KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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新キャラのヨーメイ

今俺達の前に、紫色の頭髪に片目を隠した女の子が座っていた。

 

 

「・・・・」

 

「「「・・・・」」」

 

 

もう、何十分も黙った状態である。

 

 

「頼むからなんか喋ってくれ。流石に何十分も黙ってられるとこっちも困る。」

 

「まぁまぁ。」

 

 

呆れて溜息を吐く俺をなだめるヒサ。

 

そんな中、シディは依頼人に近付き目線を合わせる。

 

 

「ひぃぃぃ!!」

 

「大丈夫だ。俺達はお前に危害を加えない。喋れるまでいくらでも待つぞ。」

 

(それだと一日中喋らない気がするが・・・。)

 

 

何とか自分を落ち着かせるように、シディから目線をそらし、おどおどしながら話し出す。

 

 

「あの・・・あなたと・・・女性の方・・・。1回外に出てもらっても良いですか・・・?」

 

「?」

 

 

疑問に思いながらもシディとヒサは外へと出て、部屋の中には俺と依頼人だけになった。

 

2人を追い出して何だ?2人には聞かれたくない依頼内容なのか?

 

 

「フゥッ。落ち着きました。」

 

 

俺がそう考えてると、先ほどのおどついた雰囲気が一変して余裕の表情に変わる。

 

 

「わたしの名前はヨーメイです。」

 

「はぁ・・・。」

 

 

さっきと打って変わって普通に名乗ったなこの子。

 

 

「では依頼の話を・・・。」

 

「その前に、何で2人っきりになった?」

 

「喋れるのがカゲチヨさんだけだと思って・・・。」

 

「?さっきの2人じゃ駄目なのか?」

 

「あの二人はいわば格が高い人間です。顔面偏差値が高くて中身も優れていそうで人気者なんでしょう。そういう人の前にすると嫌われたくないって思って喋れなくなるじゃないですか?でも私が喋ったら醜い内面が滲み出てしまいます。つまりあの2人とは喋れないんですよ。」

 

「お、おう・・・・。」

 

 

昔の俺以上にネガティブな事をぺらぺらと語り出すヨーメイと言う依頼人。

 

 

「よーするに俺は嫌われてもいい存在だから平気に話せるって事か。」

 

「はい。その通りです。」

 

 

本人の前で失礼な奴だなこの女は・・・。

 

 

「あー・・・まぁいいや。それで?依頼内容聞いても?」

 

「私、今無職なんです。17歳、無職、彼氏無し、宿無し、どう思いますか?」

 

「どうって・・・。」

 

 

まぁ女の子が宿無しってのも危険な気がするが・・・。

 

 

「可哀想ですよね?助けてください。私の就職活動。」

 

「なるほどな。就職活動を手伝いを俺達にやってほしいと。」

 

「はい。でも見ての通り、私人と喋るのが苦手なので、その辺のサポートしてもらえたらと・・・。」

 

 

さっきの様子じゃあ面接するのは困難だな。百歩譲って受かっても、その後が心配だな。

 

 

「わかった。けどよぉ、どこに就職したいとか決めてる所あるのか?」

 

「はい!私は上のリサイクルショップに就職したいです。」

 

「リサイクルショップ・・・。」

 

 

意外だ。あそこ求人とか出していたのか。いつもオーナー1人でたまに俺達が手伝うぐらいだから従業員なんて要らないと思った。

 

 

「楽そうですし、私にもできそうだからです。」

 

 

いや、意外にあそこ楽じゃないぞ。昔の俺だったら扱き使われてヒーヒー言ってたからな。あの人、俺の事嫌いだからなぁ~。

 

まぁ嫌いだと思ってる人に無理に好かれる必要ないか。

 

 

「こんな私でも就職出来るようにサポートをお願いします。」

 

「ちなみに、その性格を変えようとは?」

 

「思いません!」

 

「胸を張って言うな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シディとヒサに依頼の説明して、ヨーメイの就活サポートが始まった。

 

 

「それじゃあまずが自己紹介から。」

 

「ヨーメイ17歳です。」

 

「今までの経歴は?」

 

「秘密です!」

 

