陰と影の実力者   作:黒ソニア

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ゼータ(リリム)以外にもガンマとかイータとか絡ませたいけど、脳内ストーリーの流れだと、魔剣士学園入学前だと全然絡めーへん…。


ダニホテル様、kinneko127様、Syurei様
生徒会長月光様、くりぢゅん様
評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。





第15影:『ユノvsセルゲイ・ゴーマン』

 

 

 

フェイカー(ユノ)が名乗ると、セルゲイは脇腹に刺さった《影斬》の刃を無理矢理引き抜く。

 

 

「…フェイカー、だと?

(コイツが『シャドウガーデン』のボスなのか?

そこのエルフと獣人がコイツを見た途端に安堵した…という事は間違いなくボスなのだろう…

それはいい…だが、その『魔力』ではない…寒気がする力はなんだ…!?

マラクの頭部を破壊する狼といい、コイツの力は───)」

 

 

「考えている暇はないぞ?」

 

 

「ぐおぉ…っ!」

 

 

フェイカーの蹴りによってセルゲイは倒れる。

 

 

「…っ、舐めるなよ! 餓鬼が!」

 

 

セルゲイの装甲による攻撃をスライムキャリバーで防ぐ。

 

 

「…くっ、餓鬼の癖に俺の攻撃を容易く受けるか…!」

 

 

セルゲイがそう言葉を漏らすも、片方の大剣を握る腕を動かし、一閃を放つ。

 

 

「─── 《影化》。」

 

 

セルゲイの大剣による一閃はフェイカーを真っ二つになる筈が擦り抜けた。

 

 

「何…!?」

 

 

「はっ…!」

 

 

「ぐっ…!」

 

 

虚をつかれたセルゲイにフェイカーは顎に掌底打を放つ。

 

 

「このぉ…! んん!? 何処へ消えた…!!」

 

 

「…!」

 

 

「ぐぁ…!」

 

 

セルゲイが消えたフェイカーを探るも、いつの間にか背後にいたフェイカーの蹴りを受ける。

 

 

「ぐっ…! クソが!」

 

 

セルゲイがムキになって振り向くも、そこにフェイカーはおらず、またもや背後からの攻撃を受ける。

 

 

「ぐぁ…!」

 

 

セルゲイはフェイカーに攻撃をする間も無く攻撃を受け続ける。

 

 

「…流石ね、フェイカーの動きにセルゲイは対応出来てない。」

 

 

「当然だよ。」

 

 

アルファとゼータはフェイカーの方を見つつも、マラクの対処に意識を向ける。

 

 

「…コッチも負けていられないわね!」

 

 

「当然!」

 

 

アルファとゼータはマラクの頭部を狙って攻撃をしていく。

 

 

「…私達も…!」

 

 

「負けていられませんね…!」

 

 

イプシロンとベータは立ち上がり、武器を構える。

 

 

「しゃああああ!!」

 

 

「シュシュシュ!!」

 

 

「…動きをとめる…!」

 

 

デルタとガンマが攻撃し、イータが2人を援護するようにマラクの動きを止める。

 

 

「…『七陰』の皆様が一気に反撃を!?」

 

 

「アレが…聞いていた盟主『シャドウ』の相方とされる『フェイカー』…!

あのセルゲイを圧倒している…!

しかも───」

 

 

122はアルファ達と一緒に戦う【玉犬】を見る。

 

 

「あの狼…相当強い。下手すると私よりも…。」

 

 

「(…122番の言う通りだ。

あの狼の動きは七陰…それもデルタ様と並ぶ位の動きと力をしている…!

それに、あのセルゲイを圧倒しているフェイカー…様。

素早い動き…いや、瞬間移動でもしている様なあの動きにセルゲイの攻撃を受けたかと思えば、擦り抜けている…

どういう原理なんだ…?)」

 

 

「111番、122番! アナタ達も武器を取りなさい!」

 

 

イプシロンの言葉に我に変える二人。

 

 

「(フェイカーが…ユノがセルゲイに集中出来る様にマラクは確実に殲滅させる…!)」

 

 

「(フェイカー様が来て下さったという事は───

近くでシャドウ様が見守ってくれているという事…!

頑張るのですよ、ベータ!

