陰と影の実力者   作:黒ソニア

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し、仕事が忙しい…。
投稿が遅れて申し訳ないです…。


もりこっこ様、レイ・ブラドル・ドラニス様
チケサン様、リベリオンβ様
評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。





第17影:『最強の式神』

 

 

 

「おおおおぉぉぉぉおおおお!!!」

 

 

ユノは雄叫びを上げながら、凄まじい勢いでバチバチとスライムキャリバーを黒く光らせながらシドに向けて全力の一撃を放つ。

 

 

「───《黒閃〝波動〟》!!」

 

 

それを正面から向かい打つのシドは『莫大な青紫の魔力』を展開させていた。

 

 

「───『アイ・アム・アトミック』!!」

 

 

シドはスライムソードをユノに向けて解き放つ。

 

強大な力がぶつかり合う。

二つの拮抗していたが、徐々に…『黒閃の波動砲』は勢いは押され、空間のヒビ割れは消え去り、『莫大な青紫の魔力』がユノがいた場所を覆い尽くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…影になって無かったら死んでたな。」

 

 

ユノは影から出現し、クレーターの上に立っていた。

周り…主に後ろの方を振り向くと、シドの『アトミック』によって出来た跡地が出来ていた。

 

 

「人が居ない場所なんてもう無いだろうな…。」

 

 

「ほらほら、休憩時間じゃないでしょ!」

 

 

ユノが遠い目で溜め息を吐くも、シドがスライムソードを振り上げて攻撃してくる。

 

 

「やれやれ…。」

 

 

ユノはシドの攻撃も《影化》して影と化して攻撃をすり抜けた後にシドの背後からさりげなくスライムナイフで一瞬の襲撃をする。

ナイフである理由は剣よりも素早く形成と共に攻撃が出来るからだ。

 

 

「おっと危ない。」

 

 

「マジかよ、気配殺してるのに…。

見るまでもなく躱すとか、どんなスキルだよ!」

 

 

「そんなの陰の実力者たる者ならば、出来て当然さ。」

 

 

ドヤ顔でユノの攻撃を受け止めたり、流すシド。

 

 

「さて、次はコッチの番とさせてもらおうかな!」

 

 

「ぐっ…!」

 

 

「ほらほら。ユノも僕の様に余裕に対処しないと!」

 

 

「お前みたいに出来たら、苦労しねぇよ!」

 

 

シドの猛攻を辛うじて受け止めるユノはシドを押し飛ばし、掌印を結ぶ。

 

 

「行け───【玉犬】

シドの一太刀を受け止めろ!」

 

 

ユノの影から勢いよく【玉犬】が飛び出し、シドの剣を受け止める。

 

「おおっ…。」

 

「今っ…!」

 

ユノが素早くシドの背後に回って呪力を灯したスライムキャリバーの一太刀を放つ。

 

 

「ほっ!」

 

 

「うごっ…!?」

 

 

ユノの奇襲も、凄まじい反応速度の片手拳でユノの顔面にクリンヒットし、離れた所まで飛ばされるユノ。

 

 

「ぐっ……、ぁ…っ。」

 

 

「判断としては悪くはないけどねー。

僕相手ならもっと早く動かないと!

何より、剣に影を掛け合わせるインターバルが長い!」

 

 

シドがユノに喋っている間に【玉犬】が凶々しい爪のオーラで斬りかかっていた。

 

 

「……っ、そのまま押せ。俺も───」

 

 

次にユノの視界に映ったのは…

 

 

「ふんっ!」

 

 

ユノが立ち上がった瞬間……シドの剣が【玉犬】の胴体を真っ二つにしていたのが目に映ってしまった。

 

 

「あ。」

 

 

「…玉…犬…?」

 

 

ユノの悲壮な声も反応せず、真っ二つになった【玉犬】は地べたにへと落ち、崩れ去った。

 

ガシャン…

 

それと同時にユノの影の世界にある【玉犬】の銅像が壊れた音がユノに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

 

「ごめんってユノー。」

 

 

言葉を失い、地面に手を当てながら瞳孔を開かせて座り込むユノにシドは悪びれているものの、いつもと変わらない本当に謝っているのか分からない声で謝っていた。

 

 

「…」

 

 

「いやでもね? 狼くん…いや、玉犬だから犬…?

それはともかく、戦いは真剣に取り組む事だからね?