「・・・自分の考える長所は?」

 

「ありません!」

 

「・・・・・・自分の考える短所は?」

 

「全部です!」

 

「受かる気あるのかお前は!」

 

「あ、カゲチヨさん。これ最初に伝え忘れたんですが、私褒めて伸びるタイプなんで。」

 

「知るか!!」

 

 

こんなに激しくツッコんだの精神と時の部屋での魔人ブウとゴテンクスの戦い以来だよ。

 

 

その後、ヒサとシディに丸投げして、俺はロットと共に農家作業をしていた。

 

 

「はぁ・・・こーしてるのが一番落ち着く。」

 

「どうしたの?悩み事?」

 

「まぁ~・・・悩み事っちゃ悩み事ではあるな。ちょっと性格に難のある奴の依頼を受けてな。」

 

「へ~。どんな人なの?」

 

「昔の俺以上のネガティブな奴。」

 

「僕、お兄ちゃんの昔知らないけど、そんなにひどいの?」

 

「まぁな。ほれ、取れたてのトマトだ。」

 

 

俺は、実ったトマトを収穫して1つロットに渡した。渡されたトマトを笑顔でかぶりつく。

 

「ん~おいしい~!何で兄ちゃんが作る野菜ってこんなにおいしいの?」

 

「愛情が入ってるからかな?」

 

「言ってて恥ずかしくない?」

 

「う、うるさい!////」

 

 

ヒサから『ヨーメイちゃんを家に泊めることにした。』っというメッセージが届いた。宿無しって言ってたっけ。

 

・・・あいつ、間違ってヒサの飯を食べないだろうな。

 

一応無事だけ祈っておこう。

 

 

 

 

次の日

 

カレコレ屋に来てみたらヨーメイがソファで横になって苦しんでいた。

 

 

「・・・食ったんだな。ヒサの飯・・・。」

 

「し、知ってたんなら言ってくださいよ・・・うぷっ。」

 

「いや、まさかヒサの家に寝泊まりするとは思わないからな。ほら、胃薬持ってきたから飲め。」

 

「あ、ありがとうございます・・・。」

 

 

念のために胃薬持ってきてよかったよ。

 

とりあえず今日一日はほぼヒサの説教で終わった。

 

 

別日、俺とヒサが学校にいる時、シディから電話が来た。

 

なんでもヨーメイはシディと共にスーツを買うことにしたそうだ。

 

 

『カゲチヨ、スーツはどれくらいするのだ?』

 

「あー少なくても2万から5万はするな。」

 

『ウム・・・。買い物で使って正直キツイな。』

 

「経費にするから領収書はキチンと貰ってきてくれ。」

 

『領収書だな!分かった!』

 

 

そう言って、電話を切った。

 

どうやら2人は洋服店へと出かけに行ったようだ。

 

 

「2人だけで大丈夫かな~?」

 

「小学生じゃないんだ。大丈夫だろ。」

 

「でもシディの頭は小学生くらいだよ?」

 

「・・・・だ、大丈夫だろ。多分」

 

「不安だ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日。

 

ヨーメイはスーツ姿でリサイクルショップの前に緊張して立っていた。

 

 

「・・・あ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

 

 

もう絵に描いたように緊張していた。

 

 

「ヨーメイちゃん大丈夫?」

 

「・・・はい。・・・・あの、よく考えたんですがやっぱり辞めましょう。」

 

 

散々準備して辞めようとしやがった。

 

 

「どうせ私なんて受からないですから受けるだけ時間の無駄です。辞めましょう!」

 

「いやいやいや、ヨーメイちゃん?」

 

「まだ何もしてないのに決めつけるのは早すぎないか?」

 

「カゲチヨの言う通りだ。それに『私なんて』は卑怯な言葉だ。」

 

「え?」

 

「それは自分が傷つかないための言葉だ。」

 

 

バッサリと正論を言うシディに一瞬言葉を詰まらせるヨーメイ。

 

 

「それはシディさんならそう言えるでしょ!!でもね!!私は違うんですよ!!」

 

「違わない。逃げるな。」

 

 

俺らは黙って2人の言い争いを聞いていた。

 

シディならきっとヨーメイを導くと信じて。

 

 

「うるさい!!私は顔も性格も良くないし、特技もないし、人にも好かれないし・・・。」

 

 

性格はともかく顔はいい方だと思うんだがなぁ~。俺がおかしいのだろうか?

