ウチの戦隊ブルーが悪の女幹部として配信してるんだけど、どうすれば良いと思う?   作:新月

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シルバーウィーク皆さん楽しんで下さい!

追記。
ちょっとこのお話の設定一部修正しました。


射程について改めて聞いてみたんだけど、どうすればいいと思う?

「……ほう?」

 

 ▽==================================▽

 

「……“距離は?” その穴の有向射程距離はどうなってる?」

「オホホ。──目視範囲は勿論、“座標さえ分かっていれば地球の裏側だって直ぐ”ですわ」

 

 △==================================△

 

 俺のした質問に対し、カイザーが声色を少し変えて反応をした。

 “レイスの穴は、本当に無制限で地球の裏側まで繋げられるのか?”

 この質問に対し、カイザーは今までみたいにすぐ答えるわけではなく、ふむ……と、一呼吸置いてから……

 

「……念のため確認しておこう。その質問はレイス、つまり“オリジナルのディメンション・ロッドの射程限界についての質問”で合っているか?」

「ああ」

「プロキシではなく、“三幹部の能力の上限、ある意味弱点”について知りたいと?」

「うん」

 

 俺はこくりと頷いた。

 

「なるほど、なるほど……」

 

 そうして、何かを噛み締めるように呟き。

 そして、ようやく口を開くと。

 

「……逆に聞こう」

 

 ──明らかに、覇気を込めたような強い口調に変わり

 

 

「──その質問に、“三幹部のボスである我が、本気で答えるとでも?”」

 

「“なんで?”」

 

「“なんで!?”」

 

 

 が、俺の呟いた言葉に対して、逆に向こうが驚いたような声を出していた。

 ……え、マジでなんで? 

 

「……待て、本気で言ったのか今?」

「うん、なんで?」

「…………お前、プロキシの範囲内ならまだしも、“部下の能力の弱点に繋がりかねない事”をボスである我が素直に言うと思ってるのか?」

「……あー。あー……、ああー…………」

 

 ……そっかー、そっかぁー…………

 ……そうだよなあ、そう言えばボスだったよなあ。

 そりゃそうか、普通部下の弱点バラさないよなあ、そりゃあ当たり前だよなあ……

 

「なんだその反応。まさか、ガチで我が部下の弱点簡単にバラすと思ってた? “我の事何だと思ってる?”」

「“裏情報で世界情勢とか色々めっちゃ話してくれる女”」

「“しまったな、我ながら否定出来ん”。配信で流しすぎたか……」

 

 そういうと、カイザーはああー……と、真面目に頭を抱えるように片手で額部分を押さえ始めていた。

 

「……先に言うと、“プロキシ版の能力詳細公開は、既に本人の許可を得ている範囲内だ”。極論、プロキシ版はポイントさえ集めれば、“誰でも手に入る能力だからな。制作許可を本人に得る際に、そのことの確認もとってある」

 

 なるほど、つまり周知の事実の範囲内、と言うことか。

 誰でも知ろうと思えば知れるから、わざわざ隠す必要が無かったと。

 

「だから我も、プロキシ版についての説明は特に隠さなかっただけだ。言っただろう? “プロキシ程度の使い心地なら答えてやろう”、とな。……流石に、私が簡単に部下の事簡単に売るような女だと思われてた事には少しショックだな……」

「いや、違うんだよ。ガチで、ただただ能力の検証として知りたくて聞きたくて、正直三幹部の弱点見つけてやるー、って気持ちより、“何が出来るんだろう? って興味本位が強すぎて素で聞いちゃった”って感じで……ぶっちゃけ“ディメンション・ホール”なんていう“非現実的な能力手に入ったら、色々確認してみたくなっちゃわない?”」

「“まあ、正直分かる”」

 

 そういうと、カイザーははっきりとコクリと頷いていた。

 やっぱり気持ち分かるよな、なあ。

 まあでも、話を戻すけど……

 

「でもじゃあ、答えられないかあ。残念だ……」

「ガチで、本気で残念がってるのか感じられる声だったな…………あー……」

 

 そう言うと、カイザーは空を見上げるように仰ぎ見て、少し唸った後……

 ふと、何かを思い付いたかのように。

 

「……まあ、ある意味“レイスには丁度いいか”」

「はい?」

「少し待ってろ」

 

