陰と影の実力者   作:黒ソニア

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高評価といいねが増えてこの作品のモチベーションが上がっております!
ありがとうございます!
さぁ…この調子で頑張ります!

それから、誤字報告ありがとうございます。
毎回毎回多くの指摘をしてくださり感謝しています。
少しでも、改善数が少なくなる様に頑張ります。


とるっぽ様、クルスマ様
プレス作業員 勇気様、森所様
評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。




第23影:『アレクシアを救出せよ』

 

 

 

シドが魔剣士達に組み伏せられて連れて行かれる。

ジャガイモとヒョロガリが互いにビクビクしながら震えている中、ユノはゼノンに問いかける。

 

 

「ゼノン先生、これは何かの間違いなのでは?

シドが……義兄がアレクシア様を誘拐をする様な男ではないと、断言させてもらいたのですが…!」

 

 

そう。一応名目上ではシドが義兄なのである。

 

 

「キミは確か……あぁ、義弟のユノくん、だったね。

キミの言う事を信じてあげたいのは本心なのだが…申し訳ない。

立場上、キミの言葉を鵜呑みにして彼を解放する事は出来ない。

多くの魔剣士達が彼ではないかと容疑をかけている。」

 

 

「そんな…。」

 

 

「すまないね。ただ、少しでも容疑が晴れるような事があれば直ぐに解放すると約束しよう。」

 

 

(んなもん当たり前だわ。)

 

 

「……それと、これは非常に言いにくいのだが。

実はキミにも疑いの目がかけられている。

養子という立場や、彼の義兄弟という理由から共犯の疑いがかけられているんだ。」

 

 

「…はい?」

 

 

そう言われ…周りからの視線にようやく気がつくユノ。

本当ならこの様な視線等は直ぐに気がつくのだが、思いもよらない事態で気を取られていたようだ。

 

加えて…貴族階級の高い生徒からは嘲笑う様な視線。

ガタイの良い生徒からは指を鳴らしながらユノを見つめていた。

 

 

(……あぁ、これはシドの事を考える余裕無いわ。

この後のイジメがより悪化するのをどう流していくか…怠いなぁ…。加えて───)

 

 

ユノはゼノンを眼鏡を白く濁らせる感じにして気づかれない様にして睨みつける。

 

 

(コイツ表面上は俺を心配してくれているが……心のうちで俺の境遇を馬鹿にする感じがムカつくな。

しかも……コイツだな?

アレクシアを誘拐した犯人は。)

 

 

無論、ユノはその事にいち早く気がついた。

そして……彼の懐に隠してある不気味な魔力反応に覚えがあり、より彼を警戒するユノであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

そして勿論、シドが連行された後のユノの境遇はというと───

 

 

「オラァ! とっとと吐けよ!

テメェも王女を誘拐した共犯者だとなぁ!!」

 

 

と、殴られ蹴られと暴行を受けていた。

彼等一人一人の暴力は大した事ないので、問題は無いのだが…問題は数だ。

以前の倍以上がユノに暴行を行っていたのだ。

因みにクレアは今現在、シドの潔白を訴える為にアイリス・ミドガルの元へと向かっていた。

なので、ユノは早く終わらないかと思っていた。

 

そして…授業が近くなったら事により、暴行が終わった事で教室にへと戻る。

だが、

教師や生徒から向けられる冷たい視線等に移動する際にワザとぶつかってくる者と。教室でもユノは酷い仕打ちを受ける。

 

 

「大丈夫ですか、ユノくん。」

 

 

ユノに手を差し伸べようとしてくるクリスティーナ。

 

 

「クリスティーナさん、気持ちは大変嬉しい。

けど、今は止めるんだ。」

 

 

「そんな訳にはいきまけん!」

 

 

「……いや、今回は俺の事をスルーしていてくれ。」

 

 

「でも…!」

 

 

「これは俺の為でもある。

俺は……自分のせいで誰かが傷つくのが一番嫌なんだ。

もし、俺のせいでキミが傷つく姿や親から叱られるのを知ると…俺は誰よりも自分を許さない。」

 

 

「……ユノ、くん。」

 

 

「大丈夫だ。この仕打ちも今だけだ。

シドは誘拐なんてやっていない。

それが晴れれば、直ぐに止む。」

 

 

