KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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迫り来る3人の凶暴戦士達

「えぇ!?シディと依頼人が攫われた!?」

 

「は、はいぃ~。げほっげほっ」

 

 

リサイクルショップ前にて帰ろうとしたカゲチヨとヒサメの前に息を切らしたヨーメイがシディと依頼人が攫われたことを報告してきた。

 

 

「いくらシディが夜に弱いって言っても、普通の人より強いはずだよ?」

 

「多分だが、依頼人を人質に取られて身動きが取れなかったんだろう。」

 

「か、カゲチヨのくせに察しがいいですね。」

 

「察しが良くて悪かったな。それで?シディ達はどこに行った?」

 

 

息を切らしながらも、ヨーメイはカゲチヨに対して嫌味を言ってくる。

そんなヨーメイに呆れつつ、シディ達が連れ去ったという場所を聞き出す。

 

 

「えっと・・・確か・・・ツルツルブスリ山だったような・・・。」

 

「何、その物騒な山。」

 

「おそらくヨーメイが言いたいのはツルマイツブリ山だ。」

 

「オーナー。」

 

 

店からオーナーが顔を出してきてヨーメイの台詞を訂正した。

 

 

「あそこは多くの巨大な氷山があってな、太陽の炎でも溶けない永久氷壁と呼ばれている山だ。」

 

「太陽の炎でも溶けないなんて・・・。」

 

「きっとガセですよ。太陽の炎で溶けないなんてありえませんよ。」

 

「それで、そのツルマイツブリ山はどこにある?」

 

「異宙の遥か北方にある。・・・行くのか?」

 

「あぁ。」

 

「私も行く!シディと依頼人を助けなきゃ。」

 

 

オーナーはツルマイツブリ山が載ってる地図をカゲチヨ達に渡した。

 

地図を持ち、カゲチヨはヒサメをおんぶして空へと飛んで行った。

 

 

「急いで行く!しっかり捕まってろよ!!」

 

「わわ!!は、早いよ!!もう少しスピード落としてぇぇぇ!!」

 

 

スピードを出した舞空術で、カゲチヨ達はツルマイツブリ山へと向かった。

 

 

「あ、あれ・・・私の目がおかしくなってるのでしょうっか?カゲチヨが空を飛んでる様に見えるんですけど・・・。」

 

「安心しろ。お前の目は正常だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

老人ことDr.コーチンによってツルマイツブリ山にある研究所に連れてかれ、暗闇の広場に放置されたシディ達。

依頼人は椅子に座らされ肘掛けに腕を拘束されていた。

Dr.コーチンは別の場所からモニターでシディを映し出し、見ていた。

 

しばらくして、痺れを切らせたシディは口を開いた。

 

 

「そろそろ。俺達をここに連れてきた目的を話せ。俺に用があるのなら、依頼人を帰してやってくれないか。」

 

 

シディの要件を無視し、Dr.コーチンはDr.ウイローに語り掛ける。

 

 

「Dr.ウイロー。あなたの指示通り陽狼を連れてまいりました。」

 

『早速かかれ。』

 

 

Dr.ウイローの命令に従い、スイッチを押して依頼人を椅子ごと移動させた。

 

 

「きゃ!!」

 

「なに!」

 

 

そして広場が揺れ、まるでエレベーターのように上へと上がっているような感じだった。シディは何が起きてるのか困惑しつつ警戒をしていた。

 

揺れが収まり、暗闇で辺りが見えなかった広場がライトに照らされて見えるようになった。

急な光の眩しさにシディは腕で顔を隠した。

 

照らされた広い場の扉の前から、3つの影が走ってやって来た。

 

 

「な、なんだこいつらは・・・。」

 

《またせたな陽狼。このわしDr.コーチンがバイオテクノロジーせいを集めて作り出した戦士達。》

 

「バイオテクノロジーだと?」

 

 

シディの前に現れた3人はDr.コーチンが作り出した凶暴戦士。

 

小柄で緑色の肌が特徴の「キシーメ」

 

薄いピンクの肌に巨体が特徴の「エビフリャー」

 

黄色く3人の中でも一番の巨体な「ミソカッツン」

 

 

この凶暴戦士たちの前に、シディは冷や汗を流した。

 

 

(こんな暗い室内では、ホルスの力が発揮できん。)

 

《陽狼!この世で一番強いと言うその実力を見せてもらおうか!》

 

「お前、いったい何を企んでる。」

 

 

凶暴戦士を警戒しつつ戦闘の構えをとる。

 

 

《ひゃひゃひゃひゃ!それでは・・・・ショータイムじゃ!!》

 

 

合図と共に、凶暴戦士たちは一斉にシディに襲い掛かる。

彼らの攻撃を避け、捌きつつ反撃を試みる。

 

そんな彼らの戦闘をモニターで見ていたDr.コーチンは信じられないと言う表情をしていた。

 

 