 そう言って、カイザーは踵を返し始め、端末を取り出しながら何処かに離れていった。

 声は俺には殆ど聞こえていないが……

 

「あ、レイスか? 実は……────」

 

『──!? ────ッ、────!!』

 

「まあ、だろうな。ところで、この間の“掛け金”についてだが……」

 

『──ッ?!! ────?!』

 

「いや、貴様に責任は無いだろう? あくまで我が勝手に賭けただけだ。だが、貴様は気にしているようだったからな。“もし許可をくれるなら、我は勝手に100万pt並みの価値を感じとるぞ”」

 

『────…………っ、────、────。──────』

 

「ああ、了解した。ちゃんと説明するさ。それじゃあ」

 

 そう言った後、カイザーは俺のところに戻ってきて……

 

「──というわけで、ちゃんと本人(レイス)に許可をもらってきたぞ」

「まじか!? “ところで、何か脅して無かった?”」

「安心しろ、“勝手に向こうが気にしていただけだ。それをついでに解消したに過ぎん”」

 

 そう言ってカイザーは、なんて事のないように話始めた。

 うーん……

 

「いや、俺にとってありがたいけどさ。“今更だけどカイザー、そこまで俺の手助けしてくれる理由も無いよな?” 何でだ?」

「何、ちょっとした我からのご褒美という形だ。“この間貴様が我に勝ったことでな”」

「あ? 俺、お前とはまだ直接戦ってないはずだけど?」

「なあに、“我が勝手に敗北感を感じてるだけだ”。深く気にするな」

「微妙に気にし切れない情報なんだけど……なんか変な感じだな。心当たりねえぞ?」

「まあ、本当に深く考えるな。ただのラッキーと思え」

 

 

「──(何、単純な話。“レイスが勝つと思っていた試合で、私の予想を超えて貴様が勝った”。分かるか? “貴様は私の予想を覆した”。些細なことだが、その点で私が負けたと感じるには十分だろう?)」

 

 

 ☆★☆

 

 ①レイス単体の射程について

 

「さて、改めてレイスの射程についてだ。……が、その説明について入る前に、一つプロキシで実感してもらいたい事がある」

「実感してもらいたい事?」

「なに、大した事じゃない。すぐ終わる。ちょっと待ってろ」

 

 そう言って、カイザーはアリーナの外周壁のところまで行き、何らかの扉を開いて中に入って言った。

 恐らく、倉庫か何かか? そこから何かを持って出てきた。……運動用の“メジャー”だ。

 学校の体育の授業で見たことあるような、巨大なメジャー。

 

「さて、クロス」

 

 そう言って、カイザーは足でザーッ! っと、軽く線を引いた。

 そして、アリーナの適当な方向を指差して……

 

「“ここから、丁度10mの位置に穴を展開してみてくれ”。ただし、片方だけその位置。もう片方はこの近くに残せ」

「ん? あ、ああ」

 

 そう言われて、俺はプロキシの“ディメンション・ロッド”を構えた。

 うーん……さっきの検証で、片方だけ遠距離なら比較的マシだったから、まだ出来るか……? 

 とりあえずやってみる。スイッチON! 

 

 そして、離れた位置でブオンッ、と穴が開いた。俺の隣近くにも、もう片方の穴が出ている。

 

「よし、待ってろ。あ、端っこ踏んで固定しておいてくれ」

 

 そう言って、カイザーは俺の足元にメジャーの端っこを置いて、俺に踏ませていた。

 その後、カイザー自らメジャーを持って開いた穴の位置まで引っ張っていっている。

 そして、暫くたち……計測が終わったのか、戻ってきて。

 

「──“9m85cm”。今日初めて触った能力にしては、中々の精度じゃないか」

「そうか? まあ、これくらいなら慣れてるからな」

 

 グリーンさんとの特訓とかで、距離感はかなり鍛えられているからな。

 慣れてない能力だったから15cm位誤差でちゃったけど、レッドエッジならもっと精度を出せる自信はあった。

 それはともかく。

 

「で、これが何に関係して来るんだ?」

「ふむ。じゃあ、この上で聞こう。“100m、1000m単位になった時、どれくらい誤差を抑えられる?”」

「!!」

 

 ……それは、10mだけでなく、もっと離れた距離で誤差を抑えられるか、って事か? 

