昔から仲の良かった女の子と終わってる関係になる話 作:トマトは後ろから呼んでもトマト
元々、この終わり方にする予定でした。
が、二つ書くことになったので、展開が終わってるこっちから書きました。
終わり この関係の終幕。満足していただけると幸いです。
朝のアラームが鳴っている。
止めないと。
そう思ってスマホを触ってアラームを止めた。
今日は日曜日。珍しく仕事も入っていない。
飛び込みでお兄さんの家にでも行こうかな。
そんな事を寝ぼけた頭で思った。
目を擦りながら、スマホを見る。
すると、そこには。
お兄さんからの連絡があった。
思わずすぐにその連絡を開いてしまう。
そこには
こう書いてあった。
この関係は終わりにしよう。シラ。この関係は余りにも不健全で、余りにもリスクが高すぎる。これから君は歌手として、もっと素晴らしく、そしてもっと輝くことが出来るだろう。
俺はその足かせにはなりたくない。本当にごめん。あの時、きちんと拒絶しなかったからこうなってしまった事を心の底から謝罪させてくれ。
君は強い。俺なんかよりずっと。君ならば間違いなく失恋から卒業できる。君がより高みへと羽ばたけることを願っている。
…は?
シラは思わず、スマホを手元から落としてしまった。
スマホが大きな音をたてて転がっていく。
それを気にすることもできない。彼女は放心状態だった。
朝日が差し込む中、絶望と怒りの気配がこの部屋を蝕んでいく。
…ギリッ
歯ぎしりの音が部屋に響く。
部屋の持ち主が正気を取り戻す。いや、取り戻したのは正気ではないかもしれないが。
少なくとも、彼女は納得できていないようだ。
苛立ちを隠さず、少しひびが入ってしまったスマホを乱雑に拾いなおす。
そこには、どうしようもないほどの怒りが滲んでいた。
私は落としたスマホを拾う。
すぐにお兄さんに対して電話をかける。
返答なし。電源を切られてるみたい。
相変わらず、自分に都合が悪くなるとすぐにこういうことをする。
ふ…ふふ。 ふふふふふふふ…
そんな乾いた笑いが口から洩れてしまう。あの人がどういうつもりなのかは知らないが、こんな方法で私との縁を切ろうとしているなら余りにも愚かだと思う。
本気で。本当に私がこれで納得すると思ってるの?10年以上一緒に居るのに?
私が独りぼっちだった頃から一緒に育ってきたって言うのに?
こんなにも貴方に執着しているというのに?相変わらず、人の機微を見抜くのが下手な人だ。
ふざけないで。
この程度で諦めるわけがない。たかが、メッセージ程度で終わるほど、私はぬるくない。
私は認めない。
どんな結末であれ、私の最期を飾るのはあの人なのだ。
例え、貴方の同意がなかったとしても。
私が死ぬときは、貴方が一緒でなければいけないのだ。
その為に、こんな方法での別れを受け入れるわけにはいかない。
せめて、直接の話だけでも聞かせてもらわないと。
思わず、スマホを握りしめて、マネージャーからの連絡が来ていることに気づく。
けれど、それどころではない。めんどくさいのでスマホをマナーモードにしておく。
今、人生の一大事なのだ。その後の事は考える気分じゃなかった
苛立ちをはためかせ、外に出る準備をする。いつもだったらメイクをしていたかもしれないけど。
今日はそんなことをする気も起きない。帽子を持って、マスクをとって。
外に出ても目立たない格好に着替えて。朝食も取らずに準備をする。
家の引き出しに入っている彼の部屋の合鍵を引っ張り出す。
最後に会ってからまだ一週間ちょっとしか経ってない。それならば、もしお兄さんが家を捨てていたとしても彼の痕跡が家に残っているはずだ。
それに、手続きの事を考えたら間違いなく最近まであそこには留まっていたはず。
そこから辿ろう。見つけ出して、きちんと責任を果たしてもらおう。
もしそこで、改めて拒絶されたなら。
その時は、その時だ。
そうして、私は最寄り駅まで早歩きで向かい始めた。
苛立ちと、怒りを一所懸命に抑えながら。
電車に乗り込む。今日は日曜日で、いつもよりは混んでいなかったが、それでも人はいる。
人にも揉まれていると、少し落ち着きを取り戻してきた。
怒りに包まれていては冷静さを失ってしまう。落ち着いて現在の情報を精査するべきだろう。
空いていた座席に座りながら、私は少し考える。
なぜ、あの人がここまで急に私との関係を断とうとしたのだろう?
