転生したら転剣の世界でした 〜Ruby Memoria〜 作:氷月ユキナ
「てりゃっ!」
「はっ」
錯乱役として攻撃を回避しながら合間を狙って繰り出した蹴りを、
「……なら、狙いを変えよっか」
そしてぼくは、撹乱役に徹すると見せかけて
「!!」
「クソっ、てめっ! 卑怯だぞ!」
「何が卑怯だ、んなもん知るか!」
すると
『な、庇った!? あんなに殺す殺すって言ってたのに……!』
「師匠、ドナドロンドさんの話聞いてた?」
『フム……
「そう、つまり
原作では師匠が気付くのに時間がかかってたけど、こっちには原作知識があるのだ。
原作通りに進ませる必要なんてない、効率よく行かせてもらおう。
「だから、
「……そういえばだれか言ってた」
『ドナド可哀想……』
「……さ、そろそろ攻撃お願い」
忘れられていたドナドのことはさておき、フランと師匠は
「──ファイア・アロー!」
『──ファイア・シャベリン!』
「──ファイア・アロー!」
『──フレア・ブラスト!』
──ボン、バン、ボォン、ドゴァン!
……こうして嵌めちゃえばいいだけだが、このままじゃ二人の魔力が尽きるのが先だ。
「何だァ!? マジかよ、《無詠唱》持ちか!?」
残念、師匠がこっそり唱えているだけだ。
……だが、このままじゃジリ貧だ。
「くっ」
「ギョホォォ! もっとちゃんと護るギョォ!!」
「この馬鹿野郎! だから、俺の戦闘場所は前の広場にしとけと言ったのに!」
「う、ううう、うるさいギョ! お前がいなかったら、この部屋の防衛戦力がなくなるギョォ!」
「このゴミ
「この『身代わりの腕輪』があれば復活できるとはいえ、死ぬのは勘弁ギョ!!」
「雑魚がそんなの千個持っても千回瞬殺だボケ!!」
少し
さて、そろそろ賭けに出よう。
「師匠、フラン。ちょっと策があるんだ。……乗ってくれる?」
そう、妖しく微笑んだぼくに。
『……その胡散臭い笑みはなんだ?』
「酷くない!?」
◇◆◇
「くやしいけど今の私じゃ、
『おう、いつでもいいぞ!! 任せろ!!』
「ソニック・シューター!!」
『ひゃっはー!』
フランは《風魔術》のLv4の技、ソニック・シューターで、剣を
「剣を投擲ィ!? とち狂ったかァ!?」
「行け……行っけぇえぇぇぇぇ師匠ぉお!! ファイア・アロー! ファイア・アロー!」
フランは
「!! そういう事かよ……!! 器用な真似を! 風魔術か? だが、させねェよ。《暗黒魔術》ダークネスブラスター!!」
だが、
「ししょ……!」
「甘ぇ!! その程度じゃ俺の守りは抜けねェよ」
この魔術で師匠は壊される……訳がない。
師匠は《念動》で無理やり自身の軌道を変えて攻撃を避けきった。
「なにぃ!? 曲がっ……!?」
師匠はそのまま
「ぼくのこと忘れないでよ、哀しいなー」
『ルビー!』
「分かってる」
ぼくは飛び跳ね、《反逆の魂》の効果対象のスキルを《剣術》に切り替え
「馬、鹿な……! く、ぉ……お、俺、のッ……魔、力が、抜け……ガァァアあぁァァああ……──!!」
「……ふぅ」
〈ルビーのレベルが上昇しました――〉
〈ルビーのレベルが――〉
〈ルビーの――〉
〈ルビー――〉
「…………ッ、はぁ……」
倒したと同時に緊張が解けたぼくは、崩れ落ちるように床に座り込んだ。
「ルビー!」
駆け寄ってくるフランを横目に、《鑑定》でスキルの欄を確認する。
エクストラスキル:スキルテイカー6
《模改の理》を使ってコピーしたスキルをニマニマと眺めながら、ぼくは達成感に満たされて寝転んだ。
◇◆◇
「ギョホオォォォ~~ッ!? 馬鹿な馬鹿なァギョホォッ! グッ……
その時、
「まだ……まだゴブリン帝国は終わらんギョホ……ちょうど溜まった
自分を鼓舞しながら、
「ハァ……ハァ……さぁ、混沌の魔獣よ、来るギョ!!」
原作ではフランが止めていたが、そのフランはルビーのもとにいて
だからこそ、成功してしまった。
「……ギョホホ、やったギョ……
「──この私に向かって囀るな、愚図」
脚による二度の蹴り。
一度目で『身代わりの腕輪』をつけた腕を蹴り飛ばし、二度目で首を蹴りちぎった。
ただ、一つの明確な事実として。
「……ほう、アレは。
「貴方達は、私に何を見せてくれるでしょうか」