陰と影の実力者   作:黒ソニア

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前回の次回予告が詐欺なんじゃないかって話になっちゃった。
ユノとゼータ…リリムの掛け合いが…『しゅき…』でこうなっちった…。





第12影:『霧の龍』

 

 

 

アルファ達が独立してから数ヶ月…

彼女達が強くなりつつ『ディアボロス教団』について情報収集している最中、ユノはというと───

 

 

「ヒャッハー!!」

 

 

「…」

 

 

「ヒィィヤッハァー!」

 

 

「…何で俺はコイツの面倒を見なきゃならんのだ…。」

 

 

そう、ユノはシドの我儘…将来の資金調達、盗賊狩りに付き合わされていた。

ユノ自身としては表向きの勉学と魔剣士として剣の腕を磨きつつ、呪力や魔力の扱い、『影の能力』『式神』を用いた武術や戦術について模索していたいのだが…シドの我儘に無理矢理連れられるというオチで、中々捗らなかった。

 

 

「なぁ…俺いなくても良いだろ?」

 

 

「何を言っているのさ…陰の実力者の側近たる者、常に共に行動すべきだよ。」

 

 

「誰が側近だ、コラ。」

 

 

…本来、シドの我儘に付き合う必要はないのだが…

アルファ達との戦いの後、魔力切れでヘロヘロ状態のユノの元に戦いを見ていたシドが魔力を送り、魔力を受けたユノは回復した後でアルファ達を【円鹿】で完治させたのだ。

手を貸してくれた故にシドの我儘を暫くは聞いていたのだ。

 

 

「それにしても、今回の盗賊達も大した事ない上に金銭も全然持ってないから困ったよ。」

 

 

「…毎回多額のお金を持っている訳じゃないだろ。

てか、多くても困るわ。」

 

 

「何でー?」

 

 

「お前は自分で持たずに俺の『影』の中にぶち込んだ挙句、その内の7割を持っていくからだよ!」

 

 

そう、シドはユノをほぼ荷物持ちとして呼んでいたのだ。

 

 

「いいじゃーん。ユノの『影』って●次元ポケットみたいで便利だし。」

 

「そんな何でもありなものじゃない。

収納出来る量自体はそれなりに入るが、その代わり重さは反映されるんだ。」

 

 

「へー。」

 

 

そう、『影』を操る能力の強みと同時に弱みであるのがこの収納。

先ず基本的には何でも入るが、人を入れた場合、その人の重さを影響を受ける分体が重く苦しくなり、中の人は『影』の空間…酸素が無く、浮力も抗力の無い水の様な世界に沈む。

敵に使う分には有効的だが、仲間に使うには非効率的である事。

金貨といった無機物を収納するには便利ではあるが、金が積もれば山となり重くなる。

要するに重苦しくなるから大量に収穫出来てもユノが疲れるのである。

 

 

「『魔力』と『呪力』があるじゃん。」

 

 

「それはあくまでも身体強化で、重苦しさは改善されねぇよ。」

 

 

「あ、そっかー。」

 

 

「…だから、自分の分は自分で待て。

俺は荷物持ちじゃねぇんだよ。」

 

 

「えー、面倒ー。」

 

 

「面倒なのを俺に押し付けんな。

(本当、コイツは面倒くさいのを人に押し付けるよな…。)」

 

 

と苦労するユノであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふう、さっぱりした。」

 

 

今日もシドの我儘に付き合ったユノはベットへと駆け寄って倒れる。

 

 

「はぁ……ん?」

 

 

感知に反応があり…ユノはカゲノー邸に素早く駆け寄ってくる気配に勘づく。

そして何より…この『魔力』は───

 

 

「や、ユノ。久しぶり。」

 

 

「久しぶり…リリム。」

 

 

互いに嬉しそうに微笑む。

 

 

「…リリムは随分と忙しいみたいだな。

他の皆は割と定期的にやって来てくれるけど。」

 

 

「まぁね。私は潜入捜査を担当しているからね。

…他の皆と違って、来たくても来れないんだ。

寂しかった?」

 

 

「うん。」

 

 

「……そっか。」

 

 

ユノが即答した事に嬉し恥ずかしそうにしつつも、尻尾が嬉しそうに大きく振っていた。

 

因みにガンマから聞いた七陰達の役割分担は…

アルファは本拠地で組織の指揮

ベータは小説家として情報収集

ガンマはビジネスで資金調達

デルタは敵を殲滅する戦闘特攻

イプシロンは組織の補助の裏方

ゼータ(リリム)は各地の潜入捜査

イータは組織の有益な研究と建設

…と、それぞれで役割を補っていた。

 

