陰と影の実力者   作:黒ソニア

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アレですかね…戦闘シーン欲しい感じっすかね。
けど、ほら……アニメや漫画でも、この辺りの戦いでフェイカーとしての出番って正直薄いって問題がありましてね…。
それでも、頑張ってユノくんを活躍させるんでよろしくお願いします。




第21影:『魔剣士学園』

 

 

 

「ただいま戻りました、我が君。」

 

 

とある場所にて、執事服を着た美男子が扉を開けてお辞儀し…主の元まで駆け寄り膝をついた。

 

 

「お帰り。どうだった? 教団の連中は。」

 

 

「正直に言えば、拍子抜けでした。

まさか、あの程度の実力しか無い連中が集まっていたとは…これではシャドウガーデンに滅ぼされるのも、時間の問題でしょう。」

 

 

「ははは。僕も正直そんな気はしていたけど…。

キミがそんな落胆とした表情で言うなら、彼等は僕達が考えていたよりも運だけで成り上がった連中だった…と言うわけかな?」

 

 

「その解釈で間違いないかと思います。」

 

 

「ふーん…そっかぁ……まぁでも良いや。

その方が僕等からすれば好都合になるケースが増えるだろうからね。

キミは少し気に入らないだろうけど、そこは我慢してくれるかい?

───バゼルちゃん?」

 

 

バゼルと呼ばれた執事はいつもの凛とした表情で答える。

 

 

「勿論でございます。全てはアナタ様の思うがままに。」

 

 

「はは。」

 

 

バゼルの主である…目隠しをした美系の男は立ち上がって、バゼルに近づき……顎をクイっと持ち上げた。

 

 

「あ…。」

 

 

「……ふむふむ。キミは僕にのみ忠実な為、他者を見下す傾向があるからね。

それを快く思わない下賎な考えを持つ者に何かされた感じかな?」

 

 

「……も、申し訳ありません。

つい……相手がアナタ様に対し、無礼な態度と言葉を掛けるあまり…ついかっとなってその者達を殺める所でした。」

 

 

「それだけかい?」

 

 

「はい、勿論でございます。

我が身の全てはアナタ様の物。

私はアナタ以外に触れられる事も傷をつかれる事さえ…許せないのですから。」

 

 

バゼルは頬を赤らめながら…彼にだけしか見せない顔を見せる。

 

 

「ふふ。ありがとう。」

 

 

目隠しをした男はバゼルの顎を持ち上げるのを止める。

 

 

「あ…。」

 

 

「まぁまぁ、真昼間から淫らな行為は慎むとしよう。

僕等は欲に溺れない真っ当なる者なんだから。」

 

 

「はい……では、今晩は…。」

 

 

「ふふ……キミは僕だけには甘えん坊な()()()だからね。

良いよ。今夜はキミを僕色に濃く染め上げてあげよう。」

 

 

「はい…っ! 楽しみにしております。」

 

 

「うんうん。さて……では、聞かせてもらうかな。

彼等の答えを、ね。」

 

 

「かしこまりました。」

 

 

目隠しした男は再び高級そうな長椅子に座る。

バゼルは優雅にティーカップに紅茶を注ぐのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

ガヤガヤと話し声がする教室。

生前の大学の様に広い部屋に…ミドガル魔剣士学園に通う生徒が多く集っていた。

そこに…ユノとシドは同じ教室にいた。

 

 

「いやー、良かったよーユノ。

僕等同じ教室になれたね。」

 

 

「……俺としては別の教室になってくれた方が良かったがな…。」

 

 

「えー、何でそんな悲しい事を言うのさー。」

 

 

「……理由としては様々だが…一番の理由は───」

 

 

「ねぇ……あの子がそうじゃない?」

 

 

「そうそう。あそこの2人でいる子達が三年生のクレア様の弟さん。

片方が例の養子の子よ。」

 

 

「えっと…どっち?」

 

 

「確か、目つきの悪い、眼鏡を掛けた子がそうだった気がするわ。」

 

 

「えっ、あの子がそうなの?

