未知なる生物がいると断言されて、吸血鬼の俺は怯える。 作:ブラックマッハ
吸血鬼はいると信じる人はいるだろうか?
その問いに「イエス」と答える人は、1割程度しかいないはずだ。
外国とか遠くにいるのではと思う子供も少しはいるかもしれない。
だが吸血鬼は存在したと新聞に書かれたらどうする?信じるだろうか?
いやまず信じない。実在するのかしっかりこの目で確かめなくては信じられない。
ならばもし吸血鬼を実際に目で見たらどうする?
逃げる、驚いて動けないの二つに分かれるはずだ。
だが俺の友達はまず検証のために血を舐めてもらう。
舐めてもらってどんな変化が起きるか見るのが楽しみなのだそうだ。
そんな変わった彼女が5月、ゴールデンウィークを開けたくらいに転校してきた。
「私はヒビカです。未知なる生物にしか興味はありません。もし未知なる生物だと思う方は私と友達になりたくさんの実験をしましょう」
と笑顔で宣言した。
その狂った思考に我が生徒達はシーンとなり静かになった。
そして宣言した彼女は当たり前のように俺の隣に座り込んだ。
何故に。
未知なるものは俺だったと思っているのだろうか?
実際は……
「なぁ、まさか未知なる生物がこの学校にいると思うのか?」
「さぁ?それは分かりません。まだ何も検証をしていませんから」
「なんでわざわざ俺の席に座った?」
「貴方だけくだらない感じで私を見つめていました。まるで幽霊を見たかのような顔を」
へぇ、相当狂っているし、読みが鋭い。
「もし仮に俺が未知なる生物だった場合どうする?」
「その時はその時に言います!!」
と、顔を赤くして俺から視線を離した。
まるで恋をしている乙女のような顔であった。
そして3日後、彼女は問題を起こした。
「私が妖怪ですって?私は美しいの、分かる?妖怪みたいな風に言わないで」
「私に話しかけるってことは妖怪なのですか?そう聞いただけです」
まるで話しかけるには、未知な生物ではいけない条件が彼女の中にはあるらしい。
「なぁココハ、許してやれないか?俺が後はなんとかするから」
「いいわ。許してあげる。良かったわね感謝しなさい」
「上から目線なんですね。一般人が」
「煽らないでよ」
俺が抑えようとするが関心が向かない。
仕方がないと思い俺は自分の正体を彼女にいう決断をした。
「俺が吸血鬼です」
そう宣言すると運命かのような表情で俺を見つめた。
「吸血鬼って言われて何ときめいているの!いるわけないじゃない?吸血鬼なんて」
ビビカはココハを相手にせずに俺に壁ドンをした。
一切の躊躇がなかった。
俺はそれを見つめることしか出来なかった。