 

「…成程。それぞれの得意分野を活かした役割ってことだな。」

 

 

「そう言う事。」

 

 

(…とは言え、それぞれ皆んなが大変だろうけど…

個人的にはベータ・ガンマ・リリムが苦労するポジションだろうな…。)

 

 

「それから、この数ヶ月で沢山の『悪魔憑き』を保護・解呪したよ。

その数はざっと100人。」

 

 

「!? ……そうか。」

 

 

ユノは100人も…いや、正確にはもっと多くの『悪魔憑き』がまだいるだろうと考え…顔を暗くする。

 

 

「…ユノ、そんな顔をしないで。

私達がこれから頑張って、救出して行くからさ。」

 

 

「…俺も手伝いを───」

 

 

「大丈夫。ユノは自分自身の方を優先して。」

 

 

「だが…。」

 

 

「これは私達の為だからさ。

勿論、難関だった場合はユノや主殿の力を借りる様にアルファ…様に言うよ。」

 

 

「…アルファを様呼びとはどうしたんだ?」

 

 

「いや…アルファ、様がさ。

皆んなが『様』付けしている中で私だけが呼び捨てなのが組織を統括する以上は上司として接して欲しいみたいでさ。」

 

 

リリムはやれやれとした反応をする。

 

 

「…そうか。」

 

 

「うん。それと、ここからが本題。

教団の事が分かってきたよ。

…『ディアボロス・チルドレン』。

孤児の者達から魔力を持つ者を誘拐して、薬剤投与に洗脳教育を施し、訓練をさせる事で自分達に都合の良い魔剣士よりも優れた兵士を生み出しているみたい。

更に1st・2nd・3rdの三つに分けられて、3rdは精神崩壊されてまともに会話が成り立たないのが特徴で、逆に1stは実力と自己が強く、『ネームド・チルドレン』…呼び名を与えられるらしい。」

 

 

「…チルドレン…孤児…薬剤投与に洗脳教育。」

 

 

ユノは嫌な事を連想する。

もし…あの時、今の義父上であるオトン・カゲノーがいなかったら自分も奴等の被害者となっていたかもしれないという恐怖を抱いた。

 

 

「ユノ、大丈夫?」

 

 

「…大丈夫だ。それより…魔力を持つって、この世界では皆が魔力を有しているんじゃないのか?

ほら、空気や木とかに魔力が満ちている訳だし。」

 

 

「ん? いや、全員が宿している訳ではないよ。

獣人やエルフは基本、魔力を宿している訳だけど…人間だけは貴族の血統やごく一部の者達が魔力を宿しているんだよ。

一般市民の類は魔力を有していないのが多いから…ユノは珍しい部類になるね。

もしかしたら、『呪力』や『影の能力』はユノの遠い先祖に何か関係があるかもね。」

 

 

「…そうか。」

 

 

ユノは知らなかった事を聞いて少し気が紛れた。

 

 

(そうだったのか…これは少し違った驚きだ。

確かに…元々住んでいた所では両親が魔力を有していたから、何も詮索する事は無かったけど…よくよく思い出して見れば、周囲の人達が魔力を使った形跡は無かったな。

加えて、義父上達が魔剣士になれる事にかなり喜んでいた事から察するに相当珍しかったのか。)

 

 

因みに当然、『呪力』と『影の能力』はユノだからこそ扱える力で、血脈云々は一切関係ない。

 

 

「…そいや、姉上に関してはどうだった?」

 

 

「それについてはもう安心して良いよ。

クレア様は現在、平和に『魔剣士学園』の生活を送っているし、教団や息のかかった連中からは全く標的にされてないよ。

確かにクレア様はその…階級の低い貴族なのに実力が抜かんでいるから目立ってはいるけど、教団にはクレア・カゲノーが少し才ある魔剣士の一人であって、『悪魔憑き』…英雄の子孫の疑惑は晴れているからね。」

 

 

「それなら良かった。」

 

 

ユノは安堵の顔をして少しぐったりとする。

それに続いてリリムが…ぐったりとするユノの上に乗る。

 

 

「お、おい…!」

 

 

「ふふ…ユノの匂い…。」

 

 

(…お、俺の匂いとか臭いだろ…?

まぁ、風呂入ったから大丈夫だと思うけど。

なのに…何でそんな顔をしているんだ…?)

 

 

「…お風呂に入った後なのが少し残念だな…。」

 

 

(あえぇぇ…どうしてそっちで残念なんですか、リリムさん…!?

