伝説のアイドルと伝説のスーパーサイヤ人   作:ツキリョー

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今回はアイ達に視点を当てています。


拐われた伝説のアイドルと救助に向かう伝説のスーパーサイヤ人

休日出勤から帰って来て唐突に衝撃の事実を告げられたブロリーは、驚愕の大声をマンションに響かせるもなんとか落ち着きを取り戻してもう一度アクアに聞いた。

 

ブロリー「アイが拐われただと?詳しく話せるか?」

 

アクア「・・っ・・うん・・」

 

アクアは嗚咽こそ漏らしてないものの、涙を流して泣き続けていた。ルビーも嗚咽を漏らして泣きながらブロリーにしがみつく力を強くして引っ付いた。それでもなんとか言葉を振り絞って事の詳細を語りだした。

 

―――――

 

ブロリーが仕事で出掛けてから星野一家は日用品や食材の買い出しでショッピングモールへと来ていた。必要な物は買い終わったのかアイの持っている袋は膨れていた。

 

ルビー「やっぱりブロリーさんも来るべきだったよ。なんで社長はママがブロリーさんを誘った日に限って仕事なんて入れるかなぁ!?」

 

アクア「ルビー説明したはずだろ。今はアイにとってもブロリーさんにとっても大事な時期だと。」

 

ルビー「わかってるよ!わかってるけど腑に落ちないんだもん。」

 

アイ「まぁこういう日もあるよ。ブロ君と来れなかったのは残念だけど、お買い物は今日限りってわけじゃないからね。また誘えば良いんだよ。」

 

ルビー「・・うん。」

 

どうやらルビーはブロリーが今この場にいないことが不服のようである。アクアとアイがなんとか説得することでようやく大人しくなったのだった。

 

アイ「そうだ!時間もまだあることだし、そこにあるカフェでゆっくりしない?」

 

ルビー「賛成~。」

アクア「二人に任せるよ。」

 

アイ「決まりだね。二人とも何頼む?私は定番のオレンジジュースかな?」

 

ルビー「私キャラメルフラペチーノにする!」

 

アイ「お腹壊さないようにね。アクアは何飲む?」

 

アクア「俺はブラッ・・カフェオレで。」

 

アイ「渋いね。カフェオレね、わかった。」

 

アクア(危ない・・つい癖でブラックって言ってしまうところだった。前ブラック飲んだときは体がまだ子供の影響もあって非常に苦く感じて飲みきれずに残しちまったんだよな。年齢に合う物を頼まないと。)

 

三人はカウンターで、注文して各々の飲み物をもって空いている席に座った。キャラメルフラペチーノを頼んだルビーは一口飲むとたちまち笑顔になった。

 

ルビー「美味し~い!やっぱりこれに限るよ!」

 

はしゃぐルビーを他所に、アクアも優雅に一口飲むと"ほう"と息を吐いた。

 

アクア(良かった・・これならなんとか飲めそうだ。)

 

なんとか口に合ったようで安堵の表情を浮かべていた。その様子を見てアイは微笑ましくなっていた。

 

アイ(ルビーあんなにはしゃいで、アクアもまったりしててきゃわ~///ここに来て良かった。)

 

アイは二人を見て安心し、カフェに入ったことに大満足するのだった。しばらくカフェでゆっくりしてから自宅へと帰ることになり、席を立って会計を済ませるとショッピングモールを出て帰路に着いたのだった。

自宅のマンションに着くと、このマンションの住人の物ではない黒いボックスカーが止まっていて、窓に暗い下地を敷いて中の様子を見えないようにしてあった。見るからに怪しい車だが、三人は特に何も思うことはなく通り過ぎた。そしてマンションのエレベータに乗り、家がある階について扉に鍵を差し込んで開けたそのときだった。

 

ザッザッザッ

 

アイ「!!」

 

アクア・ルビー「「!」」

 

突如としてサングラスにマスク、そしてフード付きのパーカーを纏った見るからに怪しい集団がアイ達を取り囲んだのだ。アイは表情と体が強ばり、アクアは無意識にルビーを自身の後ろに隠していた。恐る恐るながらアイは尋ねた。

 

アイ「・・貴方達は何者?何か用ですか?」

 

「・・よくもまぁそんな白々しいこと言えるもんだ。」

「全くだ、ファンの皆をあんな形で裏切っておきながら。」

「思い人に加えて子供?どれだけファンを馬鹿にしたら気が済むんだ?」

「俺達に黙って好きな人をつくるなど貴様にはアイドルの誇りがないらしいな?」

 

その台詞で三人は集団がアイのファンであったことを察した。アクアとルビーの顔が強ばった。アイも見るからに狼狽えていた。

 

アイ「そんな・・ライブのときは皆認めてくれたのに・・」

 

「会場にいた奴らだけがファンだと思うなよ?」

「応援してたんだけどな。こんな形で裏切られて絶望と怒りしか沸かねぇなぁ。」

「裏切り者には相応の罰が必要だよな?」

「俺達は違う。許さん!」

 

