陰と影の実力者   作:黒ソニア

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この作品が…一瞬とはいえ、ランキングに乗っていてビビった。
お気に入りと評価をしてくれて感謝しきれないです、ありがとうございます…っ!


月琉様、衛じ様
評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。





第8影:『決意』

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

 

ユノは雄叫びを上げながら、木刀を振り続けていた。

 

 

「えい。」

 

 

「ガハ…ッ!」

 

 

懸命にユノは相手であるシドに攻めるも、直ぐに返り討ちにされる。

 

 

「クソッ…!」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「…どうしたもこうしたもない。

俺は強くならなきゃならないんだよ…っ!」

 

 

ユノは汗まみれに土まみれの状態でありながらも、懲りることなく立ち上がった。

 

 

「…続きだ。行くぞっ!」

 

 

「んー。」

 

 

ユノが再び、木刀を強く握ってシドに斬りかかった。

 

 

「…フェイカー様。」

 

 

「フェイカー様、随分と気合いが凄まじいですね。」

 

 

「そうね。」

 

 

「フェイカーは弱いくせにボスに挑むなんて無謀なのです。」

 

 

ガンマ・ベータ・イプシロン・デルタがシドに何度も負けながらも、諦める事無く挑み続けるユノを見てそう呟いた。

 

 

「ちょっと、デルタ! フェイカー様にその態度は何なの!!」

 

 

「デルタは何も悪くないのです!

フェイカーはデルタよりも弱い癖にボスにしつこく挑むのが気に入らないのです!

デルタはボスと遊びたい!」

 

 

「デルタ、アナタねぇ…。」

 

 

「…フェイカー様、怪我が治ってから人が変わったかの様に熱心になりましたね。」

 

 

ベータがそう言い、ガンマ・イプシロンは頷いた。

 

 

「…その原因はアレよね?」

 

 

「ええそうね。彼女───『ゼータ』が来た時からね。」

 

 

イプシロンの問いにガンマは違う方面でアルファと戦う…

白金髪の獣人、ユノが傷だらけの状態で連れて来た新たな仲間…リリムを見る。

 

 

「フッ!」

 

 

「ハッ!」

 

 

二人の剣が何度も何度も衝突する。

 

 

「…凄いわね、ゼータ。

この前剣の使い方を覚えたばかりなのに…あのアルファ様と互角。」

 

 

「私達でもアルファ様に挑んでも呆気なく負けてるのに…。」

 

 

「ガンマは直ぐ転んで自滅するだけですけどね…。」

 

 

イプシロン・ガンマ・ベータはゼータを見てそう呟いた。

 

イプシロンが告げた通り、ゼータは『剣術』を覚えたばかりだというのにシャドウ(シド)をリスペクトしている完璧超人であるアルファと互角で渡り合っているのだ。

これは間違いなく、彼女がアルファとためを張る天才だという証であった。

 

ここまでの出来事を簡単に説明しよう。

先ず、ユノが何処か行った数時間後にガンマを筆頭にアルファ達が心配し、ユノの行方を探しに行ったのだ。

ユノをいる場所を突き止めて着いた時には泣いている獣人の娘と顔を暗くして俯いていたユノを見つけたのだ。

事情を聞いたアルファ達は衝撃的な事実に言葉を失っていた。

ユノはシドの魔力操作と制御を用いて怪我を修復し、最低限の包帯などで事なきを得た。

そして…金豹族の生き残りであるリリムは『シャドウガーデン』に入る事になり、『ゼータ』の名を与えられた。

…もう一人の生き残りであるリリムの弟はまだ幼いために、リリム…ゼータを筆頭に全員で面倒を見ることになった。

それからゼータはシャドウから剣術を教わる事になった。

ゼータはアルファに匹敵する才を持っていた事により、剣術だけでなく、武術・魔力・知恵をも完璧に習得した。

 

 

「…」

 

 

「ガンマ…アナタまだ嫉妬してるの?

