ウチの戦隊ブルーが悪の女幹部として配信してるんだけど、どうすれば良いと思う?   作:新月

68 / 68
検証内容整理するのに、時間掛かりました。
それではどうぞ!


色々検証してるんだけど、どうすればいいと思う?

 ──玉座の間

 

「……ん? ティアーから? どれどれ……ほう。レイスのプロキシを買っていたと。中々思い切った選択じゃないか、サンタよ」

 

「アリーナで試し撃ちしていると……ふむ。ちょうど時間も空いている事だし、少し顔出しに行ってみようか。色々面白くなりそうだしな……」

 

 

 ☆★☆

 

 ──【カオス・アリーナ】

 

「おお……これが、“ディメンション・ホール”……」

 

 俺は、目の前に実際開かれた穴を見て、感嘆の声を上げていた。

 僅か10cm前後しか開いていないと言っても、“自分の意思で”空間に穴を開けられると言うのは、非現実的な行為を体感するのにとても十分なものだった。

【ライト・ガジェット】を初めて持った時もそうだったが、なんと言うかこう、“魔法を実際に使えてみた”、といった興奮が湧いてくる。

 

 俺は試しに、片腕をその穴に通してみた。

 俺の“鎧越しの腕でギリ通る位”の穴だった。

 近くに空いている、もう一対の“”から入れた腕が伸び縮みしている。

 おー、レイス戦でも経験してみたけど、改めて体験してみるとめっちゃオモロい。

 

「よっし。じゃあ色々、検証開始だ!」

 

 俺はこれから、ひとまず思いついた簡単な事から、順に改めて試してみることにした。

 

 

 ①穴に“黒刀”を出し入れ出来るかどうか

 

「腕で試してはいるけど、念の為刀が通るかどうか……よし! 問題ないな」

 

 実際に“黒刀”の刀身を、“”に入れてみた。

 問題なく、“もう一対の穴から刀身が飛び出ている”。

 これだけでも不意打ちに十分だろう。

 例えば、相手の“背面からの刺突”とか。

 

 後ついでに、適当に持ってる端末をその穴に入れてみた。

 問題無く、これももう一対の穴から落ちてきた。

 “物だけを送り込むことも可能”、っと。

 ……つまり、“爆弾設置”とかなら出来そうだな。

 

 

 ②“”を実際に動かせるかどうか試してみる。

 

「どれどれ……ウッハハっ、本当に空中で自在に動かせる。オモロー!」

 

 開いた“”を、レイスがやっていた様に動いてみろと念じてみた。

 実際、その通りに“”が動いていった。まるで“サイコキネシス”で動かしてる様に、自由自在に……“二対共”。

 

「……あれ? “片穴”ずつ動かせないのか?」

 

 結論から言うと、“出来た”。が……

 

むっッッず?!! 両方同時なら楽なのに、“片方ずつだと一気に操作難易度上がる”ぞおいッ?!」

 

 例えるなら、“片手で二つのパソコンマウスを操作する”様な体感だ。

 ただマウス二つを固定して同時操作なら、片手でも出来るが……

 それが別々に独立した動きをしようとすると、途端に難しい。“片方の穴を固定しながらだけでも、とてもキツい”。ついつられて動かしてしまいそうだ。

 

 正直両方の手を使って、マウスそれぞれを動かしてみたくなるが、“ロッド自体は一つ”。

 なので、どうしても“片手操作を強制されている様な感覚”に陥ってしまう。

 

 あ、ヤバ。今気づいた。これ“穴の表裏も意識しないとダメだ”。

 “”の裏面は後で改めて検証するつもりだけど、なんか物通らないっぽい。

 つまり、“片手で二つ操作しながら、それぞれの表裏も意識しないとならない”と言う、予想以上に考える事の多さの面倒臭さ。

 

 これをあそこまで簡単そうに操作してたレイス、ガチでスゲえ。マジで尊敬してきた。

 これを実戦で? どれだけ特訓したんだよおい。

 

 

 ③“”を操作出来る距離の限界は? 