そう伝えてユノはクリスティーナの肩を軽くポンと置いて直ぐこの場を後にする。

 

 

(とは言っても……この後のイジメを先ずは乗り越えないとな。)

 

 

ユノは目の前でニヤニヤと嘲笑う者達を見て思わず溜め息が出そうになる。

直ぐにユノは暴行受け、全身に怪我を負う事となった。

 

 

(………この視線はゼータか。)

 

 

ゼータはユノの身を案じて陰で隠れていた。

……途轍もない殺気を懸命に抑えながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

ユノはフラフラとしながら自分の寮にへと足を運んでいた。

そして…部屋に辿り着くと、そこに───

 

 

「ユノ!」

 

 

ユノが部屋に入ると直ぐにリリムが抱きしめた。

 

 

「…心配をかけたな。」

 

 

「……ねぇ、ユノ。私耐えたよ。

ユノに暴力を振るう連中を殺さずに我慢したよ?」

 

 

リリムは光が消えた瞳でユノを見つめる。

それに対し、ユノは反応に困ってしまったのだが…ユノはリリムの頭を撫でる事しか出来なかった。

 

 

「ふふん……♪」

 

 

(良かった……取り敢えずリリムの機嫌は回復しつつある。

……そう言えば、これが嬉しいと感じたのは……いつだったかな?)

 

 

リリムの頭を撫でながら、ユノはカゲノー家に引き取られる前の事を思い出してみる。

しかし……この世界で自分を産んでくれた親の顔を…ユノは思い出せないでいた。

 

 

(……思い出せない。彼等の声も顔も…何をしてくれたのかさえ思い出せない。

なのに……どうして……。)

 

 

ユノはかつて『只野真人』であった頃を思い出す。

だが直ぐにあのクソ共では無いと判断すると、他に思い当たるのは妹の秀奈くらいで彼女がしてくれたのかな…っと思うと───

 

 

『───偉いわね。』

 

 

(………嗚呼、かつて『先生』と親しみを込めて読んでいた人がいたな。

俺があのクソ共の本性を知って落ち込んでいた頃に…先生に会ったんだ。

懐かしい……不思議とあの人に撫でられたり、褒められたりすると凄く嬉しかったんだ。

………けど、先生は一度会って以降会わなくなってしまったんだった。)

 

 

そんな事を考えていると、リリムはいつもの感じに戻っていた。

 

 

「そうだ。ユノに報告しないといけない事があったんだ。

このままだと、シャドウはアレクシア王女を誘拐した張本人として処刑され、ユノも共犯者として挙げられてしまう!」

 

 

「……首謀者はゼノンか?」

 

 

「よく分かったね。そうだよ。」

 

 

「やはりな。学園に通っていた辺りから胡散臭いとは思っていた。

しかし、今日会った時はそれが強かったな。」

 

 

「ついでに言うと、そのゼノンは教団の一員で、このミドガルを担当している『フェンリル』というラウンズに投資していて、王族の血を利用し、ラウンズになり上がろうと考えてる様子だね。」

 

 

「…成程。(フェンリル……確か、生前の知識としては北欧神話の神殺しの狼だっけか?

それ以外よく分からないが…油断出来ない相手である事だけは理解しておけばいいか。)

にしても、王族の血か……それに何か大きな何かがあるのか?」

 

 

「現在のミドガル王族は、『三英雄』の1人…人間の英雄:フレイヤの直系の子孫である事が判明している。

そこに目をつけたゼノン侯爵が今回、騒動を起こしたって感じだね。」

 

 

「そうか…そう言う事か…。

なら、早いとこ、アレクシア王女の場所を見つけるか。」

 

 

「問題無いよ。ユノに手間をかけさせない為に、既に場所は把握してあるよ。」

 

 

「流石の一言だな。」

 

 

「昔の事を覚えてる?

