伝説のアイドルと伝説のスーパーサイヤ人   作:ツキリョー

21 / 30
前回からカミキヒカルの行動を書くナレーションでもどうしても敵対的な文章になってしまう。


遭遇する悪とお笑いサイヤ人

東京ドームでのライブが終わって数日が経過した。最後にアイがブロリーを思い人として紹介したことに、ネットでは壱護の予想通り賛否両論にわかれていた。否定的な投稿がある一方で擁護する声もあって、遂には"アイ"と"ボディーガード"がトレンド入りするほどに話題が持ち上がっていた。このネットの騒ぎを見た神木プロダクションの社長カミキヒカルは今、スーツ姿で通りを歩きながら思考を凝らしていた。

 

カミキ(大いに価値のあるアイの命をどう奪おうか・・?前に一人の大学生に殺らせようとしたときは、あのボディーガードに阻まれてうまく行かなかった。そしてアイが言ったように彼が隣に住んでいる以上は自宅で行動を起こすのはあまりにも難しいと考えていいだろう。そして同じ職場で働いているようだし、勤務先でもほぼ不可能だ。・・となると、アイを拐うしかないようだね。そのためには場所と人、それと武器となる道具達を集めないとね。)

 

快楽殺人鬼であるカミキの考えた作戦は消去法でアイを拐って反社の人間と凶器を揃えるという犯罪のバーゲンセールのようであった。しかし、これらを実行に移すには、沢山の費用と時間を要することは目に見えて明らかだった。

 

カミキ(問題は人員だけど・・特にアイと結ばれることに強い反感と殺意を持っている人を中心に集めるか。念には念を、体格は凄いから身体能力も高めなのだろうね。彼とアイが再開した直後に囲まれてどうすることも出来ずにまとめて滅んでいく・・ああ、なんて素晴らしいのだろう!)

 

しかし、ブロリーの持つ本当の力を知らないカミキは、自身が思い浮かべる理想的なシナリオにすっかりと酔いしれるのであった。両目に黒い星を不気味に光らせて歩いていき、とあるところでいきなり止まった。どうやら何か気になったものがあるようだ。

 

パラガス「ベジータ、カカロット、堂々と食い逃げしようとするとはどういうことだ!」

 

ベジータ「俺に指図するんじゃないぞ!腹が減ったから食い物を取った。ただそれだけの事だ。」

 

悟空「ああ、うまいもんを食いうまい酒に酔う。こんな楽しい生活はないぜ。」

 

パラガス「なんとか俺が金を支払っているからお咎め無しで済んでいるものの普通に犯罪だぞぉ!」

 

ベジータ「うるさい!俺はアイがブロリーと恋愛関係になることにイライラしてるんだ!命が惜しかったらでしゃばるんじゃない。だいたい俺はサイヤ人の王子だ。下級戦士ならつべこべ言わずに尽くせ。」

 

トランクス「父さん!駄目だ!それが父さんの一番の欠点なんだ!」

 

ベジータ「黙れぇぇぇ!」

 

悟空「でぇじょうぶだ。いざとなったら悟飯の責任にすりゃあいいさ。」

 

悟飯「お前なんかお父さんじゃない!」

 

悟空「なんだとー!?許せねぇ!」

 

パラガス「待て待て待て、こんなところで戦おうとするな!ベジータ、アイがブロリーと付き合うこともボディーガードになっていたことにも、俺も納得はしてないがそれとこれとは話は別だ!」

 

カミキの視線の先には、パラガス達五人のサイヤ人組が飲食店から出てきたところをとらえていた。

 

カミキ(・・ただの迷惑客のようだね。だけどアイのことについて何人か不満を持っているみたいだ。しかも、アイのボディーガードになった彼のことを知っている。へぇ彼はブロリーって言うんだね。覚えたよ。それに彼に何かにた雰囲気を感じる・・これは使えるかもね。)

 

カミキは早々に去ろうとしたものの、アイの話題については不満を垂れていたことを思い出して、ひょっとしたら自分の計画を進められるかもと考えて声をかけることにした。

 

カミキ「君達ちょっといいかな?」

 

悟飯「どちら様ですか?」

 

ベジータ「なんだ貴様?」

 

