陰と影の実力者   作:黒ソニア

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・さぁ…シドに捕まったユノの行方のアンサーの時間だ。

・…どうしよう。影を操る能力が便利すぎて『式神』を使ってねぇ…。
雑魚相手だと『式神』を使うのが勿体なさすぎて…。
後、どうでも良い話なんですが、オリジナルだから『式神』→『眷属』に変えようか迷ってます。

・それから、お気に入り100をいつの間にか超えてました。
ありがとうございます。

それから───

まなうあ様
評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。

もう一人の方もありがとうございます。





第4影:『悪魔憑き』

 

 

 

二人は互いの顔を見て言葉を失っていた。

 

 

(兄さんが…どうして?)

 

 

ユノが苦悩する中、ある事を思い出した。

 

 

(そいやー、訓練の時に感じてた()()()

あれは気のせいなんかじゃなかった。

兄さんの…彼の実力は盗賊達に見せた力、さっき見せた途方もない魔力。

これが彼の本性だったんだ。

その実力は…計り知れない。)

 

 

ユノは考える。

シドの実力は紛れもなく強者だと。

しかし…ユノはまだ、王都の魔剣士の実力も知らず、なんならこの世界で一番強い者を知らない。

だからこそ───

 

 

(俺は弱い…っ!)

 

 

ただ、そう思った。

影の能力(才能)を得たというのに、自分は未熟者であると知り悔しかった。

───無論、このシド・カゲノー(異端者)の事を知らず。

 

 

「ねぇ。」

 

 

シドは口を開き始めた。

 

 

「な、何…?」

 

 

恐る恐る聞くユノ。

しかし、シドはユノの正体を知って───

 

 

「さっきの影の操り方を教えてよー!」

 

 

「え?」

 

 

「それから呪力だっけ?

それの扱い方も教えてー!」

 

 

「えっと…。」

 

 

「勿体ぶらずに教えてよー!

同じ『転生者』なんだしさー!』

 

 

「ま、待って!」

 

 

「さぁ早くー!」

 

 

「一旦落ち着かせてくれ!!」

 

 

殺されるのではないかと思ったのに急にグイグイと親しげに察してくるものだから、『陰キャ』のユノには耐えきれずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ…。」

 

 

項垂れるシド。

 

 

「ふぅ…。」

 

 

溜め息をつくユノ。

 

 

「「はぁ…。」」

 

 

二人は落ち着いて、互いに一つ一つ細かく話し合った。

 

 

「呪力はこの世界に全く無い代物…

それどころか漫画の世界にあった力で、どういった訳か偶然宿していた力か…。」

 

 

「…兄さんがまさか、生前の『スタイリッシュ暴漢スレイヤー』本人だったとは。」

 

 

「しかも、その力を他の人に譲る事も伝授する事も出来ないか…。」

 

 

「…しかも、その正体がクラスメイトの『影野実』だったとはな。」

 

 

…お互いに頭を抱えていた。

 

 

「いやー、それにしてもユノがあの時の捕まっていた彼だったとはねー。

油断してた訳ではないけど、銃で撃たれてたのは驚いたよ。

まさか、相手の元軍人が直ぐに銃で応戦するとはねー。

実にやりごたえがなかった。」

 

 

「そんな変なのを求めずに瞬殺しろよ…。」

 

 

ユノは違う意味でも頭を抱える。

 

 

「…そうだ、兄さん…アレから西野さんは大丈夫だった?」

 

 

「ん? あぁ…。

うん、なんかやたらと『只野くん只野くん…。』って呟く事があったかなー。

まぁ、僕はそんな事はどーでも良かったから、無視し続けて魔力を求めて様々な事をこなしてたんだー。」

 

 

「…その頭の可笑しい狂気的な事を死ぬまでやってたんだ…。」

 

 

「うん。夏休みの終わりが近づく中…

僕は最後に二つの光を目にしたんだ。

アレは間違いなく『魔力』に違いない。

だって、そのお陰で今があるからね!」

 

 

「…それ、単にトラックのライトじゃないの?」

 

 

「そんな訳ないさ!」

 

 

と『影野実』としての話を聞いた感想がそれであった。

(※因みにユノくんの言ってる事が正しいです。)

 

 

「…西野さんにはトラウマを植え付けてしまったな…。」

 

 

「まぁ、悔やんでも仕方ないんじゃない?

