「アーマードコア」シリーズ特有なのだが、単純に操作の難しさが新規を獲得しても残留させ難くさせている遠因であると思っている。
慣れてしまえばなんのそのと思えるだろう、そこまでやれるかは人各々であるが。
参考にはならないが、歴代プレイヤーならば5分10分触れば一通り動かせる。
凄腕の「イレギュラー」ならばその場で触って動かして初見のミッションをクリアしてしまう程だ。
興味があれば「渋谷の花火師」を調べてみてくれ、我々レイヴンの代表者にして、本物の伝説の「イレギュラー」のひとりの活躍を観ることが出来る。
それは27年に及ぶ膨大な時間で培った経験があるからだ。
如何なる作品であろうとも、それがACであるのならばすぐさま操作法を己の経験から最適化して乗り回す。
「なんでも出来る」ACのパイロットであるレイヴンであるからこその技能であるだろう。
とはいえ、右手武器、左手武器、右肩武器、左肩武器という4つの攻撃手段、他にはインサイドやエクステンションに機体を追随する小型攻撃端末であるイクシードオービットも含める作品もあるので最大で7つの装備を随時使い分けるだけではなく、回避や敵への接近のために使用するブーストも通常のブーストとオーバードブーストにクイックブースト作品によっては壁蹴りも含めて4種類、さらにオーバードブーストの燃費が変化する戦闘モードとスキャンモードを使い分ける作品もあり、地上戦と空中戦の目まぐるしい速さで入れ替わるともあれば、頭のリソースはいくらあっても足りなくなる。
そして操作自体にも一般的なゲームと比てクセがある。
最新作のACⅥは10年振りの新作とあって一番ユーザーに優しい操作性をしているが、それでも武器は4ヵ所だが範囲攻撃を行えるアサルトアーマーもあるので最大5ヵ所、ブーストは通常ブーストとアサルトブーストにクイックブーストの3種、地上戦と空中戦と忙しないのは相変わらずなので、Vチューバーとか評価サイトで好評だから買ってやってみたけれども難しくて投げたという声も散見される。
ただ複雑な、クセがある操作性を手に馴染ませて戦い続けたその果てにあるものは、どれもこれも悪いものではない。
いいや、24年も戦い続ける歓びを唄い、身体は闘争を求め続けた、10年を汚染された大地で訣日を迎えたひとりのレイヴンとして、自信を持って言えることがある。
困難、試練、強敵を超えた先にあるものは、10年待ち続けた甲斐があったということだ。
言葉を飾らないのならば──後悔させない神ゲーだから是非手に取って、共にハンドラーの猟犬となってハウンズの一員になろう!
今回もAC2の物語りが進まなかったのでAC名物の一つ『お茶会』でお茶濁しします。
楽しみにしていた方は申し訳ない。
ぶっちゃけ過去話をズラーッと投稿するのか、過去話と現代を挟み挟みして投稿するの、どっちが需要ありますかね?
『レイヴンネットワークへようこそ。歓迎しょう、盛大にな!』
『毎度のことだが飽きもしないものだな、メルツェル』
『インパクトは大事なのさ、テルミドール』
『前置きはよかろう。しかし、関係者全員を招集とはな』
『それ程のことだというわけだろう、銀翁。しかしいつ振りだ? 定例会外での全員招集は』
『ルビコン3──』
『真改の言う通りだ。コーラルが発見され、それが“使える”とわかった時だったな』
『もう100年も前でしたでしょうか? ザイレムがルビコンに到着し、ルビコン3でコーラルが発見されたのは』
『詳しい記録を出しました。ルビコン3の入植から6年後にコーラルが発見され、1ヶ月程で技研が発足。最初の6日で“使える”と判明したので緊急招集がされました』
『つまり今回はそれ程の報告があると言う事か。期待していいのだろうな? 有澤。くだらないようなら、直接出向いて「このクズが」と罵ってやる』
『問題ない。むしろ今までの我々の活動が無駄にはならなかったと証明できる。おそらく、いや、ほぼ確定でいいだろう──奴が帰って来た…』
『お師匠さまが帰って来たんですか!?』
『パパが帰って来たっですって!?』
