艦娘の戦争   作:黒猫クル

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 次作は満潮の予定です。執筆に時間がかかるかもしれませんがよろしくお願いします。
 ここからは宣伝になります。艦隊金沢に参加します。D-10で艦娘の戦争の瑞鳳の話を冊子本で出します。良かったら遊びに来てください


承認欲求と依存と⑯(完)

 青崎さんの話が終わった。

 聞いていて凄く疲れる話だった。彼女の話は時折希望の見えるものだったが、それがより一層話を暗くしている気がする。偽善と言われてしまうかもしれないけど心の底から彼女に同情した。

 

「ありがとうございました」

「……悪かったよ」

 

 高塚さんが呟いた。

 

「何が言いたいの?」

 

 青崎さんが彼女を睨んだ。

 

「勝ち組だと思ってた。逃げてばっかりだったのに、幸せになった人間だと思ってた。だけど……」

 

 それ以上、彼女の言葉は続かなかった。

 

「……分かったならいいわよ。瑞鳳だって苦労したんでしょ? 大変なのは皆一緒よ」

「ありがとう……」

 

 わだかまりの多い二人だったと思う。だけど、それが打ち解けた光景に心が少し晴れた気がした。

 

 第三者の僕は彼女達の戦中、戦後の辛さを知らない。話で聞くことしかできないし、想像することしかできない。だけど、それが辛いというのは共通認識なのかもしれない。

 青崎さんは今回の話は発表しても良いけど、娘の名誉の為に名前だけは伏せて欲しいと言っていた。娘を大切にする彼女らしいと思った。

 

 何年かしての話だが青崎さんと彼女の司令官は復縁したと聞いた。何があったのか知らないけど踏み込む勇気ができたのかもしれない。その話を聞いた時、本当に良かったと思った。

 

 

ー--------------------

 

 

 証言を聞き始めた当初はどんな荒れ方をするのかとヒヤヒヤしていたけども、高塚さんは黙って聞いていたし穏やかな終わり方をした。

 

 だけど、高塚さんの顔は晴れなかった。普段は口を開けば皮肉を言ってくるのに今日は喫茶店を出た後も黙っている。何か考えているのだろうか?

 

「ねぇ、ちょっといい?」

 

 帰りの電車の中で彼女に声をかけられた。

 

「どうしました?」

「……手を繋いでくれない?」

「えっ?」

 

 彼女の言葉を意外に感じた。彼女が酔った勢いでキスを求められたことはあるけど、スキンシップを求められたことは一度もなかった。

 

「いいから……!」

「は、はい……」

 

 隣に座っていた彼女の左手を掴んだ。暖かくて柔らかい手だった。手の甲に火傷の跡を見つけて彼女が元艦娘であることに改めて気付かされた。

 

 数分ほどして急に手を振り払われた。

 

「ごめん。やっぱいいや」

 

 そう呟いた彼女の顔には赤みがさしていた。

 

「高塚さん……?」

 

 顔を見られたくないのか彼女がそっぽを向いた。

 

 その日は高塚さんと別れるまで話すことは無かった。彼女の考えていることを知りたかった、怒られるのが怖くて聞く気にもなれなかった。

 

 後日、その時のことを綾瀬さん(陽炎さん)に話したが、高塚さんがそういう態度を取った時には受け入れてあげて欲しいと言われた。

 青崎さんの話を聞いて高塚さんの考えに何かしらの変化があったのだろうか? 何も分からなかったけど、鈴木さん(不知火さん)が以前言っていたように立ち直ろうとしているのかもしれない。

 

 彼女が立ち直ってくれることを願った。

 

 

 

 

 

 瑞鳳として義理だけで結婚式に参加したあの日、二人は幸せそうに見えた。

 嫉妬した。口では称賛したけど逃げてばっかりな人間が幸せになっていたのが許せなかった。

 だけど、一年で別れていた話を聞いた時に責める気が失せた。私は二人の関係を表面的にしか知らないだけだった。

 相方が生きている分、私よりはマシかもしれないけど辛いことには変わりない。勝ち組だと思っていた秘書艦も私みたいに苦労した人間の一人だった。

 

 話に感化されて付き添おうとする彼に少し甘えてみたけど、恥ずかしくてやっていられなくなってやめた。酔った勢いでキスを迫った人間だけど、歳の差があるしどうかしてる。セクハラもいいところだ。向こうだって迷惑だろう。

 私は自分の行いを悔いた。

 

現代編は必要は必要だと思いますか?(よろしければ投票した理由を一言で良いのでコメントにお願いします)

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