 うーん……

 

「そもそも、プロキシだと100mくらいが操作限度だと思ってるんだが……単純な10倍の誤差、にはならない気がする。もっと精度が荒くなると思う。多分、“最低5mはずれるんじゃ無いか?”」

「結構。それをまず実感してもらえれば、説明が捗るな」

 

 そう言って、カイザーはメジャーを降して、改めて説明に入った。

 

「まず、結論から言うと、“レイス単体じゃ地球の裏側まで穴を繋げることは出来ない”。貴様は確か、“なんらかの制限、あるいは補助がいるんじゃ無いか”と睨んでいる、だったか? “大正解だ”」

『ヒトリジャムリデスノ!』

「っ!!」

 

 よし、俺の予想ドンピシャか! 

 やっぱり、一人の能力じゃ限度があったんだ。

 しかしそう喜んでいる俺に対して、カイザーはピッと指を立てた。

 

「慌てるな。かと言って、レイスが弱い訳ではない。貴様は、貴様自身だとプロキシ版で100m程度が限界だと言ってたな?」

「あ、ああ」

 

「──レイスなら、“オリジナル版で約1km。それなら誤差1m範囲以内で操作可能だ”」

『センメートルイケマスノ!』

「っ!」

「誤差を気にしないのであれば、4.4km。“海岸で立った時の水平線までの距離”が限度だな」

『ダイタイサンビャクメートルクライ、ゴサデチャイマスノ!』

 

「逆に言えば、海岸から見た水平線まで。それ以上の距離になると、“感情エネルギー自体が足りなくなる”。それがレイス単体での限界値だ」

『ヤリタクテモ、エネルギーガタリマセンノ……』

 

「それ以上の距離となると、レイス単体だと感情エネルギーを増やすしか手は無いな。現実的では無いが」

『ユメモノガタリデスノ……』

 

 なるほど……つまり。

 “精度を保てて操作出来る距離は1kmまで”。

 “精度を気にしなくても、限界値4.4kmまで”

 これがレイス単体の限度か。

 

「なるほど、一気に現実的に感じるようになったな。まあそれでも十分凄いが。……だがまあ、“地球の裏側まで余裕って言葉を聞いた後だと、見劣りするな”」

「確かにな。だがまあ、優秀とは言え、人一人の限界値としてならこんなものだろう」

 

 

「──なら、“補助を得たならどうなる?”」

 

 

 ②補助について

 

「突然だがサンタクロース。貴様、“携帯電話使った事あるか?”」

「あ? あるけど。つーか、ティアーからもらった端末もある意味そうだろ」

「ならあえて質問だ。“携帯の電波はどうやって通話相手に届けられる?”」

 

 は? 電波の届け方? 

 そりゃあ、えーと……電話番号入力して、通話ボタン押して。 

 電波を放って、それが相手に届いて……いや、その前に中継機を経由か? 

 メーカーの立てたアンテナとかからいくつか中継……“中継機?”

 

「っ、まさか!?」

「そう、お察しの通りだ。答えは簡単」

 

「“【ダーク・ガジェット】専用の中継機が建てられている。それも世界中に”、な」

 

「な、なあッ!??」

 

【ダーク・ガジェット】専用の、中継機、だと!? 

 

「この中継機は、一般のものと同様複数がつながっている状態だ。【ダーク・ガジェット】本体に多少追加パーツを取り付ける必要があるが、“一度調整すれば、中継機を経由して殆ど距離を無視して能力を発動出来る”」

『メッチャトオクマデソウサデキマスワー』

 

「レイス曰く、“中継機をマーカーとして指定して、そこから通常の能力操作の範囲内で穴を開けられる”、とのことだ」

『チュウケイチディーノジュウメートルハンイナイニ、アナヲテンカイシマスワ!』

 

「これが“地球の裏側まで繋げられる”の本当の真実だ。中継地という補助を利用することで、距離の大半を無視して能力が発動出来る。これがレイスの言った言葉の真実だ」

「……っ」

 

 俺はその説明に、驚愕を受けていた。

【ダーク・ガジェット】専用の、中継機だって? 

 そんなの、【ライト・ガジェット】にはそんな概念なんて無かった。

 いや、待て……!? 【ダーク・ガジェット】専用? 

 

「おい、という事は。その中継機って、“ディメンション・ホール”だけじゃなくて……」

「ああ、お察しの通り、“他の【ダーク・ガジェット】でも使える”。まあ、放出系か物体展開系の能力に限るがな」

 

 おい、これレイスだけの強みじゃねえぞ。

【ダーク・ガジェット】使いの多くが距離の概念無視して能力使えるって、とんでもねーことじゃねーか!? 