少なくとも、あの人の決断力では自分から決断することは不可能に近い。というかあり得ない。
あれだけ一緒に居るのだから、あの人の事は、あの人以上に分かっているつもり。
あの男に自分での決断は無理。そうじゃなきゃここまでの関係にはならない。
何かきっかけが必要のはず。
彼自身が決めたわけではないとすると、何かしらの外的要因があったと考えるのが自然だ。
…恋人さんにバレたか。
にしたって、恋人さんも随分と寛容だ。
普通だったらこんな風に浮気されてたら、彼を許すんじゃなくてこっぴどく振る方が自然だと思う。少なくとも、私はそっちの方が望ましかった。
その為に、結構痕跡は残しておいたんだけど。無駄に終わってしまったみたい。
まぁ、それはそれとして。落ち着いた頭でお兄さんから来たメッセージを反芻する。
なんだか違和感があるような気がして。
もう一度メッセージアプリを開いて、彼から来たあの腹立たしいメッセージを確認する。
正直あまり見たくはないけれど。そうして、じっと眺めていると。
彼のこのメッセージからは清々しさすら感じられるような気がしてきた。
あの人、別れ話にそんなこと感じるようなタイプではないと思うんだけど。
だいたい、私と別れることに清々しさとか感じるかな。私と恋人の板挟みはつらかっただろうけど。
…あの恋人さんが代わりに送ったとか?
いや、そうだとすると送信時間がおかしい。時刻は大体丑三つ時。そんな時間に別れ話なんかするだろうか?
それに、少し前のコンサートであった時は私が浮気相手だと気づいている節は全く見せてなかったし…わざわざ最前列を予約するってことはRASIの大ファンなのは間違いない。
それを踏まえると、この冷静すぎるメッセージは奇妙な気がする。
…考えれば考えるほど、分からなくなってきた。
彼の最寄り駅まではあと30分ほど。三十分でこのメッセージの真意にたどり着けるとは到底思えなかった。
…やめた。送られたメッセージの違和感について考えるよりも、彼を言いくるめる方法を考えるべきだろう。あの人、押しに弱いから、まだ私にもチャンスは残ってるはず。
少なくとも今、そう考えていないと私の精神がどうにかなってしまいそうだから。
電車が彼の最寄り駅の名前を告げる。
椅子から立ち上がり、ドアを通る。
考えるのは終わり。行動に移すとしよう。
彼の家までの道のりを順当に歩いていく。
心臓がバクバクなっている。落ち着いて、落ち着いて。
彼より有利に立たなければいけないのだ。 優位に立つ方法はいろいろあれど、大前提として思考することが必要不可欠なのだから。
アパートの階段をゆっくり、一段ずつ登っていく。
一段登るごとに、心臓の高鳴りを感じる。
全てが終わったわけではないのだ。今から挽回することが出来るはず。
そう自分に言い聞かせながら、階段を登りきる。
そうして、彼の家のチャイムを鳴らし、声を掛ける。
あぁ、はたして今。私はどんな顔をしているのだろう?
