ウチの戦隊ブルーが悪の女幹部として配信してるんだけど、どうすれば良いと思う?   作:新月

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沢山の感想、評価ありがとうございます!
とても元気になります!


問題がおかしいんだけど、どうすればいいと思う?

 ────え、何これ? 

 

 俺は頭の中が??? で一杯だった。

 あれ、俺確か入隊試験のペーパーテストを受けていたハズだったよな? 

 えーっと、もう一回問題文見直して……

 

 ================

 ペーパーテスト①

 

 

 

 『1+1は?』

 

 

 

 以上

 ================

 

 ────。

 

 目をゴシゴシ。

 ……うん。やっぱり見間違いじゃないな。

 念のため、紙の裏側を見てみる。

 “白紙”だった。

 ……。うん。

 

 となると……

 

「……すみませーん」

「何ですの? 早速質問ですの?」

「この問題用紙、あってますか? 別の問題用紙と間違ってたりしません?」

「あら? どれどれ……」

 

 そう言って、レイスは俺のいる机に近づいて、問題用紙を手に取って行った。

 紙の表面をじっくり確認している様子で、数秒して……

 

「“合ってますわね”」

 

 そう言って、その問題用紙を俺の方に戻して来た。

 

「……あ、そうですか」

 

 俺はそう言うしか出来なかった。

 

「はい。では、再開してくださいまし」

 

 そう言ってレイスは元の位置に戻っていった。

 ……これが「私に間違いなどありませんわ!!」とか言って、配った用紙一回も見なかったなら、まだ相手が間違ったせいと言う可能性が残っていただろう。

 しかしレイスは、真面目にわざわざこっちに来て、用紙を手にとって確認した上で、肯定したのだ。

 つまり、その可能性は一切無くなったと言える。

 

 ……俺は再び、何となく問題用紙に視線を降ろす。

 ……さっきと何も変わらなかった。

 ……とりあえず、鉛筆を手にとって、想定される答えを書いてみる。

 

 ================

 ペーパーテスト①

 

 

 

 『1+1は?』

 

 答え。2

 

 

 以上

 ================

 

 

 解けた。

 

 “終わった”。

 

 ────え、“馬鹿にしてる?

 

 俺はそんな感情に、一瞬飲まれていた。

 

「(……ふう、落ち着け俺)」

 

 俺は頭を振って、自分にそう言い聞かせて冷静になろうとした。

 改めてこの問題文、そして状況を整理しようとする。

 

 まずは、今これは“入隊試験の一つ”だと言う事。

 そこで出た問題が、『1+1は?』と言う問題しか無かった事。

 にも関わらず、“制限時間は2時間”、“インターネットで調べ物”、“【ダーク・ガジェット・プロキシー】”の使用が可能と言うルールになっている事。

 

 ここから考えられるのは……

 

「(どう考えても、普通に問題文解くだけで終わらないよな、これ……)」

 

 パッと見の結論としては、その考えに行き着くしか無かった。

 素直に考えれば、『1+1は?』の答えは“2”で、それを書けば正解。

 小学生どころか、ちょっと早熟な幼稚園生でも解けそうな問題でしかない。

 だが……

 

「(それに2時間も掛けさせるか、普通?)」

 

 こんな答えが“2”と書くだけで、2秒も掛からなさそうな問題で、2時間も制限時間があると言う、一見明らかに無駄過ぎない? と言う時間配分になっているのがおかしい。

 しかも、インターネットと【ダーク・ガジェット・プロキシー】が使用可能? 

 どう考えても、それ使用前提の問題とかしか思えない。

 

 だって学校時代、インターネットとか参考書持ち込みアリの試験やってみたけど、あれどっちもあったとしても、調べ物上手く行かなかくてその上で難しい問題が大抵だったもの。

 道具前提の試験で、道具使わずに解けるなんて普通考えられないんだもの。

 

「(……そういえば、聞いたことがあるな。“『1+1=2』の証明って、実際はとても難しい”とか何とか?)」

 

 俺はふと、どこかでチラッと聞いたそんな事を思い出した。

 確か証明問題になると、すっごい難しい数式とか必要になってくるとか。

 もしかしてそれか、それを求めているのか? 

 

 そう思って、“ノートPC”を早速触ってみる。

「1+1=2 証明」と打って、検索を掛けてみる。

 

「(……お、出て来た出て来た)」

 

 すると、予想通りいくつかの検索候補が出て来た。

 やはり、どれも簡単に“2”と断言するようなものでは無かった。

 その一部をサラッと確認してみる。

 

 ふむふむ、なるほど“ペアノの公理”……

 

 

 ──やべえ、全然分からん。

 

 

 それが嘘偽りのない、俺の感想だった。

 おいちょっと待て、高校卒業程度の学力の俺じゃ全然意味分かんねーんだけど。

 俺以外のやつの人も実際調べてみたら、俺の気持ちすっごく分かると思うんだけど。

 え、これが答え? これを書き写せばいいのか? 