シャドウ様の前で恥の無い戦いを見せる…!)」

 

 

ゼータ達はフェイカーが来た事により、士気が戻ってマラクにへとそれぞれの武器で戦闘を再開する。

 

その間、セルゲイはフェイカーの一方的な攻撃を受け、膝をついていた。

 

 

「はぁ…はぁ…。この俺に膝をつかせるとは…

だが、貴様も限界の様だな…!」

 

 

フェイカーはセルゲイに対して高速の連撃をし続けていたのが限界が来たのか、連撃を止め、息をついていた。

 

 

「…流石に見た目通りの耐久性はあるか。

図体や態度がデカいのは伊達ではないか。」

 

 

「フッ、そう言う貴様は背丈通りの体力…いや、魔力による身体強化を施しているとはいえ、よく俺相手にここまで攻撃が出来たと褒めてやる…!

だが───それもここまでだ…!」

 

 

セルゲイは大剣で素早く振り上げる。

フェイカーはその攻撃を───

 

 

「…フンッ!」

 

 

「何…!?」

 

 

呪力を灯したスライムキャリバーで受け止めた。

 

 

「ぐっ…! この俺の一撃を受け止めるだと…!?

マラクや俺を襲った謎の刃といい、餓鬼の癖にこの力…!

一体何なのだ…!?」

 

 

「…知りたいか? いいだろう、冥土の土産に教えてやる。」

 

 

フェイカーはセルゲイを大剣ごと押し飛ばす。

そして、手足から影のオーラを放出する。

 

 

「俺の能力は『影』を操る力…『アーティファクト』のとは違う力だ…!」

 

 

「影を…操る…? 『アーティファクト』とは異なる力だと…!?」

 

 

セルゲイが驚いていると、フェイカーは腕のスライムに『影』を加え、三日月の形状の刃にへと変化させた。

 

 

「─── 《影斬〝三日月〟》!」

 

 

「ぐはっ…!!」

 

 

フェイカーの攻撃により、斬られた所から血が吹き出し、装甲にヒビが入る。

 

 

「畳み掛ける─── 【鵺】!」

 

 

フェイカーは掌印を結び、【鵺】を顕現させ、電撃を浴びた翼や足爪で特攻をかける。

 

 

「ぐぁ…! ぐおっ…!? ぐぅぅぁぁ…!!」

 

 

「くらえ─── 《影斧》!」

 

 

足のスライムに『影』を掛け合わせた『影の斧』へと形状を変え、蹴り放った。

 

 

「ぐあぁぁぁ…!!」

 

 

セルゲイはフェイカーの大技を受け、地面に押し潰されて倒れる。

それと同時にセルゲイの至る所の装甲が破壊された。

 

 

「───何だ…鱗?」

 

 

フェイカーはセルゲイの肉体が人とは離れた姿に驚く。

彼の装甲で覆われていた所が、緑色の鱗の様なものへと変貌していたのだ。

その鱗を見て、フェイカーは【玉犬】とゼータ達が戦っているマラクのものと似ている事に気がついた。

 

 

「…お前まさか、あのマラクとか言う竜を食べていたのか…!?」

 

 

『!?』

 

 

フェイカーの言葉にゼータ達が驚く。

 

 

「…フンッ、俺はこのマラクの力で世界を取るのだ…!

見せてやる…この力の真髄をな…っ!!」

 

 

セルゲイが腕の装甲とマラクの力を持った人外れの馬鹿力でフェイカーに殴りかかる。

 

 

(早い…! 《影化》が間に合わない…!?)

 

 

フェイカーは『魔力』と『影』の二つの力を合わせたスライムスーツの強度を上げて防御の構えをとった。

 

ドォンッ!

 

鈍い音が鳴り響き、フェイカーは吹き飛ばされるも、体勢を何とか堪える。

 

 

「ごふっ…!」

 

 

フェイカーは耐えながらも、口元から血を吹き出す。

 

 

(…くっ、スライムスーツの鎧の様な強度に『影』の力を掛け合わせたというのに、このザマか…!

成程、竜を食して力を得ているの伊達では無いな…。

なら…ここからは全力全開で行く…!)

 

 

「フェイカー!!」

 

 

「…問題無い!」

 

 

ゼータにそう告げるフェイカーは魔力による強化だけで無く、呪力の強化も施す。

 

 

「…やってやるよ!」

 

 

「!?」

 

 

二つの力による身体強化で全力で放つフェイカーのプレッシャーにセルゲイは息を呑む。

 

 

「(あの力も何だ…!?

あれも『影』を操る力の一旦だというのか───)

ごおっ!?」

 

 

呪力を知らないセルゲイが分析している間にフェイカーの拳が、セルゲイの顔面に撃ち込まれた。

 

 

「ぐぅっ…、このぉ…!!」

 

 

「…っ!」

 

 

「くぅ…っ!