《これがDr.ウイローが言うこの世で一番強い男か。》

 

「ふっ!これならどうだ!!」

 

 

なんとか3人から距離をとって、最大の火炎をミソカッツンに放つ。腹に直撃するも、ミソカッツンの腹がゴムのように伸びて、そのままシディの方へと跳ね返してきた。

 

 

「なにっ!?」

 

 

予想外の事で驚き、跳ね返された火炎を避けたが、その隙にエビフリャーに攻撃を許してしまった。

 

 

「うっ、ぐあああああああああ!!」

 

 

エビフリャーに吹き飛ばされ、キシーメの電撃をまともにくらってしまったシディは倒れ伏してしまう。

 

 

「かはっ・・・。(強い・・・今の俺ではこの3人には・・・勝てない・・・っ。)」

 

《ふむ、ホルスの力を持ってるからどれほどかと思ったが・・・その程度か。》

 

 

少し残念がる表情を浮かべるDr.コーチン。

 

 

「俺が・・・最強?それは違うな・・・。」

 

《なに?》

 

 

ボロボロになりながらも、まだ意識があるシディは自分が最強だと否定する。

その言葉にDr.コーチンは驚きの声を上げる。

 

 

「た、確かに・・・俺の身体には・・・ホルスのDNAが・・・は、入っているが、俺以上に強い奴は・・・他に・・・も居るっ。」

 

『なに?それは本当か?』

 

 

突然、聞き覚えの無い声が聞こえたシディは驚きの表情を見せる。

 

 

「だ、誰だっ!」

 

《頭が高い!この方はDr.ウイロー様だ!!》

 

「Dr・・・ウイロー・・・。」

 

 

自分を呼び出した張本人の声を聞いたシディ。

この声の持ち主こそが黒幕なんだと悟った。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方Dr.コーチンが居る別室では、移動された依頼人が手首に鎖を付けられた状態で立たされていた。

 

 

「Dr.ウイロー・・・Dr.コーチン・・・・ツルマイツブリ山・・・思い出しました!!」

 

 

点と点が繋がったかのように大声を上げる依頼人。

 

放送から依頼人の声が聞こえ、まだ無事だとシディは安堵。

2人の正体を知るために黙って依頼人達の会話を聞いていた。

 

 

「不世出の天才科学者と言われたDr.ウイローとその助手のDr.コーチン!!」

 

「若いのによく知っておったな。褒めてやるぞ。」

 

「で、でも2人は50年前、突然の天候変のため一夜にして雪と氷の下に研究所ごと埋まってしまって、死んだずです!!まさにこのツルマイツブリ山で!!」

 

 

依頼人は、昔本で読んだ内容を思い出したが、なぜ2人が生きているのか謎だったため質問を投げかける。

 

 

「50年前、確かに雪に埋もれた。だがわしもDr.ウイローも死んではおらん!あれを見ろ!」

 

 

そう言って、Dr.コーチンが依頼人の後ろ斜めの方向に指さした。

 

そこには、壁に機械のようなものが埋まっていた。

 

 

「人類史上最強の天才科学者Dr.ウイロー様じゃ。」

 

 

その機械に透明なバイザーがついており、中には脳が入っていっていて透明な溶液で満たされていた。

 

 

「娘よ!見ての通りDr.ウイローの頭脳はこのように生きておるのじゃ!」

 

「自分勝手な研究を進めていた悪魔の科学者2人に天罰が下ったって書いてありましたのに!」

 

「黙れ!!わし達のレベルに人間どもの粗末な頭がついてこれなかったのじゃ!!」

 

「それにこのツルマイツブリ山は太陽の火でも溶けないと言われてます!!なのになぜ・・・!」

 

「ふん!異宙には条件を満たせば願いが叶いものが存在する。それを使って溶かしてもらったのじゃ。例えるなら、10万の命を生贄にして願いを叶える魔法書とかな。」

 

「なっ!」

 

 

Dr.コーチンは氷漬けににされたDr.ウイローと研究所を溶かすために、何年もの年月をかけて凶暴戦士を作り、魔法書を手に入れ、10万人の命を生贄に捧げ、願いを叶えることに成功させた。

 

その際に、役目を終えた魔法書は砂となって消えていって、もう手に入る事は無くなった。

罪のない多くの人たちの犠牲にしたと知り、シディは歯ぎしりをする。

 

『陽狼よ。』

 

「!?」

 

 

2人の言い合いを他所に、Dr.ウイローはシディに語り掛ける。

 

 

『貴様のこの世で強い奴は誰なのじゃ。』

 

 

その質問に自分の中のこの世で一番強い奴の名をあげた。

 

 

「カゲチヨだ。」

 

『カゲチヨ・・・。』

 

 

口から出た人物がカゲチヨだと知ったDr.ウイローとDr.コーチンだったが、少し間を置いてDr.コーチンは大笑いしだす。

 

 

