伝説のアイドルと伝説のスーパーサイヤ人   作:ツキリョー

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第三話です。一気に話が飛びます。


隣人のアイドルを守る伝説のスーパーサイヤ人

ブロリーがマンションの一室にて独り暮らしを始めてからしばらくの月日が経とうとしていた。毎月のパラガスからの生活物資と必需品を自腹で購入しながら暮らしていた。いつも悩まされていたパラガス達の星野アイを推す夜中のどんちゃん騒ぎはもう聞くことはなく、ブロリーは満足に寝れるようになっていた。そして意外なことにブロリーはしっかりと生活を整えることが出来ていて、家の中がごみで溢れかえったりすることはなく、清潔で整った綺麗な一室となっていた。耳障りな騒音を聞くことなくしっかりと睡眠をとれるようになったことにはとても満足している。しかし、現在のブロリーは問題となっているひとつの現実に直面していた。

 

ブロリー「・・・・・・」

 

ブロリーが顔をしかめながら見つめているのは、両手の中にある大量の白い紙である。その全てに『不採用』と書かれているのだ。そう、ブロリーは現在、就活にとことん失敗しているのである。その理由はやはり、幼少期に義務教育を受けれていないからである。地球に移住してからパラガスに最低限のマナーと態度は教えられたので面接はうまく行くのだが、試験になると基本教科はおろか、最低限の常識問題すら一問も解けないこともあったのだ。その為、今まで受けた全ての企業から落とされていたのだ。それを知らない本人は気を高める。

 

ブロリー「んんん!んん!んんんーー!!仕事出来ぬぅ!!」ゴォォォォ!

 

ブロリーは受けた全ての企業から落とされた怒りで手にある不要となった通知表を全て粉々に破いてそのまま覚醒し、緑がかった金髪で筋骨粒々な身体に白眼が特徴の"伝説のスーパーサイヤ人"になった。

 

ブロリー「どいつもこいつもこの俺を落としやがって!俺を舐めているのか?お返しにこの会社共全て破壊し尽くしてやろうか?」

 

これから彼が起こそうとしているのは、完全な逆恨みで腹いせの行為で、いつもならパラガス達が突っ込みを入れてボコられつつも止めるのだが、今はブロリー一人しかいない。つまり止められる者が誰もいないのだ。このままだとブロリーの言葉通りその会社達がブロリーによって破壊され尽くしてしまうのは想像に難くない。そしてブロリーが立ち上がったちょうどその時、ブロリーの携帯電話が鳴った。

 

~♪

ブロリー(!・・電話か、そうだな。一回落ち着け俺。会社を破壊し尽くしてもなにもならないか。・・とりあえず出るか。)

 

ピッ

ブロリー「はい・・ブロリーです。」

 

パラガス『パラガスでございます。』

 

電話の相手はパラガスだった。思わぬ人物からの突然の電話にブロリーは驚きながらも表情に出さずに会話を続けた。

 

ブロリー「親父ィ何か用か?」

 

パラガス『よく聞けブロリー。なんとだな、今日行われる星野アイのドームライブのチケットを手に入れたぞぉ!』

 

ブロリー「・・それがどうした?」

 

パラガス『ベジータとカカロット、そしてカカロットのせがれの孫悟飯の分のチケットも分けなく手に入れたからな、そこでお前に自慢したくて電話したという訳だぁ!』

 

ブロリー「切るぞ。」

 

パラガス『待て待て待て!それだけが用な訳ないだろぉ!それで最近生活の方はどうなんだ?』

 

ブロリー「最初は大変だったが、大分馴れてきたところだぁ。それに親父達の騒音を聞かなくて良いのはなかなかに快適だ。」

 

パラガス『ああそうか。そいつは良かったな。何か悩みとかはないか?』

 

ブロリー「そうだな、就職できないのが悩みだ。」

 

パラガス『ゑゑゑゑゑ!!?独り暮らしに一番重要なことだろぉ!一体何が原因だと言うんだ?』

 

ブロリー「試験ン"ン"ン"が難しいです・・」

 

パラガス『あ、そうだな。お前は義務教育を受けてないからな。』

 

ブロリー「ぎむきょーいくってなんだ?」

 

パラガス『成人しないうちに必要最低限のつけておかなければいけない常識のことだ。お前はその勉強をしていない。だからブロリー、出来るだけ肉体労働の仕事を探すんだ。お前はサイヤ人だから地球人よりもパワーも体力もある。自ずとお前を必要とする職場があるはずだ。』

 

ブロリー「わかった。ところでにくたいろうどうってなんだ?」

 

パラガス『名前の通り、体を酷使する仕事のことだ。例えば工場で鉄を造る仕事だったり外で道路を造ったりする仕事があるな。』

 

ブロリー「なるほど!」

 

パラガス『独り暮らしが出来なくなったら俺も色々考えるが、まぁお前なら大丈夫だろう。という事で、俺達は今夜楽しんでくるからお前は家でのんびりミルクでも飲んでるんだな。ふぁ~はははは。』

 

ブロリー「チィッ!!」ピッ!