そのぉ…死んじゃう事…あ、いや、破壊される事も考慮しておかないと!」

 

 

「…」

 

 

「…えっと、その…。

こ、今回を気に大切な式神達が破壊されない様に戦う手段を考える良い機会だと受け止め…て…。」

 

 

「…」

 

 

シドが懸命に言い訳ならぬ慰め…いや、言い訳をして何とかしてユノの機嫌を取ろうと踠いていた。

 

 

(不味い…このままだと、ユノという大切な陰の実力者同志を失う訳には…うん、勿論だけど、友達とも思ってるから…

そう、ここは友達を重視して何か策は…策……あっ!)

 

 

シドは名案が浮かび、ユノの前に立つ。

 

 

「ユノ、玉犬くんについては本当に申し訳ないと思ってる。

正直、魔力での回復とかあれやこれやと試しても駄目な為に、僕が同行出来る事は無いけど…

調伏出来ていない『()()()()()』に挑もう!」

 

 

そう、その策とはユノから式神について聞いていた最強の式神─── 【魔虚羅】の調伏にシドも手伝う事だった。

 

 

「…っ!」

 

 

「えっと…調伏の儀?だよね、アレ自体は第三者を巻き込む事が可能なんだよね?

それから、調伏不可能に近い最強の式神くんを巻き込んで召喚して、敵と相打ちする事が手段の一つだと。

ユノとしては死ぬのが怖いからその手段は取るつもりは無いから、何とか強くなって調伏しようと考えてたんだよね?

───だったら、今やってしまおう!

あくまでもユノの考えでは調伏の儀漫画での設定で、ユノのは少し特殊だと思われるから、恐らく大丈夫なんだと思うんだよね?

前に聞いていたプランの一つ、調伏の儀を行って、僕が無理矢理乱入してユノのフォローをメインに戦って、最後はユノがトドメをさす。

うん! なんか出来る気がしてきたよ!」

 

 

「…」

 

 

「それに、ユノは自己評価低く見積もってるけど、正直僕と大した差自体は無いんだからさ。

自信持って挑もうよ!

もしかしたら、玉犬くんも少ししたら復活するかもしれないよ!」

 

 

「…玉犬が、復活…!」

 

 

ユノの脳裏に希望の光が走る。

 

 

(……確かに、シドのプランは悪くない。

俺の『十種影法術』は恐らく、呪⚫︎廻戦(元来)のモノとは異なるモノだ。

それを考慮すれば、シドの意見は割と的を得ているだろう。

何よりも、シドの偶然は最早フラグというのか、お約束というのか…

言ったことが事実になる様な主人公補正がある。

だとすれば……【玉犬】、お前が復活するのも…!!)

 

 

ユノはその可能性を信じる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ。分かってはいたけど、ここもハズレか。」

 

 

何処かの山脈の道を歩いているゼータは溜め息を吐きながらアレクサンドリアにへ向かっていた。

 

 

「お父様が語ったご先祖であるリリ様…。

かつて、『魔人ディアボロス』を討った三英雄の一人。

……直系の血筋である金豹族は既に私一人で、その詳細については未だ全く把握出来ていない。

彼女の事を調べる為に遥々こんな所までやって来たというのに手掛かりは無い。

……けど、収穫はあった。

()()()()だった獣人の大英雄シヴァにサウルヴァ。

これだけでも知れただけマシ…か。」

 

 

単独でとある村へ潜入していたゼータはそう自身に言い聞かせた。

 

 

「…ふふ。けど、ユノの教えを受けた技術。

これのお陰であっさりと乗り換えられた。

ユノは自分の考えたものじゃなく、とある絵物語の技を真似ただけだって言ってたけど、それを現実に再現させる術を考えたからやっぱり凄いよ。」

 

 

そう、ゼータはユノから教えられたとある技術を殆ど習得して更に実力をつけていた。

その実力はなんと、現時点で『七陰』のリーダーであるアルファを上回っていたのだ。

その事が明るめになるのは…いずれの話だろう。

 

 

「会いたいなぁ…ここ暫く会ってないし、そろそろ会いに行って良いよね?

……ユノ。」

 

 

頬を赤らめ、何処からどう見ても恋する乙女にしか見えないゼータは彼女の敬愛し、崇拝しつつも、頼りにしているユノを思っていた。

 

 

「……?」

 

 

歩いている途中、足元に何か異変を感じ取る。

 

 

「これって……えっ、玉…犬?」

 

 

そう、ゼータの足元から伸びる影が彼女の形では無く、ユノの破壊された【玉犬】だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……すぅ……はぁぁぁ……ふぅ……。」

 

 

ユノとシドが競い合っていた更地と化した場所で、ユノは深呼吸をしながら『気配感知』を行っていた。

『気配感知』は『魔力感知』よりも生き物を感じる事に特化している。

故に、『魔力感知』では無く『気配感知』を用いていた。

 

 

「ユノは心配性すぎない?