「カゲチヨとは腐血の事じゃったか!!面白いジョークじゃ!!わしが貴様を探すのにカレコレ屋の事を調べていないと思ったか?すでに残り2人の事は調べておる。腐血のカゲチヨと氷電のヒサメ、貴様を含めた3人の中でも腐血は最弱!雑魚中の雑魚ではないか!!」

 

「ふ、それはどうかな?カゲチヨは俺より強い事は、そこに居る依頼人が知っている。」

 

「何じゃと!?」

 

「は、はい。私が作った戦闘力可視化装置で、シディさんはやヒサメさんは3000越えに対して、カゲチヨさんは数値化できずに壊れてしまいました。数値化の限界値は9999。それを壊せるって事は少なくても強いと思われます。」

 

『それが本当なら・・・面白い。そいつは今どこにいる。』

 

 

依頼人の話を聞いて興味を示したDr.ウイローはカゲチヨの所在地を探そうとする。

 

 

「カゲチヨを探してどうするつもりだ。」

 

 

フラフラになりながらも、なんとか立ってDr.ウイローの目的を聞き出そうとする。

その質問に、ニヤけた面を浮かべたDr.コーチンが答えた。

 

 

「この世で一番優秀な頭脳であるDr.ウイローがこの世で一番強い奴の肉体に乗り移り復活するのじゃ!!」

 

「何!?」

 

 

つまりそれは、カゲチヨの頭の中にDr.ウイローの脳を移植するって事になる。

 

素晴らしい事じゃないかと高笑いするDr.コーチンにシディは怒りの表情を見せる。

 

 

「ふざけるな!俺の仲間の身体を好きにさせてたまるか!!」

 

「これは光栄な事なんじゃぞ!!Dr.ウイローは永遠に君臨するのじゃ!!」

 

『私の偉大さを変人扱いし、決して認めようとせず徹底的に葬り去った人間どもを今こそ私の科学力で支配し復讐してやるのさ。』

 

「お前が辛い思いしたのはわかった・・・だが、だからと言って関係ない彼女を巻き込み、カゲチヨの身体を奪い取ろうとするのはゆるせん!」

 

「黙れ若造!!もう貴様には用は無い!!とっととくたばるがいい!!」

 

 

Dr.コーチンの合図で凶暴戦士はシディに襲い掛かる。傷だらけで動きが鈍くなってしまってるが、それでも3人の攻撃をいなし、隙を見てエビフリャーを吹き飛ばす。

 

しかし、ミソカッツンに殴られ、壁に激突しそのまま床の無い所へと落下してしまった。

高い所からの落下により、普通の人間だったら死んでいただろう。

だがシディは、なんとか落下衝撃を最小限に抑えて、そのまま倒れてしまった。

 

シディが落下した姿を見て、依頼人は心配の表情を浮かべ腰を抜かした。

 

 

「シディさん!!」

 

「これで陽狼はおしまいじゃな。」

 

『・・・っ!?待て!!』

 

 

待ったをかけたDr.ウイローは研究上に近付いてくる強い気配を感じ取った。

遠距離でモニターを操作し、外の監視映像が映し出された。

 

そこには、ヒサメを背負って舞空術でやってきたカゲチヨだった。

その様子に依頼人は笑顔をになり、安心感を抱く。

 

 

「カゲチヨさん!!ヒサメさん!!」

 

「何!?」

 

『すごい気配だ。腐血のカゲチヨ。確かにわしの身体に相応しい男かもしれんぞ。』

 

 

しかもカゲチヨは強いだけではなく吸血鬼とゾンビのDNAを持つ混血児。心臓と脳を同時に潰されない限り再生ができる死なない身体。

 

つまり最強の力と不老不死の身体を同時に手に入れる事が出来る。

手に入れないわけがない。

 

 

 

 

 

 

地図とシディの気を頼りに、研究所の前まで辿り着いたカゲチヨ達。

 

 

「なにこれ?」

 

「でけぇな。研究所・・・みたいだな。」

 

《お前が腐血のカゲチヨか。》

 

 

研究所のスピーカーから、Dr.コーチンの声が話しかけてきた。

 

 

「そうだ!シディと依頼人はどこだ!」

 

《我が要塞の一番奥じゃ!来れるものなら来てみるがよい!!》

 

 

ゆっくりと地面に降りて、研究所の大きな扉前でヒサメを降ろした。

Dr.ウイローはカゲチヨの実力をどれほどか楽しみにしつつ、研究所の扉を開門させた。

 

 

「カゲ、これきっと罠だよ?」

 

「分かってるさ。でも罠と知って行かない訳にはいかねぇーだろ。」

 

「そー・・・だね。」

 

「覚悟していくぞ!」

 

「うん!!」

 

 

カゲチヨとヒサメは警戒しつつ扉の奥へと入っていた。

 

 

中にはシディをも苦戦させた凶暴戦士達のが待ち受けてるとも知らずに・・・・。

 

 

 

 

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