ユノが出来ない事は私がやるって約束。」

 

 

「勿論。覚えている。」

 

 

「そう。だから情報収集に関しては任せて欲しい。」

 

 

「ああ。」

 

 

「…正直に言っちゃうと、ユノは感情を優先して行動する所があるし、情報収集するのが私達よりも下手な所があるから、組織を束ねる長としては物足りなさが目立つね。」

 

 

「んぐっ…!」

 

 

ユノにはそれらの思い当たる節がある。

クレアが誘拐された時がそうだ。

 

 

「けど、完璧じゃないからこそ、私は自分の力がユノを支えられるという安心感を得られる。」

 

 

「…」

 

 

「それに、ユノは勘が鋭くて強い。

危険な事に関する敏感な直感力に、ユノだけが扱える呪力に影の力。

何より…力になりたいと思わせる、英雄としての素質を感じさせるんだよね。

だから、欠点があっても、ユノは私の頼れる英雄にして王様だよ。」

 

 

「……言い過ぎじゃないか?」

 

 

「大丈夫。それだけユノは他の誰より素晴らしい男って事さ。」

 

 

「……なら、俺はそれに見合う成果を出すだけだな。」

 

 

ユノは全身の痛みを魔力で補いながら緩和させる。

 

 

「アルファ達にはコンチェッタを通して作戦を伝えられるようにしてあるよ。」

 

 

「よし…なら───今夜、我々の力を奴等に見せてやるとしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

「あー疲れたなー。」

 

 

「そりゃ、それだけ痛めつけられればお前でも機嫌悪くなるよな。」

 

 

ユノはシドを迎えに行っていた。

クレアがアイリスに無実を訴えかけ、弟の為に必死になる姿から監視は付いたものの、一時釈放されたのだ。

因みに、シドを監視していた教団の息のかかった者達はアルファが片付けた様だ。

 

 

「怪我次第は全然平気だけど、アイツ等只々僕を痛ぶる事しかしてこなかったからウザかったよ。」

 

 

「だろうな。お前は頭こそイカれてるが、痛めつけられて平気って奴じゃないからな。」

 

 

「それ貶してない?」

 

 

「別に貶してねーよ。ま、でも安心しろよシド。

───今夜、仕掛けるぞ。」

 

 

ユノが雰囲気を作った事により、シドもシャドウとしての雰囲気になる。

 

 

「そうか。(いいねぇ、分かってるじゃないかユノ。)」

 

 

「さて、その為にも練った作戦を伝える。」

 

 

ユノはゼータと話し合った内容を控えていたコンチェッタを通していち早くアルファ達に伝えて作戦を練った。

ユノが迎えに行っている間に、ゼータ達は作戦を完璧に仕上げてユノに報告までし、シドを引き取った。

その後、アルファ達と合流して準備が整い次第ベータが来ることを聞いてからシドの元に来ていたのだ。

 

作戦を聞いたシドは「ほほう…。」と呟いた。

 

 

「で、お前には───」

 

 

「ふむ。作戦は理解したが……最初の辺りの修正が必要だ。」

 

 

シドはユノにある手紙を手渡す。

そこに記述されていた内容は…今夜指定された場所に来いとの脅迫状だった。

 

 

「やれやれ…明らかな罠だな。

しかし……シド・カゲノーとしては断れないか。」

 

 

「そういう事だ。」

 

 

ユノは一度席を外し……近くにいたゼータの元まで駆け寄る。

 

 

「作戦を少し変える必要が出た。」

 

 

ユノはゼータに事の詳細を話そうとする。

……しかし───

 

 

「ゼータ……そ、その格好…!?」

 

 

「ん? 何? スライムスーツだけど?」

 

 

ユノは久しぶりに見たゼータのスライムスーツの姿を見て思わず戸惑う。

 

 

「何………じゃねえよ! 胸…っ!

……胸元空きすぎだろが…!!」

 

 

ユノは必死に理性を保ちながら、声を抑制しつつゼータの今のスライムスーツに指摘する。

昔とは違って……大人向きというか、兎に角彼女の豊かな胸が半分以上丸見えだった。(※ユノの感想)

 

 

「そんな慌てる様な事じゃないと思うけどなぁー。」

 

 

「そうじゃありません…!!