悟空「オラ達に何か用か?」

 

カミキ「さっきアイについての話が聞こえてきてね。もしかしてファンなのかな?」

 

パラガス「勿論でございます。」

 

悟飯「大ファンですよ。」

 

トランクス「僕もです。」

 

カミキ「そうなんだ。実は僕もファンでね。でもライブを見たときは僕も衝撃を受けたよ。まさかアイに好きな人ができるなんてね。アイドルとしてあるまじき行為だと僕は思うけどね。」

 

ベジータ「全くその通りだ!それもよりによって相手がブロリーだとぉ?ふざけやがってぇぇ冗談じゃない!」

 

悟空「今まで応援してたのになぁ。ダメダメで間抜けで嘘つきでクズで無様な伝説のスーパー馬鹿野郎のブロリーのどこがいいってんだ!」

 

悟飯「僕達の希望を奪ったブロリーを僕は絶対に許さない。」

 

トランクス「僕もそう思います。」

 

パラガス「ブロリー、お前は最早、俺の足手纏いだ。」

 

カミキ(・・見たところ、どうやらアイよりもブロリーの方にヘイトが集まってるみたいだね。・・少し聞いてみるとするか。)「皆も同じように思ってるみたいだね。ところでその相手のブロリーって知っているような口ぶりだけど何か関係あるのかい?」

 

パラガス「ブロリーは俺の息子です。」

 

カミキ「!なるほど、親御さんだったんだね。」

 

悟空「パラガス以外だと腐れ縁のような関係だけどな。」

 

カミキ(家族と来たか・・!これは想像以上に使えるぞ!いくらボディーガードとはいえ身内には手は出せないだろうから、僕にとって凄い抑止力になるぞ!あの大学生なんかよりも全然使える!)

 

カミキは話を聞いて、パラガス達が自分の計画の核になると確信し、交渉を持ちかけた。

 

カミキ「・・君達、さっきアイがブロリーと結ばれるのを許せないと言ってたね?」

 

ベジータ「当たり前だ。」

悟空「オラもだ!」

パラガス「勿論でございます。」

悟飯「僕も。」

トランクス「僕もそう思います。」

 

カミキ「ならいっそのこと、僕達でアイ(の命)を狙わないかい?あの発表ってファンである君達を蔑ろにして見下してたと証明しているようなものだからね。アイとブロリーの両方に怒りを思い知らせてやろうよ。」

 

ベジータ「ふっ名案だな。」

 

パラガス「いいぞぉ!」

 

悟空「乗った!」

 

トランクス「僕も賛成です!」

 

悟飯「凄いですね。」

 

カミキ「いい返事が貰えて嬉しいよ。じゃあ連絡先交換しておかないかい?詳しい事は追々伝えたいんだ。携帯出してよ。」

 

悟空「オラ携帯なんて持ってねえぞ?」

 

ベジータ「俺もだ。」

 

悟飯「僕もです。」

 

トランクス「僕も同じです。」

 

パラガス「俺は持っているぞぉ!」

 

悟空「いい!?」

ベジータ「ダニィ!?」

悟飯「ええ!?」

トランクス「嘘!?」

 

パラガスが一人だけ携帯を持っていることに他のサイヤ人四人が驚いていた。こんなサイヤ人のコントを見てカミキは苦笑いしていた。

 

カミキ(携帯を持ってないって・・この人達今までどうやって過ごしてきたんだろう・・?)

 

パラガス「お前ら勘違いするな?今までどうやって俺がアイのライブの情報を仕入れたと思ってるんだ?」

 

悟空「それでかぁ。」

 

パラガス「腐☆腐。さぁ連絡先を交換しようじゃありませんか。」

 

カミキ「そうだね。・・うん、登録できたよ。アイを手にかける日が楽しみだね。」

 

パラガス(んん?今こいつ・・こいつは信用しない方がいいな。)

 

カミキ「それじゃあまたね。」(ふふふ。良い人材を手に入れちゃったよ。アイ・・今度は失敗しないからね。)

 

カミキは人当たりの良い顔で手を振って別れを告げるとそのまま歩いていって姿を消した。そして残されたサイヤ人のうちパラガスは怪訝の表情を浮かべていた。

 