誰かにバレる事は無いと思うけど。

第一、僕らの実力なら誰も逃す事が無いし。」

 

 

「そう言った油断が大きな事態を引き起こす原因なんだよ…

お前も念の為『魔力感知』で周囲を確認してくれ。」

 

 

「はいはい。」

 

 

(……ゼータ達から随時報告してくれる内容では、教団の大きく目立った動きは今の所無いと聞いているから、この辺りで何かをしている様子は無いとは聞いているが…

これだけ俺とシドの戦いの後が有れば、違和感に気づいている者が現れる可能性がある。

証拠隠滅をしたい所だが、ここまでの規模になると逆に隠すと怪しまれる場合もあるから、こうして適度に感知をしておかないとな。)

 

 

「大丈夫そうだよ?

獣人の国の方から誰かが来る様な気配も足音も無いし。」

 

 

「……そうか。なら、始める…か。」

 

 

ユノは再度深呼吸をし……

瞳を閉じて、己が影の世界に意識を傾ける。

 

その世界には八種類の調伏した『式神』達の像と、壊れた像が一つ。

 

 

(……何だろう、壊れた【玉犬】に何か違和感が有る気がするが…。

いや、今は止そう。

それよりも、意識を向けなきゃいけないのは…。)

 

 

深い…深い…影の、闇の底。

 

言葉で表すのなら深海だろうか。

 

深い意識の底に……繭の様に厳重に縛られている何かを見つける。

 

 

(……見つけた。コイツが、【魔虚羅】。

……この心臓が張り付くような恐怖…。

……でも、コイツを調伏出来れば、俺は…

教団を相手でも負けないだろう力を…手にできる…!)

 

 

ユノは決意を固めて……厳重に縛られている鎖や札を解いていく。

 

 

「…布瑠部…由良由良…!」

 

 

詠唱を唱えると同時に右腕の内側を左腕で押し当てる。

 

すると───

 

 

 

空気が重くなり、辺り一体が暗くなる。

 

 

オオオオオォォォォンンッ!!!

 

 

複数の犬の影が姿を顕す。

一体一体が、ユノの【玉犬】よりも小さく。

 

 

〜〜〜〜〜!!!

 

 

更に複数体の蝦蟇も姿を表し、音を鳴らしていた。

 

 

「…なんか、今まで見てきたモノとは全然違───」

 

 

シドが呑気な反応を示しているも…刹那。

 

最後の封印されている『式神』が顕現する。

 

ユノ達の目の前に繭が現れ、次第にその繭らしきものが剥がされていき───

 

 

「「…!!!」」

 

 

封印していた繭から解放され、圧倒的な威圧感を放つ巨大の生命体がその全貌を見せる。

 

全長はこれまでの『式神』の中で一番大きかった【満象】と並ぶ5メートル位の高さを誇る白い巨大。

 

目から翼が生え、髪のような長い尻尾が頭部から伸び。

 

片腕には異彩を放っている剣を纏っており、背中には大きめの方陣が浮かび上がっていた。

 

 

「……コイツが、最強の『式神』の【魔虚羅】だ…!!」

 

 

ユノは目の前に顕現させた【魔虚羅】を見て声を震わせていた。

 

 

「……ハハ、これは凄いや…!!

僕がコイツを見た途端、武者震いをし始めたよ…!!

全く…何て凄いモノを勿体ぶっていたんだい?

ユ───」

 

 

シドがユノを見ると───

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

「…え?」

 

 

音もせず、数百メートルを軽く超えているだろう距離まで殴り飛ばし、その事に気づいたのが目視した時だった。

 

遅れて音がし始めると同時に…シドの目の前に拳があった。

 

 

「…っ!!!??」

 

 

反応が遅れ、シドもユノと同様に数百メートルの距離まで殴り飛ばされた。

スライムスーツを展開しているというのに、鎧の役目が果たせていない程の激痛がシドに駆け巡った。

 

 

「っ…ぐっ……あっ……!!

……ただのグーパンで、この威力…!!

