ゲェェエティアァアア!   作:ならば来い! カルデアァァア!

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第4節 正義の味方

「──成る程な、大体分かったぜ」

 

状況を把握する為、僕達はクー・フーリンとの情報交換を終えた。

 

「にしても、ずいぶんとまあ……いや、何でもねぇよ」

 

意味深な事を言いながらチラリとこちらを見るクー・フーリン。

確かルーンで千里眼も手に入るんだったっけ。

何処まで知ってるんだろう。

ゲーティアを警戒してるしある程度は分かっているだろうけど……。

 

「アンタら、名前は?」

「僕は藤丸立香」

「そして私も藤丸立香」

「「2人合わせてぐだーずでーす!」」

「こんな状況だってのにノリノリだなアンタら。ま、うじうじされるよか良いんだがよ」

『それで、貴方の目的は僕達との共闘、と言うことでいいですね?』

「そういうこった。アンタらはこの異常を解決したい、俺は聖杯戦争を終わらせたい。目的は一致してるんだ、問題ないだろ?」

「相手がアーサー王と言うのなら戦力は幾らあってもいい。分かりました。貴方の提案を呑みましょう」

「そうと決まりゃ話が早い、早速行こうぜ」

 

話がサクサク進むなぁ。

僕が色々知ってたお陰でスムーズだ。

 

それから僕達は山の方へ向かった。

道中スケルトンに襲われたりもしたが、問題なく進むことが出来た。

ゲーティアは霊体化しているためいない。

戦闘経験を積む為、ギリギリまで手を出さないで貰うことにしたのだ。

いくらゲーティアが強いって言っても、アルターエゴの霊器だからね。

多分無双出来るのは5章までだろう。

それまでに強くなっておかないと。

その間彼には術式の改良をして貰っている。

完成はしているが、成功率を上げれるだけ上げておきたい。

 

「おう、信奉者の登場だ」

 

クー・フーリンはそう言って杖で前を指す。

そこに居たのは赤い外套を纏った男。

エミヤだ。

 

「相変わらず聖剣使いを守ってんのか、テメェは」

「信奉者になった覚えはないのだがね、つまらん来客を追い返す程度はするさ」

「ようは門番だろ? 永遠に終わらねぇゲームなんざ退屈だろ? どうなるにせよ駒を進めねぇとな? ここらで決着つけようや」

「その口ぶり、事のあらましは理解済みか。その上でそれとは、魔術師になっても性根は変わらないと見える。文字通り、この剣で叩き直してやろう」

「弓兵風情が何言ってやがる。いくぞ! 嬢ちゃん」

「はい!」

 

戦闘態勢に入り、構える2人。

シャドウなら兎も角、今の僕じゃサーヴァント戦にはついて行けない。

憑依経験にも限界がある。

なので、ここは後方支援に徹することにした。

 

「──投影(トレース)拡張強化(オーバーエッジ)

 

マシュが盾で攻撃を防ぎ、クー・フーリンがルーンで攻撃を飛ばす。

その様子を観察しながら投影を開始する。

 

「──憑依経験、共感終了」

 

これじゃダメだ。

ただの投影品ではサーヴァントに傷を負わすには足りない。

 

──基本骨子、補強

 

──構成材質、強化

 

──蓄積年月、加速

 

空中に投影された数多の剣。

それら全ての存在が高められてゆく。

 

「──工程完了(ロールアウト)全投影(バレット)待機(クリア)

「ガンドッ!」

「──停止解凍(フリーズアウト)全投影連続層写(ソードバレルフルオープン)!」

 

所長のガンドによって動きを止められたエミヤに、多種多様な刀剣が降り注ぐ。

砂埃が舞い、エミヤの姿が見えなくなった。

攻撃を警戒し、集中する。

どうせ大して効いてないだろう。

 

「ふん、贋作の贋作、と言う訳か。創造理念、基本骨子、構成材質、どれもよくできている。だが、残念だったな。サーヴァントに傷を通すには、これでも足りん。せめてこれが宝具であれば、話は違っただろうに」

 

強化が甘かったか。

少し位は削れてると思ったんだけどな。

そこに、クー・フーリンが突撃する。

 

「オラァ!」

「魔術師になって知性が上がったのではなかったのかね」

「頭の出来と、趣味嗜好は別ってなぁ!」

 

双剣を巧みに手繰るエミヤと、杖を槍のように扱うクー・フーリン。

速すぎる。

最早僕には介入出来ない。

目で追うのもやっとで強化魔術をかけるのが精一杯の支援だ。

そうして数分の攻防が続き、遂に状況が変化する。

 

「では、そろそろ終わらせるとしようか」

 

エミヤがそう口に出すと、その場を支配する空気が変わる。

 

I am the bone of my sword(我が骨子は捻じれ狂う)

 

エミヤは投影した剣を弓につがえた。

それを視界に収めた瞬間に理解する。

それはダメだと。

その神秘が発する圧力に、呑まれてしまった。

マシュの盾では防げないと思ってしまった。

擬似展開でも出来るのならば、話は違っただろう。

だが、今のマシュではダメだ。

このまま防ごうとすれば死んでしまうだろう。

 

──マシュが、死ぬ?