 何の意味も分からず、丸写しで? 

 

 いやまあ、それなら2時間掛かっても納得かも知れないけど……

 どうも、なんか引っかかる。

 

「(それに、それだけなら【ダーク・ガジェット・プロキシー】を使う必要無いだろ……)」

 

 調べ物だけなら、インターネットの使用だけで事足りる。

 なのにわざわざ【ダーク・ガジェット・プロキシー】の貸し出し、使用の許可を出している。

 この点が意味不明になっている。

 これをどう使えと? 

 

 ──“え、もしかして戦えって求められてる?

 

 例えば、“これを使って試験官であるそこにいるレイスを倒して、答えを教えて貰うとか”……

 いや、流石に早計過ぎか? 早計だな。もっと考えるべきだろ、流石に乱暴な結論すぎる。

 我ながら馬鹿げた考えを、一旦振り払う。……最後の最後の手段として、一応横に置いておくとして……

 

 何だ、何を求めている。俺はどうすればいいんだ……

 

「(──いや、これ。もしかして“決まった答えが無い?”)」

 

 俺はふと、その考えに行き着いた。

 確か試験前にレイスは言っていた、知識面を重要視する観点では無い、とか何とか。

 俺は知識というより、答えを求める調査力とかを調べる検査かと思ったが……

 

「(もしかして、この“右往左往している行動、経過全てが評価対象?”)」

 

 俺はそう思い、チラッとレイスの方を見てみる。

 

「……………………」カキカキ

 

 さっきからずっと無言でこっちを見ていて、しかし時折手元のクリップボードに何かを書き込んでいるように見える。

 

「……すみませーん」

「何ですの?」

「そのクリップボードに書いてあることって、見せて貰うことって出来ます?」

「申し訳ありません、これはこの試験終了までお見せできないのですわ」

「あ、はい」

 

 そう言って断られて、しかし断られた直後に“新たに何かを書き込まれている様子”だった。

 あ、これ確定っぽい。こっちの一挙一動をじっと観察しているっぽい。

 と言う事は、やっぱり答え“2”って書くだけじゃダメ? いや、それはそれで評価されるような気もするけど。

 結論、どんな答えでもOKってやつ? 

 

 もちろん、ここまでの考察が違っていて、本当に求められる答えがあって、それに気づく必要があるのかも知れない。

 例えば問題文が実は暗号文になっていて、それを解かないと真の答えにたどり着かないとか。

 あるいはあぶり出し、フリクション印刷みたいな、鉛筆で擦って文字を浮き出すとか、炎の熱で文字が浮かび上がるとか……

 可能性を上げたらキリがない。

 

 となると、俺がここで取るべき行動は……

 

「(──よし)」

 

 決めた。

 

 ──“試験一旦放っておいて、【ダーク・ガジェット・プロキシー】について調べてみよう”。

 

 この結論だった。

 

 いや、いや。待って欲しい。この結論に至ったのは理由がある。

 そもそも、俺が【カオス・ワールド】に入ったのはカイザーに断りづらい雰囲気を作られたのもそうだが、“【カオス・ワールド】の内部について調べることと、【ダーク・ガジェット】について色々調べたかった”からだ。

 

 この試験でプロキシーとはいえ、実際【ダーク・ガジェット】の一部を使わせてもらえる状況なんだ。

 当初の【ダーク・ガジェット】を調べたいと言う目的が、予想外の所で一部叶ったと言っても良いだろう。

 

 それにレイスはこう言っていた。複数ある【ダーク・ガジェット・プロキシー】の効果は自分で調べてくださいって。

 なら今ここで、俺がプロキシーについて調べたとしても、試験中の行動の一貫として処理されるだろう。

 ならプロキシーの調査し放題。思う存分調べさせて貰おう。

 

 ペーパーテストの答えについては、ひとまず“2”と書くだけで良いだろう。これを暫定の答えとする。

 プロキシーの調査時間が余ったら、改めてプロキシーの能力を使って他の答えがあるか考えれば良い。

 

 そう思って、俺は早速行動に移して【ダーク・ガジェット・プロキシー】の一つを手に取った。

 まあ色々考えてたけど、何やかんや新しい未知の道具を触るのって、男心にワクワクするんだよなー。

 そんな事を考えながら、ちょっと高揚しながらプロキシーを触っていく。

 