 

「とりあえず、やりやすい両穴同時操作だと……おお、大体アリーナの壁際まで届く。“目視範囲内だったら操作出来そう”だな」

 

 最低でも、数十mは操作可能だ。100m先でも、一応動かせそうではある。操作の精度がキツくなってくるが。

 俺が正確に素早く動かせる範囲となると、15〜20m範囲までが限度か? 

 それ以上は体感雑な操作しか出来無さそうだ。

 

 ……ただし、“これは両穴同時操作時”の話。

 “片穴”ずつ操作だと、かなり操作が難しくなる。

 距離はともかく、“素早く正確に操作が出来る自信がない”。

 

 これは特訓次第で変わりそうだけど、かなり練習が必要そうだ。

 

 

 ……そしてまかり間違っても。“地球の裏側なんて出せそうにない”と強く実感した。

 これは俺のがプロキシだからか、それとも……これも後で要確認。

 

 

 ④スイッチON,OFFで穴の出現位置を変えられるか

 

「どれどれ……あー、くそ。出現位置を変えることは出来るっちゃ出来るけど……」

 

 これも②の検証の時で実感したことと同様、二つの穴をセットで同じ場所に展開するなら楽だが、“片穴ずつ別々の場所に展開しようとすると難易度が難しくなる”。

 

 うーん……“片方の穴を俺の近くに、もう片方の穴だけ自由に展開だったら、まだ比較的やりやすい”か……? これも十分キツいけど。

 

 ただ、展開してから動かすより、“展開時に座標を設定した方が早く遠くに穴を出しやすい”。

 

 このテクは覚えておいた方が良さそうだ。

 

 

 ──“一旦以上”。

 

「とまあ、こんなところか」

 

 パッと思いついた簡単なものは、一通り試したつもりだ。

 少なくとも、“仕様通りの動作確認”はしただろう。

 

 ここからは……

 

「──仕様外による挙動の動作確認……いわゆる」

 

 “フェールセーフ(安全機能)テスト”。

 

 ここからは、その観点でテストしてみよう。

 では早速……

 

 

「──ほう、早速やっているな」

 

「っ、カイザー?」

 

 俺が続きの検証を開始しようとすると、アリーナの入り口からカイザーが入ってきた。

 全身鎧の顔を隠した状態だ。

 

「なんでここに? ここ今、俺が予約してるんじゃなかったっけ?」

「ま、確かにそうだな。だが、“見学を一切通さないほど厳しい制限”じゃない。それが嫌だったなら、貸切予約か、別の情報漏洩対策特化の施設で試すのが正解だったな」

「くそう、そこまで考えていなかったな……まあ、そこまで隠す様な内容じゃ無いから別にいいか」

 

 俺はつい浮かれて、そこら辺の対策が疎かになっていたことを自覚した。

 まあ、今回はバレてもそこまで致命的な内容じゃなかったからいいけど。

 でも、別のことやるつもりなら、本気で情報漏洩対策は意識しないとダメだと改めて実感した。

 ……まあ、“敵の本拠地でどこまで通用するかは知らんけど”。

 

「で、だ。我がここまで来たのは、ティアーに貴様が“レイスのプロキシを買っていた”と聞かされてな。面白そうだったから様子を見に来た、と言うわけだ」

「おっと、プライバシーの侵害〜。購入したものバラされるのかよ。ちょっと落ち着けねえなあ、おい」

「ま、友人同士の軽い話題提供、と言ったところだ。まあ嫌がっているならティアーに注意はしておいてやろう。それより……」

 

 そう言って、カイザーは俺の持ってる“ディメンション・ロッド・プロキシ”をチラッと一瞥する。

 

「ソレの使い心地を確認しているのなら、“我も少しくらいはアドバイス出来るぞ”。なにせ、“レイスの特訓に付き合った仲”だからな」

「お、本当か? 組織のボス直々で?」

「これでも我ながら面倒見は言い方でな。まあ、答えられる範囲と言う制限だが。“プロキシ程度の使い心地なら答えてやろう”。……で、どこまで確かめたんだ?」

「えーっと……」

 

 俺はひとまず、①〜④までの検証が済んでいることを伝えた。

 それをカイザーは感心したように肯きながら相槌を打っている。

 

「ほうほう。中々しっかりとした検証じゃ無いか。で、ここからが……」

「ああ、“仕様外挙動の動作確認”のつもりだ」

「ほう、例えば?」

「例えば……」

 

 

 ⑤“”の裏側はどうなっている? 