確かにゼータが凄いけど…それならアルファ様だって凄いじゃない。」

 

 

「…それについては問題ないわよ。

闘いにおいては…私が未熟なだけだもの。

ただ…ゼータが来てからフェイカー様の態度が変わったじゃ無い?

アレから全く休む事なく力をつけようとなさってるのよ?」

 

 

ガンマはフェイカー(ユノ)を心配する様にそう告げる。

 

そう、ユノは怪我が完治した後、人が変わったかの様に訓練に励むようになった…いや、死に急ぐようになった。

今相手をしているシドを筆頭にアルファやベータやイプシロンやデルタに勝負をしつこい位に挑むようになった。

…けれど、ユノの動きが早くなっていた事に皆最初は驚いていたが、それでも差が少し縮まったレベルでまだまだだった。

ユノは一人でも力をつけようと努力していた。

それは別に悪い訳では無いが、ボロボロでも自分に鞭を打つ様に無茶をする姿にアルファ達は心配するように見ており、不安がっていたのだ。

…その際、ガンマはゼータが原因だと思い、あまり良い思いをしなかった。

 

 

「…ゼータが悪い訳ではないのは充分理解しているけど、今のフェイカー様を見ていられなくて。」

 

 

「…それは…確かにそうね。」

 

 

「デルタはどうでもいいのです。」

 

 

「デルタは黙ってて下さい。」

 

 

因みにデルタはフェイカーの事を自分よりも下だと思っている為、辛辣だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッソ…。」

 

 

それから数日後、ユノは海の見える砂浜で夕陽を見つめながら座り込んでいた。

 

 

「…アレからがむしゃらに頑張ってるのに、一向に差が縮まらない。このままでは…。」

 

 

ユノはあの時の…ゼータの泣き叫ぶ姿と亡くなる彼女の父を思い出して、自分の力の無さを痛感して落ち込んでいた。

 

 

「…ユノ。」

 

 

顔を暗くしていると、後ろからゼータがユノの名を呼んで横に座る。

 

 

「…ゼータ。」

 

 

「…二人の時は…リリムって呼んで欲しい。

私も、二人の時にユノって呼ぶから。」

 

 

「あぁ…分かった。」

 

 

「ん……相当無茶をしてるね。」

 

 

「仕方無いだろ…あんな事があったら、こうもなるさ。」

 

 

「…そうだね。」

 

 

「…リリムはどうしたんだ?

訓練までまだ時間あるけど。」

 

 

「私、基本的には一人でいるから暇なんだ。」

 

 

「え、何で……俺のせいか。」

 

 

ユノはそう思った。

その理由は自分が変わった事によるものだと思った。

 

 

「ユノのせいじゃ無いよ。

それに基本的って訳で、アルファ達は声掛けてくれるからね。

アホのわんちゃんはどうでもいいけど、ガンマは…まぁ、私と会ってから変わったから、かな?」

 

 

「やっぱりそうじゃないか。」

 

 

「でも、それは仕方の無い事だよ。」

 

 

「良くないだろ。」

 

 

「…んじゃ、私の為にももう少し落ち着きなよ。」

 

 

「…分かってはいるよ。

けど…俺が未熟だからだ。」

 

 

「そんなことは無いと思うけどね。

 

 

だってユノ…『影の能力』と『呪力』があるじゃん。」

 

 

「…少なくても訓練では使わん。」

 

 

「何で?」

 

 

「…これを聞いているか?

