!」ちっ・・・また邪魔者ですか!」

 

鬱陶しい・・・これは退却したほうがよさそうですね。

 

「せいぜい今のうちに、お友達と仲良くすることですね・・・緑谷出久」

 


 

「すみません、オール・フォー・ワン。取りそこねました」

 

「ああ、構わないよ・・・次は、僕達全員で奪いに行く」

 

ほう・・・そろそろ決戦というわけですね。

 

「では、わたし達も準備をしておきます。・・・“cool”な世界のために」

 

オール・フォー・ワンへの報告を終え、KUNIEDA様へ連絡を入れます。

 

CI(カオス・インサージェンシー)の招集を。いよいよ決戦ですよ?」

 

『了解しました。念の為、彼女達の作品も用意しておきますね』

 

「頼みましたよ」

 

さあ、あと少し。

全てを“cool”に変えるまで。

 


 

「だからこそ気づかれず、ここまでこの数が接近できた!」

 

「この状況が既に、手遅れじゃないか!!」

 

泥の向こうから、(ヴィラン)達が現れる。

荼毘が、トガヒミコが、死柄木弔が。

──そして、AWCYの最高幹部達が。

 

 

 

 

「・・・なぜだ!なぜ、あの4人だけワープしない(・・・・・・・・・・・・)!?」

 

ヒーロー側の作戦は、なぜかワープゲートをすり抜けた4人によって崩れつつあった。

 

「いやー、並子さんと瑞稀さんの合作は素晴らしいですね」

 

アルティステが懐から取り出したのは、血に塗れた札のようなもの。

 

「『その場から動けなくなる』だけの個性に、こんな使い道があろうとは!」

 

そして、彼女が地面に降り立った。

降り立ってしまった。

 

次の瞬間、大地が音を立てて変形し始める。

 

「さあ、“cool”を妨げるものを殺しましょう・・・

 

CI(カオス・インサージェンシー)、行動開始」




今回の元ネタ・・・SCP939
人の声を模倣し、誘い出して食べる化け物。
幼体は人間そっくりだが、8歳ごろになると化け物に変貌する。
肺から放出する気体も危険な作用をもつ。やばい。
詳しくは本家記事を見よう。

本作では、見た目も人に擬態する化け物。
ヒーロー側の戦力を削るために作成された。
材料になったのは『声真似』『変装』『筋力増強』。
こいつのせいでヨーロッパはめちゃくちゃ。アメリカもめちゃくちゃ。

並子と瑞稀が作った御札の効果は、『20秒間、所有者の座標を固定し、その体への干渉を無視する』ものであり、1回使い切り。
『無重力』やベクトル操作系の個性対策に作られた。
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