 

「で、出した“”の裏面が、これ」

「ふむ。“見事に塞がっているな”。カラフルではあるが」

 

 そう。レイス戦でも確認していたが、裏面が“シャボン玉の虹色模様のようなマダラ色で、グニョグニョしている”。

 まさしく“空間に作用している”、と一目で分かる様な異常さだ。

 

「で、試しに手とかで触ってみても、“通さない”。つまり、裏表がしっかりあると言うことだ」

「なるほど、確かに立派な情報だな」

 

 つまり、ちゃんと表面同士で穴を繋げないと通る事は出来ない、と。

 

 ……で、ここからが本題なんだが。

 

 

 ⑥“”を壊せるのか? 

 

「つまり、“”の耐久性を知りたいと言うわけだな? ふむ、実際に受けた方が分かりやすいだろう。ちょっとその“”そこで固定しておけ。“裏面のままな”」

「はい? ちょっと?」

「……フッ!」

 

 その軽い一息とともに、カイザーは鎧の小手で“手刀を放った”。

 流れる様な動作とともに振り下ろされたそれは、展開中の“”の裏面に見事にヒットし……

 

 パリイィ──ンッ!! っと、甲高い音を立てて“”がひび割れた。

 

「……ふむ。“変身した女の手刀で壊れる程度”の耐久性……と言う結論でいいかな?」

「あまりにもスムーズに移行したからびっくりしたぜ……あんたの手刀がどれくらいの威力かは知らないけど、どの道“そこまで耐久は高く無さそうだ”」

 

 カイザーの腕力がどれくらいかは知らないが、武器も無しの状態で壊せる程度じゃ、耐久性が高いとは到底思えない。

 これによって、他にする予定だったいくつかの検証の結果の答えも同時にしれた。

 例えば……

 

 

 ⑦“”の裏側で攻撃を防げないの? 

 ⑧“”の裏側で乗って空中を動けないの? 

 

「この検証予定だった二つの疑問も、結論“無理”って答えになりそうだ。手刀程度で割れる耐久性じゃ、“人一人乗れるかも怪しい”」

「ちなみに、実際今我が乗ってみたが“すぐ壊れたぞ”。ちなみに我の体重は鎧込みで今70kgとか、そんなところか? 我そこそこ身長高めだし」

「通りで、レイスが“わざわざ穴の先を地面や壁に繋げていた”訳だ。穴そのもので防ごうとしたらすぐ壊れる。間接的に“足場との距離をゼロにする方向じゃ無いと体を支えきれなかった”んだな」

 

 ……となると、一つ疑問が湧いてくるな。

 試合中、俺の“黒刀”でレイスの穴の縁攻撃しなかったっけ? 

 

 

 ⑨穴の耐久値ってあげられる? 

 

「感情エネルギー注ぎ込めば、耐久力はある程度は上がるぞ。レイスほどの実力なら出来るだろう。まあ、だからと言って極端に上げられるわけでは無いが」

「少なくとも、刀の一閃を一瞬止められる程度には上げられると」

「まあ、“プロキシ版だと雀の涙程度”になりそうだがな」

 

 なるほど。まあ、耐久に関してはそこまで期待しない方が良さそうだ。

 

 で、“”が壊れた事で気になる点。

 

 

 ⑩“”が壊された時、再展開って出来る? 

