土門様
評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
「……97……98………99………100…!!!
っだぁぁぁ…腕立て伏せ…腹筋…スクワットを100回やる…だけでも、この様。
自分が如何に体力が無いのかを痛感する………
いや…アイツが、イカれてるだけか。」
ユノ脳裏に何処からとってきたのか知らない大きな岩の上でスライムで形成した巨大なダンベルで筋トレをしているシドを思い出し、ユノは目をゴシゴシと凝らしても夢で無く、現実だった故にドン引きしていた。
「…あそこまでいかなくても、この程度で音をあげる様じゃ、先が思いやられるな…。」
ユノはもう少しやるべきなのかと腕立て伏せをしようとした所に───
「ユノはやれる事を自分のペースでやるのが良いよ。
私は少なくともそう思うよ?」
…と、聞き覚えのある声が窓から聞こえた。
そこに振り向くユノ。
「ゼー…リリム!」
「ふふ…久しぶり、ユノ。」
「…暫くぶりだな。会いたかった。」
「私も…会いたかったよ、ユノ。」
「…ちょっと待ってろ。今汗だくだから、シャワー浴びて来る。」
「その必要はないよ。」
シャワーへ行こうとするユノの手を掴んで、そのままベットへと誘導し、リリムは上に乗る。
「おおい、リリム!」
「ふふ…ユノの匂いが強いね…。」
スリスリとリリムはユノの体に自身の体を絡め、ユノの匂いを堪能し始める。
(く、この状況…この前と全く同じ展開じゃないか…!
相変わらず…リリムさんの胸やら太ももが柔らかくて理性が飛びそうになる…!
筋トレで体力使ってる分、理性を魔力の制御でしづらくなってるし…!
しかもこの流れだと、シドの奴が来るんだろ…!?)
ユノがそんな事を考えているも、『気配感知』に何も反応が無かった。
しかし、妙な違和感に気づく。
(…ん? リリムの様子が変だ…。
さっきまでは勢いが強かったのに…今は何かを
そう、ユノはリリムの無意識に体から放たれている謎の黒いオーラを感じ取った。
「…リリム、どうした?
何か嫌な事でもあったのか?」
「……ハハ、分かっちゃうか。」
リリムは心無しか急に先程までの元気が無くなっていた。
「本当にどうした。何があったんだ…?」
「……ねぇ、ユノってさ、『神様』に…なりたい?」
「……は?」
ユノはリリムの口から出た言葉に力が抜けた声を漏らした。
(可笑しい…リリムがこんな事を言う…ましてや、こんな宗教的な事を考える訳がない。
それだけは断言出来る。
…一体、この暫く合わない間に何があったんだ…?)
ユノがそう考えていると、リリムは密着していた状態から離れる。
「……ごめん、変な事を聞いちゃったね。
今日の所は帰るよ。」
リリムはそう言って、窓へと足を運び始めた。
(…このままリリムを帰したら、きっと後悔する。
何故だが分からないが、それだけは分かる。
絶対に駄目だ…!!)
ユノは瞬時にリリムへと手を伸ばし…彼女の手を強く握った。
「……ユノ?」
「…理由を説明しろ、リリム。」
「…」
ユノの強い目にリリムは…
「……任務で、とある聖女に会ったんだ。」
その聖女の名はウィクトーリア。
「彼女は『テンプラー』という組織の者でさ。
表向きは女神ベアートリクスを信仰する聖教の聖女で、裏では『悪魔憑き』を処刑している組織だったんだ。
最初は宗教に取り憑かれた可哀想な人だって…最初は思ってたんだ。」
「…」
「けど…『霧の龍』とユノが話していた、『教団を殲滅した後』を聞いて…私は…私は…!!
───この世界に、絶対的な存在…『神』が必要なんじゃないか…って。」
リリムは涙を流し始めた。
「………辛い道をユノが一人で歩もうとした事に私は、一人で抱えないで欲しいって思ったんだ…!
その問題はユノに責任がないから…!
