ヒーローとして出したいキャラと生徒として出したいキャラがいるので……
でも名前だけとかで本人はそんなにたくさん出さないと思います
「いってきまーす!」
「ごはんまでには帰ってくるのよー!!それとあそこの公園より遠くに行っちゃだめだからねー!!」
「分かってまーす!!」
7歳になる頃にはコユキのイタズラはすっかり矯正されて残っているのは好奇心だけだった。
個性によってなんでもすぐ理解できてしまうコユキにとって未知に溢れる外は刺激的で楽しいものだったのだ。元気よく遊ぶコユキの姿は父の人柄も相まって地域の人々からも愛されていた。
「おや、コユキちゃん今日も元気だね!」
「にはは!こんにちは!」
だからこそ、油断していたとも言える。
もう小学生なのだから近くの公園ぐらいだったら1人で遊ばせても大丈夫な歳だろうと思っていたのが良くなかった。
「『状況把握』の父と『演算』の母の間に産まれた個性……両親の個性は平凡で既に私は上位互換に近いものを持っているから必要ないが君は違うんだ」
「おじさんだあれ?」
「このパスのロックを解除して欲しいんだけど……コユキちゃんはできるかな?」
「できるけど……ダメだよ」
「おや、どうしてかな?」
「パパに怒られちゃう……個性を使って困らせるのはダメだって言われてるから」
「ふむ……君の両親は"いい人"のようだね」
「でしょ!」
コユキはまだ幼いながらに賢かった。
優しい父のむやみやたらに個性を使って人を困らせるのは良くないという教えをしっかりと守っていたのだ。
「でもねぇ……おじさんは困ってるんだ」
「そうなの?」
「そう、このパスワードが解読できればおじさんを追い掛け回す"悪いやつ"をやっつけられるんだ」
「にはは!そういうことなら任せてください!」
困っている人に手を差し伸べる父やテレビのヒーローの姿はコユキの価値観に影響を与え、個性は自分の興味だけでなく他人を助けるために使いたいという感情が心のどこかに芽生えていた。
しかし、優しさに囲まれて生きてきたコユキは本物の『悪』というものを知らなかったのだ。
「できました!」
「おぉ、その個性は本物のようだね。……これでヴェリタスも終わりだな」
「じゃあ、お礼にいいところに連れて行ってあげよう。おいで」
「はい!」
初めて個性を使って人助けができたという達成感に酔いしれ、全く未知の世界に連れ出してくれるおじさんの言葉はどこか魅力的でこの時、コユキの脳内からは父の教えと出かける直前の母の言葉が抜け落ちていた。
__もっとも、抜け落ちていなくても
「"ただいま"」
「おかえりなさい……今日は早いですね?」
「"……なんだか妙な胸騒ぎがしてね"」
「ふーん……まあ、それはともかくご飯はできてますよ」
「"あれ、コユキはまだ帰ってきてないのか?"」
「わぁ、きれい!」
「ふふふ……気に入ってくれたようで何よりだよ。その個性はさっきのお礼として君にプレゼントしよう」
おじさんに連れられて病院のような場所にやってきたコユキは贈り物を受け取っていた。
輝く頭上の光輪はとてもきれいで早く父と母に見せてあげよう。そう思った時、おなかの減り具合を認識した。そういえば「公園より遠くに行ってはいけない」のだった。もうすぐご飯だしそろそろ帰らないといけない。
「あ……そういえばそろそろご飯だから帰らないと」
「おやおや、帰ってしまうのかい?」
「それに……公園より遠くに行っちゃいけないってママに言われたし……」
「そうか、それならしょうがない。その個性は返してもらうよ」
ママとパパに見せたかったけど持って帰れないなら仕方がない。そう思ったコユキは返そうとした。
「ちなみにその個性『
「え……?」
「少し派手で身体能力を向上させるだけの増強系個性だと思っていたけど一つ副作用があったんだ。本人は気が付いていなかったと思うし、死ぬまで気が付けない特徴だよ」
奪う……?その言葉の意味は理解できなかったが、おじさんの雰囲気が何か怖いものになったのをコユキは感じ取っていた。
母が怒るときとは違う。チクチクするようで、体が冷えるような、恐怖感だった。
「
「し……ぬ…………?」
死、近所のおばさんが飼っていた犬が死んでしまったことがあるからその概念をコユキは理解していた。
ずっとずっと眠ってしまって二度と起きられなくなること。
「いやあ、あの時はびっくりしたよ。個性を奪うだけで殺そうとまでは考えていなかったからね」
「名前は梔子とかだったかな……いや、今はいいか」
「分身やらクローンやらいろいろ使って検証して、私がヘイローを渡す時は死なないけど私に返してもらうと対象は死んでしまうことが分かったんだ」
「……私がその個性を所持していても頭上に何も出ないことも何か関係しているのかもしれないけどね」
「いやあ、それにしてもそのヘイローは君によく馴染んだようだ。奪った時とは形状が違うように見えるよ」
正直、混乱していてコユキにはおじさんが何を言っているのかはいまいち理解できていなかった。
それでも、一つだけ確かなことがあった。もう両親には会えない。
「さて、もう一回言うけど……」
おじさんはコユキの頭の上に手を置く。
父や母が褒める時に頭を撫でるのとは全く違うその手はがっちりとコユキの小さな頭を掴んでいた。
「帰るんだったらその
__結局、この日はコユキは家に帰らず警察に捜索願が出された。
両親は仕事を辞めて、母の知り合いのプロヒーローの仕事を手伝いながら捜索を続けるもそこから8年間、コユキの姿を見ることは叶わなかった。
「へぇ、炎熱系の個性がいてヴェリタスには逃げられた?……まあいいだろう。こちらはメタカードを手に入れたんだ、しばらくは何もさせないよ」
――
『紹介しよう。この子は黒崎コユキ、歳は15だ。弔と同じく私からいろんなことを学んでいる
「このちんちくりんがか……?」
死柄木弔は苛立っていた。
『戦闘面ではその辺のチンピラ程度しか役に立たないかもしれないけど、情報戦ならコユキの個性は最強に近いんだ。仲良くしてくれると私は嬉しいな』
「に、にはは……よろしくお願いします」
「それではお願いします。コユキさん」
「にはは……お任せください」
「ほぉ……」
死柄木は意外にも感心していた。
学校の職員室とはいえパスワードで保護されているデータを次々に抜き出していくその手際は見事なものだった。先生が頼りになると太鼓判を押すだけの実力はある。
(私もこんな感じの楽しい青春が送れていたらなぁ……)
そんな中、コユキはデータの中に名前を聞くだけでも楽しそうな学校行事を見つける度、もう叶いそうにない夢に思いを馳せていた。
良かったね、容姿が原作と同じになったよ