不審者の集団はサングラスとマスクで表情こそ見えないものの、低い声のトーンで完全に怒りを抱いていることは明らかだった。ジリジリと距離を縮めていき、一人がかけ声を出した。

 

「やるぞ。」

「「「「「おおおおお!」」」」」

 

アイ「きゃああああ!!?やめてぇ!!離して!!」

 

一人の合図と共に集団が一斉にアイに襲いかかった。一人が手足を抑えて何人かは服の中から紐やロープ等の拘束具を取り出した。それに激昂したのはルビーである。

 

ルビー「汚い手でママに触るなぁー!!」

 

アクア「!ルビー!やめろ!体格――」

 

アクアが制止をかけようとしても時既に遅し、ルビーは不審者達を引き剥がそうとするが、四歳児の子供と体格がしっかりしてる成人男性ではどちらが力が強いかは明白であり、ルビーは簡単に振り払われてしまった。

 

「!邪魔をするなぁー!!クソガキ!!」バッ

 

ルビー「ぎゃっ・・!」

 

アクア「!大丈夫か!?」

ルビー「うう・・」

 

振り払われて地面に倒れたルビーにアクアがかけよった。ルビーは四歳児故の体が発する痛みに耐えるので精一杯で、アクアに答えることもアイの方を振り返ることも出来ない。

 

アクア(どうすればいい・・考えろ俺!ブロリーさんは仕事でいない・・かといってルビーや俺では体格差がありすぎて簡単に返り討ちにされる・・どうすれば・・)

 

アクアが必死に知恵を振り絞って考えるが、不審者の一人は考える時間も与えないようだ。引き剥がそうとしたルビーに激昂し、右手に刃物をもってにじり寄っていたのだ。

 

「アイドルは独身でないと許さん!なのに特定の相手とガキがいるのは当然殺されても文句は言えないということだ。」キラリ

 

ルビー「ひっ・・!」

 

アクア「!・・クソッ!」

 

アクアとルビーは先程までの威勢を完全に失ってしまい、今は自分達に向けられている刃物に震えていた。そして男が刃物を振り下ろそうとしたそのときだった。

 

アイ「やめて!!私が代わりになるから!もう抵抗も反抗もしないから!だからお願い!子供達には手を出さないで・・!」

 

アイが自らを囮にアクアとルビーを助けようと懇願したのだ。それは普段のステージでなら絶対に見せないような本心からの表情で言っていた。アイを拘束して取り抑えている男が二人に向かっていた男に声掛けした。

 

「おい。」

 

「・・チッ。ガキ共、命拾いしたな。」

 

男は渋々ながら集団の中に戻ると、取り抑えている男がアイに警告した。

 

「いいか?大人しくついてこい。少しでも抵抗したり歯向かったと俺らが判断したらガキ共を殺す。いいな?」

 

アイ「!・・わかっ・・た・・」

 

アイは恐怖に耐えながら連行され、ロープや紐で手足を拘束されると黒いボックスカーに乗せられた。

 

アイ(ひとまず子供は助かったけど・・何されるんだろう・・怖い・・ブロ君、助けて・・助けてブロ君・・!お願い、助けに来て・・!)

 

集団はアイを連れ去っていき、アイは恐怖に震えながら心の中で何度も何度もブロリーに助けを求めた。アクアとルビーはその様子を見届けることしか出来なかった。アクアとルビーは自分の非力さを呪った。

 

アクア(結局何も出来なかった・・アイが助けを求める表情をしてたのに動くことすらままならなかった・・!クソッ・・殺気を前にして怯んでしまった・・どうして俺はこうも力もなく情けないんだ・・!俺が恨めしい・・!)

 

ルビー(・・私、何やってんだろう・・普段からアンチとかに死ねとか言ってていざ危機にあったらこのザマって・・それどころかママが私の代わりになっちゃったなんて・・私が余計なことしちゃった・・自分が憎い・・!)

 

アクアとルビーは負の感情に苛まれながら本人達の無意識にとぼとぼと家の中に入った。

 

ルビー「お兄ちゃん・・ごめんね・・私が余計なことをしちゃったから・・」

 

アクア「いや・・お前は立派だった・・俺なんて立ち向かうことすら出来なかったから・・よく頑張ったよ・・」

 

ルビー「・・そっか・・これからどうしたらいいかな・・?」

 

アクア「・・とりあえずブロリーさんを待とう。この事を報告しよう・・」

 

ルビー「・・そうだね・・悔しいけど私達じゃどうしようもないし・・」

 

アクア(ブロリーさんはアイの為に仕事を取った・・不在だったとはいえ責めることは出来ない・・けど・・)

 

ルビー(ブロリーさんも仕方なく仕事に行ったんだよね・・でも・・)

 

アクア・ルビー((ブロリーさんお願い・・早く帰って来て・・!))