俺はそんな風に育てた覚えはありませんよ…!!」

 

 

「えぇっと……私、そんなに魅力無い、とか?」

 

 

「逆だ逆ぅ!! お前が魅力のある女性だから気をつけなさいって言いたいんだよ!!」

 

 

「………ふ〜ん、ユノってばいやらしい〜。」

 

 

「あ、いや…! ちょっ…!!」

 

 

ゼータはユノが女性として意識していると見て、揶揄う。

そして、ユノが顔を真っ赤にして必死に誤解を解こうとする姿を見て、ゼータは楽しんでいたとさ。

 

 

 

 

 

暫くして、ベータがやって来た。

来るまでの間、ユノはゼータに弄ばれた事にもう疲れ気味ではあったものの…。

 

 

(……ゼータだけでなく、ベータも胸が強調されている。

スライムスーツでやり取りしている時は常にフードを深く被らないと、視線に気づかれそう…。)

 

 

ユノはベータの格好を見て、自分に気をつける様に言い聞かせる。

 

因みに、ベータが来る前にこの部屋はシドの寮部屋な訳であって、シャドウとして振る舞う時は部屋の内装を変えると言い出し…家具やらを影の中で入れといてなどと宣うので、ユノはシドにアイアンクローをし……やれやれとくどいので、家具やらを一気に纏めて影の中に入れ、廊下へ音を立てずに避けて置いた。

後でとやかく言われるだろうが無視である。

 

 

「失礼します。」

 

 

ベータが頭を下げて部屋を見渡すと、シャドウは高級そうな椅子に座り、フェイカーは壁を背にしていた。

 

部屋にあるチラホラとある物はシドがユノに借金などをしつつ買っていた秘蔵のコレクションなどである。

 

 

「時は満ちた…今宵は陰の世界。」

 

 

「…」

 

 

シャドウが意味ありげな一言を告げ、フェイカーは沈黙していた。

 

 

「(やだ…シャドウ様カッコよすぎます…!)

シャドウ様、フェイカー様、準備が整いました。」

 

 

「ご苦労。では、予定通り作戦を実行する。」

 

 

シャドウが立ち上がって、ベータと共にこの場を後にしようとする。

 

 

「………やりすぎるなよ。」

 

 

「分かっている。

が……プレリュードは我が奏でる。」

 

 

「………あぁ、好きにしろ。」

 

 

フェイカーは事前に…シャドウが派手に暴れる事を考慮して色々と事前に伝えといた。

シャドウとベータが目的地に向かった所で…フェイカーはこの場の照明などを片付け、外に出る。

 

 

「………予定通りになればいいが。」

 

 

「私はあまり期待しない方が良いと思う。」

 

 

「………だろうな。」

 

 

ゼータがフェイカーにアレクシアの居場所まで案内している最中……建物が崩れ落ちる音が鳴り響いた。

 

 

「………デルタ、だな。感知するまでも無い。」

 

 

「あの馬鹿犬……やっぱりアイツを作戦に組み入れるのは失敗だった。」

 

 

「………過ぎた事を嘆いていても仕方ない。

切り替えるとしよう。」

 

 

「了解。あ、もう着いた。あの建物だよ。」

 

 

ゼータに誘導された場所はゼノン・グリフィの息がかかった建物であった。

 

 

「言い分は……魔剣士共がベラベラと喋ってたで良いか。」

 

 

「それで良いと思うよ。

細かく詳細を話すと、逆に怪しまれるからね。」

 

 

「だな。さて、と……その前に。」

 

 

ユノは【玉犬】の掌印を結んで、呼び出した。

 

 

「お、久しぶり【玉犬】。元気だった?」

 

 

ゼータは【玉犬】をわしゃわしゃと撫で回す。

ゼータはデルタの事が苦手だが、ユノの【玉犬】は好きであり、昔は呪力などに慣れる為にも色々と遊んでいたのである。

【玉犬】もゼータには懐いており、満更でも無かった。

 

 

「ふむ。仲睦まじいのは良い事だが……ゼータ、お前には【玉犬】と共に頼みたい事がある。」

 

 

「任せて。ユノ…いや、フェイカーの命ならば何でも。」

 

 

ユノはゼータと【玉犬】に気づいた事を口にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

場所はアレクシアが幽閉されている場所。

昨日誘拐されてからアレクシアはディアボロス教団の研究員に血を無理矢理採取されていた。

 

 

「あ、アイツ等が来やがった!」

 

 

と、テンパりながらアレクシアの血で色々とやっていた精神不安定な男はアレクシアの隣で血を投与したりとして、怪物に成り果てた元『悪魔憑き』を強化し…暴走させて、その余波で絶命した。

 