 

 

「私なんて・・・何やってもダメダメなんですよ・・・。こんな私の気持ちなんて・・・。シディさんには分かりませんよ・・・。」

 

 

涙を流しながら自分の思いの丈をシディにぶつける。

 

 

「すまないが理解できない。」

 

「っ!!」

 

「だが、お前にはお前の気持ちがわかるのだろう?」

 

「は?」

 

 

ヨーメイに近付き指で涙を拭った。

 

 

「この涙は、『私なんて』を否定したくて流れてるんじゃないのか?」

 

「・・・っ!!」

 

「ちゃんと準備したんだ。きっと大丈夫さ。」

 

 

笑顔でヨーメイを見たシディ。そんなシディの顔が見れないのか、顔は俯いたままだった。

 

 

「・・・すみません。やっぱり面接受けます。」

 

「ウム。」

 

「別にシディさんに言われたから面接受けるわけじゃないですよ。」

 

 

そう口で言うもおそらくシディの言葉が響いたのだろう、面接を受けることを決意したヨーメイ。

 

 

「流石シディだな。こりゃあ惚れたかな?」

 

「カゲじゃあんな台詞出ないもんね~。」

 

「やかましい!」

 

 

ヨーメイは無事、就職出来るか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、ウチ求人出してないぞ。」

 

 

オーナーから無慈悲な言葉が飛んできた。

 

 

「「「~~~~っ!?」」」

 

「?」

 

 

シディ以外はショックを受けた。

 

今までの行動は何だったんだよ。

 

 

「何で一番大事な事調べてくれないんですか!?」

 

「いや!!求人出してっから依頼に来たと思うだろうが普通!!」

 

「私が自分一人で何か出来ると思わないでください!!」

 

「威張って言うな!!」

 

 

求人あるくらい調べてから依頼しに来いよそれくらい!!

 

 

「求人ってなんだ?」

 

「そもそも働く人を募集してなかったって事。」

 

「なるほど・・・。」

 

 

何かもう・・・色々と行き当たりばったりな気がするぜ。

 

 

「じゃあもう、就職面接じゃなくてバイトとしての面接でいいんじゃないか?」

 

 

呆れながらそう適当な事言うとシディと他3人がそれだ!っと声を揃えて出した。

 

 

「あぁ、それならアリだな。ウチに就職は出来ないが、バイトなら考えてやってもいい。カゲチヨにしてはいい事言ったな。」

 

「あぁ・・・どーも。」

 

(ツッコむ気力すら無くなってる・・・。)

 

 

ヒサから同情な目線を受けながら俺は手で目元を覆い隠す。

 

 

 

その後、ヨーメイはオーナーのリサイクルショップでバイトの面接をすることになった。オーナーと2人っきりで面接するため俺らは店の外へと出てヨーメイを待っていた。

 

 

「あ、ヨーメイちゃん!。」

 

 

数分で店から出てきたヨーメイ。

 

 

「どうだった?」

 

「あ、はい・・・。あの・・・合格だって・・・。」

 

「良かったー。」

 

「あと・・・家も2人と同じアパートを貸して下さるそうです。」

 

「2人?私達3人同じアパートに住んでるけど・・・。」

 

 

あ、そーいえばヒサに引っ越した事言ってなかったっけ?

 

 

「カゲチヨは夏休み中に引っ越したそうだ。」

 

「はぁ!?聞いてないんだけど!!何で教えてくれなかったの!?」

 

「い、いや。黙ってたわけじゃなくて言う機会を逃してただけだから・・・あ!俺用事思い出したは!それじゃ!!」

 

「あ!こら!!逃げるなぁ!!」

 

 

これ以上小言言われる前に、ヒサから逃げるのであった。

 

まぁ、逃げた所で別日に詰め寄られるんだろうな。ははは・・・・はぁ・・・。

 

 

 

 

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