シャドウ…シドの奴は簡単な手段で強くなるのを嫌ってるんだ。

『影の能力』は言わば『アーティファクト』に近いモノだからな、使用してばかりだと五月蝿いんだ。

『呪力』はゼータ達元『悪魔憑き』には悪影響になるから使わん。

これに関してはアルファ達から話を聞いてないか?」

 

 

「…うん、聞いたよ。」

 

 

そう、ゼータはもう既に知っている。

『呪力』は呪いの力にして呪いを祓う力だと。

ゼータ達は既に『悪魔憑き』では無くなっても、『悪魔憑き』だった影響化が残っている。

そのお陰で大量の魔力を扱えてる。

ただし…ユノの呪力には極端に弱いと。

それが原因で心では大丈夫だと信じても、体が拒むように避けてしまうと…そのせいでユノがアルファ達からも距離を置いているのだと。

 

 

「でも、私は逃げないよ。」

 

 

「…無理、体は正直だ。」

 

 

「…だったら───」

 

 

ゼータはユノの腕に強く抱きついて、尻尾で更にユノから離れない様にした。

 

 

「お、おい!」

 

 

「私ね…。」

 

 

「…ん?」

 

 

「あんな怖い思いをしたのは初めてだった。

『悪魔憑き』を発症しても、お父様とお母様は優しかったから大丈夫だった。

族長って立場があるのにも関わらず、私の症状を治せる手段を必死に模索してくれてたんだ。

…でも、分家の者に知られて、村の者達に知らせて…あの教会の、あの司祭を呼んで…あんな事態になったんだ。」

 

 

「…そうだったのか。」

 

 

「あの時の村の者たちから向けられた視線や、あんな思いをしたのが辛かった、苦しかった、怖かった。

私はあの恐怖を忘れない…忘れられない。」

 

 

「…っ。」

 

 

「もう助からないと、絶望していた時に…ユノが来てくれた。

確かに…呪力を初めて見た時、体が震えたよ。

でも…でもね、それ以上に安心したんだ。

今ならその理由をハッキリと言えるよ。

───ユノだからこそ、大丈夫だって。」

 

 

「…」

 

 

「私は…ユノの全てを肯定する。

例え、呪力が私達にとって害あるものでも、ユノが他の皆んなに拒絶しても、私は絶対に一人にはしないよ。」

 

 

「…リリム。」

 

 

「『影の能力』と『呪力』。

この二つはユノの力で、ユノ自身だよ。

それを使わないってのは違うと私は思う。

…気づいてる? あの時、ユノの隣にいた【玉犬】は歯を食いしばるユノを見て、悲しそうな顔をしていたよ。

【玉犬】達はユノと一緒に戦いたいんだよ。」

 

 

「…【玉犬】が?」

 

 

ユノが自分の影を見ると、『式神』達が見ているのだと思った。

 

 

「大丈夫。シャドウが否定したって、アルファ達が怯えたって、私が肯定する。

私は逃げないよ。」

 

 

リリムが微笑みながらそう告げる。

そして、彼女の言葉に対するユノは衝撃を受けた顔をしていた。

 

「………俺は。」

 

 

ユノはリリムの顔を見て、彼女の父が語った事を思い出す。

 

 

 

『頼む…娘達を…我等の宝を…守ってくれ…!

其方のその力があれば…!』

 

 

『…否、其方のその力は…この『呪われた世界』を…祓う力だ…!

優しく…正しい…強き者よ……頼む…!』

 

 

 

(…あの人は言った、俺の力がこの世界を呪いを祓う力だと。

嗚呼、そうか…それが俺の、この世界で成さなきゃならない使命。そして…)

 

 

ユノはリリムを見て…決意を固める。

 

 

「…お前の言った通りだ、リリム。

俺は誓うよ。俺はこの世界を呪う…『ディアボロス教団』という『呪い』を祓う。

そして…お前を、お前達を守る。」

 

 

「ユノ…!」

 

 

「あぁ…約束だからな。

お前を守るって…親父さんと約束したからな。」

 

 

「…!! う、うん。」

 

 

夕陽によってなのか、輝くユノを見てリリムは顔を赤らめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユノが決意を固めて…数週間が経った。

 

 

「よっと!」

 

 

シドは『影の刃』を躱わす…が。

 

 

「捕まえろ───【大蛇】!」

 

 

【大蛇】の掌印で地面から顕現して、シドを噛みついて捕らえた。

 

