ブロリーの家で充実した時間を過ごした星野一家。この日も連休という事で休日なのだが、家の中は仕事を休んでゆっくりする日とは程遠いひどく張り積めた空気になっていた。アイ、アクア、ルビーの三人が寝室の布団の上に座り込んで真剣な様子で話し合おうとしていたからである。アイは今朝起きてアクア、ルビーと共に朝食を済ませた後、家でのやることが終わって"大事な話があると言って二人を寝室に呼び寄せたのだ。最初はクエスチョンを浮かべていた二人だったが、今までにない程真剣なアイの様子に自ずと二人の表情も引き締まったものになっていた。
アクア「アイ、話って?」
ルビー「ママが呼ぶなんて珍しいね。」
アイ「・・二人に単刀直入に言うよ。アクアもルビーも・・ブロ君のこと好きでしょ?」
アクア・ルビー「「!!」」
アイ「・・やっぱりね。"何でわかったの"って顔をしてる。そんなの昨日、二人共ブロ君にくっついて赤くなってたよ!あの反応を見たら誰だってわかるよ。」
アクア(クソッ。隠しきれてなかったか。)
ルビー(ママに見抜かれるなんてどうすれば・・)
二人は言い逃れようとしたが、アイの目に浮かぶ黒い星を見て隠しきれないと観念したのか、覚悟を持ったように言った。
アクア「・・ああ、アイの言うとおりだ。俺はブロリーさんが好きだ。」
ルビー「・・私もブロリーさんのことが好き。愛しちゃったの。」
二人の返答を聞いたアイの表情はいくぶんか柔らかいものへとなったが、それでも雰囲気は変わらずに再び問う。
アイ「二人はブロ君のどこが好きになったの?私はストーカーから守ってくれて本当の愛も知れたからすきになったけど、二人はそれを知ってたよね?どうして?」
アクア「・・最初はアイにとって本当に危険な奴じゃないかを見極めるつもりだった。ナイフを持った相手を素手で返り討ちに出来る実力を持っているんだぞ。本当にアイが襲われたらたまったものじゃない。だから本当に安心できる相手だとわかったらアイを任せるつもりだった・・けど、嫌々でも抵抗せずにビデオ鑑賞に付き合ってくれたり、アイだけじゃなくて俺達も含めて守ろうと日々働いているのを見て、ブロリーさんがどれだけ本気で取り組んでるかわかったんだ。それを見たら自覚してしまったんだ・・」
ルビー「私もほとんどお兄ちゃんと同じ理由。その気になれば私達の拘束なんて簡単に振り払えるはずなのにじっと耐えて最後まで見てくれるところも、ライブの時にブロリーさんの分まで楽しませてくれたことも、それらを見てきて本当に私達を大切に思ってくれてるのかわかっちゃったら・・もう抑えられなかった・・」
アイ「・・なるほどね。二人の思いはよーくわかったよ。でもね、私はブロ君を誰よりも愛してる自信があるの。それはアクアにもルビーにも負けるつもりはないよ。」
ルビー「私も負けない。ママは強敵だけど引くつもりはない。」
アクア「俺もだ・・二人には負けないぜ。誰が最初にブロリーさんを振り向かせられるか勝負だな。」
ルビー「・・お兄ちゃんは難しいんじゃない?だってお兄ちゃんとブロリーさんだと同性じゃん?だいぶキツいと思うけど・・」
アクア「男だろうが同性愛になろうが関係ない。本気で好きなんだ。この気持ちに揺らぎはない。」
アイはアクアもルビーもブロリーに向ける気持ちが本当だと理解して呼んだ本当の目的について話し出す。
アイ「二人共、ブロ君への気持ちは一旦置いて、聞いてほしいことがあるの。」
アクア「聞いてほしいこと?」
ルビー「何ー?」
アクアとルビーも気持ちを切り替えてアイの話を真剣に聞く姿勢になった。
アイ「私達がブロ君への恋敵手であることには変わりない。だけどね、今は私達皆で協力するべきだと思うの。」
ルビー「私達ライバルなんだよ?」
アクア「そうだ。それなのに今は協力とはどういうことだ?」
頭にクエスチョンを浮かべる二人に対して、アイは一度呼吸を整えると理由と詳細を言い始めた。
アイ「今ブロ君は"苺プロダクション"に入社したばかりなのにもう皆が依存して信頼している程の活躍をしてるんだよ。社長もミヤコさんもブロ君を逃がさないって言ってるし、それに一番心配してるのはニノとかミネ達にブロ君を取られてしまうかもしれないってことなの。」
アクア「確かにあの時、他のメンバー達もブロリーさんの話題で盛り上がってたからな。」
ルビー「脈アリの可能性は否定できないってことだね。」
アイ「そう。それに他のメンバーだけじゃなくてライブに来てくれるファンの皆だったり、会場の関係者さんだったり、少なからずブロ君と接点を持ってる人は多いと思うの。アイドルの関係者が一般人と結婚するなんてよく聞く話だし、気づいたらブロ君が他の人と繋がってたなんてことも・・アリエルカラネ・・」