…でもそいやー、キミの両親結構変だったよねー。

に、西村さんだっけ?」

 

 

「…西野さん。」

 

 

「そうそう。その…にした…西野さんに対して、自分の息子が死んだのに『あんな子よりもアナタの方が大事です。』とか…

人として大丈夫かなーって流石に思ったよ。」

 

 

「…あの人達の事はもういい。

切り離したかったから、どう思われてもいい。」

 

 

「ただ…キミ、妹いたよね?

彼女をふらっとだけ一瞬見たなー。」

 

 

「!? そうだ、秀奈は!?」

 

 

「暗かったね。けど、同時に『これで…苦しみから解放されたんだね。』とか言ってたけど…

どういった日常を送ってたの?」

 

 

「…つまんない生活さ。」

 

 

そう、『只野真人』の生活は酷かった。

才能のない、何もないタダのモブAの生活だった。

その代わりに毎日愚痴を言われる生活。

パシリに扱われて勉学・学校行事後に晩御飯を作らされた挙句、不味かったら叱られる生活。

中学に上がったら娯楽を禁じられる生活と…

息をするのも苦しい…生きているのが辛い生活だった。

 

 

「ただ…唯一、心残りが…

秀奈に迷惑をかける羽目になってしまったな…。」

 

 

「妹はまともだったんだねー。」

 

 

「あぁ。」

 

辛い人生でも、人として保てたのは妹のお陰だとユノは自覚する。

それ故に…あの両親達から解放されて欲しいと願わずにはいられなかった。

 

 

「でもさ、もうお互いに死んじゃった訳だし。

こうして『転生』した訳だからさ…

第二の人生を楽しもうよ!」

 

 

「…お気楽だな。俺も最初はそうやっていたけど、今は前世に残してしまった妹が心配でならないよ。」

 

 

「考えたって無駄だよ。

僕等は()()()()()()()()()()。」

 

 

そう。シドとユノは死してこの世界に転生したのだ。

 

本来、死んだ人間は蘇らない。

これはある種の鉄の掟だ。

 

……彼等を除いて…だが。

 

 

「…そうだけど。」

 

 

「それよりも!

キミにはその力…そう、『()()』!

特典が与えられていた訳だよね!?

て事は…同じ転生者の僕にだって、何かある筈だよね!?

あわよくば、僕にも影を操る力が備わってないかな!!」

 

 

「…あると良いね。」

 

 

「確か負の感情に支配されるくらいにならないと、呪力は目覚めないんだよね?」

 

 

「…多分? 根拠ないけど…。」

 

 

「目覚めろ…影の力よ。

僕だけ特典が無いとしたら……。

……はっ! 今凄く負の感情に支配されてるよ!

これで目覚めよ!!

僕を『陰の実力者』に仕立てる力を…!!」

 

 

……………

しかし、何も起こらなかった。

 

 

「なんでだぁぁぁ!!??」

 

 

「さぁ…。」

 

 

「どうして!?

どうして僕には呪力が無いんだ!?

ユノにはあるのにどうして僕には…っ!!」

 

 

「…んー、これは持論だけど。

兄さんは魔力を求めてて、俺は『才能』を求めてた。

俺はその『才能』を具体的に『影の能力』で最強になった自分をイメージしててから?

目覚めた訳で…。

兄さんは…魔力で色んな事をするって大雑把にしか考えて無かったから? かな?」

 

 

ユノの言葉にシドは撃沈する。

 

 

「なんて事だ…っ!!

確かに…僕は魔力で色んなシチュエーションを妄想してたけど、具体的な能力は考えてなかった…っ!!

これじゃ…これじゃ、『陰の実力者』に…!!」

 

 

「別に兄さんが求めるそれは魔力でも再現出来るんじゃない?

前世とは違い、本当に魔力は有って色々出来そうだし。

…後、さっきからその『陰の実力者』って何?」

 

 

「そうか…そうだよね!」

 

 

シドは元気を取り戻す。

 

 

「では、教えてあげよう。

『陰の実力者』って言うのはね───」

 

 

シドは長々と『陰の実力者』について熱く語りだす。

 

それはその名の通り、陰にて輝く実力者。

 

主人公やラスボスといった大きすぎる存在ではなく

 

時に主人公に敵対したり、導いたり

 

ラスボスに手を貸したり、掌で踊らせたり

 

表では目立たず、それでいて圧倒的な強者。

 

そんな存在に…影野実()は、シド・カゲノー()は成りたいのだ!