 

「おお!!」

 

 

「─── 【鵺】!」

 

 

ユノは次に【鵺】を顕現して、雷を纏った体当たりをしてシドを攻撃する。

突然、シドが対抗しようとするも【大蛇】の毒によって、魔力を乱し、筋力も麻酔もどきの毒で弱らせている。

 

 

(…自分の力を訓練でも使うと決めたが、アルファ達相手には『呪力』を使う訳にはいかないから、シド相手にしか使わない。

コイツがゴチャゴチャと駄々をごねてきたが無視した。

ゼータのお陰で、色々と吹っ切れたお陰で色々と分かったよ。)

 

 

一つ、呪力で魔力を乱す効果がある事。

 

 

ペトス()が使ったガスを受けた故、呪力で妨害して『魔力操作』を乱す事が使ってて分かった。)

 

 

二つ、『黒閃』は狙っては出せない。

 

 

(まぁ、コレに関しては呪術●戦でもそういう仕組みだった。

…デルタには申し訳ない事をしたな。)

 

 

その訳はデルタがユノを見下した発言に、等々ゼータがブチギレて喧嘩となった。

ユノは気にしてなかったけど、デルタがユノに勝負を申し込んだ。

その理由はユノを倒せばアルファよりも偉く、No.2になれると思ったからだ。

まぁ、ゼータとアルファから全力で潰せと笑顔で圧をかけられて、渋々勝負を受けた。

 

無論、デルタ相手に本気でやらないと負けると思ったユノは全身とスライムキャリバーに呪力を流した。

※スライムキャリバーはスライムに『魔力』と『影の刃』を合わせた形態。

 

そのスライムキャリバーで本気で斬り込むとするも…

運悪く、呪力が走った。

それ故に、《黒閃》が放たれようとしたのを肌で感じたのだ。

デルタに一閃が当たる前に直ぐに軌道を外したお陰で、デルタには直撃せずに放った先の木々が雷が落ちたような衝撃で吹き飛んだ。

 

その光景にアルファ達は驚愕し、デルタは…

 

 

 

『…何コレ?』

 

 

『服従の態度ね。』

 

 

 

デルタはシャドウに会った時と同じ態度を示した。

これにより、デルタはユノの言う事を聞くようになった。

 

 

「ユーノー! 『影の能力』を使うのズールーいー!」

 

 

「聞こえなーい。」

 

 

そう言いつつも、シドはスライムを小さな矢として放った。

 

 

「─── 《影化》。」

 

 

ユノはそれを《影化》する事で攻撃をすり抜けさせた。

 

最後に三つ目、シドは『影の能力』に嫉妬していた故にあまり使わせないようにしていた部分があった。

 

 

(気持ちは分からなくもないし、素の身体能力を上げるのも大事なのは分かるが…流石に腹立ったな。)

 

 

シドはもし自分に『影の能力』があったとしたらと聞いたら…

 

 

 

『え? 使うに決まってるじゃん。』

 

 

 

ユノは「何言ってるの?当たり前じゃん?」的な顔をするシドに腹が立ち、その場で思いっきり蹴った。

 

 

(…さて、アイツがこのまま負ける訳ないから、仕掛ける。)

 

 

ユノと『式神』達は意思疎通が出来ている。

だから、声にせずに行動に移せる。

 

【鵺】の体当たり後に【大蛇】が地面に叩きつけるようにシドを吐く。

 

 

「おっ、反撃が読まれたか。」

 

 

「付き合いが長いんだ、感覚で分かる…っ!」

 

 

ユノはスライムキャリバーで呪力の纏った一閃を放つ。

 

 

「甘いね!」

 

 

シドも負けずと、乱される状況でも貯めていた魔力をスライムソードに乗せた。

 

 

「「…!!」」

 

 

二つの強大な力が衝突した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、そこまで。」

 

 

アルファが二人の元…ユノが尻を地に付け、シドは地に立っていた。

 