『いっぺんに喋らないでふたりとも。順を追って話すわ。今度、私と社長が物資輸送護衛任務に駆り出されるのだけれど、シュナイダーがこの物資輸送計画の襲撃任務を受ける傭兵を探しているわ。まぁ、どこにでもある取るに足らない普通の任務なのだけど、このシュナイダーの襲撃任務を受けた傭兵の情報がドンピシャなのよ』
『パイロット名クラーベレーエ、AC名ストレイド。奴が伝説である事と、そのACがストレイドという名である事を伝えられているのは周知の通りだ。しかし個人名は『ラーベクレーエ』として伝承されている。我々が判り易くするためにな。よって、今日まで確認された数多くの偽物はラーベクレーエや単にレイヴン、ラーベとクレーエを分けるか捩るかだったが。奴の名前をストレートに出されたのはこの6050年で初めてのことだ』
『機体構成は? いや、無名の独立傭兵ならば揃えられる装備も最安値の最低限と限られているだろうが』
『ローディー先生の言う通りよ。オールマインドにアクセスすれば見られるから、各自別窓で見てちょうだい』
『…成る程、RaD製の探査フレームに右手にライフルと左手にパルスブレード、左肩にはミサイルか。ローディーの言う通り、確かに最安値の最低限の装備だな』
『ベルリオーズの言う通りだ。独立傭兵の用意出来る機体としてはこれが最安値で最低限の戦闘能力を保証する的確な構成だ。ジェネレーターが悲惨な性能だが、それもまた全てのレイヴンが通る道だ。昔を思い出す。いや、最安値ながらパルスブレードは癖もなく威力も主力として使っていける程に優秀だ。よい時代となったものだな』
『珍しく感傷的だなジノーヴィー。しかしそれだけに”コレ“が異質に見えるな。昔ほどピーキーではなくなったとはいえ、使い手を選ぶ武器だぞ』
『義姉さんの言う通りだが。むしろ本物の奴であるのなら使い熟れている。それは義姉さんも知っているだろう?』
『そうだな。仁王と月光、それをOBしながらこちらも避けているというのに、人力でホーミングして空中に居ようが地上に居ようが確実に当ててくるレイヴンなど、後にも先にも奴しか居ないだろう』
『私の夫だからな。それぐらいは朝飯前だ』
『ハイエンドノーマルでも私のオルレアに斬り込み、MoonLightでPAを減衰させた瞬間に射突ブレードを当てる狂った奴だった。お陰で私も、あの時は死を覚悟したぞ』
『しかしこの6,000年もの間、どこで何をしていたのだ奴は。 あのレイヴンならば、木星戦争に参加していても不思議ではないだろう』
『シェリングの言う通りだな。惑星封鎖機構とベイラム、アーキバスとの争いが始まったルビコン3でも奴の姿は確認されて来なかった。”あのレイヴンが“だぞ? まるでレイヴンなど、どこにも存在していなかったと言わんばかりにだ』
『アマジーグの言うことも確かだが、この6000年は大きな動乱も起こらなかったのも確かだ。人類は宇宙という広大な
『ジャックの考えている通りならば、大きな戦乱が始まるということだな。ならば、ドミナントである私の出番と言うわけだ』
『相変わらずですね、エヴァンジェさん。まぁ、私達が出る前にお師匠さまが全部終わらせてしまいそうですけど』
『そうでしょうね。彼の行く戦場は最後は世界を変える結果に繋がっていた。でも疑問なのは偽レイヴンを始末しに出て来なかったこと。アレは”レイヴン“の存在そのものを穢す、存在することなんて赦せないはずなのに。……もしかして今まで出て来なかったのではなくて、出て来れなかった?』
『…どうやらマギーの見立て通りらしいな。あいつの今のコンビはあのハンドラーウォルターだ。そして最近買ったのが第四世代のC4-618。俺が運んだ荷物だ、間違いない。まさかニアミスしていたとはな』
『だったら話が早いんじゃない? みんなで迎えに行けばいいのよ。あ、でもまだ本物かどうか判らないのよね。ほぼ確実にアイツなんだろうけど』
『ロザリィさんの言う通りですが。次の作戦が私達の今後を決める大事な──そう、大事という言葉では言い表せない程に重要で重大な作戦となるでしょう。有澤社長、メイさん、本気で当たってください』
『委細承知』
『わかっているわ。本物の彼なら、むしろ本気にならないと私達が殺されるわ』
『精々背後に気を付けることだ、グリンフィールド』
『ご忠告ありがとう、ウィン・D。でも彼になら本望よ』