 

二人の心がシンクロしてブロリーの一刻も早い帰還を願ったちょうどそのときだった。

 

ブロリー「今帰ったぞ。ただい―「「ブロリーさぁん・・!!」」へぁっ!?」ボスッ

 

二人の願いが通じたかのようにドンピシャのタイミングでブロリーが帰ってきたのだ。今一番会いたいと望んでいる人物がちょうど現れて、アクアとルビーはどん底の中の一筋の光に縋る思いでつい飛びついてしまったのだ。そしてアクアから事の端末を聞き今に至るのだ。

 

―――――

 

アクアから詳しい話を聞いたブロリーは怒りに震えていた。半分はアイを連れ去ったその集団に対してであり、もう半分は自分への怒りだった。

 

ブロリー(俺が仕事を引き受けてなければ今頃アイを守れてた・・!人拐いをするクズ共、絶対に血祭りに上げてやる・・!)

 

そしてブロリーは目を瞑ってアイの気を探り始めた。これもサイヤ人特有の能力である。それを知らないアクアとルビーは突然ブロリーが目を瞑ったことに疑問を感じていた。

 

ルビー「?ブロリーさんどうしたんだろ?急に瞑想始めて・・」ヒソヒソ

 

アクア「わからんが何か理由があるはず、それに期待しよう。」ヒソヒソ

 

目を瞑ってから一分もしないうちにブロリーは目を再び開く、そしてアクアとルビーに伝えた。

 

ブロリー「アイの居場所がわかったぞ!」

 

アクア・ルビー「「!!?」」

 

アクアとルビーは驚愕の表情を浮かべた。それもそのはずである。ブロリーからすれば今の時間はアイの気を探って場所を特定しただけに過ぎないが、何も知らない二人からすれば瞑想してから突然場所を特定したと言われたのだ。手がかりも何もない状態から急に特定した発言を受けても混乱してしまうのは仕方ないことだと言えるだろう。

 

アクア「どうやってわかったの?」

 

ブロリー「気を探った。」

ルビー「気?」

 

ブロリー「生き物には必ず気というものが存在する。俺はそれを探ることが出来る。」

 

アクア「・・えっと、ブロリーさんって何者なの?」

 

ブロリー「そういやアクアとルビーには言ってなかったな。俺はサイヤ人という戦闘民族だ。お前達から見ると宇宙人ってとこだな。」

 

アクア・ルビー「「宇宙人!?」」

 

ブロリーは自身の正体を明かしアクアは信じられないような目で見ていて、ルビーは逆にキラキラした目で見つめていた。

 

ブロリー「だがそんなことは今はどうでもいい。アイの居場所がわかった今、やることは決まってるだろ?」

 

アクア「!そうだね。」

ルビー「!うん!!」

 

ブロリー「アイを探しに行くぞ!ついて来い!」

 

アクア・ルビー「「おー!」」

 

ブロリーのかけ声で二人が声を出して気合いを入れると、早速ブロリー達は玄関から外に出る。

 

ルビー「あ、でもママは車で連れ去られちゃったんだよ。どうやって追いかけるの?」

 

アクア「確かにそうだな。こっちも交通の手段がなければ車に追い付くことは出来ない。ブロリーさん、どうするつもり?」

 

ブロリー「フフフ、いいから俺に任せロットォォォ!」

 

二人の問いにブロリーは不適な笑みを浮かべてアクアとルビーの二人を抱き抱えた。

 

ガバッ

ルビー「!うわっ!?」

アクア「!ブロリーさん何を・・?」

 

ブロリー「じっとしていろ、死にたくなければな。」

 

突然のことに狼狽える二人を他所に、ブロリーは通路を進まずに塀から足を掛けて身を乗り出して飛び出す。普通の人間であればそんなことをすればそのまま真っ逆さまである。普通では絶対に考えられない行為に二人は慌て出した。

 

ルビー「待って待って!!何考えてるの!?・・うっ!」

 

アクア「血迷ったのか!?何してんだ!?・・くっ!」

 

二人は落下することを予想してブロリーにしがみつく力を強くして目を瞑った。しかし、いつまでも落下する感覚が来ないことから二人は恐る恐る目を開ける。すると二人にとって信じられない光景が飛び込んでくる。

 

フワッ スーッ

アクア「!う、浮いてるのか!?」

 

ルビー「!飛んでるの!?・・何これ凄い!」

 

ブロリーはサイヤ人のため空を飛ぶことが出来る。転生前も後もこのような経験がない二人は最初こそ困惑してたものの、すぐにそれは興奮へと変わった。

 

ブロリー「しっかり捕まってろ。一刻も早くアイの所へ飛ばすからな。」

 

アクア「飛ばすって?」

ルビー「何するの?」

 

二人の問いを聞き終える前に、ブロリーは物凄いスピードで飛び始めた。

 

ギューン

ルビー「ひゃあああああ!!?無理無理無理ぃー!!」

アクア「うわあああああ!!?死ぬ!!死んじゃうって!!」

 

拐われたアイを助けるために二人を抱えて、急行で駆けつけようとするブロリー。その腕の中からはアクアとルビーの悲鳴が響いていたのだった。




次こそはブロリーを暴れさせたい。
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