KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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1人しか出られない部屋

俺達はこの異世界で悩める人達の依頼を解決する『カレコレ屋』を運営している。

 

今日の依頼人は身なりのいい、お金持ちの女性だった。

 

 

「この間ウチの主人と山でキャンプした帰り、別荘によさそうな建物を見かけまして・・・。なんとしても手に入れたいのに持ち主の方々が中々譲ってくれないんです・・・。」

 

(ム、香水の匂いがすごいな。)

 

「その持ち主を説得してほしいって事ですね。」

 

 

それは一向にかまわないが、意外に距離が遠いな。俺なら数分で行けるが、2人と一緒だと結構時間かかりそうだ。

 

まぁ、楽せずにのんびり歩くのも悪くないか。

 

 

「わかりました。とりあえず私達で話しに行ってみます。」

 

 

ヒサが依頼を了承し、俺らは早速別荘がある山奥へと出発した。

 

 

 

 

 

移動してから数時間。日が沈み夜になってしまった。

 

目的の別荘に着いた俺達。建物は大きく立派な四角い家だった。

 

 

「この建物か。すごい家だな。」

 

 

いかにもセレブが気に入りそうなところだ。ブルマだったら絶対買うと思う。

 

しかし、建物の中、かなりの人数が居るな。それに、中に依頼人の気を感じる。

 

もしかして、俺らは何かに嵌められたのか?

 

念のため保険を掛けておくか。

 

 

「それじゃあインターホン押すね。」

 

 

俺が保険を掛けている間、ヒサがインターホンを鳴らした。

 

 

『どちら様ですかな?』

 

「ちょっとご相談があって来たんですけど・・・。」

 

『お入りください。』

 

「お前ら、念のため用心しろよ。」

 

「え?」

 

「ム?どいうことだ?」

 

「この家、何か怪しいって事だ。」

 

「・・・っ」

 

「・・・わかった。用心しよう。」

 

 

ドアが開き、俺らは家の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案内された場所は、広い部屋に、真ん中の壁に大型の画面が付いてあった。

 

 

「すっご!めちゃくちゃ広い!」

 

「こんな簡単に入れてもらえるって、ますます怪しくなったな。」

 

「親切な人かもしれないぞ。・・・・ん?」

 

「どうした?」

 

「いや・・・この匂いどこかで・・・。」

 

『た、助けて!』

 

シディが何かを言いかけたところで壁に付いた画面がつき、依頼人とその横に男性が縛られ黒服が複数人背後に立っていた。

 

 

「なにこれ!?」

 

「そうだ!さっきの匂いはあの依頼人の香水か!」

 

「って事は、俺らはここの主に嵌められたって事か。」

 

 

予想外だったのは、依頼人もグルだと思ったが映像を見る限り違ったようだ。

 

 

『ようこそ諸君。彼女には君たちをおびき寄せるエサになってもらったのだよ。』

 

「旦那さんを人質にして、嘘の依頼をさせたって訳か。」

 

『クックック・・・。察しがいいな。』

 

『ごめんなさい。ごめんなさいっ!』

 

『さて、諸君に来てもらったのは他でもない。とあるゲームに参加ししてもらいたくてね。』

 

 

断りたいところだが、参加しなければ人質の命はないって事だ。

 

今は乗るしかないな。

 

今はな。

 

 

「何をすればいいんだ。」

 

『まずはそのフロアの3と書いてある部屋に入りたまえ。』

 

 

俺らは指示通りに3フロアの部屋に入った。

 

そこは三角形の形をした部屋。壁際には足枷が三つ。一か所の壁には机が設置され、物が置かれており、壁には所々血が付いていた。

 

 

「何なのこの部屋・・・。」

 

「血の匂いがするな。」

 

 

いかにもデスゲームっていう部屋だな。

 

 

『それぞれ三角形の頂点へ行き、足に鎖を繋たまえ。』

 

 

俺らはそいつの指示通りに足に鎖を付けた。

 

 

「んで、俺らをこの部屋に繋ぎ止めてどうするつもりだよ。」

 

『それではルールを説明しよう。その部屋にはゲーム開始から30分後、致死性の毒ガスが流れ出す。吸えば約1分で死亡という強力なものだ。そこでだ、その毒ガスを吸わないで済む方法を用意した。』

 

 

毒ガスと聞いて、俺は机の上にある物を見た。それはガスマスク。しかも一つと来たもんだ。

 

 

「要するに、ガスマスクを得るために争え、って事か。」

 

『その通り。君たちにはこのガスマスクを巡るデスゲームをしてもらいたい。』

 

 

悪趣味なゲームを考えたもんだ。

 

 

「どーするカゲチヨ?この鎖やドアを壊せば逃げられるが・・・。」

 

『あぁちなみに、天井のカメラや鎖などその部屋にある物を破壊した場合もあの夫婦の命はないと思いたまえ。』

 

「だとさ。」

 

今の声量でも聞き取れるか・・・。まぁ関係ない事か。

 

『そこの中央にあるアイテムは好きに使ってくれていい。自分以外の二人を殺すも良し!仲間を助けるため自ら犠牲になるも良し!さぁゲームスタートだ!』

 

 

残念ながら、こんなクソゲームに付き合うつもりはない。俺は壁に寄りかかりながら機会を待つ。

 

 

「マスクは1つ、どうしたら3人でここから出られるかな。」

 

「依頼人の夫婦も救出しなければ。」

 

「カゲ、何か案はない?」

 

 

ヒサが俺にそう言ってくる。

 

 

「しばらく機会を待て。それしか言いようがないな。」

 

「機会って・・・何もしないって事?」

 

「そーいうことだ。」

 