「(ふむ。それぞれ一部シールが貼られているだけで、普通の【ダーク・ガジェット】と待機状態は変わらない、っと……)」

 

 いくつかあるプロキシーの待機状態は、見た目は普通の【ダーク・ガジェット】、と言っても自分はティアーの位しか知らないが、と同じ形状をしているように見える。

 違うのは色や模様の違うシールがそれぞれ貼ってあって、これはおそらく識別用に付けているものなのだろう。

 

 今俺が手に持っているのは、炎のマークのような模様が描かれたシールが貼られてあるものだ。

 おそらく、これを起動したら炎が出てくるとか、そんな所だろう。

【ジャスティス戦隊】のレッドとして活動しているとき、“レッド・フレイム”とか使っているから、炎の扱いについては慣れている。

 おそらく初めてのプロキシーに慣れるのにちょうど良い筈だ。

 

 それに炎だったら、それでテスト用紙を炙って、あぶり出し文字が出ないか確認する事も出来るし。

 可能性は低いが、試すくらいなら問題ないだろう。その行動自体も評価されるかも知れないし。

 

「(と言うわけで、スイッチON)」

 

 そうして、俺はカチッとスイッチを起動して────

 

 ☆★☆

 

 ──別室。

 

「さーて、クロス君大丈夫かなっと……」

 

 私、ティアーはクロス君に言った通り、別室で待機していた。

 とは言っても、この空き時間に何もしないのも勿体ない為、部屋の中で作業出来る仕事を持ち込んではいるのだけど。

 

「試験の内容と、評価欄は事前にレイスちゃんと相談してるけど、うーん……」

 

 私は今まさに試験を受けている彼の事を思い返す。

 確か最初は、ペーパーテスト①の試験だった筈。

 あれは一見簡単、と言うかむしろ馬鹿にしてる? と勘違いするような試験だけど……

 

「まあ“実質答えのない試験”だけど、どんな過程と答え出すんでしょうねー、彼。どうせなら、“私と一緒の仕事をやれる素質”が出てくれれば楽しいんだけどなー」

 

 そう、あの試験に明確な答えは無い。むしろどちらかと言うと、試験中の行動を見られている。

 例えば、“【ダーク・ガジェット・プロキシー】を全て確認する”ような行動を取れば、手持ちの道具を全て確認するしっかりもの、あるいは研究者気質として判断される。

 そうすれば、私と一緒に【ダーク・ガジェット】のテスト試験や調整、あるいは状況対応能力が高めの仕事に一緒に行ける可能性が高い。

 

 そう言う一つ一つの行動を、レイスちゃんは見ているのだ。

 例え斜め上の行動をしていたとしても、それはそれで使いどころはあるとレイスちゃんは大抵の人材を評価する。

 

 もちろん、素直に答えは“2”とだけ書くような人でも、それはそれで素直な子なので、言う事をよく聞いてくれる人材として役に立つ。

 

「まあ、たまに斜め上すぎる答えを出す人もいるけど……まあ、ちょっと話した感じ流石にそこまではクロス君しないでしy」

 

 

ドカアアアアアアアアアンッ!!!! 

 

 

「何ごとおぉッ?!!」

 

 そんな事を呟いていたら、脈路無く響く爆発音。

 方向は、テスト試験会場!? 

 

 私は急いで飛び出して、クロス君たちのいる場所に向かう。

 そこでは……

 

「うっわ!? 扉、吹っ飛んでる!? 部屋の中からモクモクしてるし?!」

 

 本当に爆発があったかのように、試験会場の扉が内側から爆風で吹っ飛ばされたようで転がっており、部屋の中から煙がモクモクと出ている。

 それによく見たら、ちょっと部屋の中が赤い炎らしきものがチラチラ見えている。

 

「大惨事じゃない!? ちょっとレイスちゃん!? クロスくーん?!!」

 

「………………はい」

「………………無事ですわ」

 

「あ、出て来た!?」

 

 すると、二人ともゆっくりと部屋の中から出て来た。

 良かった、無事だった! 二人とも所々焦げ焦げだけど!! 

 クロス君はボロボロの答案用紙を持って! 

 レイスちゃんは“部屋の中には無かった筈の消火器”を持ってるけど! 

 レイスちゃん、能力で取り出したのね! って、それはともかく! 