 

 

「へぇ…。」

 

 

雰囲気を煌めかせて語るシドに…ユノは尊奉に近い眼差しで見ていた。

 

 

(分からなくはないかも。

俺も…最初はヒーローといった存在…主人公に憧れていたけど…

歳を重ねていく内に自分がどういった性質なのかを考えていくうちに、喝采を浴びるような人物じゃないって思ってたし、気持ちは理解できる。

ハッキリ言えば、俺は陰湿な人間だ。

光輝く存在から最も遠い人間象。

…アレ?)

 

 

ユノはある事に気づく。

 

 

(俺の力は『十種影法術』…『影の能力』

影を自在に操り、影を触媒に『式神』を召喚する者。

『影の能力者』って…実質『陰の実力者』って事か!?)

 

 

…ある意味においてはその能力と存在イメージに強く結びやすいだろう。

 

 

「これはつまり…!」

 

 

「そう、キミは…!」

 

 

「俺は『陰の実力者』になる為に転生したのか!」

 

 

「僕を『陰の実力者』にする為に転生したんだ!」

 

 

「「…ん?」」

 

 

話が噛み合わなかった。

 

 

「いやいや、別にキミも『陰の実力者』を共に目指すのは一向に構わないし、大歓迎だけどさ!

その言い方だと、僕を省いてない?」

 

 

「別に省いてないよ。

ただ兄さ…いや、シド。

お前、前世の時に面倒くさい事を押し付けて自分はやりたい事を優先してたろ?

お前のお陰で西野さんは助かったけど、お前の日頃の行いや性格からも考えて押し付ける所があるからパス。

お互い、邪魔をせずにそれぞれの理想を叶えよう。」

 

 

そう言ってユノは家に帰ろうとする。

 

 

「いやいや! キミが転生したのはある意味僕のお陰じゃん!」

 

 

「殺された事がお陰だと!?

遂に本性出しやがったな!?

そういう所があるから一緒がヤダの!!」

 

 

「何言っているのさ!

…そ、そうだ。キミがウチに居られるのも僕のお陰な所もあるじゃん!」

 

 

シドは言ってて、ちょっとコレは言いすぎたと思ったが遅し。

ユノは拗ねた様子を見せる。

 

 

「へぇ…そう言うんだぁ…。

ふーん…。それじゃあ俺は今から一人で生活しますわ。

そんな理由でカゲノー家にいさせる考えを持つ人と一緒にいれませーん。

…ていうか、お前じゃなくて父上殿のお陰だけどな。」

 

 

「じょ、冗談だよ!

流石に僕もそんな事を本気で言ってないよー!

他に何か…何か手は…。

そうだ! この『スライムボディスーツ』!

キミにもこれをプレゼントするからさ!」

 

 

『スライムボディスーツ』

通称:スライムスーツ

スライムのみで形成されたボディスーツ。

シドの着ている物はシドの血液と魔力を混ぜ合わせた一級品である。

 

 

「…」

 

 

「ほらほら、ユノもカッコいいって褒めてたじゃん。

中々センスがあるよ、ユノ。」

 

 

「…それって、スライムで出来てるんだよな?」

 

 

「そだね。」

 

 

「そっか……んじゃ、後は自分で作るわ。

良いアイデアをありがとー。」

 

 

「えっ、ちょっ、待ってよ!」

 

 

スタスタと帰宅するユノに意地でも仲間に引き入れようとするシドであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユノとシドが互いの事を知り合ってからは───

 

 

「ねぇ、ユノ。仲良くしよーよー。」

 

 

勉学の中でも…

 

 

「僕と共に『陰の実力者』になろうよ!」

 

 

トイレの中でも…

 

 

「ユーノー!」

 

 

寝ようとしてる中でも、シドはしつこい位にユノに纒わり続けた。

 

 

「…」

 

 

流石のユノもこういった生活を送り続け…

故に───

 

(もう『陰の実力者』になるのやめよう。)

 

ユノはそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある夜

 

 