 

ダメだ。

それは何があっても阻止しないと。

 

「──投影(トレース)開始(オン)

 

──創造理念、鑑定。

 

──基本骨子、想定。

 

──構成材質、複製。

 

「っ! かはっ!」

 

体が負担に耐え切れず、吐血する。

身に余る力だ、それも当然と言える。

確かに僕の投影は『無限の剣製』だ。

だが、何処まで行っても劣化品でしかない。

投影した物は、永遠には残らず、宝具の投影も不完全。

それを膨大な魔力で強引に補っているに過ぎない。

剣以外の投影なら尚更だ。

その代償が訪れる。

肉は内側から引き裂かれ、刃が身体から突き破る。

 

「先輩!」

「問題ない!」

 

痛い(耐えろ)

ここで止める訳にはいかない。

痛い(我慢しろ)

無理を押し通してでも、継続する!

痛い(堪えろ)

 

──製作技術、模倣。

 

──成長経験、共感。

 

──蓄積年月、再現。

 

「『偽・螺旋剣・改(カラドボルグ・オーバーエッジ)』!」

「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!」

 

空間を穿つ剣が放たれる。

その脅威に対抗するべく、4枚の花弁が開花した。

それは全てを破壊する剣の猛攻を食い止める。

少しづつヒビが入ってゆき、1枚、また1枚と花弁が割れる。

そして、遂に全ての花弁が割れた。

 

だが──

 

「マシュ! 『瞬間強化』!」

「はぁぁああ!」

 

確かに減衰したそれを、マシュの盾が防ぐ。

 

「考えたな花の魔術師……! まさかその宝具にそんな使い道があったとは……! だが、まだだ──ぬっ!?」

「残念だがコイツで終いだ、アーチャー。焼き尽くせ、木々の巨人!『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!」

 

木造の巨人、その片腕が大地より現れ、その剛腕でエミヤを拘束する。

そしてそれは炎を纏い、エミヤごと焼き尽くした。

 

「くっ……!」

「全く、無茶をする。『変成の時来たれり』」

 

ゲーティアがそう唱えると、魔術回路の暴走は収まり、一瞬にして傷が癒える。

あー、きっつ。

死ぬかと思った。

痛みを感じなくなるよう暗示かけてたんだけどな。

暗示苦手だからなぁ。

効果あるか知らないけどかけ直しておこう。

 

僕達は少し休んだ後、洞窟へ入った。

休憩の時には無茶をするなとみんなに叱られちゃったよ。

そして、円蔵山・柳洞寺地下、『龍洞』。

大聖杯の存在する大空洞へとたどり着いた。

 

「これが、大聖杯……」

 

凄い術式、僕でも凄さが分かるレベルだ。

でも、今はそれは気にしている余裕は無い。

聖杯の存在する崖を見上げる。

そこには、漆黒の騎士が佇んていた。

 

「……なんて魔力放出。あれが、本当にあのアーサー王なの?」

『こちらでも確認した。変質しているようだけど、あの霊基は間違いなくセイバー・アーサー王だ』

 

途轍もない魔力だ。

これが竜の炉心と聖杯による魔力か。

荒々しい魔力が迸っている。

 

「──ほう。面白いサーヴァントと人間がいるな。元とは言え獣と契約するとは」

 

ゲーティアが元ビーストである事も理解しているのか。

いや、それもそうか。

冠位指定(グランドオーダー)とか言ってて色々知ってそうだったし、ゲーティアの事を知っててもおかしくない。

とはいえ今のゲーティアってロマニ姿なんだけどな。

 

「なっ!? テメェ、喋れたのか!? 今までだんまり決め込んでやがったのか!?」

「あぁ、何を語っても見られている。故に案山子に徹していた。だが──面白い。その宝具は面白い」

 

その言葉と共に、魔力の放出が一層激しくなる。

 

「行くぞ、名も知れぬ娘。その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう!」

 

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