…ちょっ、胸とか太ももが密着してる…出会った頃と比べて年月が経ってる分、成長してるから…色々と……色々とマズイ…!!)

 

 

ユノは魔力を用いて理性を何とか保つ。

 

 

「(ネコ科ってこういう感じなの…?

それより、話題を何とかして繋いで…そうだ。)

…魔力の操作と制御はどうだ? 順調か?」

 

 

「んん…? うん、最初はアルファ…様と、イプシロンの2人が『悪魔憑き』の解呪をしてきたけど、今では私でも可能だよ。

ユノの教えが良いおかげで…ね?」

 

 

「そ、そうか…なら、良かったよ…。」

 

 

「…そう言えば、ユノがあの時…クレア様の一件で、執事やメイドにしようとしていた事って何?」

 

 

「んっ、ああ…それはだな───」

 

 

ユノが説明しようとした途端、感知でコチラに来る気配を感じとった。

 

 

「あ、不味い! リリ…ゼータ!」

 

 

「うにゅ……誰か来たの?」

 

 

「ああ、来てる! 絶賛アイツが来てる…!!」

 

 

「ユノのその言い方は…あぁ、主殿だね。」

 

 

来るのがシドだと知ると…ゼータは問題無いと判断してそのままを維持する。

 

 

「おぉぉぉぉぉいっっ…!」

 

 

「ユノー、そう言えば聞きたい事が───あ。」

 

 

シドは今のユノとゼータの体勢…ゼータがベットで倒れてるユノの上に猫の様に居座ってる姿を見て一瞬思考が止まった。

 

 

「…お邪魔だった?」

 

 

「やぁ、主殿。別に問題無いよ。

私…猫だから。」

 

 

「あー…そうだねー、んじゃ問題ないか。」

 

 

シドはいつも通りの反応と態度で椅子に座る。

 

 

「え、反応薄くない?」

 

 

「別に僕はそう言ったのに関して基本何も思わないよ?」

 

 

そう、シドは『性欲』といったのを切り捨てている。

本人は無駄なものだと興じてだ。

金や『陰の実力者』になるという欲望がある癖に、どうやって切り捨てるのか気にはなったが、それよりもユノは───

 

 

 

『頭可笑しいんじゃないの?』

 

 

 

と、ドン引きまでは行かないが、それ一歩手前の反応をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりね。シド、ユノ。」

 

 

ある日、アルファがやって来た。

それも何処か根を詰めた表情でだ。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「ええ…実は…。」

 

 

シドの問いにアルファは答える。

どうやら今拠点としている場所では保護した『悪魔憑き』だった者達やゼータ…リリムの弟の様に非戦闘員の者達の人数が多いから、新たな拠点を求めて『幻の都:アレクサンドリア』にしようと話を持ちかけた。

 

 

「幻の…都…!」

 

 

「…そういえば、ゼータがその話をしていたな。

けど、他の…教団の息がかかってる恐れは?」

 

 

シドがやって来た時に七陰として話している中にその話があった。

 

 

「その場所は『深淵の森』と呼ばれる深い霧で覆われた樹海で、入ったら誰も出て来れないと言われるの。

ゼータが周囲を確認した所、最後に『深淵の森』に近づいた痕跡はかなり昔…推測では10年以上、或いはそれ以上って言っていたから、恐らく誰も立ち寄ってはいない筈よ。」

 

 

「そうか…。」

 

 

「深淵の森…!」

 

 

(さっきからブツブツと何をしてるんだ…。)

 

 

ユノがシドに呆れていると、シドはシャドウの低い声で話し始める。

 

 

「濃い霧を抜けた先に、我々の起つべき陰の大地がある。」

 

 

「!?」

 

 

(何そのカッコいい台詞…!)

 

 

アルファは驚いて口元を手で覆い、ユノは内心で同調していた。

 

 

「アナタがそう言うのなら、我々は『深淵の森』へ向かうわね…!」

 

 

そう言ってアルファは今の拠点へと戻ったのだった。

 

 

「…嫌な予感がするな。

ゼータから大体の位置を聞いていたから…少し様子を見るか。

───所で、一応聞いておくが…今の何か意味があるのか?」

 

 

「え? それっぽく言っただけで意味があるわけないじゃん。

ユノは何を言っているのだね。」

 

 

「グーで殴って良い?」

 

 

「やめて。」

 

 

シドは息を吐くと。

 

 

「にしても、女子会ピクニックに男子(僕達)を混ぜたくない気持ちは分からなくもないけど、仲間外れは悲しいよねー。」

 

 

「そういうつもりで言ったわけでは無いだろ。

言ったろ? 力を付けるためにアルファ達は出来る限り、自分達で解決しようと頑張ってるんだ。」

 

 

「あー…そいや、そんな事を前にも聞いたねー。

でも、アルファ達もそれぞれの人生がある筈だから、難しいと思うけど…。」

 

 

(コ、コイツ…!!)

