何だか、俺の身体がおかしい・・・。
っというのも、なぜか気が使えないと言うか、肉体が昔のひょろがり状態に戻っていた。
どー言う事だいったい?
しかも、俺はカレコレ屋に居たはずだが何でヒサと一緒に制服着て登校してるんだ?
なんか、頭に靄が・・・。
「カゲ。数学の宿題やった?」
「数学の宿題?そんなの出てないハズだろ?」
「出てたよ!もーだらしないなぁー。・・・・え?」
前を向いたら、ヒサが車に轢かれた姿を間近で目撃してしまった。
「ヒサっ!おいヒサ!!しっかりしろ!!」
くそ!なんでこんな・・・!いつもならこんな事、すぐに助けられるのに・・・!!
「か・・・げ・・・。」
「ヒサ!クソ・・・!すぐに病院に・・・っ!」
くそ!気が使えねぇ!!何でこんな時に使えねぇんだよ!!
俺が悔やんでると、ヒサがの瞳が閉じられ息がしなくなった。
「ヒサ・・・?ヒサ!!・・・嘘だろ・・・目を開けろよ!!」
「カゲ、数学の宿題やった?」
「!!?」
な、何で・・・。ヒサはさっき車に轢かれて・・・。
俺はヒサの顔を抑えてまじまじと見た。
「か、カゲ!?な、何!?急にどうしたの!?////」
(轢かれた形跡どころか怪我一つない・・・どー言う事だいったい?)
「カゲ・・・?////」
「あ、あぁーすまん。今日も可愛い顔してるな。」
「も、もう!!何なの急に!!からかわないでよね!!」
すると、また車がヒサの方に来た。
「ヒサ!危ねぇっ!!」
ヒサの手を掴み俺の方へと引っ張って何とか事故を回避させた。
「あ・・・ありがとうカゲ////」
「あぁ。」
今度こそは何とか助け出したようだ。
だが何だ?この違和感は・・・。
「も、もう!いつまで抱き着いてるの!?////」
「あ、あぁすまん。」
「もう!何だか今日のカゲ変だよ?」
俺が変・・・そー言えば、何でヒサは俺が昔の肉体に戻ったのか疑問に思わなかったんだ?
先に前を歩いていたヒサを追いかけようとしたら、上に鉄骨が吊るされた縄が千切れ、下のヒサに落ちてきた。
「ヒサ!?」
走ったが間に合わずに、ヒサは鉄骨の下敷きになってしまった。
嘘だろ・・・なんでこんな・・・・っ。
「カゲ。数学の宿題やった?」
「っ!!」
まただ。
スマホの時間を確認したところ、そんなに時間が経ってない・・・いや、時間が巻き戻っている。
「・・・・・・」
「ちょっとカゲ聞いてる?」
「ヒサ、今日は別の道から学校に行くぞ。」
「え?なんで?」
「いいから。」
考えてる暇はねぇ。
さっきと同じなら、数秒後に同じ車が突っ込んでくる。
とにかくこの場から離れねぇと・・・。
別のルートで登校したおかげか、何とか無事に学校に着いた・・・が、正直安心はできない。そんな思考をしてる中、ヒサは呑気にミキとノリコに挨拶する。
ここは一体何なんだ。
何かループを引き起こすトリガーでもあるのか・・・?
「あ、おい!どこに投げてるんだよ!!」
「あ、危ない・・・!」
廊下でキャッチボールしてた男子がヒサにぶつかってしまい、窓ガラスが割れてヒサは3階から落ちて行った。
俺はその場から飛び出しヒサを庇って俺がクッション代わりに落ちて行った。
「か、カゲ!!カゲ!!」
「はは、背中がいてぇーや。」
あれ・・・何だか瞼が重く・・・・。
「カゲ!!カゲェーーーーー!!」
「カゲ。数学の宿題やった?」
またやり直しか・・・。
どうやらこの空間は俺とヒサ。
どちらかが死ねばループされる事になってしまう。
最初はヒサ以外が死ねばループが抜け出せる。
そう思ったが違ったようだ。
そもそもの話、高い所から落ちた所で俺は死ぬ事はない。
試しに血液操作しても能力が出せない・・・。
つまりこの世界は、夢の世界。
「っ!!」
突然激しい頭痛が走る。
どうやら俺の本来の身体の中にあるサイヤ人細胞が記憶を思い出させてくれたようだ。
俺とヒサは依頼人から催眠術の練習に付き合ってくれっと言う依頼を引き受けた。
そしてその催眠に掛かった俺達が眠りについた結果がこの死んでループする世界。
なら話は早い。
「ア”ー後でやるわ。先に片づけることがあるからな。・・・なぁ、そこのアンタ。」
「え?はい?」
ずっと通行人の振りして俺らの近くにいた白髪の男の胸ぐらを掴んだ。
「うぐっ!」
「テメェだな。このループする世界を作ったのは。」
そう。こいつが俺らを催眠した張本人。
「カゲ!?何してるの!?」
「な・・・何の話ですか!?ループする世界って・・・!」
「異宙の能力が使えないのと、俺の肉体が違う時点でここは現実じゃない偽物世界だって事だ。って事は悪意を持って俺達を閉じ込めてるやつがいるって事になるな。」
「何の話ですか・・・。妄想は一人でやってくださいよ!離してくださいよ!」
「離す?ふざけた事を。お前は俺らを・・・いや、ヒサを見てたんだろ?」
「っ!?」
「ヒサが死ぬ場所は毎回違うのに必ずお前が居た。正直に白状したらどうなんだ?」
「・・・はぁ、バレちゃ仕方がないなぁ。」
白髪の男を問い詰めると観念したのか、本性を曝け出し始めた。
同時に、俺ら以外の世界が止まっていた。
「大正解だよ。ここは僕が作り出した夢の中。君達を引き込ませて貰った。」
「こんな趣味の悪い事しようとした理由は。」