緊張と、あの人に対する執着でいっぱいの頭では、自分の顔すらも制御できているか怪しかった。
そう思いながら、待ってみるけれど。
…でない。
もう一度鳴らしてみる。
…やっぱりでない。
もしかして、既にここから逃げているのだろうか。
緊張が一気に冷めていく。
まぁ、それならそれで構わない。
合鍵を使ってお兄さんの部屋から、彼がどこにいったのか調べればいい。
ドアノブに手をかける。
なぜか、ドアは開いていた。
…?あれ、おかしいな。
いつもあの人、鍵を閉めているのに。
奇妙に思いつつも扉を開けて、中に入る。
漁るよりも先に、鍵を閉めて。
リビングに入ると。
宙づりの、お兄さんがそこにいた。
『え、あ。…え?』
部屋に少女は立ち尽くす。声すら出せない。この光景に固まっているようだ。
『あ、あぁ。そ、そうだ。お、おろさなきゃ』
だいぶ長い間放心していたが。暫くすると。
ハッとした様子で、フラフラとした足取りで、宙づりになった男に近づく。
しかし、降ろせない。彼女の身長では紐の部分に届かないようだ。
椅子を使えばいいはずだが、混乱する彼女にそれを言っても無駄だろう。
『お兄さん…?おーい。ねぇ。大丈夫?』
何も映っていない、真っ黒な瞳でシラは言う。男は返答を返さない。
『ねぇ?生きてる?生きてるよね?生きてるって言って!?』
『ねぇ!ねぇってば!』
少女の精神は次第に先ほどの衝撃から戻ってくる。
そして、その反動のように涙を流して男に必死に呼びかけ始めた。
だが、届くわけもない。
既に男が動かなくなっているのは誰の目に見ても明白だった。
しかし、その事実を認められないのか、それとも混乱しているのか。
シラは宙に浮かぶ男に縋りつこうとする。
そして、シラの手が浮かぶ男の手を掴んだ。
『ねぇ!…あ、つめたい…』
『手が…冷たい…』
シラがつかんだ手を振りほどき、先ほど掴んだ男の手が冷たかったことを繰り返し呟く。
冷たい。冷たい。
彼女の想いは、冷たい男には届かない。
彼女の想い人は、冷たい人になってしまったのだった。
『あ、あぁ…』
『そんな、そんな…』
シラは宙に浮かび、動かなくなった男の前でへたり込む。
カーテンの隙間から刺しこむ光が、彼女を照らしていた。
私は、何を間違ったのだろう。
…全て間違っていたのだろう。それは、疑いようのない事実だ。
それでも、構わないと。愛する人を取り戻せるならそれでもいいやと。
最期にあの人の目に映るのが私で。
私の目に映るのがあの人なら。何でもいいと。
そう考えて行動していたはずなのに。
結局、あの人は先に行ってしまった。
一人で、私より先に。
『私のせいだ』
『私が、お兄さんを…』
思ったことが口から出てくる。
彼を追い込んだのは私なのだ。
彼の優しさと優柔不断なところに付け込み、結局彼は終わってしまった。
『は、はは』
『あははは!!』
目の前で浮かぶ彼を見て、思わず乾いた笑いが出てくる。
本当に、自分が嫌いになってしまう。
『は…はは。…はぁ』
笑って、少し落ち着いたから、キッチンに向けて歩みだす。
実際、どんな終わり方が一番苦しいのだろう?
愛する人を追い込んだ私には、どんな終わり方が相応しい?
それは分からないけど、取り合えず今思う一番苦しそうなやり方でやることにする。
キッチンについて、調理道具を取り出す。
そうして、彼の前に座って。
思い切り、強引に、自分の体にねじ込んだ。
『ッ…ァ…痛ァ…』
激痛が走る。中身がどんどんと流れ出ていく。
横になって、痛みに耐えながら必死に目を瞑る。
きっと、彼はもっと苦しかったはずだから。
あの人に苦しみを与えたぶん。私も苦しまないと。
叫びたい気持ちを抑えて、じっと時間が経つのを待っていた。
時間はどんどんと流れていく。
私が横になっていったいどれくらい経ったのだろう?もはやそれすらも分からない。
あぁ、意識が遠くなっていく。目がチカチカして、最期の走馬灯が見え始める。
最期の走馬灯に包まれて、思い出に浸りながら。
『もし…昔に…私から告白してたら…変わったのかな』
最期の最期に、そんなうわごとが流れ出た。
一方その頃。男の恋人は。
パチリ、そんな音が鳴ったかのように目が覚める。
時刻はもう既に9時を回っていた。
仕事がない日はこれくらい寝てしまう。
彼は、決断をできたのだろうか?