 

「スイッチoff、からの再起動っと……よし、やっぱり“問題無く再展開出来るな”」

「貴様の知識の範囲で言うと、“浮き輪ガジェットと同等、対象を展開するタイプ”になるかな。浮き輪ガジェットほど無限に展開出来るわけでは無いが、“穴が壊されてもガジェットそのものを壊されたわけでは無い”」

 

 よし、壊されても特に問題は無さそうっと。

 

 

 ⑪穴って、地面の中とかで展開出来る? 

 

「ふん! ……ダメだ、“地面の中じゃなく、地面の手前で穴が出現する”。何かに遮られてる感覚だ」

「ふむ。試しに、ここの“我の両手で作った丸”の中に展開してみないか?」

「どれどれ……うわッ!? “めっちゃ抵抗感がある!?”」

「まあ、“我が力強く押さえ込んでいるからな”。結論から言うと、“一定の空間が無いと押し返されるだけ”となる。地面の中とかだと、密集した場所だから展開自体出来ない。“水中とかなら出来るがな”」

「力強く無理やり展開する事は?」

「⑥の穴の耐久性に引っかかって、どの道無理だと思うぞ」

 

 じゃあ、ダメかー。

 

 ……ふむ。じゃあ、空間があればいいんなら。

 

 

 ⑫壁の向こう側の部屋とかに直接展開出来るのか? 

 

「先に我から結論を言おう。“プロキシだと出来ない”」

「レイスのオリジナルの“ディメンション・ロッド”なら出来ると?」

「条件を整えればな。しかし、“プロキシ版だと目視範囲内の展開しか不可能”だ。明確にオリジナルより劣っている点の一つだな」

 

 そっかー……“鍵の掛かってる部屋にこっそり物を仕掛ける、とかは出来ない”か、じゃあ。

 シンプルに“鍵の掛かっている扉を裏側から開ける、とか出来そうだと思ったんだけど、無理かー”。

 

 ……いや、待て。

 

 

 ⑬展開してから、壁の裏側に穴を操作して持っていく事は? 

 

「それならまあ、出来るな」

「出来るのかよ!?」

「“目隠し状態で、手探りで穴を操作”する事になるがな。……まあ、“穴から覗き込めばある程度は把握出来るか”」

 

 じゃあ窓とか空いてたら、そこから侵入、探索し放題じゃねーか。

 

 ──あ!? 今のカイザーの覗き込むで思い付いた! 

 

 大体“映像ドローンっぽい事全般これで出来る”じゃねーか!? 

 周辺地理把握よし、偵察兵代わりに先行よし! 普通にドローン使うより気づかれにくい偵察道具!? 

 

 あっぶねー、この方法気付いてよかったぜ。いろいろ悪用出来そう。

 逆に自分も今の内に対策する必要あるけど。

 

 

 

 ⑭穴を空間に座標固定って出来る? 

 

「これも我から答えを先に言おう。“プロキシだと出来ない”」

「つまり、発動者からの“相対座標”のみ?」

「レイスのオリジナルなら可能だな。……いや、補助無しなら“本人の技術でそう出来てるだけ”だな。基本的には、発動者本人からの相対座標。つまり、“本人が移動すれば穴も追従して移動してしまう”。空間に固定されているように見えるなら、“本人の移動に合わせてアナログで相対距離を調整しているだけ”だな」

 

 ……面倒くさ!? 

 要は、“パントマイムみたいに一部がその場から動いていないように見せかける技術”って事だろ!? 

 実戦中にそんなことやってたのレイス!? 

 俺仮に真似しろって言われても、すぐ出来る自身ねーぞ!? ましてや慣れない武器で!? 

 

 

 ……んじゃあ、ここから俺が本当に、一番気になる事。

 

 

 ⑮“穴を使って次元利用した切断って出来る?