「単純だよ。ヒサメちゃんが死ぬところを見たかった。女の子が大切な仲間の前で死ぬ表情・・・!生への渇望!最高に唆るでしょ?」
悪趣味な野郎だぜ。自分の欲望のために俺らを、ヒサを狙ったって訳か。
救えねぇーな。
「お前みたいな性格な奴はやめろと言ってもやめないだろうな。」
「分かってるじゃないか。それにここが夢の中だと気づいたって意味ないんだよ?これは僕の夢なんだから、僕が夢から覚めようとしない限り出られない。そして僕は一生、この夢の中に居たいと願っている・・・。」
そー言う事ならこっちも考えがある。
「そんなに夢の中に居たいなら好きにすればいい。」
「何?言っておくけど君が何をしようともヒサメちゃんはこの世界で死に続ける!もう積んでるんだよ!!」
野郎がそう語り出すと同時に時が動いたかのようにヒサの前に車が突っ込んできた。
「お前がどんな形でヒサを殺そうとも・・・。」
そういってヒサを庇い代わりに俺が引かれ、男の前に倒れる。
「さぁ・・・こっから我慢比べ・・・だ。どっちが先に音を上げる・・・・かな。」
「カゲ・・・しっかりしてカゲ!!」
俺を心配するヒサを横目に野郎は呆れた表情をする。
「分かんない奴だなぁ・・・。夢だからって舐めてるのかもしれないけど、死ぬ痛みも苦しみも現実と全く同じなんだからさぁ~。辞めときなよ。それに君が庇ってもまた時間が巻き戻ってヒサメちゃんが死ぬんだからさぁ!!お前がやってることは無意味なんだよ諦めな!!あははははははははは!!」
俺を愚かだと嘲笑う野郎だが、こいつは俺の事、何一つ分かっていないな。
俺は諦めが悪くてしつこいんだ。
じゃなきゃ、サイヤ人やフリーザ、ブウ達と死ぬ思いしてまで戦ってねぇーよ。
こんな車に轢かれた程度の痛み、そん時に比べれりゃ屁でもねぇーぜ。
「お前の・・・目的はヒサの死を・・・見る事。だったら俺が代わりに死に続ければ・・・お前は楽しめなくなるよなぁ~?」
「な、何だよその地味ーな嫌がらせ。何の意味があんの?」
「あるだろ。俺は仲間のためなら命捨てる覚悟があるぜ。何千回何万回何億回。夢の中でどれくらい時間を過ごす事になるんだろうな?永遠に続くその不毛な時間の中、お前は耐えられるかな?言っただろ・・・こっからが我慢比べだってな。」
「お、お前本気で言ってるのか・・・!?」
「本気かどうか試してみるか?究極の我慢比べをよぉ!」
ここから俺は、何度もヒサを庇って死に続けた。
何度も
何度も何度も
何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
もう200回超えたあたりから覚えてないが相当何度も死んではループされているはずだ。
(くそ・・・これで何回目だ・・・?どれくらい時間が経った・・・!?いつまで・・・いつまで俺は、こんなクソつまらない夢の中でいればいい!?)
「どうした?表情が良くないぞ?俺はまだまだ余裕だぜ?」
(こいつ・・・折れるどころか何でそんなに余裕なんだよ!!)
「まだまだ1000回も行ってないのにもうギブか?ほら、もっと楽しもうぜ。」
骨を向きだしながら野郎に微笑むと、狂ったかのように頭を掻きむしり始めた。
「ぐわあぁぁぁぁぁっ!!イカれてる・・・っ!!イカれてんだよお前!!」
人の、特に女性の死を見て快感を覚えるお前よりはましだと思うがな。
「無理・・・っ!!もう無理だぁぁ!!この夢から・・・悪夢から覚める!!」
「・・・・・・」
周囲は見渡せばカレコレ屋の中だと分かった。
実際に能力も気も使える。
どうやら現実世界に戻れたようだ。
そして野郎も・・・。
「ク・・・クソ・・・!あんな男引き込むんじゃなか・・・」
「引き込んでも引き込まなくてもテメェの末路は変わんねぇよ。」
「ぐぇ!!」
野郎の首を掴んで壁に叩きつけた。
「あぐっあが・・・っ!?」
「さて、俺らを騙した代償を払ってもらおうか。」
「ひ・・・ひぃぃぃ!?」
「安心しろ殺しはしねぇ。ちょっと実験台になってもらうだけだ。」
「な、なにを・・・!?」
「今まで死んだ回数分の痛みをその身体で味わって貰おうか。」
「お、お願いします!!何でもしますからやめ・・・ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺がお前に使った自作のウイルスはサイヤ人やフリーザに使っても多少のフラつく効果しか出なかったものだ。
普通の人間に使ったらどうなるかな?
死ぬほどの激痛と共に苦しむがいい。
野郎を誰もいない場所へと捨てた後、ヒサが目を覚まし起き上がった。
「よぉ。おはよう。っと言ってももう夕方だがな。」
「あれ?私なんで・・・。」
「確か催眠術の練習台になって・・・。」
「その件は、失敗したからもういいって事で帰っていったぞ。」
「えぇーそんなー!催眠術結構楽しみにしてたのに・・・!」
まったく。能天気だな。
まぁ知らないままでいいか。
「ヒサ。」
「ん?」
「家まで送る。」
「えー?急にどーしたの?」
「どーもしてねぇーよ。女一人夜道歩かせたくなかっただけだ。」
「そ、そう?じゃあお願いしちゃおうかな!」
やっぱり絶望顔より、笑顔の方が断然いいな。