シャーレの先生は長身爆乳爆尻ぶっともも 作:甘党からし
魚出カイナ先生は爆乳爆尻ぶっとももである。
動く度にそのたわわわわわわなドデカい果実がばるんっばるんっ、と揺れまくり、むちぃっむちぃっと全身の肉が存在を主張する。
狐坂ワカモが起こした騒動の際はそれはもう、凄まじかった。
ユウカ達も相当の理性を削られたが、ワカモに扇動されていた不良達の中には皆先生の姿を見ただけで酩酊する者も多く存在していた。
正直あり合わせの戦力で勝てたのは先生の指揮よりも先生自身の身体のドエロさが原因なのでは? とユウカは割と真剣に考えている。
(……でも、こうして見てみるとやっぱり先生は凄い)
ユウカは自身に割り振られた仕事に取り掛かりながら、先生の仕事の様子を観察する。
彼女の仕事ぶりは凄まじい。全ての資料を効率よくチェックしつつ、淀みの無い手さばきで案件の優先順位を仕分けしている。
ユウカに割り振られているのは主にD.U.自治区で発生した騒動の被害額に関する資料だ。彼女がミレニアムで財務を担っているからこその振り分けだろうが、この短時間でここまで完璧し仕上げているのは素直に凄いと言える。
シャーレの仕事量ははっきり言ってとんでもない。
セミナーで数多くの面倒事を捌いてきたユウカですら渋面を作ってしまう程の量。普通の企業ならブラック待ったなしの量にも関わらず、先生の顔には疲れは見えない。
「……先生ってキヴォトスに来る前はどんなお仕事をされていたんですか?」
一段落がついてコーヒーを淹れている先生に向けて、ユウカはそんな質問を投げかける。
素直な疑問だった。
あの膨大かつ法外な量の仕事を既に半分以上終わらせている彼女の手腕は一体何によって培われたものなのか、ユウカは気になっていた。
「ん~? まあ経営とか?」
「社長だったんですか?」
「まあね。昔はとりあえずお金稼いどこうって感じだったから。今は昔ほどやってないけど」
「へぇ……」
成程、それなら納得だ。
それにしても、とユウカは思考する。
(社長姿の先生か……)
一体どんな風なのだろうか。
今のようにスーツを着て相手と商談する先生を想像する。
黒いビジネススーツに豊満にも程がある肉体を収める先生。
何かしらの動作をする度に布が悲鳴をあげる様を見つめながら商談に望む相手方はどういう気持ちなんだろうか。
(私だったら絶対に集中出来ないわ……)
そう言えば似たような恰好をしているリオ会長ならどうなのだろうか。
彼女が胸だの尻だのに心を搔き乱されるとは思えない。それに彼女も大概大きい。
いやしかし流石に先生に比べれば2歩ほど劣るだろう。
(2人が同じ部屋に……。想像がつかないわね……)
一度会わせてみようか。
ユウカの思考はそんな下らない想像に満たされていく。
「ユウカちゃ~ん、コーヒーに砂糖入れる?」
「あ、ブラックで結構です」
「オッケー」
白い湯気を立てているマグカップをお盆に乗せ、先生はユウカに向かってくる。
相変わらずの圧迫感。座っていたら先生の顔が見えない。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
軽く頭を下げてコーヒーを受け取るユウカ。
流石にもう粗相はしない。
「ふぅ~、それにしても疲れたね~。先生って大変だ」
「そうですね。私もまさかここまでとは思ってなかったです」
「ま、もう少しでランチだから。もうひと頑張りしよっか」
「はい」
先生は微笑を浮かべてコーヒーを啜る。
こうして見ると、彼女からは肉体からなるものとは別の、大人特有の色気も出ているように思える。
「よいしょっと」
先生が椅子に腰かける。
それを見たユウカがペンを握って資料を手に取った瞬間。
バギィッ!
「ん?」
「うおっとぉっ!?」
何か変な音がした。
その出所を探ろうとする暇も無く。
グシャバキャァッ! ドシンッ! ゴンッ!
空間が揺れた。
「先生!?」
何が起きた!?
ユウカは慌ててデスクの裏側の先生に駆け寄る。
そこで彼女が見たのは、臀部と後頭部を擦っている先生と、無惨にも破壊された椅子の残骸だった。
「は?」
どういうことだ?
ユウカの思考が停止する。
何もおかしなことなど無かったはずだ。先生はただ座っただけ。椅子があるから座る、当然の動作。
なのにどうして椅子が破壊されている?
「ああ~! またやっちゃったぁ!」
「え、また?」
当たり前の話だが、椅子というものは人の体重を支えて快適な姿勢を作り出すためにある。
そのためにどれだけの重さであろうと、人間の体重であれば支えられるようになっているはずなのだ。
少なくとも多少強く体重をかけた程度で壊れるようなものではない。連邦生徒会にて使われている設備ともなれば尚更のはず、なのだが。
「アオイちゃんに怒られる……」
(やっぱり私、そこまで太ってないんじゃない?)