ベジータ「面白そうだ。」

 

悟空「ああ、オラもわくわくしてきたぞ。」

 

パラガス「お前達あいつをあまり信用しない方が良い。俺たちの目的はアイを手に入れることなのだが、あいつは最後"アイを手にかける"とこの世から消し去ることを前提に話していた。それに俺がブロリーの親であることを明かしたときも目の色を変えて俺を見ていた。これがどういうことかわかるか?」

 

トランクス「・・つまりパラガスさんがブロリーさんの父親であることを何らかの形で利用して、それでブロリーさんに手を出させないようにしてアイさんを殺害するつもりでしょうか?」

 

悟空「いい!?それじゃあ不味いじゃねぇか!」

 

ベジータ「アイを殺すだとぉ!?ふざけるな!」

 

悟飯「なんてひどいことをするつもりなんだ!」

 

トランクス「それは不味いんですよ!」

 

パラガス「心配することはない。逆に俺たちがこの状況を利用してやろうではありませんか!」

 

ベジータ「どういうことだ?」

悟空「オラにもわかんねぇ。」

悟飯「教えて下さい!」

トランクス「どういうことですか?」

 

パラガス「まず奴に協力する振りをして、ブロリーが奴らと対峙している間にこっそりとアイを救出するんだ。そして助けるために仲間の振りをしていたことと、ファンでずっと応援していたことをあさいざらい話してブロリーよりもよっぽど頼りになると証明すれば、アイは俺たちにときめくはずだというわけだぁ!」

 

悟空「パラガス、すげぇなぁ!」

 

ベジータ「パラガス、お前がナンバーワンだ!」

 

悟飯「パラガスさん凄い!」

 

トランクス「やはりパラガスさんはとてつもなく凄い。」

 

パラガス達はカミキの心理を見抜くことに成功し、逆に利用してやろうと意気込んで計画の当日が来るのを楽しみにするのだった。

―――場所は変わってここはアイの家である。そのリビングにあるソファーに深く腰かける男がいた。そう、何故かブロリーがいたのだ。ことの発端は、アイがドームライブで衝撃の発表をした日から社長命令でアイと同棲することを要請されたのだ。最初は断っていたブロリーだったが、星野一家は超絶ウェルカムモードでミヤコも賛成していたことから折れる形となって今に至るのだ。因みにアイとルビーは二人で食事を作っている。ブロリーも何かしようとしたが、断られて座っていたのだ。そしてその膝の上にはアクアが跨がって座っていてブロリーから借りた携帯とにらめっこしていた。

 

ブロリー「アクア、何調べてるんだぁ?」

 

アクア「・・おかしいと思ったんだ。どうしてただのファンが此処を特定できたのか。」

 

ブロリー「・・まさか俺達が出会った日の事を言ってるのか?そんなのアイが情報を漏らしたんじゃないのか?」

 

アクア「・・いや、アイは確かに抜けてるところがあるけど、出掛けるときは絶対に変装したりプライベートの情報はうまく隠してるからそんなことはあり得ないんだよ。」

 

ブロリー「ぷらいべーとってなんだ?」

 

アクア「簡単にいうと自分の時間って意味だよ。」

 

ブロリー「なるほど、それで秘密にしなければいけないことはしっかり守ってるってことか。」

 

アクア「そうだよ。社長も厳重に管理しているみたいだし、絶対に起こらないはずなんだよ。だから昨日こっそりアイの携帯を見たんだ、そしたら知らない男の名前が連絡先に登録されていた。」

 

ブロリー「そいつがなんだってんだ?」

 

アクア「俺はそいつが血縁関係上の父親じゃないかと踏んでいるんだ。アイは知らない人に住所を教えるほど間抜けじゃない。それに俺とルビーの子供の存在すらも知っていたんだ。アイが俺たちの存在を明かす相手、それはやはり身内としか考えられない。だから俺はその男が事件を引き起こそうとストーカーに住所を教えた黒幕だと思っている。」

 

ブロリー「アクア、天才か!?」

 

アクア「!///・・いや、これくらい誰でも・・///」

 

不意に好きな人から誉められたアクアは、赤面しながら謙虚に答えた。そしてブロリーはアクアが出した考えを自分なりにまとめた。

 