 いやある程度は管理はちゃんとしてるんだろーけどさあっ!? 

 

「いやあ、これのおかげでレイスみたいな空間転移系の能力がかなり大きな使い道が出来てな。レイス主導で、【カオス・ワールド】の輸送、移動費関連が大幅に削れて、組織の拡大に大きく影響を与えている。あいつが三幹部の採用理由に、“輸送関連の大幅改善”が成果としてあるくらいだからな。人事部門の他に、輸送管理スタッフとしても優秀だよアイツは」

「それ両方一人で担当してるのかよレイス!?」

「ああいや、“流石にもう輸送関連の引継ぎは済んでいるぞ”。似たようなワープ系の【ダーク・ガジェット】能力者を集めて専門の部署を構築、ワープ系のプロキシも量産し、レイスがいなくとも回るよう既に独立出来ている。部門立ち上げの功績だな。組織運営のリスクとして、レイスは極力一人依存の組織運営をしないよう心がけているし」

 

 アッハッハ、とカイザーは笑う。

 そりゃそうだろうな!? 

 “そんな携帯電話掛けるみたいなノリで、地球の裏側まで簡単につなげて移動出来るなら、そりゃあ輸送業で産業革命どころじゃねえわな!?”

 しかももう専用部署つくってやがるし! 一人に依存しなくて偉いね!?

 

「ちなみに余談だが。この中継機、“いくつかの山の頂上、空中、海中、あちこちにも設置”してある」

「は!?」

「やろうと思えば、レイスの能力でマーカー指定で、“深海の底と繋ぐこともできるぞ”」

 

 何だって!? じゃあ……

 

「じゃあ、“深海と繋げて、水圧カッター”とかは……?」

「“出来るぞ”」

「“まじで!?”」

「“私が教えた”」

「“マジか!?”」

 

 マジマジ、とカイザーは言った。まあレイスの戦いだと、敵を穴に入れて場外判定した方が手っ取り早いから中々実戦では使わないらしいが、との事。もったいねえ!? 

 

「ちなみに、特定の中継機のマーカーを利用して、“擬似的なアイテムボックスの再現”もやってるな。倉庫からいつでも好きな道具取り出せるから」

「おいおい、中継機メッチャ便利アイテムじゃねーか!?」

 

 補助とは言っても、その補助による恩恵がめちゃくちゃデケエ!? 

 今話しただけでも輸送、在庫管理にめちゃくちゃ貢献してんじゃねーか!? 

 は!? そうだ!? 

 

「な、なあ!? 今話した中継機って、このプロキシでも……!」

 

 

「“使えない”。──ああいや、使えるには使えるが、“運送部隊専用備品扱いだから、無所属の貴様には使えない”、が正しいな」

 

 

 俺はその場でふて寝した。

 

 

 ③クロスがプロキシを使いこなす方法について

 

「おい、あからさまに分かりやすくやる気無くしたなあ、おい」

「チックショー……」

 

 何だよ中継機って。何だよプロキシだと使えないって。

 “ディメンション・ホール”絶対中継機利用した、輸送系が真骨頂の能力じゃねーか。

 少なくとも実践で戦闘中に頭グルグル回しながら活用する能力じゃねーよ、素人には無理だよもう。

 

「くっそう、プロキシ版“ディメンション・ホール”人気無いって理由、やっと分かってきた。輸送とかそっち方面の活用法知ってるなら、“やれる事かなり制限されてるもん”」

「まあ、能力が希少な上強力だからなあ。プロキシで再現出来る範囲も狭くなってるしな」

 

 くっそう……いや、プロキシでも使い道はありそうな能力だけどさあ……

 

「正直現状のままだと、“俺が実践中に活用はかなりやりづらい状態だ”。どちらかというと、事前工作か、不意打ちように割り切った方が良さそうだ。“何せ、操作性が悪すぎる”」

 

 そう、とても強力な能力なのは確かなのだが、如何せん操作性が素人に優しく無い。

 さっきも思ったように、二つのマウスを片手で同時操作するようなものだ。

 穴それぞれの座標を活かして操作しようとすると、途端に操作難易度跳ね上がりだ。

 

 “仮に穴が十分大きかったとしても、ワンヒットテストの時のようなレイスの動きの再現は、到底今の俺じゃ真似出来ない”。

 

「カイザー。お前がレイスにあの異常な反射神経仕込んだ理由がよく分かった。“反射神経で少しでも思考リソースを軽くさせる為だろう?” じゃ無いと、あんな能力実戦でとっさに使いこなせない」

「ほう、よく分かったな。大体その通りだ」

「しかもロッド両手持ちとか。絶対マネ出来る気がしねえ〜〜……」

 

 レイスの脳味噌どうなってんの? 