(何という力だ…!? マラクの力を解放した全力の俺のパワーに張り合うだと…!?)」

 

 

「フッ…俺ばかりに意識を奪われてないか?」

 

 

「何ぃ…!? ごぉ!?」

 

 

セルゲイはマラクの相手をしていた【玉犬】の打撃を受ける。

 

 

「ガハッ…!!」

 

 

それだけで終わらず、次は【鵺】による奇襲も受ける。

 

 

「ぐぉぉぉぉ…!!」

 

 

セルゲイは全身に流れる電撃により、身動きが取りづらくなっていた。

 

 

「…前まで、俺は『式神』を二体しか顕現する事が出来ないと思っていた。」

 

 

「…!?」

 

 

「しかし…実際は違った。

『式神』の召喚事態には()()()()()()()()()

呪力の消費を抑える為に、俺は無意識に二体までしか顕現させてなかったんだ。」

 

 

「呪力…? 何を言っているのだ…?」

 

 

「しかし、魔力も宿す俺にはそれを経由して、もう一体分の『式神』を顕現させる事を可能にした。

─── 【大蛇】。」

 

 

【大蛇】の掌印によって、フェイカーの元から巨大な蛇が顕現し、セルゲイを噛みついた。

 

 

「なっ…、ん…!? ぐあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

セルゲイは【大蛇】の牙によって脇腹が貫通し、そこから毒が流れて悲痛の叫びを上げた。

 

 

「あ、あのセルゲイが…悲鳴を上げているだと…!?」

 

 

「何ていう…強さ…!?」

 

 

「これが、フェイカーの強さだよ。

そして…それを支えるのが、私だ…!!」

 

 

111と122が七陰達のサポートをしながら、マラクを倒していく中、彼女達を追い詰めていたセルゲイが圧倒されていて、驚愕していた。

その中、ゼータは自分の事の様に自慢げに語りながらマラクの頭部に圏で斬り刻んだ。

 

 

「ク…クソォォ…ッ! こうなれ…ばぁ…!!」

 

 

セルゲイは毒と牙による痛みに耐えながら、懐から瓶を取り出した。

その瓶の中には一つの赤く光る飴だった。

 

 

「…何だ、アレは? 

いや、確かオルバ子爵が持っていたあの錠剤に似ているが、アレよりも濃い何かを感じる…!」

 

 

「コイツに…頼る気は無かったが…!

貴様を…貴様等を倒す為に…俺は…!!」

 

 

セルゲイは瓶の中身を飲み込んだ。

すると───

 

 

「ぐおぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

セルゲイから途轍もない魔力が膨れ上がり、【大蛇】を吹き飛ばした。

 

 

「…!? 戻れ、【大蛇】!」

 

 

口元を大きく損傷した【大蛇】を慌てて『影』に戻した。

戻す前に【大蛇】の頭を撫でて、申し訳なさそうに反応をした事で破壊されていないと判断し、安堵するが…

 

 

「何だ、その力は…!?」

 

 

フェイカーの目の前にはフェイカーと『式神』達との猛攻を受け、大きく疲弊していた筈のセルゲイは傷が完全に完治し、それどころか更に強くなっていた。

 

 

「フンッ、俺がこの決断をする事になるとはな…。

だが、お陰で───」

 

 

セルゲイは素早くフェイカーの前に立ち───

 

 

「貴様を倒せる!!」

 

 

「!!」

 

 

咄嗟にセルゲイの拳を防ぐも…

 

 

「ぐっ…!」

 

 

更に強化されたセルゲイの全身から魔力を放出し、拳に魔力を暴発させる様な勢いをつける…威力の上がり続ける拳に、フェイカーは耐えきれずに殴り飛ばされた。

 

 

「何、あの力…!?」

 

 

「セルゲイの強さが更に跳ね上がった…!?」

 

 

イプシロンとベータは驚愕し。

 

 

「…懐から取り出した、アレ。

何か、知ってるの?」

 

 

「…いいえ、私でも知らない。

あんな力を引き出せる代物があったとは…!」

 

 

セルゲイの変化に驚くイータと111。

 

 

「私達も加勢すべきかしらね。

残るマラクの討伐と、彼の盾になる役目を。」

 

 

リーダーであるアルファの意見に全員が息を呑む。

今のセルゲイの盾になる…それはつまり、勝つ事は出来ても、間違い無く死を───

 

 

「…いいや、きっと駄目だ。」

 