 

「ほう? 空間切断、と言うわけか?」

「ほら、よくアニメや漫画とかで、空間系の能力者が使う技であるでしょ? “空間閉じて、相手の耐久力関係なく切断出来るってやつ”」

「あるなー。見栄えも強いし、人気のある技だな」

 

 と、言うわけで……

 

「とりあえず、この“黒刀”で試そうと思います。まず穴に真ん中まで通します」

「ふむふむ。それは良いとして、壊したらティアーに怒られないか?」

「でも実際確かめるには必要な事だし。【ダーク・ガジェット】程度の耐久値を貫通するのかも知りたいし」

「まあ、確かに自分の武器がどうすれば壊れるか確認するのは大事か」

「話を戻して、そこで穴を閉じようとします。フンッ!」

 

 イメージとしては、10cmくらいまで広げた穴を、急速に窄めていく! 

 “黒刀”がすっぽり包まれるくらいに狭まって、そして……! 

 

 ギュムッ。

 

「……引っかかったね」

「まあ、“縁がフラフープみたいに分厚い”からな」

 

 うん、ある程度力を入れてもこれ以上縮む気配は無いっと。

 これ以上力を入れたら、さっきみたいに“穴自体が壊れそう

 結論、“次元切断は不可能そう”、っと……

 

「同様に、“穴の縁とか利用して切断とかも不可能そう”っと……」

「まあ、“フラフープで物切れる達人がいるなら、もしくは”って話じゃ無いか?」

 

 つまり、ロマン砲は無理と。

 まあ、出来たら出来たで普通に危ないからな。逆に安心したかも。

 

 ……けど。

 

 

 ⑯物が穴に入っているときに、“スイッチOFF”したらどうなるの? 

 

「ポチッとな……“これも途中で引っかかって止まるな”」

「展開がし続けたまま、穴が完全に閉じない。つまり、スイッチがONのままだ。この状態だと“新しく再展開が出来ない”状態だな」

「試合中、このリスクにはなんとなく思い至っていたけど、やっぱり正しかったんだな」

 

 なんと言うか、力づくで狭めていると言うより、オートで縮んで行って、そこで止まってる感じだな。

 手動で力づくで狭めた方が、自壊してそっちの方が都合がいいかも。

 

 

 ──さて、次が絶対確かめなきゃいけない事だ。

 それは……

 

 

 ⑰物が通っているときに、“穴が壊れたらどうなるの?

 

「本命の検証! “黒刀”セット完了! カイザー、頼んだ!」

「ほう、この我を顎で使うとは! まあいい、行くぞ!!」

 

 “”に黒刀が真ん中まで刺さっている状態で、裏側から“カイザーが全力パンチ!!

 これこそ本命、“本当に次元を利用した攻撃が出来ないのか”の確認! 

 完全な想定外挙動! これならどうなる!? 

 

 直後、カイザーのパンチにより、穴にヒビが入り────

 

 

 直後、“黒刀を中心にバシイィ────ッ!!! っと、弾かれた”。

 

 

「うわあぁぁッ?!!!」

「つおっと……ッ!!」

 

 俺はその場で、弾かれた衝撃で尻餅を着いた。

 片方の手で握っていた“黒刀”を急いで確かめる。────“全くの無傷”。

 

「壊れて、いない……!?」

「実感したか?」

 

 予想していたのか、対して姿勢を崩していないカイザーが俺を見下ろしてきた。

 まるで当然の現象を見ただけ、とでも言う様に。

 

 

※カイザーの【ダーク・ガジェット】の安全性の説明

 

「ちょうどいい機会だ。ここではっきり明言しておこう。“ディメンション・ロッド”だけじゃ無い。プロキシ、【ダーク・ガジェット】問わず、ある共通点について」

「共通点……?」

 

 俺が立ち上がったのを確認した後、カイザーがはっきりと話し始める。

 

「ああ……【ダーク・ガジェット】全般、“人の命に関わる様な危険な動作は、全て起こらない用対策済み”になっている」

「な……っ!?」

「まあ、剣で人を斬る、程度はまだ普通に出来るがな。対策してるのは、さっきの次元で切れるみたいな、“想定外動作でうっかり人が死ぬ様な挙動”が起こらない様になっている。文字通り、フェールセーフ機能だな」