スマホを掴んで、中を見ると。
彼からのメッセージが来ていた。
けれど、そこには。
『すまない。やはり俺は君と付き合い続けることは出来ない。浮気をしてすまなかった。勿論、浮気相手の彼女とも別れることにしたからそこは安心してほしい。君なら俺以上に良い人を見つけることが出来るはずだから。君の未来に幸あらんことを』
とだけ書いてあった。
…はぁ?
いや、なにこれ。
そこには、私が考えていたようなメッセージとは全く違うメッセ―ジが来ていた。
…どういうつもりなのだろう?
これは余りにも礼儀がなってなさすぎる。
せめて口頭で言いなさいよ!
そんな事を思って、すぐに彼に電話をかける。
どれほどコールしても、彼は電話に出なかった。
『最悪…』
思わず思った言葉が口からそのまま出てしまう。
振られるとは思っていなかったのもあるけれど。それでも最低すぎるでしょ。
こんな事をされて納得できるわけがない。
彼の元に行って問い詰めてやらないといけない。
確かに彼は私に対して最低な事をしたけれど、私はそれを許しているのだ。
その話を聞かずに、一方的に別れを告げられても困る。
苛立ちで茹った頭のせいで、すぐに行動に移しそうになる。
けれど、落ち着いて一回深呼吸をする。
取り合えず、顔を洗って朝ご飯を食べよう。
そして、もう一度電話をかけて、それでも出なかったら家に行くことにする。
怒りに支配されては、考えるべきことも考えられなくなってしまうから。
そう思って、私は朝の準備を始めた。
朝食を終えて、気が付くと既に11時ごろ。
メッセージにも既読がついた様子はなし。
もう一回彼に電話をかけてはみるけれど。
…やっぱり出ない。あの男…!
今までは面白いからという理由で放任してあげたけど、さすがにこれは私でも怒る。
外に出るためのラフな服を引っ張り出して、すぐさま外出の準備をする。
薄めにメイクをして、さっさと彼を問い詰めに行こう。
電車に乗って、彼の家まで向かい始める。
日曜日の昼。あまり人は乗っていなかった。
席が空いていたので座って、少し考え始める。
彼の罪悪感に愉悦を感じてはいたけれど、まさか別れを切り出されるとは思っていなかった。
そんな事を思いつつ、彼からのメッセージを見直す。
…なんかこれ、恋人に向けた別れを切り出すメッセージっていうよりも…
いや、まさかね。
一瞬浮かんだ嫌な考えを慌てて他の思考で塗り潰す。
もしそうだとすると、私が…
いや、いや。そんなわけがない。
さすがにそこまで彼だって愚かではないだろう。それでは余りにも後先を考えてなさすぎる。
彼の家に行けば、必ず彼が出迎えてくれるはずだ。
脳裏に浮かぶ嫌な考えを必死に振り払う。
こういう時はRASIの音楽でも聞こう。そう思って。
イヤホンを取り出してスマホに繋ぐ。こうでもしないと、落ち着いていられなかった。
そうしてしばらく待っていると、電車の到着を知らせる音声が流れる。
あぁ、もう着いたんだ。降りないと。
そう思って、私は音楽を聴きながら、日曜の真昼に恋人の家に向かって歩み始めた。
彼のアパートにつくまでは、そこまで時間はかからない。
いつも通りに、アパートの階段を上り、彼の部屋のチャイムを鳴らす。
…反応なし。居留守かな?
もう一回鳴らす。
…反応なし。よし、決めた。お邪魔させてもらおう。
彼が戻ってくるまで、この部屋で時間をつぶそう。
私はそう思い、彼からもらった合鍵を使うためにドアノブを握る。
なんてことなく、普通に鍵は開いた。
部屋の中に入り、鍵を閉める。
すると、その直後になんだか変な匂いが私の鼻を突いた。
…なにこれ?