 

ゼータがそう告げる。

 

 

「確かに、盾になれば隙を作れて、フェイカーの手助けになれると思う。

…けど、フェイカーはそれを絶対に認めないし、許さない。

セルゲイに殴られて、加勢したくなったけど…。」

 

 

ゼータはゆらりと立ち上がるフェイカー(ユノ)を見る。

ローブで覆っているが、フードから顔が見え…顔中が傷まみれで、口元からは血が流れていた。

 

 

「ほほう、俺の攻撃を受けても変わらないとは。

厳重に強固な仮面をつけているな。

…まぁいい。」

 

 

「…」

 

 

「餓鬼とはいえ容赦はせんぞ…!

貴様は、貴様等はここで確実に息の根を止める…!」

 

 

セルゲイは大剣を拾い、魔力を上乗せした一撃を放とうと構えた。

皆が戦闘中の中、セルゲイにやられそうになるフェイカーに意識を奪われるも、ゼータはフェイカーの変化に気づき、マラクに意識を戻す。

 

 

「フェイカーは負けない…!」

 

 

ゼータはマラクに特攻する。

それと同時に、フェイカーの姿が黒緑の外套…『戦闘モード』になり、体中からセルゲイに負けない呪力のオーラを展開し、鎧腕に込めた。

 

 

「死ねぇぇぇぇ!!!」

 

 

セルゲイの大剣が襲いかかる───が。

 

 

「─── 《黒閃》!!」

 

 

黒く光る拳がセルゲイの大剣に放たれ、大剣を破壊し、セルゲイの腹に衝突した!

 

 

「ぐぁ……っ!!!」

 

 

セルゲイは回復する前よりも、悲痛な声と顔になって吹き飛ばされて膝をついた。

 

 

「ほら、ね…!」

 

 

ゼータも負けずとマラクの一体を倒した。

 

 

「…アナタの言う通りね、ゼータ。

彼はシャドウと並ぶ存在。

セルゲイには負けないわね…!」

 

 

「私も…分かっていましたけどね…!」

 

 

「メス猫! デルタはお前よりもドラゴンスレイヤーとして強いのです!」

 

 

「…うん。フェイカーなら…大丈夫。」

 

 

「そうですね。私達が軽率すぎました。」

 

 

「あの方が負ける筈がないものね!」

 

 

ゼータに負けずとアルファ達は残るマラクを蹴散らしていく。

 

 

「ガハッ! な、何故だ…!?

雫によって、ケガは瞬時に回復する筈…!

なのに何故回復しない上に、体が…!?」

 

 

腹を抑えるセルゲイにフェイカーが見下ろしながら告げる。

 

 

「残念だったな。

お前が取り込んだ力は『呪い』に分類されるもの。

そして、この『呪力』はその呪いを祓う力…

その異常な力は…俺の前では無力という事だ!」

 

 

フェイカーの呪力を込めた拳がセルゲイの顔面に放たれた。

 

 

「…ぬぅぅぅぅ…!!」

 

 

セルゲイは再度吹き飛ばれる…が、瞬時に周りの岩や木を利用し、手錠で拘束する。

そして、内部からの攻撃…呪力が籠った小さな刃でセルゲイを削り上げる。

 

 

「あぁぁぁぁぁ…!! な、何だこれは…!!」

 

 

「畳み掛けろ!」

 

 

フェイカーがそう言うと、【玉犬】と【鵺】がセルゲイに怒りの攻撃を与えていく。

 

 

「ぐぉぉぉぉおお…!!!」

 

 

「コイツで終いだ─── 《影槍》!!」

 

 

「があぁぁぁああ…!!!」

 

 

宙に『スライム』と『影』を掛け合わせた『影の槍』に形状変化させた槍を放った。

 

「ぐぉ…っ、がぁ…っ!」

 

 

「…これで決着はついた。」

 

 

「…っ、あのセルゲイに…!?」

 

 

「勝った、のか…!?」

 

 

「ええ。少し取り乱してしまったけど。

これが、彼に並ぶフェイカーの実力よ。」

 

 

アルファが最後のマラクを下しながらそう言う…と。

 

 

「(まだ…だ。この…俺が、こんな所で…!!)