 

 考えてもみろ。と、カイザーは“黒刀”を指差して答えてくる。

 

「【ダーク・ガジェット】全般、“開発したのはティアーだぞ?”」

「……!」

「“あいつが人が軽々死ぬような誤作動を起こす可能性、見過ごすと思うか?” コアパーツ内部にそう言う機能を搭載済みだ。少なくとも、“ティアー視点で想定出来る範囲は全て自動で対応出来る”ようになっている」

 

 ……なるほどな。

 流石はティアー……涙(るい)って言った所か。

 ヒーローだろうが、悪の組織だろうが、人の命を大事にしたい一面は変わらない、か……

 

「……ちなみに、その機能を無理矢理取り外すような事は?」

「出来ない。コアパーツ内蔵機能だからな。いくら【ダーク・ガジェット】がメンテが各自でしやすいと言っても、コアパーツ内の詳細を把握している人材なんて、ティアー以外殆どいないだろう。……極端な話、ティアー以外だとコアパーツ内のデータは“コピペ”で量産しているのが実情だ」

 

 なるほど、ティアーがいない、あるいは開発に関われない場合でも、量産だけならデータのコピーでなんとかなる、と……

 やっぱりティアーがいない場合の対策はしっかりしてるのな。まあ、その場合発展も出来ないだろうけど。ブラックボックス一直線だ。

 

「ましてや、その機能を解除するなど……ティアー以上の技術を持った、よっぽど狂ったマッドサイエンティストでも無いと実現出来ないだろうな」

「ちなみに、その可能性の人物の心当たりは?」

「いな……いや、あるいは“あの組織”なら──……まあ、警戒はするが可能性は低い、と言った所だな。今は深く考える必要は無い。ましてや、アルバイトが、な」

 

 ……ま、俺も好き好んで安全装置を外したいわけじゃない。

 量産方法の方はともかく、安全装置の解除方法などそこまで重点的に意識しなくていいだろう。

 

 

 ☆★☆

 

 

「──さて、色々と長くなってしまったが、これで大体の検証は済んだかな?」

 

 カイザーはそう言って、手の指を折って数を数え始める。

 

「ヒーフーミー、の……ざっと17項目も検証するとか、よくもまあここまでポンポン思い付いた物だ。感心するよ。────まあ、大体は私も以前似たようなことは確かめたが」

 

 ぼそっと呟いた言葉は、俺にはしっかり聞こえていた。しかも私って言ってるし。

 て言う事はカイザー、今回の俺の検証、大体答え既に知ってたな……? 

 まあ、実際に俺の目で確かめられたし、どの道実際試すつもりだったから、特に指摘するつもりも無いけど。

 

「色々確かめてはいたが、まあ簡単にまとめると、“『レイスのプロキシは、目視範囲内を自由に展開、操作可能。但し操作性に難あり。耐久性不安。しかし再展開可能。命に関わる挙動は対策済み』”、大体これだけ覚えれば問題無いだろうさ」

 

 なるほど、とても分かりやすい。

 初めての人に説明するのに、この上なく簡潔で短い内容だ。

 

「さて、我も大分楽しませて貰ったからな。他に聞きたい事があれば、今なら受け付けるぞ?」

「本当に? 何でもか?」

「……そう聞かれると、流石に答えられる範囲になるがな。そうだな……“私のスリーサイズ程度までなら、答えてやらんでもない”」

「“それはいいや”」

「お前さらっと即答で断ったな……軽いジョークのつもりだったとは言え、逆にショックだぞ……で、何かあるか?」

「じゃあ一つ質問」

「ほう、なんだ」

 

 

「──“レイスの穴って、本当に無制限で地球の裏側まで繋げられるの?”」

 

 


 

 

 ★佐藤聖夜(さとうせいや)

 23歳

 175cm

 黒髪

 中立・善

 

 主人公

【ジャスティス戦隊】のレッド。

 サンタクロース改め、サタン・クロス。

 