 

「勝負はシャドウの勝ちかしら?」

 

 

「いいや? 引き分けだね。

この状態でも、ユノは巻き返そうとするから。」

 

 

「そうね。」

 

 

「…クソッ、またお前を見下ろせなかった。」

 

 

「いやいや、でもかなり危なかったよ。」

 

 

今のユノの目的はシドを見下ろす事である。

それは一度、正体がバレる時に負けたからだ。

ユノは内心根に持っており、訓練でもそれを果たすために本気で挑んでいた。

当然、シドはそれに気づいており、本気で戦っていた。

 

 

「もう一戦する?」

 

 

「…いや、止めておく。」

 

 

「ん、そうなの?

じゃあ、剣か武術の訓練やる?」

 

 

「いや、そろそろ新しい『式神』を調伏する。」

 

 

ユノの言葉に全員の視線を浴びる。

 

 

「へぇ、それは是非見たいね。」

 

 

「…そんな興味あるか?」

 

 

「───うん、興味ある。」

 

 

シドの言葉に上乗せする様に言うのは一週間前に新たな仲間となった眠そうにしてる赤紫髪エルフの『イータ』。

 

 

「おう…そっかそうか。

後、ごめんだけど、身の危険を感じるから離れてくれ…。」

 

 

「しくしく……フェイカーに…嫌われた。」

 

 

「嫌ってないから。

どうしてもってなら、そのスライムの拘束具を解除しなさい。」

 

 

「……ちっ!」

 

 

そう、彼女を一言で言うならマッドサイエンティスト。

ユノの『影の能力』と『呪力』に興味津々で何度もユノを実験台にしようと襲っている。

 

 

「はいはい、イータはそこまでにしなよ。」

 

 

「…出た、ゼータママ。」

 

 

「ママじゃないよ。」

 

 

「…保護者な…所は…変わらない。」

 

 

「イータの行動を考えればそうなるよ。」

 

 

「私も…フェイカーの…お世話…するよ?」

 

 

「フェイカーを実験に襲わなければ、一緒に構わないけど?」

 

 

「…ちっ。」

 

 

「また舌打ち。」

 

 

イータはこの様な態度をとってはいるが…イータを保護したのはユノとゼータである。

だから、本心ではユノとゼータに感謝している…筈。

 

しかし、規格外な存在であるユノに興味津々しすぎて度が過ぎてしまうのだ。

 

 

「仕方ない…今度は…マスターを。」

 

 

「僕もヤダよ。」

 

 

因みに、当然シドも実験したい対象である。

 

 

「…さて、そろそろやるか。」

 

 

調伏の儀のルールはある程度説明している為、皆は距離を置いた場所で見守る。

説明した時、シドは…

 

 

『えー? 僕は見てるだけー?』

 

 

…っとつまんなさそうな反応をしていたとか。

 

 

「さて…やるか。」

 

 

ユノは瞳を閉じて、ユノの精神世界(影の世界)にへと意識を向ける。

そこで封印されている『式神』の掌印を結び、顕現させる。

 

それは───()()()()

 

ズズズズッッ!!

 

封印されていた 『式神』が姿を現す。

 

ブオォォォォォンッッ!!

 

凄まじい咆哮を放つ4メートルを超える巨大を持つ【満象】が顕現した。

 

 

「デカい…!」

 

 

「しかも凄い威圧感…!」

 

 

満象を見たアルファ達は驚いていた。

 

 

「行くぞ…!」

 

 

ユノはスライムキャリバーを持って特攻し、渾身の突きを放った。

渾身の突きが効いたのか、満象は悲鳴を上げ、直様ユノを鼻で叩き上げた。

 

 

「ぐお…っ!」

 

 

ユノはスライムで防御をするも、パワーが強く、衝撃を受けて空に飛ばされる。

 

 

「何て力なの…!?」

 

 

「あの攻撃凄いパワーなのです!」

 

 

ガンマ達が満象の怪力を目の当たりにしてそう呟く。

 

 

(分かってはいたが、想像以上のパワーだな。

…だからこそ───調伏しがいがある…!)