ハハ…さいこ───」

 

 

頭や鼻から血を流しながら笑い立ち上がるシドだったが、既に殴り飛ばした本人が剣を振り上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………一体、何を…され…た?」

 

 

ユノは吹き飛ばされた挙句、数分気絶していた。

 

 

「……ざけんな、よ。

何をして来たのかも気づかない攻撃…

けど…シドなら……直ぐに対応して、ドンパチでもして───」

 

 

全身の痛みに耐えながら、スライムキャリバーを構え立ち上がるユノだったが、立ち上がったと同時に側に何かが凄まじい勢いで飛ばされていた。

それを目視すると……それは、シドの斬り飛ばされた片腕だった。

 

 

「!?」

 

 

思考が止まりかける。

その片腕は至る所までボロボロであり、挙句にはあらゆる方向に曲がっていた。

 

 

「なん…だと?」

 

 

ユノが目を大きく開け、驚愕しているも束の間…

片腕の無いボロボロのシドが近くまで飛ばされて来たのだ。

 

 

「シ…ド…?」

 

 

「あ、良かったよユノ…。」

 

 

シドがユノを見て一瞬安堵の笑を浮かべるも、コチラに急接近して来る気配を察知して我に帰る。

 

 

「切り替えが早くて助かるよ。

油断してると───死ぬよ?」

 

 

「分かってる…!」

 

 

ユノは全身を影と半一体化させ、剣にも『影の刃』を纏い飛び出す。

 

 

「───《影斬》…!!」

 

 

上手く【魔虚羅】の頭上にへと近づいて全力で剣を斬り込む。

 

…だが───

 

 

「…!!? 全然応えねぇのかよ…!!」

 

 

【魔虚羅】はユノを攻撃を避ける事なく難なく剣を受け止める。

ユノは苦い顔をしつつも、動きを止める事なく何度も何度も攻撃を続ける。

 

 

「クソが…!! これなら…どうだ!!

───《影斬〝三日月〟》…!!」

 

 

腕のスライムを三日月状の鎌にして斬り込もうとするも───

 

 

「何ぃ…!?」

 

 

何と、スライムを形状変化させている間に体を手で掴まれ、身動き取れなくされてしまった。

 

 

「クソ…ォッ!!」

 

 

ユノは力強く握り潰されるのに抵抗をするが、全く歯が立たず…

【魔虚羅】に足元から『影の刃』、上半身には『影の斧』を無数に生成させ、反射的に素早く斬り込んだ。

 

 

(畜生ぉ…!! スライムを用いれていないせいで、最大出力で攻撃出来ない…!!

……俺の力はこんなものなのか……?

スライムの力が無ければ…俺は…この程度だって、言うのか…!!)

 

 

…しかし、【魔虚羅】には全くダメージが入らなかった。

 

 

(クソォ…ッ! 何でこうも、効かねぇんだよ…!?

コイツの方陣が一度も動いた所を見てない…

それはつまり、【魔虚羅】の『適応する能力』に一度も反応して無いって事だ…!

俺は…いつかコイツを調伏する事を考慮して、日々死に物狂いで努力してきた筈…なのに…っ!

…っぅ、ぁ……どうして…どうして、全力の攻撃が全く歯が立たないんだ…!?)

 

 

そう、ユノとて日々の自己鍛錬やシドとの修行で間違い無く強くなっていた。

…だが、【魔虚羅】の強さは想像の遥か先だった。

 

そう、ただそれだけの話なのだ。

 

 

「ハハ…!!」

 

 

ユノが苦しんでいる中、シドは魔力の『制御』と『操作』を駆使して、腕をくっつけたと同時に身体全体に魔力の流れを最大限に巡回させて力を溜めていた。

 

 

「ユノ!! 一瞬で良い…!!

そいつの動きを鈍らせるんだ…!!

僕の『アトミック』で吹き飛ばす…!!」

 

 

シドの言葉にユノは苦しみの中から小さな大逆転の希望を認識する。

 

 

(そうだ……俺が未熟でも、シドの力なら…!!)

 

 

ユノは力を振り絞って【魔虚羅】に『魔力支配』を起点に鈍らせる手に出た。

 

 

(【魔虚羅】は魔力を有していない…なら、俺の魔力を無理矢理流して呪力と馴染ませ、同化させて……!!

……っ、そ、それでも、ビクともしねぇ上、動じない…!?

こ、この…化け物…!!)