 もう俺だったら頭の中ごっちゃゴチャのグッチャグチャになる自信しかねえよ。

 

「くそう、我ながらなんか勿体ない。もっとこう、凄い使い道がありそうなのに、俺の脳味噌貧弱なせいで、このプロキシを実戦で使いこなせる気がしない」

 

 いやまあ、バックスタブ、設置ボム、ピンポイントガード、擬似映像ドローン。

 軽く思いついただけでも、十分プロキシにしては活用出来てるとは思うけどさあ。

 

 

「なんかこう……“もっと楽しそうなことが出来そうな気がするのが、もどかしい”」

 

「……ふむ」

 

 

 ふて寝したままの俺を軽く一瞥したカイザーは、ふと口元に手を当てて考え込み。

 

「まあ確かに、レイスの“ディメンション・ホール”はプロキシでも操作性は難しいからな。そう簡単に実践級の活用方法は見つけられないだろう」

「だよなあ……」

 

 

「だがまあ……“手軽でオススメの使い方なら一つあるぞ”」

 

 

「……お?」

 

 カイザーのその言葉に、俺はちょっと上体を起こした。

 

「ちょっとそのプロキシを貸してみろ……っと、スマン、ちょっと待て」

 

 カイザーが受け取る手を伸ばし、……かと思えば引っ込めて、懐から何かを取り出した。

 あれは……錠剤? 

 そのうちの一つを飲み込み、さらに懐から取り出した水で飲み込んでいた。

 

 いや違う、水じゃないポカリだあれ。

 あれ、薬ってスポーツドリンク一緒に飲んでいいんだっけ? 

 あんまり推奨されてないような……

 

「っと、またせたな。改めて、そのプロキシ貸してくれ」

「あ、ああ」

「ありがとう。では、見ておけ」

 

 

 そうして、カイザーは“ディメンション・ロッド”を左手で展開して。

 その杖を“右腕に沿うように構えた”

 

「貴様は、“座標を複雑に捉えすぎている”。もっとシンプルに──」

 

 そして────

 

 

 ☆★☆

 

 

 

「──とまあ、こんな感じだ。まあ実質両手を使うことになるが、比較的イメージしやすく、操作しやすい筈だ。ま、ある意味“ペン回し程度のテクニック”だが……」

「────────────────」

「……どうやら、十分手応えはあったみたいだな」

 

 ……俺は、カイザーが見せてくれたテクニックに、目が焼き付いて離れなかった。

 何というか、ものすごく派手という訳でもなく、とても強い能力の使い方、でもなく。

 

 

 “けど、とても。──面白そうだ、と思った。”

 

 

「……いい、いい! 凄くいい、カイザー! なんていうか、めっちゃ可能性が広がった気がする!?」

「それは何よりだ。“コツはさっき言った通りだ”。それを意識すれば、まあ貴様ならすぐに色々思いつくだろうさ」

 

 そう言って、カイザーはホラっ、とプロキシを軽く投げ返してきた。

 俺はそれを元気よく受け取った。

 

「……流石に長居し過ぎたな。今日のところは、我はもう離れよう。貴様はどうする?」

「もちろん、もっとここで練習する! いいもの見せてもらったばっかりだしな!」

「そうか。──あ、そうそう。“ティアーが後日貴様に用事があるそうだ”。後で連絡行くと思うから、通知を確認しておけよ。ではな」

「ああ! ありがとうカイザー!」

「っふ、期待しているぞ」

 

 ……そう言って、カイザーはアリーナから去っていった。

 

 俺はその背を見送った後、早速さっきの練習に取りかかった。

 

 

 もしかしたら……レイスとは別方向の、“便利な新技シリーズが出来るかもしれない!”