 

 

ユノは不敵に笑い、掌印を結ぶ。

 

 

「───【鵺】。」

 

 

宙の中でも『式神』は召喚可能で、ユノは焦らずに【鵺】を呼ぶ。

 

 

「特攻しろ!」

 

 

ユノはスライムキャリバーに『呪力』を集中させながら【鵺】に指示して特攻していく。

 

しかし、満象は地上から水砲を長い鼻を立てて放出して来た。

 

 

「…!? んな事が出来んのか!!」

 

 

ユノは連続で放ってくる水砲に驚きつつも、満象の元まで来た。

 

 

「おぉぉぉ!!!」

 

 

下降中に『呪力』の気合いを入れた一閃を放った。

だが───

 

 

「くっ…《黒閃》が発動しなかった…!」

 

 

《黒閃》は現象だ。

放とうとして放てるものでは無いのだ。

 

しかし《黒閃》とまでいかなくても、重い一撃を受けた事により、満象は暴走気味に暴れ出す。

 

 

「お、暴れる気だね?」

 

 

「あの巨体で暴れたら…!」

 

 

アルファがユノの身を案じるも…

 

 

「大丈夫だよ、ユノなら。」

 

 

ゼータはユノなら大丈夫だと確信していた。

 

 

「やけになったか。

ならば─── 【玉犬】!」

 

 

ユノの影から【玉犬】を顕現させる。

 

 

「同時にやるぞ!」

 

 

ユノの指示に【玉犬】は吠えて応じる。

【玉犬】と同時に攻撃を行うのは《黒閃》が自在に出せない以上、それに匹敵する大技を直ぐに放つにはこの手しかないとユノは判断した。

 

 

「─── 《影斬〝七連〟》!」

 

 

スライムキャリバーと六つの『影の刃』の『呪力』が籠った七連撃と【玉犬】の凶々しい爪の攻撃が【満象】にへと放たれて───

 

ドオォォォォンッッ!!!

 

大きな巨体が地に倒れた。

そして…【満象】がユノ影の世界にへと誘われて、【満象】の銅像が形成された。

 

 

「よし。」

 

 

ユノは勝利を確信し、側による【玉犬】と【鵺】を撫でて影に戻し…

調伏出来たかの確認をする。

 

 

「─── 【満象】。」

 

 

ユノは【満象】の掌印を結んで顕現させる。

 

ブオォォォォォンッッ!!

 

影から元気よく【満象】が顕現した。

 

 

「調伏完了。」

 

 

ユノが駆け寄って来るゼータ達にニヤリと笑って見せた。

 

 

 







・自分が思うに、シドくんが『十種影法術』を得た場合、能力を使う場面って日常生活と金儲けとカッコつける時で、戦闘では基本剣と体術メインになりそう。
『式神』達は自分達にやらしてくれってゴネるイメージがありますね。
…まぁ、物語上ではシドがユノに嫉妬して印象悪くなってはいますが、それだけで無くちゃんとした理由で能力頼りにならない様に手配しての言動なので、ここで補足。
ま、嫉妬も紛れもなく大きいです…はい(笑)


・陰実の世界って、象っていますよね?
流石に認識はあるよね?
…とまぁ、今回はユノ決意と調伏の儀で終わりました。
実は今回で『陰と影の実力者』の調伏の儀はこれで終りょ…いや、正確には『アイツ』以外の調伏の儀はやらないです。
でも、他の【虎葬】【円鹿】【貫牛】は調伏済みでこれから出して行くつもりですので、ご安心してください。
一々、調伏の儀をしていたら物語が進まないので。


・次回、『クレア誘拐』
決意を固めて着実に強くなってきたユノ。
その中、アルファやゼータ達の様子が…その中でクレアが誘拐!?


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