『まあ、構わないがな。最悪、スマイリーを犠牲に撤退しろ。有澤に死なれては今後に支障が出る。彼が本物ならば、帰り次第、例の計画を次の段階に進める』
『レイヴンズアークか。私のインテリオルはいつでも構わない。そちらはどうだ、ロイ?』
『アルドラもいつでもいいぜ。しかし、旅団長とリーダーはあれだけの傘下企業抱えながら良くやるな。こっちはシェリングのやっさんと分担してるのに一社背負うだけでも一苦労だぜ。ああ、テクノクラートの管轄は有澤だったか?』
『火薬系だからな。しかしロケットの類がどこの企業も手を出さんのは却って面妖だ。趣味ではないが、あのレイヴンが最初期から使い続けていた伝説の武具の一つだぞ』
『あんなクセ強な武器を使えるのは一部のパイロットだけよ社長さん。タイミングを考えて撃たないと敵の流れ弾で誘爆して自爆大ダメージを貰う危ない物だし』
『そうですか? 威力はグレネードと同じくらい、連射力もライフルと同じくらい、マガジン交換の時間もなくて、弾切れまで撃ってもお財布に優しくて、その上FCSの影響もないから回避先に置きロケットすれば当たる。とってもいい武器ですよ?』
『確かにね、使えれば強いのよ。それを使いこなせるのがお父さんや貴女、フィオナみたいな一部の例外ってだけ。私も使い慣れて久しいけどね。というより、パパは本当に例外よ。実際に戦って、そしてこの6,000年も戦い続けてわかった。グライドブーストしながらパイルを当てるのは解るわ、まだゆっくり動けるから。でもそこからハイブーストで加速してしかも必要に応じて攻撃を全部避けながらキックを入れて、動けなくなった所にパイルを叩き込まれたら避けようがないわ。それにスキャンモードでGBしながら近づいて、物理ブレードの斬る一瞬とかパイルを当てる一瞬だけ戦闘モードに切り替えて、斬ったりとっついたらまたスキャンモードで飛び続けるなんて。理屈は解るけど、そんな神業みたいなのどれだけの上澄みの傭兵が出来ることか。ロケットだって1回も外さなかったし、極めつけは両手にヒートハウザー持って、両肩はKEロケットにして出て行った時はもう唖然としたわ。あの山なりで当て難いハウザーが吸い込まれるようにハイブーストで動いている軽量機に、自分もハイブーストして敵の攻撃を避けながら撃って直撃するのよ? 思い出しても理解不能だわ』
『なんだ、いつものことだろう。QBの平均瞬間加速は1,000km/h、OBで3,000km/h、最高速度で5,000km/hの世界に400年も身を置いていた男だぞ。最高速度1,000km/hがやっとのハイエンドノーマルで、国家解体戦争時に100機が投入された、粗製とはいえリンクスの乗るネクストを真人間のまま単独で28機撃墜した元祖山猫狩りだぞ』
『ついでに言えば、奴の対応速度は9,000km/hだ。その速度でコジマパンチをあの狂った古王に当てて倒す変態だ』
『ちなみにあのセラフをAC黎明期の頃に倒していた記録もある。調べれば調べるほど、あの男の戦歴は笑えてくるぞ』
『マニアが多いネットだな。しかしジョシュア=オブライエン、この手の話題に一言も話さないとは。何か考え事か?』
『いや。調べ物をしていた。そして見つけた上で、動きを観て、確信した。奴は本人だ。私の記録が抜かれていたよ。この私を──この俺を抜かせる者はあいつだけだ』
『ならば確定だな。あとは実際に相対して、判断しよう…』
『そうね。装備構成は仕方のないところがあるとして、彼のセオリーは守られているものね』
『右手にパイル、左手にブレード。パパの基本装備ね。もう少しお金が出せたならミサイルなんかよりロケットを積んでいるはずだけれど。それともこの機体を組んだのは別人?』
『お師匠さまはレイヤード時代になって企業がとっつきを販売してからずっと使ってるので、えーっと、9,000年くらいブレードととっつきとロケットを使い込んでいますから、お師匠さまが組んだらそうなるはずです』
『おそらくハンドラーが用意した機体に隠し玉として載せたのだろう。ライフルで牽制、ミサイルで煙幕を張り、気づいたら目の前でブレードと蹴りからスタッガー、トドメのチャージパイルが来る。抉られないように注意することだ』