終われるかぁぁああああ…!!!」

 

 

セルゲイは力を振り絞り、マラクを操る『アーティファクト』でアルファが下した筈だったマラクが死に踠きながら、強制的にセルゲイの方にへと向かわせた。

 

 

「まだ死んでなかったの…!?」

 

 

アルファが咄嗟にスライムソードを振るうも、マラクは凄まじい勢いでセルゲイへ向かう。

 

 

「…!」

 

 

フェイカーに【玉犬】【鵺】が一目散にそのマラクを殺めようとするも───

 

 

「グガァァァァァ…!!!」

 

 

凄まじい雄叫びを上げ、全身を引きちぎるかの様にフェイカーの手錠の拘束を破壊してマラクへと駆け、マラクに辿り着く。

 

 

「まだそんな力が…!」

 

 

フェイカーがそう呟くも…セルゲイはマラクにかぶりついた。

 

 

「ンガァァァァァァ…!!!」

 

 

セルゲイの肉体は徐々にマラクに近づき、マラクの肉で体を修復しつつ、次にゼータ達が殺したマラクに駆けていく。

 

 

「全員離れろぉ!!」

 

 

今のセルゲイにゼータ達が近づくのは危険だと判断したフェイカーは声を上げる。

フェイカーの命令に一目散に従ってマラクから離れる。

 

 

その間、セルゲイはマラクの屍骸を食べる事に固執していた。

マラクの屍骸…肉を食べていく度に全身が完全に変貌していく。

図体が更に大きくなり、尻尾も生え…マラクと人間のハイブリッドの様な姿になった。

 

 

「ウガァァァァ!!!」

 

 

「…理性を失い、完全な獣…いや、半端な竜と化かしたか。」

 

 

フェイカーは瞳を閉じて、身体能力を強化している魔力を更に循環させて強度を上げ、スライムスーツの力を底上げする。

呪力でそれを掛け合わせる様に上乗せし、体から放出する様にオーラを高め上げた。

 

 

「行くぞ…!」

 

 

フェイカーは放出する呪力のオーラを拳に集約し、『竜化セルゲイ』に拳を放つ。

 

 

「ガァァァァァ!!!」

 

 

『竜化セルゲイ』も咆哮を上げながら拳を放つ。

 

 

二つの力がぶつかり、拮抗する。

 

 

「グゥゥ…グッ…ガァァァァ!!!」

 

 

だが、力負けしたのは…セルゲイの方だった。

 

 

「─── 【虎葬】…!」

 

 

『竜化セルゲイ』を殴り飛ばすと、フェイカーはすかさずに掌印を結び、【玉犬】を『影』に戻して【虎葬】を顕現させ、冷気で体中を凍らせて、斬れ味の高い剣の牙で斬り裂いた。

 

 

「…ガ、ガァァ…!!」

 

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

 

「…!! ウゴォォォォ…!!!」

 

 

斬り裂かれた挙句に凍らされた『竜化セルゲイ』に渾身の拳を再度ぶつける。

 

 

「グゥ…グゥゥ…グガァァァァ!!!」

 

 

「─── 【貫牛】…!」

 

 

ブルオォォォォ!!

 

突っ込んで来る『竜化セルゲイ』に【鵺】を【貫牛】に変化させて対抗し、『竜化セルゲイ』の体当たりを突進で容易に吹き飛ばした。

 

 

「グォォ…ォォ…グッ…オオオッ…!!」

 

 

口やら体から体力の血を吐き散らしながらも、『竜化セルゲイ』は立ち向う。

限界が近いのか、体を変化させながら、落ちていた大剣を拾い、吸収して斬りかかって来た。

 

 

「…っ、意外とダメージが大きかったのか…

フラフラとしてきた…

長引かせるのも、悪手…だな。」

 

 

フェイカーはスライムキャリバーを手に取る。

『呪力』『魔力』の二つの力を鎧腕に集約させ、それを剣に流し込む。

呪力の黒い光が、刀身全体に電流の如く…バチバチ!っと鳴り響く。

 

 

 

 

 

ユノは自身に足りないものを考えていた。

それは多くあったが…中でも思いついたのが、『絶対の大技』。

 

シドには『アトミック』…核の大技があり、自分には様々な技や術があるが…大規模なものはなかった。

 

何かないかと模索し、辿り着いたのが───

 

 

 

『俺だけの…《黒閃》を生み出す。』

 

 

 

自分でも気づいていた。

 

自身の《黒閃》が本来の《黒閃》とは大きく異なる事に。

 

ならば…出来るかもしれない。

 

いや───

 

 

 

 

 

「やってやるさ…これが、俺の辿り着いた境地…!!」

 

 

彼は再び、新たに『実力者(強者)の域』を歩み出した。

 