 

パラガスの最後の挑発に苛立ったブロリーは一方的に通話を切った。そして寝床にいくと寝転がって物思いに耽り始めた。

 

ブロリー(親父は今度会ったら血祭り決定だ。それで仕事の方だが、確かに頭を使うよりかは身体を使う方が俺にとって性にあってるというものだ。早速調べて受けにいこうと思ったが、こんなに落ちた後だと流石に気が滅入るってものだな・・幸いまだ親父から貰った貯金はある。また明日から探すとするか。・・そういやそろそろ日用品と食糧が切れそうだな。買い出しに行くとするか。)

 

ブロリーは頭を切り替えて寝床から起き上がると、買い物の準備をして家を出た。因みにブロリーは普段上半身裸で過ごしているが、日本の法律的にそのまま外に出るのは不味いので、出掛ける際は必ず緑の上着を羽織るようになっていた。

―――それから少し時間が経ち、買い出しを終えてブロリーは消費した日用品と、食材が入った袋を片手で持って帰路に着いていた。そして自宅があるマンションに着くと、エレベーターの前に大量の白い花束を持ったフードを被る怪しい男が立っていた。

 

ブロリー(買い出しが終わったぞ。・・んん?あそこにいるのは誰だぁ?・・見るからに怪しいな、普通花を持って行くときあそこまで巨大なものにするものか?いいや、一つで充分のはずだ。)

 

ブロリーが怪訝な顔をして見ていると、その怪しい男"リョウスケ"は降りてきたエレベーターに乗り込んで扉を閉めて上に向かっていった。しばらくエレベーターが戻ってくるのを待ったが、ブロリーはこのマンションでも最上階から少し下の階というかなり上の方に住んでいた。そこに迫って行くのを見て、ブロリーはエレベーターを諦めて真上に飛んでいった。

 

ブロリー(・・かなり上に行くな。諦めて空を飛んで行くか。)ビュオオオオオ

 

ブロリーの方が上がる速度が速く、その差をどんどん縮めてエレベーターがブロリーの住む階に着くと、少ししてブロリーもその階に着いて通路に降りた。

 

シュタッ

ブロリー(あんなに上り下りする鉄の箱よりもこの方が断然早いし楽だな。・・あいつ、同じ階にいるのか・・)

 

ブロリーの前には先程見かけたリョウスケの後ろ姿があった。地上にいたときよりも二人の距離は近いため、ブロリーはその大量の花束の中にあるキラリと光る銀色の刃物に気がついた。

 

ブロリー(・・ナイフなんて持ってやがるのか・・俺の家の前で面倒事など起こすなよ?)

 

ブロリーは顔をしかめてリョウスケの行動を見ていた。するとリョウスケはブロリーの家のすぐ隣の家の前に立って花束の向きを整えてインターホンを押したのだ。ここまでくるとブロリーにもリョウスケがそこに住む住人に危害を及ぼそうとしていることは容易に想像できた。

 

ピンポーン

?「はーい。」

 

ブロリー(!あいつ!)「チッ!」

 

家の中から女性の声が聞こえてきたと同時にブロリーは買い物袋を置いてそこへと向かった。中から女性が出てくるとリョウスケはその花束の中に手を入れて刃物を掴んだ。

 

ガチャ

リョウスケ「ドームライブおめでとう。双子の子供は元気?」

?「ッ!」ギュ

 

そして花束の中からナイフを引き抜き、切り先を女性へと向けて腹部に勢い良く突き刺そうとする。ナイフを見た瞬間女性は自身の死を悟ったのか目を固く瞑って衝撃に備えていた。しかし、リョウスケのナイフが女性の腹部に届くよりも早く、ブロリーはリョウスケの腕を掴んで切り先を女性から逸らさせた。

 

リョウスケ「な、何だよお前はっ!邪魔すんな!!」

 

?「え・・」

 

ブロリー「貴様・・家の前で面倒事はよしてもらおう・・!」

 

ブロリーは心底面倒くさそうに顔をしかめながら、ドスの聞いた声でリョウスケを睨んだ。女性もいつの間にか目を開いていて動揺した様子でブロリーを見つめていた。ブロリーはふと女性の方を見ると二人の視線が合わさった。その女性は紫がかった黒髪に紫の両眼に白い星を宿していた。彼女こそがパラガス達がドはまりしているアイドル"星野アイ"なのだが、アイドルに全く興味がないブロリーは気がついていなかった。そしてその下の方に視線を向けてみると、アイがいる奥に二人の金髪の双子の子供がいた。片方が男子でもう片方が女子である。二人はお互いを抱き締めながら怯えたような目で此方を見ていた。ここまでくるとブロリーでもこの双子がアイの実子だというのは容易に理解できた。尚この間わずか1、2秒である。

 