 検証とか実験大好きなタイプ。

 可能な限り細かく調べたつもり。

 ある程度悪用方法は思い付いたが、どちらかと言うと戦闘以外での方面ばかり。

 真正面で戦闘中の場面で使いこなせるかと言われると、現在微妙と言った所。

 もっと活用法あるはずなのに、思いつけなくてもどかしい、と言った状態。

 

 改めて書くが、『レイスのプロキシは、目視範囲内を自由に展開、操作可能。但し操作性に難あり。耐久性不安。しかし再展開可能。命に関わる挙動は対策済み』

 今回の話はこれだけ覚えておけば大体問題無いと思う。多分。

 

 

 ★カイザー

 22歳

 172cm

 紫髪

 混沌・悪

 

【カオス・ワールド】のボス。

 ティアーの幼馴染み。

 

 サンタクロースと一緒に検証実験の時間を過ごせて、大分満足。

 大体クロスが思いついていたものは、カイザーも昔実際試している。

 その際、レイス本人も巻き込んで、思いついたテクニックを伝授している。

 スリーサイズは、まあ平均的な女性より少しメリハリのある体、と言った所か。

 スタイルだけならティアーの方が上かもしれない。

 

 

 ★レイス

 20歳

 162cm

 紅髪

 秩序・善

 

 三幹部の一人。お嬢様口調。

 通称、【次元のレイス】。

 

 プロキシとは言え、能力めっちゃ検証されまくった人。

 あいつ(クロス)、無駄遣いしちゃってショック受けてないかしら、とか心配してる場合じゃないよ君。

 “ディメンション・ホール”の戦闘活用方法は、大体カイザーと相談して習得した物。

 本人の性格上、どちらかと言うと流通、輸送方面での活用方法が思いつきやすいタイプ。

 三幹部の成果としては、戦闘技術より、そちらの方での貢献度が高く評価されている。

 

 ちなみにスタイルは、ティアーよりやや上。

 

 

 ★天野涙(あまのるい)

 22歳

 168cm

 青髪

 混沌・善

 

【ジャスティス戦隊】のブルー。

 兼、【カオス・ワールド】の幹部、“コバルト・ティアー”。

 

 命に関わるもの許さないマン。

 ちゃんと安全装置を構造段階で組み込んでいるタイプ。

 

 ──もしこの自動安全装置が無かったら。【ダーク・ガジェット】全般、とても人間に扱えるものでは無かっただろう。

 

 安全装置とは、何もフェールセーフ機能だけでは無い。

 

 例えば極端の例を出そう。クロスの“黒刀”。

 ──恐らく、“刀身のみで、持ち手の部分が存在しない”形だった可能性が高い。

 

 “人にとって、使いやすい形をしているかどうか”も、その機能に含まれている。

 武器の持ち手という、“使う人のことを考えられて取り付けられている部分”がすっぽり無くなってしまうのである。

 

 例えば、爆弾の能力がある武器だったとする。

 ──起動スイッチ、タイマー機能などもなく、発動した時点で爆発している可能性も高い。

 

 到底、人に操れる状態じゃ無い可能性が高い。

 

 この危険性を全て排除し、誰かに後天的に解除されれないようあらかじめコアパーツに内蔵、セキュリティを高めた事が、ティアーが力を入れた部分である。 

 

 この機能を入れていない【レプリカ・ガジェット】が広まったなら。

 間違いなく、ティアーは世界を混乱に貶めた大犯罪者として、言い訳の余地なく否定出来なかった事だろう。

 

 

 ちなみに余談だが。

【ライト・ガジェット】は、コアパーツ以外全般、後天的に作られた物である。

 だから武器部分は、元より使い手のことを考えられて構築されている。

 