けど…けど…、アルファ達は
だって、アルファはかつて語った。
『───』
…って、そう信じている。
信じきっている彼女にユノの考えを話しても…そんな事にならないと言い張る。
だって…アルファ達は───
「!? リリム…どうしてそれを…!?」
ユノは酷く驚いた顔をする。
何故ならコレは誰にも告げずにユノの心の中で仕舞い込んでいた事だからだ。
真実を言えば、アルファ達がどうなるのか…想像したく無かったからだ。
「…クレア様が誘拐され、救出に出た時…逃亡するオルバ子爵を追うユノに…私は付いていたんだ。」
「……そうか、だからあの時…。」
この時にユノは理解する。
オルバを殺めた後のシドとユノとの会話を聞き、その後に足音を立てずに駆け寄っていたのは…そういうことだったのだと。
「私はあの時…ユノの優しさを改めて理解したんだ。
そして、それ以上に…シャドウが私達に適当な事を言っていたって…怒りを抱いた…!
本当は…責任とって、シャドウにこの世界を管理してもらおうかと考えたけど…誰よりも先の未来を見ているユノの方が良いんじゃないかって…そう思って…。」
(…リリム、俺のせいで支離滅裂になりつつなってたのか…!)
リリムもまた多くの悩みを抱いていた。
教団を滅ぼした後の事、その後について…それを成すには絶対的な存在である『神』に成らないといけないのではと…
しかし、ユノを事を理解している彼女はユノがそれを受け入れないだろう事を理解していた。
だから責任をシャドウに背負って貰おうかと思ったが…
彼にその責務を負う気は無いであろうと考え…
ユノに『神』となって世界を…
「…リリム。」
ユノはリリムの頭を優しく撫でる。
「…ユノ?」
「…お前の気持ちはよく分かったよ。
悪かったな…俺のせいで色々と悩ませて…。
けど…悪いな、リリム。
俺は『神』になる気は無いし、アイツも『神』になっちゃならない。
…人は、『神』になってはならないんだ。」
「…けど。」
「分かってるさ…こんな世界だ、何かに縋りたくなるさ。
けど、その『神』にする為の行為事態が…間違いなく教団のやり方と重なってしまう。
奴等を殲滅し、祓った所で、その後に奴等と似た事をしてどうする?
…俺はお前に奴等と同じ様になってほしくない。」
「…」
「…とはいえ、俺が一人で全て何とかしようとしたから…リリムは色々と考えたんだよな…ごめん。」
「…ユノの…せいじゃないよ。」
「リリム…一緒に考えてくれ。
そもそも、俺一人で解決しようとした時点で間違いだったんだ。
だってそうだろ?
俺に出来ない事はリリムが、リリムに出来ない事は俺が…
互いに背中を合わせて困難を乗り越える。
それが俺達だ…これを絶対に忘れずにいよう。」
「ユノ…! うん、そうだよ。
私とユノが一緒に考えれば、きっと…正しい答えを見つけられるよ。」
ユノの言葉にリリムは先ほどまでの沈んだ気分から解放されたかのように表情を和らげた。
「…そうだ。その顔だ。
女の子は…お前は笑顔の方が似合っている。」
「…!! もう…ユノはズルいよ…。」
ユノの微笑みにゼータは頬を赤く染める顔を隠す。
…しかし、尻尾は正直で大きく揺れていた。
「(…ふむ、ズルいとは何だろう…?
尻尾がメッチャ揺れてる…不機嫌…?
いや…そんな感じは……いや、顔隠してるし…。)
…リリム? 大丈夫か?」
「…だ、大丈夫。お、お陰で色々と目が覚めたよ。
あ、そ、そろそろ行くね、私!」
そう言って、リリムは窓からサササッと出て行ってしまった。
「お、おい……大丈夫だよな?」
ユノはそう心配する。
…彼は女心が全く分からない。
故に…リリムが出て行った理由が気になりつつも、大丈夫だと言った事を信じる事にしたのだった。
◆◆◆
「…にぃにぃ! ココがあたらしいおうちぃ?」
「あぁ…そうだ。
それより具合はどうだ?