『さすがは参謀ね。忠告はありがたく貰っておくわ、メルツェル』
『では締めといこう。明日の作戦をリアルタイムで観覧するのならば、今日中に提携・参画書類をメルツェルの所に提出するように。やれるな? メルツェル』
『よく言う。面倒だが仕方があるまい。ジャック、半分は任せたいところだが?』
『いいだろう。インテリオルとアルドラ、トーラスは私の方で処理しよう』
『では私はレイレナードと有澤、ラインアークを担当しよう』
『では各自、速やかに職務に戻るといい。それと、ACも出せる準備を進めて置くように。本物と確定すれば現地集合だ』
『場所は何処だ? いや、ルビコン3に居る俺は迎えないだろうが』
『場所はルビコン1だ。それ以外の場所に居る者はアマジーグ以外に居るのか…?』
『俺とウィンディーは火星だ。ゲートを使ってもそれなりに時間が掛かりそうだ。まあ、俺たちはそこまで首輪付きと関わりはないからな。そっちでよろしくやってくれ』
『了解した。他には居るか…?』
『今、最もホットなルビコン星系外に居る者は彼等二人だけだろう。あとは各自集合するだけだ。ルビコン3と地球以外の星は、惑星封鎖機構も監視はザルの上に正式な手続きがあれば星間移動も受理される。こちらで仕事を用意しておく。各自後で確認してくれ。旅費程度は出すが、それ以外は自腹だ』
『では皆さん、現地で会いましょう。それとメイさん』
『なにかしら? フィオナ』
『地獄を見る勇気があるなら、独り占めしてもいいですよ』
『さて、いったいどんな地獄なのかしらね? 彼の真っ白な地獄なのか、それとも獄鳥の全てを焼き尽くす黒い地獄なのか』
『はぁ、はやくパパに会いたいわ。いっそのこと、もう突撃するか』
『やめとけマギー。アポを取ってから行くのが大人の礼儀だ』
『そうよマギー。それに、今日はまだ仕事が残ってる。先ずはそれを片づけてからよ』
『はぁ…。わかりました、お祖母さま』
『あんたのその扱いも変わんないねぇ。なんでこの娘がお祖母ちゃんで、アイツがパパなのかしらね』
『別にいいでしょ。パパはパパよ』
『うぅ。地球に居る我が身が憎い…。調整が終わったらセラフとシスターズを連れてゲートで向かいますね』
『今や始まりの地も、彼の“本体”がなければその価値は低い。ああ、それと。彼専用のアナザーセラフを持って来てくれ。おそらく必要になるだろう』
『わかりました。ですが、ネクストならともかく、アナザーセラフが必要でしょうか?』
『ネクストも揃えているが、アナザーセラフの方が機動性は上だ。コジマ粒子もコーラルも、人体と環境を汚染する毒だからな。プラズマリアクターを搭載しているアナザーセラフの方が安全だ。それに必要ないだろうが、拠点防衛用ともあってPA出力もアルギュロスの5倍だ。それを彼はカットして機体出力にまわして戦うだろう。ブレードの一撃でアルギュロスが撃墜出来る計算の上、機動性も3倍、変形すれば10,000km/hで飛べる筈だ。そこにアサルトアーマーもMAPW並みの広範囲を焼き尽くして余りある。特殊大型機動兵器の面目躍如だな。アンサラーでさえ、あのアサルトアーマーは耐えられまい』
『初手からそれではだいぶ味気がなくなるのではないか、メルツェル。ここは倉庫の肥やしになっているライールでも引っ張り出せばいいだろう』
『いいや。ここは奴のリンクスとしての原点のアリーヤでいいだろう』
『軽量機がありならば私の使い古しだが、旧ホワイト・グリントも悪い機体ではない』
『一式で揃えたほうが整備が楽だ。武器も悪くないバルバロイを薦める』
『こういう話題となると、重量機使いは蚊帳の外だのう』
『重量機でも中量機並みの速さで跳ぶことは可能だ。積載量が上がれば高出力のジェネレーターの恩恵の下、高威力の武装も積める。悪くはない』
『確かに、シェリングのやっさんの言う通りだな。余裕があればその分火力のある武器を積める。それに、重量級はそれだけ硬いからな。女を守る盾にもなれるぜ?』
『あら、男を守る盾にもなれるわよ? 最も、彼は重量機だから盾にしてねと言ったのに、お構い無しで縦横無尽に飛び回って、ひとりですべて片付けてしまう暴君だけれども』