「カゲチヨの事だ。何か考えがあるのだろ?」

 

 

お、察しがいいな。だがカメラで覗き込んでる奴らに悟られてはいけないため・・・

 

 

「さぁな。」

 

 

俺は言葉を濁すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

ゲームが開始してから数分が経った。

 

さて、そろそろ行動に移るか。

 

俺は足の鎖をへし折った。

 

 

「カゲ!そんなことしたら依頼人達が!!」

 

「ここから出るぞ。もう用は済んだ。」

 

「え?」

 

『おい、私は言ったはずだ!天井のカメラや鎖などその部屋にある物を破壊した場合もあの夫婦の命はないと!2人がどうなってもいいのか!?』

 

「好きにしなよ。その夫婦がそっちに居ればの話だがな。」

 

『なに!?どういうことだ!!』

 

『み、見張りの者がやられて、人質が居なくなっています!!』

 

『な、何だと!?』

 

 

さっきまでの余裕声が一変して焦った声が鳴り響く。

 

 

「ど、どういう事だ?」

 

「俺はこの建物に着いた時、依頼人の気配を感じた。怪しいと思って、保険を掛けて・・・・。」

 

 

説明しつつドアを開けると、そこにはもう一人の俺が居た。

 

 

「か、カゲが2人!?」

 

「カゲチヨは双子の兄弟が居たのか!」

 

「違う。」

 

「じゃあドド、ドッペルゲンガー!?」

 

「それも違う。」

 

 

2人の発想に呆れつつもう1人の俺の正体をバラす。

 

 

「俺の能力で作った分身体だよ。」

 

 

そう、俺は分身体を生み出し、建物の外へと待機させて、事情を聞いた後即行動。依頼人の気を探し、黒服どもを蹴散らして救出って事だ。

 

ピッコロと天津飯の技を真似てみたが上手くいったようだ。

 

 

「なんか・・・何でもありだね。」

 

「カゲチヨはすごいな!」

 

「呆れも褒めもいいから、早く依頼人を外へと連れだして、警察に通報してくれ。」

 

「カゲチヨはどうするんだ?」

 

「こんな下らないゲームを考えた奴らにお灸をすえに行くのさ。」

 

 

奴らの居場所は気で探して分かった。

 

このまま突入させてもらう。

 

依頼人を2人に任せて俺は気が多い場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、このゲームの主催者であろう老人の怒号が鳴り響く。

 

 

「あの小僧!!私のデスゲームを台無しにしよって!!このまま無事に生かして帰さん!!おい!!あの小僧どもと夫婦を処分するんだ!!」

 

 

すると、室内が揺れ始める。

 

 

「な、なんじゃこの揺れは!?」

 

「じ、地震!?」

 

 

大きな揺れに動揺する一同。

 

地面に亀裂が走り、そこからカゲチヨが腕を組みながら上がってきた。

 

 

「よう。高みの見物気分は味わえたか?」

 

 

そう老人を挑発するかのようにニヤけ顔を浮かべる。

 

 

「き、貴様ぁ!!その力、異宙の力だな!!」

 

「教える義理はないね。」

 

「ぐぬぬぬ!!そいつを撃ち殺せ!!」

 

 

黒服達が拳銃を出し、カゲチヨに向かって発砲するが指一本で黒服達の方へと弾丸を弾き返し、返ってきた弾丸が身体の一部に当たり黒服達は倒れる。

 

 

「さぁ。後はアンタだけだ。大人しく捕まるんだな。」

 

「ぐっ・・・・こううなったら・・・。」

 

 

老人は椅子に付いてるボタンを思いっきり押した。その瞬間、天井からガラス板がカゲチヨと老人の間に降りてきた。

 

 

「・・・んだこれ?」

 

「ふふふ、こいつはな。どんな異宙の攻撃も無効化する特殊のバリアガラス!!しかも、触れただけでどんな凶暴な生物も感電してしまう高圧電流が流れているのだ!!」

 

 

高笑いする老人の言葉など無視してカゲチヨはガラスの前まで歩き出す。

 

 

「貴様がどれだけ強かろうとこのバリアは破れん!その隙に逃げさしてもらおう。」

 

 

カゲチヨから背を向け、逃げようとした老人だったが、カゲチヨは人差し指を出し、

 

 

ブスリ

 

 

っとガラスを貫いた。そして・・・・

 

 

パリーン!!

 

 

っとバラバラにガラスが砕け散った。

 

電流なんて、五星龍に比べりゃ静電気みたいなもんだったため、カゲチヨにとってはただのガラス板だった。

 

ガラスが割れた事で、目ん玉が飛び出そうな表情して驚く老人に近付き・・・。

 

 

「んじゃ。大人しく捕まろうか。おじいちゃん?」

 

 

っと呟いて首に軽く手刀を入れ、気絶させた事を確認して、担いで外へと連れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カゲ!!」

 

「無事か!!」

 

「あぁ。」

 

 

俺はヒサ達の元へと老人と共に来た。

 

 

「この人・・・。」

 

「このデスゲームの主催者だ。」

 

「こんな老人が・・・・。」

 

 

本当、どんな年を食ったらこんなことしようと思えるのやら。

 

刺激が欲しかったにしろ、人の命で弄ぼうとするその思考は老人だろうと許さないがな。

 

 

「あの、助けてくれてありがとうございました・・・!」

 

「俺はあなたもこいつのグルかと疑った。礼を言わなくていい。」

 

「気にしないでください。こいつ照れてるだけなので。」

 

「照れてねぇ!」

 

 

数分後、警察が駆け付け老人や黒服達を連行し、この事件は解決した。

 

 

 

 

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