大丈夫だが、あの霧は元々毒霧…まだ小さいお前には少しキツイかもしれん。」
「だいじょーぶ!」
「…そうか。なら、良かった。」
ユノはゼータの弟を手を握って、アレクサンドリアへ連れて来た。
「お待ちしておりました、ユノ様。」
「ああ、お出迎えご苦労様。
───コンチェッタ。」
「勿体なきお言葉。」
ユノ達を出迎えてくれたのは非戦闘員の女性執事のコンチェッタ。
彼女は…アルファ達が独立する前、ゼータと共に『悪魔憑き』のアジトと思わしき場所は赴いた時だ。
そこにいたのは『悪魔憑き』ではなく、奴隷だった。
彼女の家は…密輸業者の娘だったのだが、
ユノはその少女と目が合って、救助に出た。
…運が悪いせいか、彼女と数人の奴隷達は売れなかったせいで毒殺されかけていた。
ゼータと連携して敵を殲滅して、奴隷達を介抱するも、他の奴隷達は既に手遅れだったが、彼女だけは奇跡的に一命を取り留めたのだった。
「コンチェッタおねーちゃん!」
「はい、良くこの遠い地に来てくれましたね。
さ、家の方にお連れします。ユノ様は?」
「いや、俺は早めに戻らないといけない。
姉上を困らせたくないからな。」
「…承知しました。」
「そんな暗い顔をするな。また直ぐに顔を出す。
その時に俺の好きな紅茶を淹れてくれ。」
「…っ、はい!!」
コンチェッタは表情は変わらないものの先ほどと違い雰囲気が明るいものに変わる。
彼女は過酷な人生を送ったせいで無愛想…といっては失礼だが、常に無表情だった。
「またね、にぃにぃ!」
「ああ、またな。」
無邪気に手を振るゼータの弟にユノも手を振って返した。
二人を見送った後、ユノは振り返って帰宅しようとすると…
「失礼します、フェイカー様。」
サッと忠誠の座りをして声をかけたのは褐色の片目を閉じた、如何にも『教官』の印象の強いエルフだった。
「…キミは?」
「ハッ、自分は『ラムダ』と申します。」
「…ラムダ。あぁ、ギリシャ文字の名を持つ『ナンバーズ』って事か。」
「はい。その通りでございます。」
…今更だが、この『シャドウガーデン』の組織において…アルファ達の名ギリシャ文字を持たない者達は番号呼びである。
ゼータからそれを聞いた時、ユノはそれについて異議を唱えたが…アルファ達はこれが
(…これが後に影響が無ければいいがな。)
「…あの、フェイカー様?」
「…すまない、考え事をしてしまった。
要件はなんだ、ラムダさん?」
「お、お止め下さい!
私目は名こそ頂きましたが、『シャドウガーデン』の一員として、年上であろうと敬語で呼ばれますと…
大変恐縮ですが…困ります。」
ラムダは立ち上がって困惑していた。
「そ、そうか。すまない。
…それで、ラムダ…よ、何の要件だ?」
「ハッ、コチラも恐縮故、失礼とは存じますが、このラムダの名と顔を覚えて貰うため、呼び止めました。」
「…そうか。ご苦労様。
失礼じゃないから気にするな。
仕事…とは違うが、組織的には重要な事だろう。
だから、お前のとった行動は正しい。気にするな。」
「…有り難きお言葉。
お忙しい中、お時間を頂きありがとうございます。」
「うん……あぁ、そうだ一つ、言いたい事があった。」
ユノはラムダの横に立って、耳打ちする。
「…皆を、アルファ達を頼む。
アイツらは年頃の女の子と比べて大人びているが…無理をしている所がある。
言われなくてもフォローしているが、改めて頼むよ。
それから、非戦闘員のコンチェッタ達についても頼む。
ガーデンの中で戦闘員じゃないとはいえ、名前を持っている事に不審を抱く者も少なからずいる筈だ。
それを否定せずに擁護してくれ、俺からの頼みだ。」
そう言ってユノは立ち去って行く。
「ハッ!」
一瞬の事とはいえ、ユノの
◆◆◆
「ユノ! 白トリュフ…白きダイヤモンドを採りに行くよ!」
ある日、シドが当然とユノにそう告げる。
「…なんだ急に、白トリュフって確か高級食材…あぁ、金目当てか。」
「そう! 昨日の夜、デルタが来た時にマドリーで見つけたらしいんだよ!