そう思いながらリビングまで歩いていくと…
とても若い女性が、腹から血を流して倒れていた。
『ひっ…!』
思わず、驚いて。尻餅をついてしまう。
そして、尻餅をついた先には。
宙に浮かぶ私の恋人がいた。
『…え』
男の恋人は、一言だけ言葉を発し、動かなくなる。
声を上げようとしているようだが、声すら出ていない。
口を開いては閉じてを繰り返すだけだ。
彼女はこの状況に霹靂することしかできない。
しかし、時間がたつと同時に落ち着きを取り戻してくる。
『…ちょっと待ってよ。まさかほんとに…』
『あの、お二人さん?これって、ドッキリだったりしない…?』
『凄い、趣味の悪い…』
女性はそんなことを口にするが、当然二人は動かない。
そして、その直後。女性が何かに気づいたようだ。
『…!?え!?ちょっと待ってよ!貴方って…』
倒れているシラに男の恋人が近づく。そして、髪の毛を上にあげて、シラの顔を確認する。
『…あ、え。どうしよ…これ』
『え、これもしかして私のせい?』
『あの時、きちんと彼を問い詰めてたらこんなことにならなかったんじゃ…』
女性が、一人でぺらぺらと喋り始める。
どうやら、今ここで起きている事の衝撃に脳のキャパシティがオーバーしたらしい。
彼女の思考が、悪い方へと傾き始めてゆく。
私は一人、立ち尽くす。
二つの死体の真ん中で、血の乾いたカーペットの上で。
考えが、頭を回り始める。
目の前には、宙に浮かぶ恋人。
そして、何故か腹を貫いて冷たくなっている大好きな歌手。
二人の間で立ち尽くす。
混乱する頭の冷静な部分が言う。
恐らく、私の恋人の浮気相手はRASIだったのだろうと。
もし、彼が昔からRASIと知り合いだったのなら、今まで分からなかったことに全て辻褄が合う。
浮気を始める前の彼から、浮気しそうな女の子の影が全くなかったのは、彼が意図的にその子の話を今までしていなかったからで。
彼が前回のコンサートで見せたやけに焦燥した姿は、私と一緒に浮気相手のコンサートに行ったからだったのだ。
は、はは。
なるほど、納得がいった。納得がいったよ。
…納得がいったから何なのだろう?
人が2人死んでいるのだ。
私が奇妙な趣味に走ったせいで、二人も死んだ。
あの時、彼にきちんと説明を求めていれば。
この二人の関係はそこで終焉を迎えていた。
それなのに、私が趣味に走ったせいで、この関係は続いた。
そして、長い間板挟みにあって、限界を迎えていた彼の心は終わってしまった。
そして、後を追うように。彼の浮気相手であったRASIも終わってしまった。
なら、それは。それは。
『私が…殺した?』
あ、あぁ。そうだ。そうじゃないか。
つまり、私は。
二人も手に掛けたのか。この手を汚してはいなくとも。二人を終わりに追いやったのか。
私の、この悪辣な趣味が。このどうしようもない、目覚めてしまった悪癖が。
私の愛する人と。 私が大好きだった歌手を。
終わりに追い込んでしまったのか。
なら、なら。責任を取らないといけないね?
私も、この二人と同じように。終わらないといけないや。
男の恋人は、完全に発狂していた。この狂った状況と、自分が今までしてきた行動が、彼女の思考を大きく狂わせた。
もし、他の誰かがここにいたのなら、そんなわけがないだろうと。彼女を止めることが出来ただろう。
もし、この部屋に何もなかったなら。方法がない彼女は落ち着くことが出来ただろう。
しかし、ここには。彼女を終わらせるための物はたくさんあったし、彼女を止めるものは誰もいなかった。
男がもしもの時の為に、二人に宛てて書いた言伝は。
風に吹かれ、机の下に散らばっていた。
そして、誰も幸せになりはしない。
ハッピーエンドが好きな皆さんごめんなさい!
でも、終わってる話は、ゴミみたいな終わり方にしたかったんです!
許して!
二つ目の結末は、これよりもマシになるはずなのだ!
…はい。皆さんが石を投げるのをやめてくれたと信じます。
すいません。ほんとはこういう事あとがきにたくさん書きたかったんです。
ごめんなさい。
次回からは二つ目の結末を書こうと思います。
皆さんに楽しんでいただける事を心の底から願わずにはいられません。