…ちょっと目つきとか悪いだけで、顔はそれなりに整ってる子じゃない。

あっちの冴えない感じな子がそうだったら良かったのに…。」

 

 

声を低く、ユノ達に聞こえない様に会話をしてる女子達だったが…残念ながら、感知を得意とするユノにはハッキリと聞こえていた。

まぁ、シドにも聞こえていたのだが。

 

 

「アイツがそうか。放課後に呼び出して早速嬲るか?」

 

 

「良いねぇ。ついでに金もぶんどるか?」

 

 

「養子としてこの学園に来たのが運の尽きだぜ。」

 

 

汚い笑みを浮かべながら、ユノ達…主にユノを見ながら男子達が会話をしていた。

 

 

「はぁ……転生してもイジメを受ける羽目になるとは…ついてなさすぎ。」

 

 

「にしても、階級社会って養子には厳しい社会だったっけ?

詳しい訳じゃないからアレだけど…酷い話だね。」

 

 

「安心しろ。被害に遭うのは俺だ。

お前は教室以外では出来たモブ友達とやらとつるんでいればいい。

俺のことは、普段から仲は良好だから学校では友達優先してるとか言っておけばいい。」

 

 

「え? そんな酷い事はしないよ?」

 

 

シドが何を言ってるの?的な顔をしていた。

 

 

「お前…。(俺の事を…案じてくれてる、のか?)」

 

 

「一緒にてイジメられておけば、冴えなさが磨き上がってモブっぽさが出るでしょ?」

 

 

「お前のその考えが意味わからん。」

 

 

「えー? 何で? 僕、前々から説明してあげてるじゃないか。

モブとは何なのかをさー。」

 

 

「お前のモブというのは、ハッキリ言ってしまえば属性盛り盛り過ぎて逆にモブには見えねんだよ…。

普通に…口数が少なく、パッとしない実力を演技しとけば充分モブだ、お前は。」

 

 

「それだとモブとして物足りないんだよ。

分からないかね、ユノくんよ。」

 

 

「分からないし、分かりたくねーよ。

…で、お前の出来たモブ友達というのは、誰?」

 

 

ユノはこれ以上言ってもキリがない事を考え、呆れ気味でシドに問いかける。

 

 

「あそこにいるよ。」

 

 

シドは先ず、顔が長細めの男子を指差した。

 

 

「ヒョロ・ガリだね。」

 

 

「相変わらず…この世界の殆どの名前がひでー名前。

しかも、アイツ…色んな女の子に声かけまくってるじゃんか、陽キャぽくて……あ、盛大にビンタされたな。」

 

 

「入学したてに女の子に告白しまくるってさー。」

 

 

「お前とは違う意味で頭のイカれた奴だな。

…類は友を呼ぶとはまさにこの事、か。」

 

 

「へ? 何で?」

 

 

「気にするな。それで…?」

 

 

次にシドは坊主頭の男子を指差す。

 

 

「ジャガ・イモだよ。」

 

 

「それもうジャガイモだよ。

真ん中に点を入れてもジャガイモなんだよ。

本人も違和感とか嫌悪感とか抱かないのか?」

 

 

「特に思ってなさげだったよ?

寧ろ、分かりやすい呼び名で、女の子に覚えられやすいって豪語していたよ。」

 

 

「……もうノーコメント。

あ、女の子に悲鳴を上げられて……マッチョな奴に盛大に殴られた。」

 

 

「ね? モブっぽいでしょ?」

 

 

「何処が?」

 

 

ユノはシドの『モブ』というのがこれまで散々説明されて分かってきたかと思えば、全然分からなくなっていた。

この日からユノは密かに『モブ』について考える様になったとか…。

 

 

 

 

 

「おい、お前がユノ・カゲノーだな?