さぁ、レッツゴートゥーマドリー(イケボ)。」
(あぁ、やはりデルタが来ていたのか。
…俺には顔を見せなかったな。)
ユノは少し傷ついた。
まぁ、デルタはシドに対して好感度ぶっち切りだから仕方ないのかもしれない。
「…おいおい、マドリーって確か『ベガルタ帝国』じゃなかったか?
行くまでに距離があるし、そもそも『ミドガル王国』の貴族たる俺達が容易に行ける場所じゃないだろ…。」
「いやいや、ユノくん。僕達は陰に潜む者だよ?
何怖気ついてるのー?」
「…お前な、いくらイカれ狂人のお前でも、ここからマドリーまでに…
恐らく二日は要するし、そこから探すのにも時間かけて…その間、家にお前がいなかったら、義父上と義母上も心配するだろ。」
「…あ、そっか。その事を忘れてた。」
(マジかよ…。)
「…んーでも、白トリュフを取り行くべきだと、僕の本能が囁いてる…!
これは絶対に行くべきだと…告げている…!」
「…なぁ、俺要らなくね?」
「何言ってるのさぁー、ユノには白トリュフを運ぶ係…いや、大事な使命があるんだよ。」
「…何だ、結局はまた荷物持ちか…行かない。」
「ユゥ〜ノォ〜!!」
シドはユノにベッタリとくっつき、意地でも着いてきて貰おうと駄々をこね続ける。
(…ホント、コイツの我儘を聞いてると頭が痛くなる。
最近じゃ、頭だけじゃ無く胃も痛くなる…。)
最近の悩みはシドの我儘…だけで無くその他にも多々あって、苦しむ事が多くなったユノくんであった。
(…いや、待てよ? コンチェッタの報告でアルファ達がマドリーで教団の幹部らしき人物…『ラウンズ』と呼ばれる称号を持つ男と戦うと記述されてあった。
……嫌な予感がしてきたな。)
ユノは深刻な表情を浮かべ…次第にシドの我儘に興じて様子を見に行こうと決心した。
◆◆◆
「さぁ、姉さんが寝ている間に白トリュフを採りに行くよ、ユノ。」
ユノはシドに連れて行かれる様に白トリュフを取りに向かう。
因みにここまでの簡単な経緯は…
①ベガルタ帝国までどうやって向かう?
→クレアの手を借りよう!
②どうやって説得する?
→クレアのお願いを渋々聞こう!
③旅行と称してベガルタに来たぜ!
→クレアと都市の買物に付き合う。
④その間にイプシロン達を感知したユノ。
→顔を出しに行ったら見知らぬ眼帯の金髪エルフのお姉さんの掃除を手伝った。
…という流れだった。
無論、ユノは日頃からクレアの言う事やお願いなどを聞いていたからか、あまり拘束されておらず、どっちかというとシドを拘束していた。
シドは少し目を離したら勝手に何処かへ行ってしまうからある意味当然の処遇(?)だろう。
ついでに、クレアに引っ張られているシドは退屈・怠そうにしていたのを見て、ニコニコとしていたユノだったとか…
(…連れて行かれてる間に、俺はリリム達の居場所を感知するか。
………これは近いな。今回はそれなりの腕が立つ部下も連れている感じだな。)
「よし、この辺かな?」
ユノが感知している間にシドの目的地である白トリュフのあるだろう場所に辿り着いた。
「あの白トリュフには微量の魔力が含まれていたからね。
その魔力の感じもこの辺から発せられているものと同じだからね。
───さ、掘るよ!」
シドはスライムをスコップの形にして掘り始めた。
(…やってる事がコソドロみたいなんだよな。)
シドに無理矢理協力を強制させられ、渋々白トリュフの採集に手を貸していると───
「…!!」
それもかなり大きなものだった。
(…かなり手強い相手の様だな。
部下と思わしき連中と…奇妙な生き物もいる。
………っ、苦戦しだしたな…!)
シドの手伝いをしている間にも戦いはどんどん劣勢になっている様子だった。
「…少し離れる。」
「ん? 休憩?
…むっ、これは魔力の強い反応がある…?
確か、デルタがまら…く(?)とかいう竜がいるって言ってたけど…ん?」
ユノが早足で離れて行き、それに何か違和感を感じてか、シドも『魔力感知』で戦いが行われているのに気づくが…
「これは…間違いない…!