 

「ちょっとレイスちゃん、クロス君どう言う事!? 何があったの! ──は!? まさかクロス君、“レイスちゃんを倒して真の答えを知ろう”って結論を出しちゃったの!?」

 

 私はクロス君にそう問いかけた。

 これこそまさしく、私が懸念した斜め上の回答の一つ。

 あまりにもバカげた試験内容に、馬鹿にしてるのかと切れて試験官に殴り掛かるもの。

 あるいは、敢えて想定される答えを直接知るために、試験官をボコして答えを無理矢理聞き出そうとするもの。

 

 こんな過程を選んだ人も、数人は過去にいた。

 ある意味この試験では間違いとは言わない行動ではあるけれど……

 あまりの乱暴者、短慮と評価せざるを得ないその人たちは、流石にゼロと言うわけでは無いけど、任せられる仕事がかなり少なくなってしまう。

 あるいは、入隊自体をお断りせざるを得ない事も。

 

 そんな行動をクロス君が取ってしまったのかと懸念していると……

 

「……爆発した」

「はい?」

 

「──“【ダーク・ガジェット・プロキシー】が大爆発した”」

 

 そんな事を、クロス君がポツリと答え。

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~~~~~

 

『ティアースマン! また壊した! ハハ、やっぱり普通のガジェットじゃ耐久度が足りないな!!』

『いや、一体何個壊したのよカイちゃぁぁぁん!!!』

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「……あ、あぁ〜〜〜〜……あぁ……」

 

 その現象に心当たりのある私は、そんな歯切れの無い返事をしてしまうのだった……

 

 


 

 

 ★佐藤聖夜(さとうせいや)

 23歳

 175cm

 黒髪

 中立・善

 

 主人公

【ジャスティス戦隊】のレッド。

 サンタクロース改め、サタン・クロス。

 

 今回のテストに対して、色々深読みをした。

 その上で、割り切って自分のやりたい事を優先する事にした。

 迷ったら視野を広げて、自分に取って得となるような行動をする男である。

 

 その結果、本編での爆発である。

 バチが当たったかな? 

 

 1+1は2と素直に答えた上で、取れる行動は隅々まで取るタイプ。

 

 

 ★天野涙(あまのるい)

 22歳

 168cm

 青髪

 混沌・善

 

【ジャスティス戦隊】のブルー。

 兼、【カオス・ワールド】の幹部、“コバルト・ティアー”。

 

 待機してたら、ペーパーテストにあるまじき爆発音を聞いた人。

 流石にビックリである。

 カイちゃんもといカイザーとは仲がいいが、それはそれとして【ダーク・ガジェット】関連の実践テストにはあまり関わらせたく無いのが本音。

 だってすぐ壊すし。

 

 1+1は2以外に、証明問題、1+1は無限大とか、複数の考えられる答えを用紙に書くタイプ。

 

 

 ★カイザー

 22歳

 172cm

 紫髪

 混沌・悪

 

【カオス・ワールド】のボス。

 ティアーの幼馴染み。

 

【ダーク・ガジェット】壊しまくった人。

 実は過去に4桁単位で壊している。

 ティアーは切れた。

 

 1+1は2と答えた上で、試験中使える武器は色々触るタイプ。

 

 ★レイス

 20歳

 162cm

 紅髪

 秩序・善

 

 三幹部の一人。お嬢様口調。

 

 自分に間違いがあったと言われたら、頭ごなしに怒らずひとまず事実確認をしてから否定に入るタイプ。

 実を言うと、【ダーク・ガジェット・プロキシー】が壊れるまでは想定内だった。

 爆発までは想定外だったが。

 確認の為にわざと普通の素材のプロキシーを渡し、壊れたら幹部用に調整したプロキシーを改めて支給するつもりだった。

 

 ちなみに今回の試験、ティアーの言う通りテスト中の行動過程を確認しているのは正しいが、テスト終了後もう一つ確認する予定のことがあった。

 

 それは、“提出した回答用紙の答えを、何も見ずに口頭でその場で答えられるか”と言う点である。

 

 つまり、単純に答えを“2”と書いたなら“2”と答えれば良いが、長ったらしい証明文をネットで拾って丸写しした場合、それを空で言わなければならない。

 もし言えなかった場合、自分で覚えられない程度の答えを提出した、として責任の無い行動となり評価が少し下がる事になる。

 

 もちろん、調べ物として丸写ししてくるのも、それはそれで見たままを報告するとして、使いどころはあると判断するらしいが。

 

 1+1は、の想定される答えを可能な限りリスト化するタイプ。自分の想像出来ない解答が出てきたら、それはそれで関心するらしい。

 




前話の感想を見直せば、この試験を初めて受けた人達の気持ちが味わえると思います。


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