 

 

ユノは静かに怒りを抱く。

シド(バカ)は未だに教団の事やアルファ達がやって来てくれるのを()()()()()()()()()()()()()程度の認識でしか無かった。

 

 

「ねぇ…やっぱりバカって言ってない?」

 

 

「言ってねぇよ、ボケ。」

 

 

「ひどいー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この辺りだな…。

んっ…ゼータ達の気配を感知した。

という事は…あの樹海だな。」

 

 

歩きながら、自動(オート)状態を解除して範囲を広げる事でゼータ達の位置を把握し、それと同時に目的地の近場に来た事により、強い毒素を含んだ霧に覆われた樹海に気がつく。

 

 

「へぇ、流石は異世界。

そりゃ魔力もある訳だから、こういったダンジョンもあるよねー。」

 

 

と、隣でテンションを上げているシド。

 

 

「…お前はデルタと同じ思考だよな。

遠足気分で来てるし。」

 

 

「失敬だなー、僕はデルタ程頭の出来は悪くないよ。」

 

 

「思考がそっくりだから同じだわ。」

 

 

相変わらず深刻な状況で、緊張感の無いシドを見て溜め息を吐くユノであった。

 

 

「……ん、森の中に入ったな。

俺達も様子を陰ながらに見守るぞ。」

 

 

「───んっ、そうだな。

では早速、我が影の力を頼るとしよう。

…ほら、『影』の中に入れてよ。」

 

 

「…構わないが、息出来ない上に浮上出来なくて溺れる事になるが良いのか?

恐らくお前でも窒息死するだろうが…。」

 

 

「え、そうなの? じゃあ、パスで。」

 

 

シャドウとしてカッコつけるシドに事実を突きつけて我儘を流すユノだった。

ユノ達がゼータ達の後を追い、樹海へと赴いていると…

 

 

「……ん、どうやら動きがあるな。」

 

 

「どれどれ?」

 

 

ユノとシドはゼータ達が…『霧の龍』と思われる龍と対面しているのを目撃する。

 

 

「ちょっ…ユノ、アレ…!!

ドラゴンだよ、ドラゴン…!!」

 

 

「暴れるな……いやまぁ、俺も驚いたから興奮する理由は分からなくもないけど…本当に存在したのか。

流石は異世界だな。」

 

 

流石のユノも『霧の龍(ドラゴン)』の存在にシドと同じ反応を示した。

 

 

「…アレ、何か会話してない?」

 

 

「…そうだな。聞き耳を立てるか。」

 

 

ユノは離れた場所で『霧の龍』とゼータ達との会話を意識して聞いてみる。

 

 

「………ワシが求めていた……古の王……叡智……変革……さらなる力……高みへ昇る……精神?」

 

 

「え、何々?」

 

 

「ちょっ、止めろって…!

んっ……ドラゴンがキレ始めた…!?」

 

 

樹海が『霧の龍』の咆哮で大きく揺れる。

 

 

「何だ…? ベータがやけに慌ててるな。

ベータの何かの推測が当たって……ドラゴンがそれに反応してブチ切れたのか?」

 

 

「もー、ベータ何やっているのー。」

 

 

(お前が言えた口じゃねーだろ…!)

 

 

「…おっ、戦闘始めたっぽいね。

デルタとゼータが先行して…そこをガンマとベータとイプシロンがアシストして、アルファが全体の指揮をしつつ単独で攻撃って感じだね。」

 

 

「…ふむ。」

 

 

「んー…イータはいないみたいだね。」

 

 

「あぁ…樹海には入っておらず、後方で待機してるみたいだ。」

 

 

「あー…イータは戦いよりも戦った後に興味があるだろうからねー。」

 

 

(その他には…イータの側に他の連中よりも手練れ、アルファ達とその他の者達の中間レベルなのがいるな。)

 

 

ユノはゼータ達を心配しながら見守りつつ、イータ達の方も念の為に感知して様子を探っていた。

 

 

「……ふーん。あのドラゴンそれなりにやれるみたいだね。

最初は敢えてデルタ達の攻撃を受けて、全くダメージが入ってないのを認識させてから、ジワジワと強さを示して怯ませるって戦法か。

ドラゴンって訳で中々強者としての振る舞いが上手いなぁ、参考にしよ。

アルファも……大分魔力と体力を消耗してるね。

このままだと……あっ。」

 