カクヨムでも連載開始致しましたー!
一日1話で過去話から予約更新しています。

よかったらそちらで☆評価も、よろしくお願い致します。

キャラクター人気投票第一回。どのキャラが現時点で人気かちょっと確認も兼ねてアンケート取ってみます。枠の関係で戦隊のみのグループがあります

  • 佐藤聖夜 | レッド/サタン・クロス
  • 天野涙 | ブルー/コバルト・ティアー
  • カイザー | ―
  • 大地鋼 | グリーン
  • 空雲雷子 | イエロー
  • 大地心 | ピンク
  • 空本神矢 | ―
  • トール | ―
  • レイス | 次元のレイス
  • ミクス  | ―
  • アイリス | ―
  • マッハ情熱戦隊
  • クロス戦隊
  • リトル・ブレイブ戦隊
  • ガリオ・リベンジャー
  • 赤城広人 | イフリート
  • 白原雪音 | イース
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

担いだ神輿が重すぎる!(作者:Ωが来た!)(オリジナルファンタジー/コメディ)

 周囲が人外だらけの中、主人公が生き残る為に軽そうな魔王候補を神輿として担いだ筈が…なんか気付いたら手に負えなくなっていた話▼ 或いは、ヤバい女達に囲まれ人外価値観に振り回されてながらも、知恵と勇気と下心で切り抜けようとするお話。▼ 尚、大小様々な矢印を追加で受けている様で、しっかりそれにも振り回される模様。


総合評価:1678/評価:8.5/連載:21話/更新日時:2026年09月13日(日) 07:00 小説情報

【書籍化】 ま! よ! け! の! 塩! (120年分)(作者:哀森賢人/哀しみを背負ったゴリラ)(オリジナル現代/ホラー)

【書籍化決定!】2026年08月24日 GCノベルズ(GCN文庫)様より発売中!▼  自分の部屋の天井の四隅を同時に見てみよう。▼  大丈夫。何も起きないから。絶対なにも起きないから、大丈夫だから。ね?ね?▼夜の山をじっと見続けると、何か光るモノが見えるよ。▼それが動いていたら、スマホで動画を撮ってみよう。▼きっとバズるよ。ほら撮って。▼    寝る前に布団…


総合評価:27623/評価:9.09/連載:50話/更新日時:2026年09月05日(土) 23:27 小説情報

【書籍化】異世界転生周回プレイもの(作者:にーしち)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

主人公「なぜ俺が選ばれたんですか?」▼女神様「貴方には素養があります。私の願いを叶えるのに必要不可欠な素養が」▼主人公「それは......?」▼女神様「貴方がどんなゲームも100%達成トロコンしないと納得できず千回だろうと一万回だろうと周回して全てを遊び倒す究極クソ廃人だからです」▼主人公「なるほど!」▼※カクヨムでも連載中です▼※2026年7月20日、オー…


総合評価:31693/評価:9.19/連載:36話/更新日時:2026年09月10日(木) 19:00 小説情報

『大切な人を救うために死に戻る能力』(作者:破れ綴じ)(オリジナル現代/日常)

「ま、アンタは『大切な人』じゃないんだけど」▼ *▼ クラスの堅物委員長マコトがめちゃくちゃ仲の悪いギャルのセイラと共に、なんとか死に戻りループを攻略し、『大切な人』達を命の危機から救い続けるお話です。ちなみに、能力を持っているのもループするのも主人公じゃないです。


総合評価:5706/評価:9.21/連載:73話/更新日時:2026年09月14日(月) 00:00 小説情報

【三章開始】いずれ神成る恋物語-天使と悪魔とラブコメ生活-(作者:ビスマルク)(オリジナル現代/冒険・バトル)

天使と悪魔の戦い。世界の裏側に存在する人を巻き込む戦い。それが現実なのだと僕は知る。▼それはそれとして天使も悪魔も滅茶苦茶美少女で可愛いくて好きになってしまったのでラブコメしつつ襲ってくる連中をぶっ倒します。▼これはただの高校生だった僕が神に至るまでの、どこにでもあるような恋物語だ。▼旧タイトル:幼馴染(天使)が幼馴染(偽)だった。天使なのはガチだった▼ カ…


総合評価:9150/評価:8.84/連載:119話/更新日時:2026年09月14日(月) 11:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>