アイはそこまで言うと目のハイライトが消えてしゃべり方もあからさまに重々しいものになった。アクアとルビーはそれを見て引きつった顔をしていたが、どこか納得したようにも見えた。
ルビー「そうだよね・・何もライバルは私達だけじゃないもんね。」
アクア「ああ、つまり俺達で争っている場合ではないってことだな。だからアイはブロリーさんの恋愛感情が俺達の間で限定されるまで協力関係になろうと言ったんだな?」
アイ「そうだよ。二人はブロ君が誰かの恋人になるところを見てユルセル?」
アクア「ユルセルワケナイダロウ・・」
ルビー「絶対二ミトメナイシユルサナイ・・」
アクアとルビーももしもの未来を想像したのかアイと同様にハイライトが消えて重々しいしゃべり方になった。
アイ「だから今は手を組もう。ブロ君を私達のものにするために。問題はそこからだよ。」
アクア・ルビー「「ああ!/うん!」」
三人は決意を固めた顔つきになり、今は協力することで合意したのだった。
アイ(ブロ君・・)
アクア(ブロリー・・)
ルビー(ブロリーさん・・)
アイ・アクア・ルビー(((絶対二逃ガサナイカラ・・)))
ブロリー本人が知るよしもないところで三人は内心で重い感情を抱いて隣に住むブロリーにハイライトのない視線を向けたのだった。
―――――
一方、その頃のブロリーは久々に一人ゆっくりとしていた。
ブロリー「ッ、クション!」ポーヒー
ブロリーがくしゃみをすると同時に緑色の気弾が空の彼方へと飛んでいった。
ブロリー(反動でつい出ちまったな。それにしてもなんなんだぁ風邪か?いや、この俺が風邪などひくはずがない!誰かが俺の噂でもしてるんだな。フフフ!そうか、この俺に恐れおののいたか!どこのどいつかは知らんがな!ハハハ!)
ブロリーは飛んでいった気弾を気にする素振りもなく、引き続き自宅でゆっくりするのだった。
―――――
場所は変わってここはパラガスの家である。かつてブロリーも住んでいた古巣である。今ここでは相変わらず悟空やベジータといったお馴染みのメンバーがアイの過去のライブを見て飽きずに盛り上がっていた。
パラガス「はははははー!!いいぞぉ!今日もアイは輝いております。」
悟空「やっぱアイは可愛いなー!これからもどんどん応援して、最後にはオラの嫁にすっぞ!」
ベジータ「ダ二ィ!?カカロット!抜け駆けなど許さんぞ!アイは俺のものだー!パラガス!アイが住んでるところに案内しろ!」
パラガス「ゑゑゑ!?そんなの知ってるわけないだろぉぉぉ!!」
ベジータ「チッ、使えない奴だ。」
パラガス「理不尽でございます・・」
トランクス「アイさん、やはり最高にすごいアイさんとこの伝説のスーパーイケメンサイヤ人トランクスが結ばれることこそが最高すぎるんです!生活を共にしたい!」
悟飯「無理ですよ。アイドルですもん。」
パラガス「待て待て待て!カカロットにベジータ、お前達は既婚者だろぉぉぉ!!」
悟空「な~にいってんだ。アイがオラのもんになったら離婚すんに決まってんだろ。」
ベジータ「なんだとぉ!アイは俺のものだと言ったはずだ。貴様はうちに帰ってのんびりミルクでも飲んでやがれ。」
悟空「なんだとー!許せねぇ・・!」
パラガス「お前ら落ち着けぇ!それよりなんか近づいてるぞぉ!」
相変わらずの見事な茶番を繰り広げているが、そこにだんだんと近づく緑色の気弾があった。先ほどブロリーがくしゃみした際に出たものである。
パラガス「!まさかブロリーの気弾だと言うのか、もしそうだとしたら・・」
悟空「やべっ!逃げろっ!」
ベジータ「逃げるんだぁ!勝てるわけがない!」
パラガス「ひ、避難だぁ!」
トランクス「悟飯さん、逃げましょう!」
悟飯「無理ですよ。」
全員が逃れようと逃げ出そうとするが、気弾はもうすぐそこまで迫っていた。そして
ポーヒー ドオオオン デデーン☆
パラガス「ふぁ~はははは(泣)」
ベジータ「ぐわぉぉああああ!!!」
悟飯「ふぇぇああああ!!」
悟空「ぎゃあああああ!!」
トランクス「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」
それはピンポイントでパラガスの家に直撃し、お約束の爆発オチでそこには何もなくなったのだった。
自身のくしゃみでパラガス達が大変なことになっているとはブロリーは知るよしもないのであった。
パラガス達は次回以降何もなかったように復活してるので安心してください。