ブロリー「・・アクアの考えが合っているならば、居場所がバレてる限りまた何らか仕掛けてくるだろうな。」

 

アクア「うん、俺もその可能性は高いと思ってる。だからブロリーさんに相談したんだ。」

 

ブロリー「了解した。ボディーガードとしてこの情報は取っておくがいいだろう。」

 

アクア(やっぱりブロリーに相談して良かった。だけどまだ完全に同棲しているとは言えない現状、彼がいない場合は俺がしっかりしないと。)

 

アクアはブロリーのことをとても頼もしく思っている反面、いない時間帯に対して危機感を覚えていた。そして食事を作り終えたのかルビーが二人を呼びに来た。

 

ルビー「ブロリーさん!お兄ちゃん!ご飯出来たよ。」

 

ブロリー「了解した。」

アクア「ああ。」

 

ブロリー「アクア、さっきまでの話はここだけだ。」

 

アクア「!そうだね。アイとルビーを不安にさせるわけにはいかない。」

 

ブロリーとアクアは血縁上の父親を特定した話は二人きりの秘密ということで合意してアイ達のもとへと向かった。

キッチンに着くとアイが満面の笑みで二人を出迎えた。

 

アイ「二人とも来たね。早く食べよう!」

 

アクア「随分たくさん作ったな・・」

 

アクアの指摘通り、テーブルの上には他にもう食器の置き場が見当たらないほど沢山の料理で埋め尽くされていた。

 

アイ「えへへ!腕によりをかけてルビーと一緒に作ったらついはりきっちゃった。」

 

ルビー「ママとのお料理楽しかったよ。お兄ちゃんも参加すれば良かったのに。」

 

アクア「いや、俺にはやることがあったから。」

 

ルビー「もう!ママの誘いを断るなんてファン失格だよ。」

 

アイ「これでも売れてるアイドルだったんだけどな~?それより二人とも何の話をしてたの?」

 

ブロリー・アクア「「秘密だ/秘密。」」

 

アイ「え~、気になるよ。」

 

ルビー「私も気になる~。教えてよ。」

 

ブロリー「断る。」

アクア「無理だ。」

 

アイ・ルビー「「ムゥ~!」」

 

アクア「それよりもこの量、流石に四人でも消費しきれないんじゃないか?」

 

アイ「うーん、まぁ最悪ラップして明日のご飯にしても良いでしょ。」

 

ルビー「ブロリーさんに食べて貰えるって考えたらつい作りすぎちゃったよね。」

 

ブロリー「いや、ちょうど腹減ってたし行けるな。」

 

ルビー「え?本当に?」

 

ブロリー「ああ、旨そうだ。」

 

ルビー「良かった~。早く食べよう。」

 

ルビーに催促されて全員が席に着くと、食事の号令をした後に食べ始めた。しかし、実際に食べ始めたのはブロリーただ一人で、三人は両手に茶碗と箸を持ったまま視線をブロリーに向けていた。

 

アイ「ブロ君どう?頑張って作ったんだけど。」

 

ルビー「ママの作った料理だよ?口に合わないなんて言わないよね?」

 

アクア(アイの料理が不味いわけがないが、さぁどう答える?)

 

ブロリー「う・・」

 

アイ・アクア・ルビー「「「う?」」」

 

ブロリー「うめぇじゃねぇかこのやろう!こんな旨い飯は始めて食ったぞ!」

 

アイ「!本当!?良かった~!口に合わなかったらどうしようってずっと思ってたんだ。」

 

ルビー「当然だよ。ママが作ったんだもん!右に出る料理なんてないよ。」

 

アクア「お世辞抜きにしてもアイの料理はめちゃくちゃ旨いからな、こういう反応になるのも納得だ。」

 

三人はブロリーのリアクションに満足してアイは満面の笑みを浮かべてアクアとルビーの二人に至っては得意気になっていた。

ブロリーとアクアにより、事件を引き起こした元凶を突き止めたが、時同じくしてカミキも動こうと計画を企み、パラガス達もなんとかブロリーからアイを奪おうと画策していた。それは近々激突の時が迫ってる合図なのだった。




早くブロリーの戦闘描写を書きたい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。