リョウスケ「離せ!俺はこの嘘つきを殺すんだ!邪魔するな!」

 

ブロリーに腕を掴まれて身動きが取れないリョウスケは尚も喚いていた。

 

ブロリー「面倒事を起こすなと言ったはずだ。」ブン

 

リョウスケ「!!」

 

ブロリーは乱暴に腕を離したが、あまりにも力強く突き放すように離した為、リョウスケはその勢いを受け止めきれずによろけた直後に転んだ。その隙にブロリーはリョウスケとアイ達の間に身体を割り込ませてアイ達に背を向けて立ってリョウスケと対峙する形になった。そして後ろにいるアイに言った。

 

ブロリー「おい小娘、お前の息子と娘ェを連れて中に引っ込んでいろ。」

 

アイ「で、でも・・・・」

 

ブロリー「二度は言わんぞ、命が惜しかったらさっさとしろ。」

 

アイ「!・・うん。アクア、ルビー、こっち。」(き・・気を付けて・・無事でいてね・・)

 

アイはブロリーの言葉通り、双子の男の子"星野アクアマリン"と女の子"星野ルビー"を連れて玄関の奥へと下がったが、視線はブロリーから離さず、不安そうな表情でブロリーの行方を見ていた。

 

リョウスケ「お前!そこをどけ!嘘つきを殺してやる!」

 

ブロリー「何故貴様がそこまでこだわるかが理解出来んな。」

 

リョウスケ「お前に何がわかる!そいつはアイドルのくせに子供なんか作りやがって・・!散々好きだの愛してるだの言ってたくせに心の中では俺達ファンの事を見下してたんだぞ!裏切られた気持ちがお前に「下らん。」・・は?」

 

ブロリー「長い上に下らん、もう聞く価値もない。どんな生活をしようが小娘の自由だ。お前なんかに縛られる筋合いはない。」

 

リョウスケ「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れェ!!これ以上邪魔するならテメェから殺してやるう"う"!!」

 

ブロリー(ふ、来るか、久しぶりの戦いだ。フフフ!)

 

狂ったように切り先を向けて突撃してくるリョウスケを見て、ブロリーは久しぶりに対人の戦闘が出来ると内心で好戦的な笑みを浮かべていた。ブロリーの腹部に向けてナイフを突き刺そうとするが、ブロリーは裏拳の要領で簡単にナイフを弾いた。

 

リョウスケ「死ねぇぇぇぇ!!」

 

ブロリー「フン!」ガキッ カランカラン

 

そしてリョウスケの胸部にラリアットを決めて吹っ飛ばしたのだ。

 

ブロリー「デヤァッ!!」ドゴッ

 

リョウスケ「がはっ はぁ、はぁ、くそがっ・・」

 

このラリアットはブロリー本人にとっては全く力を使っていない。その証拠にこのマンションの壁や床が抉れておらず、しっかり回りに配慮しながら手加減しているのである。だがしかし、それだけでリョウスケはもう息が荒くなっていた。

 

ブロリー「どうしたクズめ、もう終わりか?つまらんな。」

 

リョウスケ「ッ!・・さえ、お前さえいなければ!もっと簡単に事が済んだのにィ"ィ"ィ"!」

 

リョウスケは弾かれたナイフを再び手にしてブロリーを刺そうとする。しかし

 

ブロリー「同じ手は喰わんぞ。フン!」ガッ バキン

 

アイ「え!?」

リョウスケ「は!?」

 

ブロリーはナイフの刃の部分を掴んで力強く握ると、そのままナイフを根本からへし折ったのだ。これにはリョウスケだけでなく、家の中から不安そうに行方を見ていたアイですら驚きの声をあげていた。そしてリョウスケはナイフという武器を失ったことによって、明らかに戦意喪失して怯えて引き腰になっていた。ブロリーはそんな表情を見て吐き捨てた。

 

ブロリー「お前、思った以上に身も心も弱いんだな。戦う意思を失った今のお前など血祭りにあげる価値もない。興ざめだ。目障りだからさっさと失せろ!」

 

リョウスケ「う、うわあああぁぁぁぁ!!」

 

ブロリーが吐き捨てると同時にリョウスケは逃げ出した。その目は完全に化物を見るかの様な恐怖の視線でブロリーを見ていた。ブロリーは追いかけるような真似はせずに、買い物袋を手にして自宅に戻ろうとする。

 

ブロリー「・・・・」ガサッ

 

アイ「ま、待って!」ぎゅ グイッ

ブロリー「!」

 

しかし、アイがブロリーの空いているもう片方の手を取って軽く引いたのである。手を引かれる感覚がしたブロリーは後ろに振り返る。いつの間にか玄関から出てきていたアイがブロリーを引き止めていたのだ。これが"伝説のスーパーサイヤ人"と"伝説のアイドル"の出会いだった。




という事でいきなりの原作崩壊です。次回はアイ視点で書こうかなと思っています。
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