運が良いのか、それとも同じ捕まっていた事からの同情か…アレクシアの枷は破壊された形で解放され、出口を彷徨っていた所───

 

 

「勝手に逃げられては困るなぁ。」

 

 

聞き覚えのある男…ゼノン・グリフィがアレクシアの前に立ちはだかった。

 

 

「良かった……やっぱり、アンタは頭おかしかったのね。」

 

 

「どうでも良いさ。キミの血と研究成果があれば…!!」

 

 

ゼノンがアレクシアを捕まえようとしてくるが…。

 

 

「…! やぁああ!!」

 

 

運が良いことに足元に落ちていたボロい剣でアレクシアは抗う。

ゼノンはそれに動じる事なくそれを弾き、剣を叩き壊した。

 

 

「…!?」

 

 

「キミの剣は所詮は凡人…雑魚の剣だ。

雑魚は雑魚らしく従っていればいい。」

 

 

「…っ。」

 

 

アレクシアは悔しそうに涙目になって下唇を噛み締める。

もう……駄目だと思った───その時。

 

 

「───黙ってろ、クソ野郎!」

 

 

「!?」

 

 

凄まじく早い一撃がアレクシアの横を通る。

ゼノンはそれを何とか受け応えるが、吹き飛ばされる。

 

 

「大丈夫か、アレクシア!」

 

 

「……ユノ、くん?」

 

 

アレクシアはとても信じられないものを見ている様な目をしてユノを見ていた。

 

 

「どうしてここにいるって顔をしてるな。

ま、当然だな。けど、ある意味簡単な話だ。

ウチのクソ義兄の潔白を証明する為に、怪しい連中を探していたんだよ。

んで、俺らの事を馬鹿にしながらチンタラ歩いていた魔剣士が俺らの事をペラペラと喋っていたもんだから…尾行して来たって訳さ。」

 

 

無論嘘である……が、その責任はシドを誘き寄せ、罪を擦り付けようとした連中ならやってそうなのでご愛嬌。

なんなら、ユノは逆にそいつらを利用しようと考え、シャドウとベータの向かった所に作戦を伝えてある部下を向かわせてあるのだ。

そして、今ユノ達がいる場所へ誘導させる手筈も…完了しているようだ。

 

 

「……そう。けど、悪い子ね。

夜の外出は御法度ものよ?」

 

 

「助けに来たんだ。

その位は庇ってくれても良いんじゃないか?

まだ友達と呼んで良いわけじゃないだろうが…互いに本心を見た程度には良いだろう?」

 

 

「…ふふ、言うじゃない。」

 

 

思わず笑ってしまうアレクシア。

だがしかし───

 

 

「成程…あの使えない魔剣士共のせいか。

これは一本取られたかな?」

 

 

ゼノンが悠々と歩み寄る。

 

 

「だがそれも、キミを殺せば済む話だ。」

 

 

「!! 逃げましょ、ユノくん!

二人で全力で走りながら叫べばお姉様達が───」

 

 

ドゴンッ! ドゴンッ!

 

上から…正しくは地上の方で地響きが鳴り響く。

アレクシアは思い出した…自分を助けた(?)怪物が上に向かった事を。

 

 

「残念だったね。最も…私を相手に逃げられると思っているのが烏滸がましいがね。」

 

 

ゼノンが剣に魔力を流し始めた。

 

 

「…アレクシア。」

 

 

それにユノは戦いに応じる様に剣を構えた。

 

 

「見ていてくれ……俺が目指している剣というのが、何なのかを。

そして…キミが目指すべき剣が何なのかを。」

 

 

「ユノ、くん…?」

 

 

「たははは!! これは傑作だ!!

キミの剣はこれまでの授業で見た事がある。

少しは剣の実力があるようだが、私には遠く及ばない!」

 

 

「…どうかな? 豪快な剣だけで威張ってる坊ちゃん野郎が、本当の剣を知っている俺に…勝てるかな?」

 

 

ユノはそう言いながら…身体を魔力で強化する。

今の彼はただの魔剣士見習い。

『フェイカー』では無い彼が…今回の騒動の主犯に、どう立ち向かうか…!?

 

 






あ、何処かで語ったかと思いますが、ゼータとリリムの使い分けは完全なプライベート時がリリムになるんで、二人っきりなのにリリム呼びじゃない時も普通にあります。

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