残骸を拾い集めながら嘆く先生を見つめながら、ユウカは自身の心が少しだけ安寧に包まれたことを感じていた。
◆
「すんすん……」
「先生、結構な勢いで備品壊してるんですね……」
備品を壊したことを連邦生徒会の財務室長のアオイにしこたま怒られた後。
正座しながら涙を流す先生に向かってユウカは声をかける。
首からは『私は1週間で5回も椅子を壊しました』というプラカードを下げている。
そんな体勢でも器用に仕事をこなしている様子には尊敬以上に呆れのような感情が混ざってしまっていた。
「私だって別に、壊したくて壊してる訳じゃ……」
「それはまあ、普通は壊そうとして壊れるものじゃありませんから……」
「私がだらしなく太ってるって言いたいの!?」
「ああいえ、そういう訳じゃ……」(まあ体重は物凄いんだろうけど……)
「嘘だ! だってユウカちゃんさっき私のこと見て安心してたもん! 言っておくけどこの体は食事とトレーニングの賜物だからね!」
「し、ししししししてませんが!? あとそんなことは聞いてません!」
図星をつかれたユウカは盛大に焦る。
女性はそういう視線に敏感だと言うが、それは正しいらしい。
「うぅ、次やったら給料から天引きするって言われちゃった……。今月あんまり余裕無いのに……」
「そうなんですか?」
意外だった。あれだけ仕事が出来るのならその辺りの感覚はしっかりしているのだろうという印象だったからだ。
もしやするとシャーレは意外と薄給なのだろうか。あれだけの仕事量なのに?
だとしたら中々に非人道的だ。もしや最近問題のやりがい搾取というものなのだろうか。
ユウカは疑念を抑えきれない。
「シャーレって意外と薄給なんですね……」
「ああいや、そういう訳じゃないんだけどね……」
「え?」
じゃあどういうことなのか。
もしかして先生は意外とお金の管理にだらしないのか?
「先生、ちゃんと家計簿はつけてますか……?」
「つけてるよ……? 単純に必要な出費が多いの……」
「そんなことあります……?」
そこまで言ってユウカは考えを改めた。
そもそも必要の定義は個人の主観に依存する。本当に生活に必要なものを見極めている人間もいれば、思い切り趣味のものに経費を降ろせなどとほざく人間も存在しているのだ。
先生がそうでないとどうして言い切れるのか。
一見完璧に見える先生の弱点。そういうものあるかもしれない。
「じゃあ家計簿見せて貰っても良いですか?」
「えっ!? や、それは駄目!」
「どうしてですか? やましいことが無いなら見せられますよね?」
「いや、やましいことなんて無いよ? 無いけど! 駄目!」
「問答無用です!」
「ああっ!」
ユウカは会計の直感という名の方程式によって先生の引き出しから家計簿らしき帳簿を一瞬のうちに探し出す。
そしてその帳簿を捲ろうとして、衝撃が彼女を襲った。
「な、何ですかこれは!?」
彼女の目に飛び込んできたのはその凄まじいまでの出費の多さだった。
まず食費。一般的に1人暮らしの大人の食費の平均は外食含めて4万301円だと言われている。
先生がキヴォトスを訪れてまだ半月も経っていない。即ち、食の出費は約2万円が適正だと言える。
しかし記されている食費は現在10万円程。
つまりは現状、平均の5倍が食費に消えているということになる。
幾ら先生が普通の女性よりも遥かに大柄とは言え、これは流石に驚かされる。
(先生と食事とかしたことないけど……普段どれだけ食べてるのよ!?)
このまま進めば食事だけで20万。流石にこれは凄まじい。
しかし挟まれていた領収書なども確認する限り、間食の量も凄まじい。
「他には……大人向け変身ベルト5万円!? ちょっと先生、これどういうことですか!?」
看過出来ない物を見たとばかりにユウカは先生に詰め寄る。
「食費にも驚きましたけど、まずはこっちです! 5万もあったら色々賄えるじゃないですか! こんな無駄遣いをしてるから、余裕が無くなるんじゃないんですか!?」
「う、でもそれは……。昔テレビで見てた思い出の作品で……。まさかこっちでも買えるとは思ってなかったからつい……」
「ついじゃありません! 良い大人が変身ベルトなんて買ってどうするんですか!? そもそも先生巻けるんですか、その腰回りで!?」
「それは飾ったりとか色々……てか待ってユウカ今何て言った?」
「とにかく! 玩具1つに5万円は使い過ぎです! ……他にも色々買ってる。必需の出費も馬鹿にならないのに更に趣味にまでつぎ込むだなんて……」
ユウカは大きく溜め息を吐いた。
最初は完璧超人だと思った先生にも色々と抜けているところがあるらしい。
しかし不思議と失望は無かった。寧ろ何故だかやる気が出てきている。
「……仕方ありませんね。これからは私が先生の節約のお手伝いをしてあげます」
「え、いやでも、大丈夫だと思うけどな……」
「いいえ。まだ余裕があるうちから対策を講じるべきです。特に先生はこれからも椅子を壊し続けるでしょうし……。まずは玩具への出費を抑えるべきですね。これから単品で5000円以上の買い物をする時は私に相談してくださいね」
シャーレの先生は間違いなく尊敬すべき大人だ。
しかし同時に色々と規格外な人でもあり、私が支えなければいけない部分も大いにあるのだと、その日ユウカの胸に深く刻み込まれたのだった。