ちょっとツラかせや。」

 

 

「(あー…早速もうイジメられる展開になっちまった。

この人…確か、侯爵の坊ちゃんだっけか。

断る方が面倒くさくなるのなら…。)

はい…良いですけど…。」

 

 

ユノは立ち上がって連れてかれて行く。

それを見ていたクラスメイト達は哀れな者を見る目や、嘲笑う目とそれぞれに別れていた。

 

 

「おらっ!」

 

 

「ぐっ…!」

 

 

「良いサンドバッグくんが同年代に来て助かるぜ!」

 

 

何人の上級貴族達から一方的に暴力を受けていた。

殴ったり、蹴ったり…などしていると、一人が剣を抜き始めた。

 

 

「なぁ、次は剣で斬り刻んでみないか?」

 

 

「おっ! 良いね! へへへ…感謝しろよ養子くん。

俺達のお陰で受け身の練習が出来るぞ〜!」

 

 

(……おいおい、流石にやりすぎるだろうが。

どうするかな……お? シド?)

 

 

「ユ…ユノ…?」

 

 

「……シド、か…。」

 

 

「あぁ? お前確か…コイツの兄貴だっけか。

テメェも痛い目に遭いてぇか!?」

 

 

と言いながら、シドをぶん殴った。

シドは凄まじい勢いで壁にへと叩きつけられた。

 

 

「ごはぁぁああ!!(※凄まじい量の赤い液体を吹き出す)」

 

 

「だははは!! おいおい、コイツ脆すぎるだろ!(笑)」

 

 

シドは痙攣の演技を全力で行っていた。

 

 

「あぁぁぁあああ!! 痛い痛い痛いぃぃぃいい!!」

 

 

(オーバーすぎん? 流石にバレ…てないのか。)

 

 

ユノは内心で呆れていると、シドの声に気がついて、クレアが血相変えてやって来た。

 

 

「シド!? 一体何を───ユノ!?

……アンタ達、今死にたいの?」

 

 

クレアは剣を抜くとユノ達を殴っている連中に向かって凄まじい殺気を飛ばした。

 

 

「げっ!? もう来やがった!! 帰るぞ!!」

 

 

ユノ達をイジメていた連中はクレアを見ると、直ぐに逃げ去った。

 

 

「シド! ユノ!

ごめんね…おねーちゃんがもっと早く気がついていれば…!

あんな連中斬り刻んでやったのに!!」

 

 

(それやったらアカンやつです、姉上。)

 

 

「ね、ねねね姉さん。そんな事したら…姉さんが大変な目に…。」

 

 

全力で苦しそうにして演技をするシド。

 

 

「大丈夫よ! 私が入学してきた時も、舐めた態度をとってきた連中を捻り潰してやったもの!

アナタ達も、あんな目に遭ったら迷いなく迎撃しなさい!

良いわね!?」

 

 

「あね、うえ…そんな事を…したら…義父上が…。」

 

 

取り敢えずユノも怪我を負っているので苦しそうな演技をした。

 

 

「あのハゲの心配をしなくても良いのよ、ユノ。

ハゲはハゲ…もう一つや二つ問題が起きても、ハゲなら対処するわよ。」

 

 

「義父上……俺等の知らない所で、苦労していたんだ…。」

 

 

ユノの脳裏には疲れ切っているオトンの姿が見えた様な気がした。

そして…なんやかんやで寮に戻って行く道中、シドはキラキラと顔を輝かせながら語り始めた。

 

 

「いやー…さっきの僕、モブとして中々だったでしょ…!」

 

 

「……そうか?」

 

 

ユノには理解出来ず、シドは今回のモブ再現度について熱く語っていたが、ユノは聞く事が無かった。

 

シドと別れて自分の部屋に戻ると、部屋には顔に怒りを滲ませているゼータ−リリムがいた。リリムは怒気を含んだ声でユノに問いかける。

 

 

「初の入学式、気になってたから見ていたんだけど……ユノに手を出した連中、皆殺しにしてきても良いかな?」

 

 

「止めておけ。というか、逆に俺が疑われる。

俺の事を思っての発言は大変嬉しいけどな。」

 

 

ユノは落ち着かせるようにリリムの頭をなでた。

 

 

「大丈夫。私は常にユノの味方…!

