シャーレの先生は長身爆乳爆尻ぶっともも 作:甘党からし
羽川ハスミは圧倒されていた。
身長も体格も、何もかもが自分よりも圧倒的に優れている大人を前に腰が砕ける寸前だった。
「どうしたのハスミちゃん? ほらこっちにおいで? 据え膳食わぬは女の恥って言うでしょ?」
「せ、先生……」
ハスミは抗う。
目の前に存在する悪魔とも言うべき存在を前に、どうにか理性を保とうと苦心する。
「いけませんっ、私はまだ……!」
「良いじゃん、我慢は身体に毒だよぉ?」
先生はハスミの前に座り、ゆっくりと体重をかけていく。
ハスミの目の前で先生の胸がどたぷんっ、と大きく揺れる。
「ほら、ハスミちゃん? 口開けて? 口の中甘いミルクで一杯にしちゃお?」
「駄目です、私は正義実現委員会副委員長! 皆の手本にならなければならないという使命があるんです……!」
「わあ、お堅いねハスミちゃんは。こういう甘い時間くらいは仕事のことなんて忘れないと、人生やってけないよ?」
先生がハスミの手を掴む。
そしてゆっくりとその余りにも巨大な物の前に導いていく。
「あ……」
揺れた瞬間、ハスミは甘美な声を漏らす。
触れたそれは想像以上に冷たい。熱と同時に彼女の理性も奪われてしまいそうだった。
「……ふふ、やっぱり身体は正直だね。ほら、抗おうとしないで、衝動に身を任せちゃお? 人間は三大欲求を満たさずにはいられない生き物なんだからさ」
「あ、あ、あ、ああぁぁぁあああ…………」
ハスミの口元に差し出される小ぶりというには大きい薄紅色の果実。
甘い香りを漂わせるそれを前にした瞬間、彼女の理性はゴリゴリと削られていく。
これは最早神秘だ。人間には到底抗いようにない、悪魔の誘惑。
「ほら、ハスミちゃん。――――来て?」
「――――先生…………、いただきます!」
そして遂にハスミの理性は決壊した。
◆
「ああ、本当に美味しいですね。ここのパフェは……!」
「でしょー? トリニティに来たんなら絶対に食べなきゃって思ってたんだ~」
先生とハスミはテーブルに乗せられた巨大なパフェを食べながら互いに笑顔を浮かべる。
食は身体を作るだけでなく、心の精神安定剤だ。特に甘味は何にも勝る万能薬、というのが先生の持論である。
「それにしてもどうしてそんなに嫌がってたのさ。ハスミちゃんくらいの年齢ならこれくらい普通だと思うけど?」
「それがそうでもないようなんです。実は先日正義実現委員会の後輩からこんなことを言われまして……」
ハスミは先生に事のあらましを伝える。
正義実現委員会の副委員長であるハスミは委員長のツルギに変わって後輩達との積極的にコミュニケーションをとっている。彼女はその日も隙間時間に後輩達と談笑していた。
その時、1人の後輩が告げたのだ。
「ハスミ先輩ってすっごく大きいですよね! 何かコツとかあるんですか?」
恐らくその後輩には一切の悪意は無いのだろう。
しかしトリニティという皮肉飛び交うある種の伏魔殿に所属し、かつ先の他校との会談でもそこに突っ込まれた彼女にとって、その言葉は半ば地雷と化していた。
(お、大きい……?)