「……シド、いい加減に離してくれよ。

もう『陰の実力者』を目指すのやめるからさ。」

 

 

「いやいや、男がそう簡単に根を曲げるものじゃないよ。

全く、誰にそう指図を受けたんだい?」

 

 

「お前のせいだよ…。」

 

 

ユノは絶賛、シドに拉致られ状態で盗賊狩りに連行されていた。

 

 

(はぁ…なんだって俺がこんな目に…。

コイツが話を聞か無いタイプだと思い出して、スライムを求めて隠密に行動をとろうと『気配遮断』を身につけたというのに…。

いつの間にかコイツも気配感知を習得してて、感知して居場所を予測してたのか待っていやがったし。

俺好みの『スライムスーツ』が完成した矢先にこれとは…。

本当についてないですわー…。)

 

 

ユノは遠い目で空を見上げていた。

 

ユノはシドに捕まってから、今度は捕まらない様に・そもそも見つからない様に新たな技術を編み出したのだ。

 

 

『気配遮断』

そのまま通りに、気配を気づかれない様にする技術。

気配を絶った存在を感知、あるいは隠すには双方の技術・才能が求められる。

 

 

ユノとて『気配遮断』をまだ完全にマスターをしていないとはいえ、影を操る能力を有する彼を捕えるのは至難の業だ。

今のレベルを分かりやすくいえば…足音に跡を立てず残さず、認識されて無ければバレないものだ。

 

因みにユノも『気配感知』をモノにしている。

今までは魔力を通した『感知技術』の一つ、『魔力感知』が出来て気配は読み取れないとは恥であると思っていたからだ。

…まぁ、一番の理由はシドであるのだが…。

 

そのユノを盗賊などがいる場所(主に森山付近)へのルートが一つしかないとはいえ、時刻やタイミングをドンピシャに合わせたのはシドの執念がものをいわせたのだろう。

…ユノからすれば、これ程うざったい事はないだろう。

 

 

「はぁ…。」

 

 

ユノは確信する。

シドがいる限り、ユノは一人になれないのだと…。

 

 

(…それ自体は別に嫌では無いけど。

コイツにこれからパシリ扱いされるとなると、対策を沢山考えないとなぁ…。)

 

そんな事を考えていると、いつの間にかシドが止まる。

どうやら目的地である…盗賊の場所までいつの間にか来ていたのである。

 

 

(おーおー…声が馬鹿でかいなぁ…。

正直耳障りだ。

コイツらの下品な声が本当に癇に障る。

…オマケに前回よりも大人数で、少し手練れもいるな。)

 

 

ここでユノとシドには決定的な違いを一つ上げる。

ユノはシドと比べて戦闘レベルが低いのだ。

 

『影』『呪力』『魔力』を駆使して戦って、一歩下というレベルである。

ユノとシドの実力差が最もある理由は『経験値』。

シドもユノに負けない位、この世界で色々と試していた。

中でもシドは魔力を使い体を弄った末に『魔力暴走』を体験していたのだ。

 

 

『魔力暴走』

魔力の制御が出来なくなる状態。

分かりやすく表現で例えるなら…コーラにメントスを入れるものに近いだろうか。

本来、この様な状態になることは滅多に無い事だが…

これを起こした人物は魔力の質と量が高まるのだ。

 

 

それだけでなく、シドは生前に魔力を得るために様々な頭の可笑しい事を行ってきた。

 

ボクシング・空手・剣道といった格闘技術

ヨガ・瞑想・坐禅・滝打たれといった精神作法

 

彼はこれらをプロまでいかなくても一通りマスターしたのだ。

 

…更に語るなら、十字架に張り付き(一人でどうやったのか)・半裸で大木に頭を打ち続けた(頭が可笑しすぎる)といったキチガイ的行動までしていたと。

これをユノはそれらを知ってドン引きし、更にシドから離れたかったとか。

 

 

(さて、そろそろ始めるか。)

 

 

ユノは目元を隠す様に仮面を付ける事で『スライムスーツ』を纏う。

因みに、ユノのは二つのスタイルに変身できる。

 

大きいローブとフードが特徴の『隠密スタイル』

黒緑の外套が特徴の『戦闘スタイル』

ユノの特徴として共通でケープマントを纏う。

 

常時の姿は『隠密スタイル』で、今はそのスタイルである。

 

 

「さて…始めると───」

 

 

「ヒャッハー!」

 

 

「…」

 

 

カッコつけた途端に横にいたシドが飛び出して盗賊達を一掃し始めた。

 

 

「うわぁ…盗賊達がどんどん蹴散らされてるなぁ〜…。

ま、どうでも良いけどさ。」

 

 

「おい! コッチにもなんかいるぞ!