 

 

ユノが抗っても【魔虚羅】には何一つ動じなかった。

両手ごと体を握りしめられ、痛みに血液の流れが悪くなっているのか、体に力が入りずらくなっていた。

 

 

「ユノ、もういいよ。

───時間稼ぎさせしてくれただけで十分さ。」

 

 

シドから莫大な青紫の魔力を放出させ、【魔虚羅】や辺り一帯を大きく包んだ。

 

 

「…………すま、ん。」

 

 

ユノは申し訳なさそうに、最後の保険である《影化》で自身を影にへと、水液の様にして【魔虚羅】の手から逃げるのだった。

【魔虚羅】の適応にされない為、《影化》は最後の逃げる手段だったのだ。

 

 

「悪いけど、キミは逃がさない様…僕の魔力で押し潰す…!!」

 

 

【魔虚羅】は魔力の圧力によって、無理矢理に重力を操っているかの様に上から圧で逃げない様にした。

 

そして───

 

 

「アイ……アム………アトミック…!!!」

 

 

シドの最大出力の『アトミック』が炸裂し、植物の一つも生えていない広い干からびた大地の一帯を青紫の魔力が暴発する。

 

巨大な魔力の柱が、天を超え、大気圏にさえ届いていたとか…

 

 

 

 

 

それを目撃した二人の少女は息を呑んでいたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アトミック』によって煙の爆風が襲い続ける中、ユノは堪えながら立ち上がっていた。

 

 

「……ど、どうだ?

奴は…【魔虚羅】はどうなっ───」

 

 

ユノが次に目にしたのは───

 

 

 

 

 

ガコンッ!

 

背後の方陣が動く音とボロボロのシドの頭を掴んでいた【魔虚羅】だった。

 

 

「…!!!?」

 

 

ユノは瞬時にスライムキャリバーを形成させようとするも、シドを投げつけられ、それに気を取られた瞬間に重たい蹴りによって吹き飛ばされる。

 

 

「ぐっ……ぅ…。」

 

 

咳や血を吐く中、歩みよって来る【魔虚羅】。

 

 

「っ……ぁ…んがぁっ…!

───《影沼》ぁぁ!!」

 

 

【魔虚羅】の足元に影の沼で身動きを奪う。

 

 

「───《影掴》ぃっ!!」

 

 

全身に《影掴》が絡みつく。

 

 

「───《影縛》ぃぃ!!」

 

 

二つの技と噛み合わせた影の拘束で力強く縛りつけ。

 

 

「おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

残る全てを乗せた『黒い火花』…《黒閃》による最後の一手を放つ!

 

 

 

 

 

───が…

 

 

 

 

 

それよりも先に、影から力づくで剥がして放った拳がユノの顔面にクリンヒットし……ユノの全てを打ち砕いた。

 

ユノは全てを砕かれ、倒れた事により体中から大量の血が溢れ出した。

 

 

───…

 

 

ユノが倒れた事により、影の全てが溶ける。

 

 

───…?

 

 

【魔虚羅】が自身の腕に剣が刺された事に気がついた。

 

 

「……僕は、まだ……負けて、ないよ…!!」

 

 

シドは笑いながら再び魔力を解放し、『アトミック』を放った。

 

 

「……ハハ、中々…強かっ───」

 

 

言いかけた瞬間に地面に凄まじい勢いで叩きつけられたシド。

叩きつけた本人は体中の至る所から煙が発していたが、直ぐに消える。

 

 

「………ぁ。」

 

 

如何にシドとはいえ、ここまでの実力の差を見せつけれ思わず目を大きく見開く。

そして次第に…耐えきれたくなり、完全に意識を失った。

 

二人による血溜まりが一帯に広がる。

 

 

───…

 

 

【魔虚羅】は黙って倒れているユノを見下げる。

 

 

「…………」

 

 

ユノは消えゆく意識の中、無意識に視線の先に目を向ける。

すると…目に映ったのは───

 

 

 

 

 

幼い姿をした…生前の只野真人(自分)だった。

 

 






・今回から台詞が分かりやすそうにしてみました。
それから改めてまして、大変お待たせしました。
凄く…久しぶりの投稿です。
懸命に物語を執筆している間に……『呪術廻戦』終わってしもうた。
…思った感想は───
釘崎…生きとったかいわれぇ!? 何より平安編が見たかった…!
……こんな感じかな?
五条はかなり前にねぇ…あ、乙骨くんは額に縫い目がある状態になったのね、なんか…うん…。
こんな感じかな、僕個人の感想としましては。


・さて、呪術廻戦の感想はこの辺として、この物語としましては…
うん、魔虚羅の調伏成功は流石にさせねぇよ?
出来ちゃったら、もうねぇ…全部魔虚羅ことまこーらに全部任せて終わりだもん。
主役がまこーらになっちゃうもん!
………はい、てなこんな感じで───


・次回、『強く…』
魔虚羅に敗れたユノとシドは───?

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