出た! 白トリュフだ! 僕のお金!」
シドは偶然見つけた白トリュフに意識を完全に奪われた。
「ぐあぁぁぁぁ!!」
兵士が一人、また一人と倒れる。
その兵士はベガルタ帝国の兵士。
『シャドウガーデン』…アルファ達は標的の男を倒すためにスライムソードで次々と蹴散らしていく。
「ベガルタ兵達は大した事ないけど…!」
ーーー!!!
大きな図体…2.5メートルを超える生物『害竜マラク』の大群を相手に苦戦するアルファ達。
それもその筈、マラクと呼ばれる竜はデルタですら苦戦を強いられた存在。
『七陰』の中で、最も戦闘力の高いのがデルタ。
その彼女が苦戦強いられた…というのが、この戦場において最も難題だった。
それも…そのマラクを操っているのが───
「ふんっ。やはり、ベガルタ兵では役に立たないか。
だが、マラクは実に使える。」
分厚い装甲を纏う男…『セルゲイ・ゴーマン』がそう語る。
今回、アルファ達のターゲットが彼なのだ。
「マラク一体一体が素早い動きをしてる上に、連携まで───ぐぅっ!」
「しかも、攻撃を受けても直ぐに再生する…!
頭部を狙おうにも、それを───がぁっ!」
眼帯を付けた金髪エルフとタトゥーのある褐色のエルフがマラクの攻撃を受け、倒れる。
彼女達は『111』と『122』で、ナンバーズの中でもかなりの腕を持つのだが、セルゲイによって操られているマラクの攻撃を受けてしまう。
「111番、122番!!───っくぅ!?」
「イプシロン!?───はうっ!?」
イプシロンにガンマ…他の七陰達もマラクに苦戦を強いられていた。
「この巨体に強さ…それにこの数か…!」
「それに、セルゲイもいるわ。
数多の対策を練っていたけれど…!
これじゃ…!」
『シャドウガーデン』で最も強いだろう二人…アルファとゼータがマラクを各々一体を倒すも、次々と前線に出てくるマラクに苦渋の顔を強いられる。
「お前達は厄介だが…ここで終わりだ。
このマラクを操る『アーティファクト』が有れば…!
俺は…世界を…!!」
セルゲイが片手に握る大剣を振り下ろして、アルファとゼータを吹き飛ばす。
「「くっ…!!」」
吹き飛ばされたアルファ達にセルゲイとマラク達が歩み寄って行くと───
「…フン。貴様如きでは世界など取れんさ。」
その声と共にセルゲイ達の足元から無数の『刃』が放たれる。
マラク達はその『刃』に腹を突かれ、身動き取れなくなり、それを突如現れた黒に白が混じった特徴の狼がマラクの頭部を次々と破壊していく。
「ぐぅっ…何だと…!?」
セルゲイは脇腹に刺さった『刃』引き抜こうとしながらその光景を見て、驚愕する。
「アレって…!」
「…間違いない、《影斬》に【玉犬】!
という事は───」
ゼータがそう呟くと、ゼータの頭を撫でる者が現れた。
そう、それは勿論───
「き、貴様…何者だ…っ!?」
「…我が名はフェイカー。
真なる影にして…貴様を祓う者だ…!!」
全身を黒いローブで覆う者…フェイカーがセルゲイに呪力を灯したスライムキャリバーを向けて言い放った。
・今回は大分攻めてみました。
原作のゼータが、何処のタイミングでシャドウを『神』にするという考えに至ったかは知りませんが、ここでは…
①ユノと霧の龍との会話を聞いて、ディアボロス教団を壊滅させた後について考える様になりました。
②ウィクトーリアの宗教じみた語りが、余計にゼータ(リリム)を困惑させてしまいました。
…てな感じです。自分はカゲマスをやっていないのですが…大体のシナリオを見てからここでのストーリーを考えてます。
なので、所々原作(カゲマス)と違う流れもあるとは思いますが、ご了承ください。
ここからどういった流れに向かうのかを…
・次回、『ユノvsセルゲイ・ゴーマン』
ゼータ達の危機に駆けつけたユノ(フェイカー)とラウンズ第10席:セルゲイとの戦いが始まる…!