大きい。その言葉がハスミの脳内で何度も反芻する。
重ねて言うがその後輩に悪意は一切無い。何せ彼女は常日頃からハスミの前では大変素直な後輩だからだ。
少々知識が足りていない部分こそあれど、あの小さな体の中に秘められた正義はきっとトリニティの未来を照らすと、ハスミは信じている。
しかし、その言葉はハスミのコンプレックスをこれ以上無い程に的確に刺激しているのも、また事実であった。
だからこそ先生がトリニティを訪れると知った時には絶好の相談相手が見つかったと思った。
しかし連絡を取り、待ち合わせた場所で待っていたのは有名店が提供する特大ジャンボパフェだった訳だが。
「その、先生。少々下世話な質問になってしまうのですが、よろしいですか?」
「うん、大丈夫だよ」
「その、先生はとても、恵まれた体をしておられますが……」
「うん」
「コンプレックスに思われたことは、無いのですか?」
「無いかな」
即答だった。
「私は寧ろ、この体に誇りを持ってるくらいだからね」
「誇り、ですか?」
「うん」
意外な答えだった。
ハスミの中では女性は体重を気にするものだという考えがあった。
重いということは太っているということで、軽いということは痩せているということ。
どちらが良いかと聞かれれば、後者だろう。
「ハスミちゃんはさ。私の体はだらしなく見える?」
「いえそんな、まさか!」
ハスミは語気を強めて否定する。
絶対にそんなことはないと心の底から思っているが故に。
「だよね、私もそう思う。でもね、私って体重100㎏超えてるんだよ?」
「100!?」
ハスミは唖然とする。
そして一瞬青ざめた。途端に目の前の御馳走が悪魔の誘惑に戻った気がして、一瞬たじろぐ。
これを食べ続けていると自分もいずれそうなってしまうのではないか。
そう考えると今の行動をどうしても否定したくなってしまう。
そんなハスミの様子を見て、先生は語り始める。
「私ってさ、昔はすっごく食が細かったんだよね。病弱だったからご飯とか本当に全然食べられなくてさ。体も小さくてガリガリで。だからこんな風に沢山ご飯を食べることに憧れてたんだ。親とか親戚からも色々言われてたしね」
まあ今じゃ食費が多すぎて困っちゃってるんだけどね、と先生は笑う。
ハスミには彼女が何を言いたいのかわからない。
「だから私すっごく頑張ったの。ちょっとずつちょっとずつ食べる量を増やしていって、少しずつトレーニングして、そうして食べられるようになっていったんだ」
「…………?」
「そしたらお腹がすいてすいて仕方なくてさ。体重も胸も身長も凄い勢いで増えて行って、一時期はハスミちゃんみたいに焦ったよ。だって周りの女の子は皆華奢で可愛らしいのに、私だけ物凄く大きいんだもん」
「……はい。私も、今そんな心境です」
ハスミの呟きに先生は頷く。その後に彼女は続ける。
「だけどね。やっぱりお腹はすくんだよ。そして、ご飯を食べたら幸せな気分になるの。ハスミちゃんはどうかな?」
「それは、はい。とても幸せな気分になります。何と言うか、心の底から満たされるような気がして……」
「それってさ、ハスミちゃんが凄く頑張ったからじゃない? 沢山頑張ったから、それを満たす行為が幸せに感じるんだと思うよ」
「…………!」
その言葉を聞いて、ハスミは目が覚めた気がした。
彼女は正義実現委員会副委員長。故に毎日が奔走の日々であり、動いていない時間の方が少ないくらいだった。
しかし、だからこそ美味しいご飯を沢山食べることに幸せを感じる。
甘い物を食べると幸せになれる。食べるという行為に幸せを感じる。
それはきっとハスミが沢山努力している証左だと、先生は言った。
「頑張ったら頑張った分だけ報酬を出す! 私はおっぱいもお尻も太もももおっきいけど、それをコンプレックスに思ったことは無いし、これからも無いよ。だって私は頑張って、その分の幸せがここに詰まってる訳だから!」
先生は胸を張る。
彼女の胸が大きく揺れた。
それはとても煽情的で肉々しく、それでいて格好良く見えた。
「だからハスミちゃんも、もっと大きくなっちゃおう! 美味しいもの沢山食べて、もっともっと頑張れるように! あ、でもやりすぎは良くないから、そこだけは注意してね?」
「……ふふ。ええ、そうですね。流石に椅子を壊しまくるのは嫌ですから」
「そっか。……ん? なんで私最後ディスられたの?」
「噂になってますよ? 先生のお尻は凶器だって」
「んなに!? あれ? もしかして私ってちょっとくらいは絞った方が良い?」
トリニティ総合学園のとあるスイパラに楽しそうな声が響き渡る。
そこに居た少女は正義の実現に奔走する者であり、同時に好物のスイーツに舌鼓を打つ、どこにでも居る普通の女子高生だった。