…アイツらに制裁を与えたくなったら直ぐに連絡してね!」

 

 

頭を撫でられてリリムの尻尾が凄まじいスピードで左右に揺れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

アレから……二ヶ月が過ぎた。

 

変化は特になかったが、ユノへのイジメは無くならなかった。

因みにユノは魔力の精密なコントロールで痛みを受け流していたため、これといって大怪我はせずにいた。

 

 

(…とはいえ、反撃したらそれはそれでやっぱり面倒なんだよな…。)

 

 

手を出せば、間違いなく…『パパー、僕イジメられたー!』となって、『何!? 何処の下級貴族だ!?』という流れになる。

それだと面倒になるので、大人のユノがイジメを受けざるを得ないのであった。

 

 

「はぁ…疲れるな。」

 

 

「大丈夫ですか? ユノくん。」

 

 

ユノに心配する声を掛けるのはクラスメイト…隣の席の『クリスティーナ・ホープ』公爵家の令嬢だ。

彼女は本心でユノを案じてくれる。

何なら止める様に説得してくれる事が多い。

他のクラスメイトは関わりたくないか、逆に嘲笑っているかのどちらかなのに…彼女は正義感が強いのだろう。

 

 

「…ユノくん、実はやり返す事が出来るのではないでしょうか?

最初の頃は傷が多かったのに、今では傷が少ない…剣でも攻撃されているのに。

実力が無ければ出来ませんよ?」

 

 

「(…彼女、結構洞察力高いなぁ。

イジメてくる奴等は全然気づかないのに。)

まぁ……本心で言えば、出来るけど…やり返す方が面倒くさくなるからね。」

 

 

「けど…このままだとずっと続きますよ?」

 

 

「心配してくれてありがとう。

まぁ……今は耐えるのみ、かな。

多分…何処かで我慢できなくなると思うから。」

 

 

そう、ユノとていつまでも我慢が出来る程、人間出来てない。

だから…我慢が出来なくなったその時の為に、幾つか策をゼータと共に考えているのだ。

 

 

「………お、おはようユノくん、クリスティーナ姉さん。」

 

 

眼鏡を掛けた男子生徒が聞き取りづらいボソボソ声でユノに挨拶した。

 

 

「あ、ああ、おはようスズーキくん。

(感知で存在は把握できてるけど…相変わらずパッと見の存在感が薄すぎだな。

…シドの奴には好感持たれてるけど。)」

 

 

「スズーキ…アナタはもっとシャキッとしなさい。

全然気配を感じ取れないわ…。」

 

 

クリスティーナとスズーキは遠縁だが、親戚の仲だそうだ。

 

 

「…廊下が騒がしいな。」

 

 

「それはアレクシア様が通ってるからでしょう。」

 

 

「まぁ、そうだな。」

 

 

そう、転生したこの世界でも、ユノの学年にマドンナ的存在がいた。

その人物の名は『アレクシア・ミドガル』。

このミドガル王国の第二王女である。

 

 

「今日も何人かに告白されたのか?」

 

 

「そうでしょうね。アレクシア様はとても美しいですから。」

 

 

「…そうか。」

 

 

「ユノくんはどうなんですか?」

 

 

「別に? 美しいって言ったらクリスティーナさんも負けてないだろ。」

 

 

「へぇ!?」

 

 

クリスティーナは頬を赤らめてつい声を上げてしまう。

 

 

「ユノくん! 突然何を言うのですか!」

 

 

「…そんなに変な事を言ったか?」

 

 

ユノは何故慌ててるんだろう…と、考えていたが。

 

 

「ま、話を戻して……

彼女に告白する連中の大半が立場を利用してのものだろうけどな。」

 

 

「………んんっ! ええ、そうでしょう。

アレクシア様はこの国の、王家の人間ですから。

なんでしたら、取り入ろうとする考えを持っての行動でしょう。」

 

 

クリスティーナは落ち着きを取り戻してユノの隣に座り直した。

 

 

(…やれやれ、彼女も大変だな。

告白されてる所を見た事があるけど、外面は綺麗な淑女を装っての対応をしているけど…

魔力の流れからして…内心()()()()()

恐らく、彼女の本心は───)

 

 

一方、シドの方はというと…

 

 

「おいシド、約束は分かっているんだろうな。」

 

 

「テストで負けたんですから、王女様に告白ですよ!」

 

 

「えー…もう、分かったよー。」

 

 

(…え? どういう流れでそうなったんだ?)