 

 

 俺はそう高揚して、その日は終日中、ずっと特訓に勤しんでいたのだった……

 

 


 

 

 ★佐藤聖夜(さとうせいや)

 23歳

 175cm

 黒髪

 中立・善

 

 主人公

【ジャスティス戦隊】のレッド。

 サンタクロース改め、サタン・クロス。

 

 プロキシの活用法方でずっと悩んでいたところ、カイザーからのアドバイスで何かを閃いた様子。

 手応えは十分あり。早く実践で試してみたいと思っている。

 いつの間にか賭けにされてた事は、実はよく知らない。まあ試験終了時のティアーのアナウンスで、何となく賭けの催しがあったんだろうなあ程度。

 

 レイスのプロキシで、レイスと同じことは出来ない。

 ならば、別方向で活用法を見つけ出すべきだ。

 そのヒントは、カイザーが既にくれている──

 

 

 

 ★カイザー

 22歳

 172cm

 紫髪

 混沌・悪

 

【カオス・ワールド】のボス。

 ティアーの幼馴染み。

 

 最近100万pt失ったボス。

 勝者には、それなりの見返りはあるべきだと思うタイプ。

 とは言え、直接戦闘ではまだまだ負ける気はしない。

 

 今回バラしたレイスの弱点も、実際にそこまで致命的な弱点とは言えないもの。

 1kmあれば近接での実戦では十分だし、中継機利用もほぼ動作のロス無し。

 ワンヒットテストの時も、利用しようと思えばいつでも中継機は利用出来た。

 

 “そして中継機を壊したとしても、一つや二つ程度なら影響が殆ど無い”。

 

 それこそ、国単位で壊さなければ、中継機利用停止は不可能だろう。

 だからそこまで気にせずサンタクロースに話したのが真相。

 ある意味、レイスを信頼していたからでもある。

 

 お薬飲むの面倒臭がり。

 戦闘関連での能力の思いつき方が得意なタイプ。

 

 

 ★レイス

 20歳

 162cm

 紅髪

 秩序・善

 

 三幹部の一人。お嬢様口調。

 通称、【次元のレイス】。

 

 今回スペックが色々はっきりしてきた人。

 

 “精度を保てて操作出来る距離は1kmまで”。

 “精度を気にしなくても、限界値4.4kmまで”

 “中継機利用すれば距離ほぼ関係無し”

 “組織内での輸送、在庫管理で大きく貢献”

 “輸送関連の専用部署発足、並びに正式に引き継ぎ済み”

 “脳味噌の回転速度がメッチャ速い”

 

 実際普段から気軽に中継機利用技使用出来るので、地球の裏側接続簡単と言っても本人にとっては間違いじゃない。

 輸送コスト、時間などの価値はしっかり理解しているタイプ。

 

 実戦より、組織管理、運営の力がレイスは得意方面となっている。

 

 今回のバラシで、直近の魂抜けるほどのエピソードの原因はひとまず落ち着いた形。

 

 

 ★プチレイス

 デスワー! 

 なんか気づいたら描写されていたもの。

 イメージ映像程度の存在なので、今後出たり、出なかったり? 

 実際には見えていません。

 深く気にしなくてよろしい。

 

 

 ★天野涙(あまのるい)

 22歳

 168cm

 青髪

 混沌・善

 

【ジャスティス戦隊】のブルー。

 兼、【カオス・ワールド】の幹部、“コバルト・ティアー”。

 

 中継機の案と設計図だした。

 

 

 




評価、感想くれると、作者はとても嬉しいです!

カクヨムでも評価くれると嬉しいです!

追記
ちょっとこの話のレイスの設定少し修正しました。
流石に一人任せにはしませんでした。

キャラクター人気投票第一回。どのキャラが現時点で人気かちょっと確認も兼ねてアンケート取ってみます。枠の関係で戦隊のみのグループがあります

  • 佐藤聖夜 | レッド/サタン・クロス
  • 天野涙 | ブルー/コバルト・ティアー
  • カイザー | ―
  • 大地鋼 | グリーン
  • 空雲雷子 | イエロー
  • 大地心 | ピンク
  • 空本神矢 | ―
  • トール | ―
  • レイス | 次元のレイス
  • ミクス  | ―
  • アイリス | ―
  • マッハ情熱戦隊
  • クロス戦隊
  • リトル・ブレイブ戦隊
  • ガリオ・リベンジャー
  • 赤城広人 | イフリート
  • 白原雪音 | イース
  • その他
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