フェイカーは『竜化セルゲイ』にへと《黒閃》を放つ。

 

 

「─── 《黒閃〝波動〟》!!」

 

 

剣で《黒閃》を『()()』の様に放つその技は『竜化セルゲイ』に被弾する。

 

黒い光が空間をひび割り

 

大気を振動させ

 

割れる

 

『竜化セルゲイ』を黒い光が包み込み、それは光線の様に真っ直ぐに放たれた。

その光線は地面を削り、その先の海に渡って着弾して、海は大きく荒ぶり、大きな渦を生み出した。

 

 

「…」

 

 

無論、その様な人智を超えた一撃を真正面から受けた『竜化セルゲイ』は跡形も無く体が崩壊し、祓われた様に消え去った。

 

 

「……っ、はぁ……はぁ……はぁ…!!」

 

 

フェイカーは膝をついた。

それと同時に───

 

 

(……っ、腕が…イかれた…か。

呼吸…が、し辛い……。

負傷して、しまうなら…まだ……未完成だな……。

けど……形はなっている……。

いずれは……。)

 

 

胸を抑え、過呼吸の様に苦しんでいた。

 

 

「…これが、彼の力。」

 

 

「そう。その力を持って、この世界の呪い…教団という悪意の呪いを祓う、彼の力だ。」

 

 

ゼータはそう言い、フェイカーの元へ急いで向かった。

 

 

「あれが…フェイカー様の…。」

 

 

ガンマ達『七陰』は以前にシャドウが見せた『アトミック』に並ぶ力を持つフェイカーの力を見て、驚愕していた。

 

 

「…」

 

 

111と122は言葉が出ない程戦慄していた。

 

 

「───そう。これが、我が影の力だ。」

 

 

『シャ、シャドウ様!!』

 

 

いつの間にかコチラヘ来ていたシャドウが、大きめの入れ物を持ってやって来ていた。

 

 

「……なんだ、来て…いたのか。」

 

 

「フッ。激動を繰り広げていれば、間近で見るとも。」

 

 

(……とは言いつつも、白トリュフを大量に採った後かよ…。)

 

 

ゼータに支えてもらいながら、フェイカーは心の中で嘆息していた。

 

 

「シャドウ。やはり、アナタも来ていたのね。」

 

 

「ふむ。」

 

 

「手を出さなかったのも、全てを理解しているからだったのね。」

 

 

「ふむ。」

 

 

(ごめん…アルファ。そいつはただ…白トリュフを取りに来た…だけ───)

 

 

フェイカーがアルファに謝罪していると───

 

 

 

『あの子達…何処へ行ったのよ…!』

 

 

 

ユノとシドを探すクレアの姿と声が瞳に映った。

 

 

「…フェイカー?」

 

 

「どうした?」

 

 

「…シド、俺を担いでダッシュでホテルに戻れ!

姉上が俺達を探している!!」

 

 

「え、嘘? それは不味い…!」

 

 

焦るフェイカー…ユノを見て、疑問に抱かずに言われるままにゼータからユノを担ぎ取って、猛ダッシュをしようとするも…

 

 

「あっ、僕の白きダイヤ…!」

 

 

「そんなのはアルファ達に任せろ!」

 

 

「そ、それもそうだね。

では、アルファ頼んだぞ。」

 

 

「え…えぇ。」

 

 

シドはアルファの返事を聞かずに猛ダッシュでクレアのいるホテルにへと足を運んだ。

 

 

 







・この投稿後にこれまでに使った技を後書きに表示します。
それから…魔力と呪力に重要じゃない時に『』の表記を付けるのやめようかと考えてます。それも、修正しようかな…?


・セルゲイっていつからラウンズになったかはよく分からないけど、完成品の雫の一つ位は待ってそうだよなって事で、ゲームの方とは違って竜化の前に飲み干してオリジナル進化させました。


・フェイカー(ユノくん)の技は前に語ったと思いますけど、ONE PIECEのクロコダイルのスナスナの実の技をモチーフにしてます。
その理由はカッコいいのと、カゲカゲの実のモリアの技はなんか攻撃技少ないなーって事で大幅にスナスナの実の戦闘としてます。


『影斬〝三日月〟』
イメージはONE PIECEのスナスナの実の技、三日月形砂丘です。


『黒閃〝波動〟』
イメージはONE PIECEのグラグラの実の技、海震に黒閃を掛け合わせた感じです。


・次回、『リベンジ』
アレクサンドリアにて、ユノとシドとの真剣勝負が始まる。


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