 

 

自分の知らない所で、シドがアレクシアに告白する流れになっていて、ユノは困惑していた。

 

 

 

 

 

「……で、告白する流れになったんだよー。

いやー、モブっぽい話の流れだよねー。」

 

 

「何処が?」

 

 

「学園のマドンナにしてアイドルのネームドに告白してフラれる…なんてモブっぽいイベントなんだ…!」

 

 

「…いや、別に態々告白する必要もないだろ…。

(これ…アルファ達が知ったらどうなるんだ?

……()()()()がいるってのに大胆だな。)」

 

 

そう、ユノとシドの近くには常に見張り役であろう人物がいる事をユノは入学時から知っていた。

最初は誰だと考えたが、スライムスーツを所有している事からガーデンの者である事、そしてそれなりの実力がある者である事は気づいていた。

 

アルファ達『七陰』は忙しい。

今はこのミドガル王国を拠点としている訳だが、全員…どころか二人や三人いる時でも珍しいという話だそうだ。

特にゼータは任務で止まる事が少なく、イータはアレクサンドリアに、デルタは気まぐれな事がある為、この三人は非常時以外いない事がざらだと、ゼータは語っていた。

特にゼータは任務をこなしても、そのまま使いで次の任務を任させる事が多く、ゼータとしてはユノの側にいられない事が腹立たしく、色々と手を考えているらしい。

 

とまぁ、今はその事については置いとくとして───

 

 

「へへへっ、今更になって逃げるんじゃねぇぞ、シド。」

 

 

「ユノくんにやらせるのは無しですよ。」

 

 

ヒョロガリとジャガイモがそう言う。

因みに、コイツ等のユノの印象は…

 

 

『うわ…シドとは違う意味でパッとしない冴えない奴だな。

そりゃ、イジメられもするだろ。』

 

 

『可哀想な人ですねぇ。

ジャガイモでも欲しいですか?』

 

 

この程度である。ジャガイモはまだマシにも感じるかもしれないが、他人事程度の扱いなのでそうでもない。

 

逆にユノがコイツ等に抱いてる印象は…

 

 

「本当にやるのぉ?」

 

 

「当たり前だろ! 俺はお前がこっぴどくフラれて情けないザマを見てんだよ。」

 

 

「そうですよ。誰もシドくんが成功する事なんて期待してないです。

見事に撃沈するザマを僕達に見せてください。」

 

 

「クズだ。」

 

 

そう、クズ。紛れもないゴミクズである。

 

 

「お前…選ぶ奴等間違えただろ。」

 

 

「正直ちょっと思ってる。

だけど…このビッグイベントを乗り越える!」

 

 

「それ、告白を成功させる側の台詞だろ?」

 

 

とまぁ、そんなやり取りをして…

シドはアレクシアを人目がない場所に呼び、告白をし始めた。

 

 

「ア、アレクシアおうにょ!

ぼ、ぼぼぼ僕と、つ、つつ付き合ってくぁさい!」

 

 

何というかもう…告白する気あるのかやら、酷すぎるレベルを超えてるとか言われるレベルの告白をしたシド。

本人はフラれる前提の立ち振る舞いをしている訳だから分からなくもないが……分かっていても酷い、という言葉に尽きるものだった。

 

しかし───

 

 

「あら、ありがとう。嬉しいわ。

じゃあ、よろしくね。」

 

 

「え?」

 

 

シドは素っ頓狂な声を漏らした。

 

 

「「え?」」

 

 

「マジ?」

 

 

陰で見ていたユノ達も驚きを隠せない顔をしていた。

 

 

 






次回、『日常の崩壊』。
アレクシアの恋人となったシド。
そのキッカケにより…日常が崩れ始める。

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