先に弱そうな奴を殺れ!」

 

 

ローブで身を包んでいるユノに向けて多数の盗賊達が一斉に襲いかかった。

 

 

「フッ─── 《影斬》。」

 

 

『影の刃』を操って盗賊達を薙ぎ払う。

 

 

「なんだ、コイツ!?」

 

 

「おっと、折角の『スライムスーツ』なんだ。

スライムも使わないとな。

─── 《影槍》。」

 

 

ユノは手元にスライムを槍にへと変化させ、それに『影の刃』を纏わせて強化させる。

無論、『影』のみで出来るが、『魔力』と相性が良いスライムを合わせる事により、更に強固な技となるのだ。

 

 

「果てろ!」

 

 

螺旋状に回転する『影の槍』が弾丸の様に放たれる。

 

 

「うわぁぁぁ!!」

 

 

盗賊達がゴミの様に一掃された。

これには何処かの大佐もニッコリしてる事だろう。

 

 

「…成程、スライムを合わせる事で形を崩さず、維持したままでいられるのか。」

 

 

思わずニッコリと笑うユノ。

 

 

「やるねぇ。僕よりもスライムを扱えてない?」

 

 

「俺の『影』も合わせてるんだ、当然さ。」

 

 

「良いなぁ〜。やっぱり、何とかして譲ってくれない?」

 

 

「やる訳ないだろ、死ね。」

 

 

「酷くない?」

 

 

二人が軽口をし合っていると、いつの間にか盗賊達の死体の山が出来ていた。

 

 

「おっと、もう終わっちゃったか。

2人だと早いねー。」

 

 

「…まぁ、仕方ないだろ。」

 

 

「そだね。それじゃ早速、戦利品〜。」

 

 

シドはササッと金品の回収に行動を移す。

 

 

「ユノー、これらのお宝を影に入れれる?」

 

 

「入れれるが…重いから無理。」

 

 

「へぇ〜。入れる事は出来るんだ〜。」

 

 

何やらシドがニヤニヤとしていた。

 

 

「…いやな予感しかしない。」

 

「ホント、ユノは最高の相方だよ〜。

これからも頼りにしてるよ!」

 

 

「…パス。」

 

 

シドは愉快そうに、ユノはドライな反応をしていた。

 

 

「でも、結構な量だから手伝ってよー。」

 

 

「…俺の分も寄越せよ。

───【玉犬】。」

 

 

【玉犬】の掌印を結び、顕現させる。

 

 

「便利だねー。」

 

 

「雑用係じゃないからな。

それにその言い方…【玉犬】達は俺の───

…ん? どうした?」

 

 

【玉犬】が荷物車から何かを感じたのか、クンクンと臭いをかいては何とも言えない顔をしていた。

 

 

「ん? なんだコレは?」

 

 

そこにいたのは人の型をした『何か』だった。

 

 

「これ───『()()()()』ってやつだね。」

 

 

「『悪魔憑き』…この()が?」

 

 

そう。それは『人』なのだ。

いや…人『だった』と言った方が正しいだろうか…。

 

 

「…はは♪」

 

 

シドが『悪魔憑き』を見て、笑ったのだ。

 

 

「お前…絶対に変な事を考えてるだろ…。」

 

 

「まぁまぁ。ユノの為にもなるよ?」

 

 

「…?」

 

 

シドの言葉にユノは首を傾げ、【玉犬】もユノに並んで首を傾げた。

 

 

 







・『』が多くてごめんなさい。
ただ、自分が投稿するものは『』を筆頭としたのが多いのでご了承を…。


・ここでちょっとしたネタバレ。
原作で明かされなかった『虎葬』についてです。
こいつに関してはこの作品オリジナルとなります。


『影槍』
影を形状変化した槍による攻撃『影の槍』。


・次回、『シャドウガーデン』
悪魔憑きで何を企んでるの、シド?


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