 

シドの言葉にユノは全身に寒気を感じて、感知に意識を強く集中する。

感知して見ると……ゼータが周りの木々を活かしてアルファ達をフォローしつつ『霧の龍』に攻撃しているも、攻撃を受けて地に伏せられていた。

 

 

「不味いね、ゼータが……あ、先に行かれちゃった……。」

 

 

シドがさっきまで隣にいたユノの姿が無いことに気づいた。

 

 

「僕が『陰の実力者』としてカッコよく参戦したかったけど…

仕方ないね、先行はキミに譲るよユノ。

……さて、僕はその様子をカッコよく……空から見下ろしながら観戦させてもらおうか…!」

 

 

シドは全身に…スライムスーツに魔力を流し…空へと飛び始めた。

 

彼の肉体は積み重ねた肉体改造によって、莫大な魔力を生成するだけでなく、それを用いて様々な狂人的な力を習得した。

その一つが、『魔力操作』と『魔力制御』の維持による『浮遊』である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「滑稽だな、獣人の小娘よ…

口ではそっちの獣人の小娘を偉く罵るも、自らが一番に無茶をしおるではないか。」

 

 

カッカッカ…!と、嘲笑う様に尾で叩きつけた獣人…ゼータを見下ろしながら語る。

 

 

「ゼータ!!」

 

 

「くっ……。」

 

 

「フッ…所詮、お前達人種は愚かな生き物だ。

小さき存在でありながら、欲望だけは大きく持つ…

ドラゴンという存在を前にし、その程度の力で挑もうなどと……烏滸がましいのだ…っ!!」

 

 

ゼータの危機にボロボロのアルファが叫ぶも、『霧の龍』は無慈悲に大きな尾を振り上げる。

 

 

「(……ここまで…なの…か、バカ犬の事…言えない…じゃんか。

先走るなって……言っておきながら、私が身動き取れない状態で…あぁ、死が襲い来る……。)」

 

 

『霧の龍』によって全身に力が入らず、ただ倒れてる状態で死を覚悟するゼータ。

 

 

「(……ユノ。)」

 

 

死の一撃が振り下がると同時に…彼の名を想う。

 

 

 

 

 

その瞬間…アルファ達の後方から凄まじい勢いで『霧の龍』へと飛び出す…

 

片腕に装甲の様な鎧腕を身につけ、深碧の衣を靡かせる

 

仮面を覆う者…彼女が想ったその男───スライムキャリバーに呪力を纏い…

稲妻の如く、呪力を…樹海を黒く光り照らす一撃を放った。

 

 

「─── 《黒閃》!!」

 

 

その雷の堕ちたような衝撃は『霧の龍』の尾を弾き、龍の腹へと被弾し…吹き飛ばされる。

 

 

「うごぉぉぉぉぉ………っっっ!!!」

 

 

『霧の龍』は悲痛の声を高く上げて倒れる。

 

それを見たアルファ達は歓喜し、ゼータは彼を見て目元に涙を浮かべて微笑む。

 

 

「ユノ…。」

 

 

その声に応じて、ゼータを見る。

 

 

「よく頑張ったな。」

 

 

男は…ユノは仮面越しでも分かる微笑みをかけた。

 

 

 







・唐突ですけど、オリキャラを出そうか考えてます。
かなり先の展開を考えると…『七陰』や『シャドウガーデン』以外のユノの部下達的なポジションいるくない?…ってなってます。
加えて言うなら…オルバの娘の『ミリア』でしたっけ?
彼女のキャラが分からないから…敢えて他作品の別キャラに変更しようか考えてます。
今考えてる中では…スパイ教室の『あのキャラ』にしようかなって考えてます。
他にも同じ作品の優秀だけど意外な一面を持つ『●刃』がコードネームの『あのキャラ』や。
更に他作品の「俺は…●霊だ!」でお馴染みの呪術廻戦のあのキャラと同じ声の『あのキャラ』とか。
自分が好きな『クハハの人』に縁のあるドラマCDでのみ登場した『あのキャラ』とか。
今出したいと思っているキャラ候補は4人ですね。
反対か別に良いじゃないか…意見が有れば嬉しいです。
無ければ…多分、次には早速1人は絶対登場予定で、余力が有ればその他のキャラも…って感じです。


・次回、『契約』
霧の龍とユノに戦いの行方は如何に…!?


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