『軽量機や高機動型の中量機も利点は多くなりますが、重量機というものは良いものです。シェリング様とロイ様の仰る通り、圧倒的な火力で全てを焼き尽くして灰燼と化し、悪事を働く不貞な者達を神の身許へと召する事が出来るのですから』
『私もシェリングとロイやメノ・ルーの意見には賛成派だ。高出力のカラサワとグレネードの組み合わせで実弾とENの両面から圧力を掛けられる。アセンブリ次第で中量・軽量でも同じ事は可能だ。しかし重量機だからこその防御力は対通常兵器相手ならば頼もしく、対AC戦であろうと機を伺い仕掛ける余裕が生まれる。その前に軽量機や中量機に回り込まれて延々と撃たれ続けるリスクも負うがな』
『とはいえ、それらの弱点を呑み込めば初心者向けの機体とも言える。中量機ではどうしても防御力に限界はある。避けるよりも耐えて手痛い一撃を叩き込むのは我々重量機使いが初心者に薦められる戦法だろう。その点はローディー殿と有澤殿も共感を得られると思うが?』
『確かにな。AMS適性の低さ、単純な腕の低さを重量機の装甲はカバーしてくれる』
『コジマとEN兵器は不味いがな…』
『そこは会社の傾向じゃな。ウチのアルギュロスこそ最硬の機体よ』
『装甲圧の半分がコジマ汚染から中身を守る為にある環境破壊兵器は少しどうかと思うがね、爺さんよ』
『アルドラはその辺りが程好い。初心者用の重量機として薦められる。ゼルドナーは量産型ネクストで価格も抑えられている。それに慣れたらヒルベルトへ乗り換えてもいい。少々値は張るがな』
『アセンブリ次第で程好い構成は出来るが、そうした知識に乏しい初心者にバランス型の重量機として薦めるのならば、ゼルドナーは過不足ないだろう。ヒルベルトも胸部だけがテルスなのは不思議ではあるが、デザイン性で見れば纏まっていておかしい所はない。ただヒルベルトは生産数が少ない為に調達価格と修理費も張るという弱点があるが。マグノリア・カーチスのその辺りの意見も聞きたいところだが』
『ああ、私の機体はアレで中量機よ。他の時代のACと比べて半分の小ささなのに太いから判り難いけど。だから重量機談義には加われないわ』
『そう言えば第一世代のACも6m前後ですから殆ど同じなのにマギーさんの機体は太いですね。第ニ世代から今のサイズになっていますけど。でもこう見ると重量機使いの方は多いですね』
『いや、関係者では中量使いと同じ程度の数だ。むしろ軽量機使いは君とジュリアス、アマジーグ程度という貴重さだ。ジョシュア=オブライエンは軽量機と中量機の使い手であるためカウントから除外し、彼は基本的に中量機使いだが、ミッションに応じて使い分けるとなればこれもまた除外だ』
『そうなの? 私が見てきたパパは軽量機しか使わなかったわ』
『マギーと同じです。私が見てきた彼も軽量機しか使っていなかった』
『それは彼の戦闘技法の本質は高機動戦闘が根幹だからだ。中量機でも機動性の高くなるアセンブリにしている。軽量機だったのはそもそも攻撃が当たる可能性を考えない構成を想定するとそうなったのだろう。あとはやはり足回りを重視すると、君たちの時代のACで彼の眼に適ったのが軽量機だったということだ。妥協を極力しない彼らしい思考をトレースし、彼の戦闘スタイルと、これは見栄だが、性能よりもビジュアルも優先し、それも叶え得る構成。当時のカタログを見れば――頭部はビジュアル優先でHF-227、コアは軽量最低EN消費のCB-116、腕はロケットを使うのならばこのAB-107D一択、脚は積載量がありながら軽量2脚であり旋回性能も高いLe2L-B-V15、ブースターは加速力重視のBA-309、ジェネレーターは悩むが軽量でEN回復が高く容量もあるGe-D-P10、FCSは消費ENが最低のFs-L-M24、リコンは追従型のASATORI mdl.1、右手のパイルは最高攻撃力のAu-R-F19、左手は唯一の物理ブレード、弾数が最高のKEロケットSL/RCC-104と言った構成となっている筈だ』
『……凄い、パパのアセンを間違いなく言い当てたわ』
『それはなによりだ』
『考古学者でも名乗れるな、メルツェル。さて、そろそろ雑談もお開きだ。明日は最大のレイヴン同好会集結日だ。諸君、派手にいこう』